京都記念

京都記念コース解説(阪神芝2200m)

阪神芝2200m内
阪神芝2200m

2021年、2022年に続き本年も京都競馬場整備工事による開催日程の変更により阪神競馬場で京都記念は開催されます。

京都記念が開催される阪神競馬場は開幕週です。

1月中旬より約2週間保温シートで養生されましたが、冬場の芝の生育は鈍く、一部不揃いな箇所も見られます。

また、芝張替を行っていない箇所においてはベースとなる野芝が休眠期に入っているため、昨年末までの競馬による傷みが残ったままの状態です。

阪神競馬場芝内回りAコースの1周距離は1,689m、幅員は24から29m、直線距離は356.5m、高低差は1.9mです。

阪神競馬場芝2200m内回りはタフな消耗戦になる傾向が高いコースです。

スタート地点は外回りコースの4コーナー出口付近になります。

1コーナーまでの距離は525mと十分な距離があり、直線半ばで1回目の急坂を上ります。

1コーナーから2コーナー、向こう正面まではほぼ平坦で、3コーナーの途中から4コーナー、直線の半ばまで緩やかに下っていきます。

ゴール前の直線が359.1mと短く、残り約190mから70m地点に1.8mの2回目の急坂を上がり残り70mを全力で走ってゴールします。

直線が359.1mと短いことから、早め仕掛けのロングスパート合戦になり、前半は中団以降に待機していた有力馬が早めのロングスパートを仕掛けて進出してきます。

阪神競馬場芝2200m内回りは、後方からの直線一気では届きにくく、中団より前目から上がり3F最速で一瞬の瞬発力を使っている馬が好走しています。

レース全体の上がりの時計がかかりやすく、コース形態上、単純なスローペースの上がり勝負にはなりません。

ゴール前の残り約190mから70m付近に高低差1.8m、勾配率1.5%の2回目の急坂が待ち受けます。

終始息が入りづらく、脚をためにくく、スタミナ消耗戦になります。

パワー不足の先行馬がゴール前の急坂で失速することもあり、逃げ馬には非常に厳しいコースです。

京都記念は、器用なコーナーワークで距離ロスを最小限に抑えて走れる器用な脚、狭いコーナーでの機動力、馬力、短い直線で一瞬の末脚と独特の内回り適性能力が求められます。

【京都記念2023予想】データ分析と傾向

京都記念
京都記念

2021、2022年に続き本年も阪神芝2200mで開催されますが、例年の京都開催も含めた過去10年を対象に分析します。

京都記念過去10年人気別成績

1~2番人気【2.3.5.10】連対率25.0%・複勝率50.0%
3番人気が【2.4.1.3】複勝率70.0%
6番人気は【4.0.2.4】複勝率も60.0%
7番人気以下は【1.1.0.52】

昨年の阪神開催が12→8→6番人気で3連単67万馬券と荒れました。
京都記念は荒れ気味の傾向があります。

京都記念過去10年年齢別成績

4歳【3.6.2.20】複勝率35.5%
5歳【5.0.5.17】複勝率37.0%
6歳【1.3.1.23】複勝率17.9%
7歳以上【1.1.2.24複勝率14.3%

4歳と5歳が中心になりますが
6歳以上も結構馬券に絡んでいます。

京都記念過去10年前走クラス別成績

G1組【6.5.8.19】で複勝率50.0%
G2組【2.2.2.35】複勝率14.6%
G3組【2.2.0.17】複勝率19.0%
オープン特別組【0.1.0.10】
3勝クラス組【0.0.0.3】

前走G1組で半年以上休養明けの馬は0勝
半年以内の前走G1組が中心

【京都記念2023予想】本命馬5選情報

京都記念
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【ドウデュース】国内なら勝ち負け

父ハーツクライ。母ダストアンドダイヤモンズ。母の父Vindication。

朝日フューチュリティステークスは34秒5の最速上がりの末脚で豪快に差し切り1着。

皐月賞は後方14番手から33秒8の最速上がりの末脚を使いましたが届かず3着。

日本ダービーは、後ろ目のポジションから勝負所で外へ出されていき、直線は外から一気に伸びて抜け出し、外からイクイノックスが迫ってくると勝負根性を見せて抜かせず優勝。

武豊騎手は日本ダービー6勝目を挙げました。

ニエル賞4着、凱旋門賞19着は、重馬場で本来の瞬発力が発揮できる馬場ではなく敗退しました。

日本ダービーでは、後に天皇賞秋有馬記念を制覇したイクイノックスを抑えて勝っている実力から国内開催のレースなら、勝ち負けは必至です。

【エフフォーリア】今年が正念場

父エピファネイア。母ケイティーズハート。母の父ハーツクライ。

一昨年は、皐月賞1着、日本ダービー2着、天皇賞秋1着、有馬記念1着と大車輪の活躍で年度代表馬に選出されました。

しかし昨年は大阪杯9着、宝塚記念6着、有馬記念5着と苦戦を強いられています。

昨年の不振の原因は3歳時の激走で馬がズブくなっているのか、疲労が抜けていなかったのか、原因は定かではありませんが5歳の今年が正念場で、今年に飛躍に期待です。

【インプレス】成長力

父キズナ。母ベアトリスII。母の父Dr Fong。

前々走の兵庫特別(2勝クラス・阪神芝2400m)は、控えて後ろ目のポジションを追走、後半上がっていき、直線で外から34秒3の最速上がりで追い込んで、内の馬を外から交わして1着。

前走の尼崎S(3勝クラス・阪神芝2400m)は、道中は後ろ目のポジションに控えて脚をため、直線は外から32秒8の最速末脚で追い込み内の馬を交して1着、阪神芝2400mで連勝しました。

3歳時は馬の成長を促すローテーションで、馬への負荷を抑えていたことで、明け4歳の今年は成長力が見込めそうです。

【キラーアビリティ】ムルザバエフ騎手騎乗

父ディープインパクト。母キラーグレイシス。母の父Congaree。

一昨年のホープフルステークスを3番手の絶好のポジションから、直線上がっていき、先行馬を交わして抜け出し1馬身半の差をつけて快勝しました。

その後は皐月賞13着、日本ダービー6着、アルゼンチン共和国杯8着とひと息でしたが、前走の中日新聞杯(G3)は、フルゲートの最内枠からスタート出遅れ後方馬群の内目で追走、直線でやや外へ出され馬郡を割って抜け出し勝利しました。

京都記念では、ムルザバエフ騎手と新コンビを組む予定で、更にパフォーマンスを上げてくる可能性は十分にあると思われます。

【マテンロウレオ】内回り巧者

父ハーツクライ。母サラトガヴィーナス。母の父ブライアンズタイム。

昨年きさらぎ賞を35秒0のメンバー中最速上がりの末脚で差し切って優勝。

阪神内回りのアンドロメダSを好位から抜け出して1着。

中日新聞杯は、5番手追走から、直線先頭に立ちましたが、ゴール前で交わされ2着。

全3勝中2勝を阪神の内回りコースで挙げています。

内回りコースで持ち前の機動力を存分に発揮できる内回り巧者です。

200mの距離延長になりますが、息の入りやすい内回りコースなら対応は可能であることが推測されます。

【京都記念2023予想】穴馬5選情報

京都記念
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【プラダリア】上がりのかかる消耗戦

父ディープインパクト。母シャッセロール。母の父クロフネ。

昨年は青葉賞優勝、日本ダービー5着にて善戦。

神戸新聞杯は8着、菊花賞は7着に敗れましたが、日経新春杯は、4コーナー10番手から外へ出され、直線は大外から34秒8の力強い末脚で3着まで順位を上げてゴール。

時計のかかる馬場での好走実績があります。

スピード勝負になると厳しい面がありますが、京都記念が上がりのかかる消耗戦になれば上位進出も十分にあると思われます。

【ウインマイティー】G2なら実力通用

父ゴールドシップ。母アオバコリン。母の父カコイーシーズ。

昨年阪神内回りであったマーメイドステークスを3番手先行から抜け出し重賞初制覇。

京都大賞典は直線馬郡を割って伸びて牡馬相手に3着に好走しました。京都大賞典は、距離延長、牡馬相手で控えて追走、直線に入り馬郡を割って伸びて牡馬相手の3着は、好調であることを示しています。

エリザベス女王杯16着、有馬記念6着はG1で仕方のない結果ですが、京都大賞典で3着に入線したように、G2なら実力は十分通用します。

【ユニコーンライオン】一発激走

父No Nay Never。母Muravka。母の父High Chaparral。

ジャパンカップ16着で人気を落としそうですが、前々走の福島記念を逃げ切って優勝、京都記念と同じ舞台の宝塚記念で3着した実力は決してフロックではありません。

昨年ダートのプロキオンステークスを使ってリズムを崩した可能性もあり、福島記念で復調していますので、得意コースに戻り京都記念での一発激走があっても驚けません。

【キングオブドラゴン】高い自在性

父ハーツクライ。母ベガスナイト。母の父コロナドズクエスト。

昨年湾岸S(3勝クラス)を勝ってオープン入り後は重賞で苦戦が続いていましたが、前走日経新春杯は10番人気の低評価を覆し、クビ差の2着に好走して、実力がついてきたことを示しました。

阪神芝2000mで内回りを勝った実績もあり、芝2600mでも3着2回と長距離レースへ適性が高く距離ロスを最小限にできる強みをいかせれば上位進出も十分可能だと思われます。

【アフリカンゴールド】大穴1発警戒

父ステイゴールド。母ブリクセン。母の父Gone West。

中日新聞杯を17番人気で2着、京都記念を12番人気で1着と人気薄で激走しているように、条件がハマれば好走できる実力があります。

昨年の京都記念は、行く馬がおらず、先手をとりスムーズに逃げ、雨の影響もあって後続が脚を使えず、前へ行ったことがハマって勝っています。

今年も展開合い、馬場が重くなれば大穴1発も警戒した方がいいかもしれません。

【京都記念2023予想】コース適性馬5選情報

京都記念
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【アフリカンゴールド】昨年の勝ち馬

父ステイゴールド。母ブリクセン。母の父Gone West。

阪神芝2200mは【1.0.0.2】で複勝率33%。

阪神芝コースは【2.0.0.7】で複勝率は22%。

芝2200mは【2.1.0.4】で複勝率は43%。

右回りは【3.2.0.12】で複勝率は29%。

稍重・重・不良馬場は【1.0.0.7】で複勝率は12%です。

阪神コースでの複勝率は低いのですが、昨年このコースで京都記念を勝っているように、京都記念の条件が合っている可能性が大きいです。

人気薄ではありますが、一応おさえておいた方がいいのかもしれません。

【ドウデュース】皐月賞3着、ダービー1着

父ハーツクライ。母ダストアンドダイヤモンズ。母の父Vindication。

阪神芝2200mは【0.0.0.0】。

阪神芝コースは【1.0.0.0】で複勝率は100%。

芝2200mは【0.0.0.0】。

右回りは【2.1.1.2】で複勝率は67%。

稍重・重・不良馬場は【0.0.0.2】で複勝率は0%です。

阪神芝2200mは未経験ですが、朝日FSを優勝、内回りの皐月賞で3着、距離は日本ダービーを優勝した実績から、阪神内回り芝2200mへの適応力に懸念はないことが推測されます。

【エフフォーリア】内回りのG1を2勝

父エピファネイア。母ケイティーズハート。母の父ハーツクライ。

阪神芝2200mは【0.0.0.1】で複勝率は0%。

阪神芝コースは【0.0.0.2】で複勝率は0%。芝2200mは【0.0.0.1】で複勝率は0%。

右回りは【3.0.0.3】で複勝率は50%。

稍重・重・不良馬場は【1.0.0.0】で複勝率は100%です。

昨年は内回りのG1で3連敗を喫していますが、一昨年は、内回りのG1の皐月賞、有馬記念を勝っていますので内回り適性の懸念はありません。

体調面が向上しさえすれば、巻き返せるだけの適性能力は備えている内回り巧者です。

【インプレス】阪神コース自体は得意

父キズナ。母ベアトリスII。母の父Dr Fong。

阪神芝2200mは【0.0.0.0】。

阪神芝コースは【3.0.0.1】で複勝率は75%。

芝2200mは【0.0.0.1】で複勝率は0%。

右回りは【3.0.0.1】で複勝率は75%。

稍重・重・不良馬場は【1.1.0.0】で複勝率は100%です。

阪神芝2200mは未経験ですが、阪神芝2400mで3勝を挙げています。

トビの大きな体形なので本質は直線の長いコース向きです。

内回りコースでの実績がなく、阪神芝2200mへの適性は未知数なとこがありますが、阪神コース自体は得意にしていますので、2着、3着に入ってくる可能性は十分にあると思われます。

【ウインマイティー】阪神内回り重賞勝ち馬

父ゴールドシップ。母アオバコリン。母の父カコイーシーズ。

阪神芝2200mは【0.0.0.2】で複勝率は0%。

阪神芝コースは【2.0.1.3】で複勝率は50%。

芝2200mは【0.0.0.2】で複勝率は0%。

右回りは【4.1.1.9】で複勝率は40%。

稍重・重・不良馬場は【1.1.1.2】で複勝率は60%です。

昨年阪神内回りコースのマーメイドステークスを快勝、オークス3着、京都大賞典3着の実績から阪神芝2200mでも、実力は十分に発揮できることが推測されます。

【京都記念2023予想】血統馬5選情報

京都記念
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【ドウデュース】瞬発力血統

父ハーツクライ。母ダストアンドダイヤモンズ。母の父Vindication。

マッチベターベイショアS(米G2・ダ7F2着)やフラーレン(JRA4勝)の半弟。

母の父Vindicationはシアトルスルーの直仔で北米2歳チャンピオンです。

シアトルスルーはケンタッキーダービーなどG1を8勝、種牡馬としては19頭のG1馬をだしています。

母ダストアンドダイヤモンズは米国GIのBCフィリーメアスプリント2着(7.0F)、G2ギャラントブルームH(6.5F)1着、G3シュガースワールS(6.0F)1着の短距離スピード系。

高速馬場での瞬発力勝負が合っている血統配合で開幕週の馬場向きです。

【エフフォーリア】内回りコースに強いロベルト系

父エピファネイア。母ケイティーズハート。母の父ハーツクライ。

父エピファネイアは菊花賞と、ジャパンカップの優勝馬で、デアリングタクト(牝馬三冠馬)、サークルオブライフ(阪神JF優勝馬)の父です。

ロベルト系で、内回りコースの適性は高いです。

牝系はヒシアマゾンやアドマイヤムーンと同じで、成長力がある血統です。

近親にアドマイヤムーン(ドバイデューティーF、宝塚記念、ジャパンカップ)、スリープレスナイト(スプリンターズS)がいます。

母ケイティーズハートはJRA3勝。母の母ケイティーズファーストがパワーマイラーで、半妹に、エリザベス女王杯(G1)を勝ったヒシアマゾンがいる一流の牝系の血脈が流れています。

父系母系ともにスタミナ豊富な血統です。

【キラーアビリティ】開幕週の馬場どうか

父ディープインパクト。母キラーグレイシス。母の父Congaree。

キラービューティ(JRA4勝)やグロンフォール(8勝)の半弟です。

母キラーグレイシスは米国のG1ハリウッドスターレットSの勝ち馬。

母父Congareeは、ハリウッドゴールドC、カーターH、シガーマイル(連覇)、スワップスSの北米ダートG1を5勝した名馬、種牡馬としては2頭のG1馬をだしています。

母父がブラッシンググルーム系の中距離馬。

末脚が鋭い血統なので開幕週の馬場は割引になりそうです。

【プラダリア】内回り血統

父ディープインパクト。母シャッセロール。母の父クロフネ。

同じ牝系に、ノーヴァレンダ(ダイオライト記念1着)、ブランシェクール(JRA4勝)、ボンセルヴィーソ(JRA4勝)などがいます。

ラディウス(JRA3勝)の近親。2代母のリトルオードリーは現フィリーズレビュー(G2)の勝ち馬です。

ディープインパクト×グルームダンサーはスマートレイアー(京都大賞典など重賞4勝)などと同じです。

ディープインパクト×クロフネはレイパパレ(大阪杯)やステファノス(大阪杯2着・天皇賞秋2着)などと同じで、阪神内回りコースに適性が高い血統配合です。

【マテンロウレオ】母がRoberto系×Danzig系

父ハーツクライ。母サラトガヴィーナス。母の父ブライアンズタイム。

半兄にサウスビクトル(JRA4勝)、全兄インスピレーション(JRA3勝)がいます。

3代母Lady’s SecretはBCディスタフなどG1を11勝した名牝馬です。

ハーツクライ×ブライアンズタイムはタイムフライヤー(ホープフルS)やマジックタイム(ダービー卿チャレンジ)と同じ組み合わせです。

母がRoberto系×Danzig系のパワタイプで内回りの急坂のあるコースに強い傾向があります。

【京都記念2023枠順確定】

1-1 マテンロウレオ(横山典弘)
2-2 ラストドラフト(松岡正海)
3-3 ウインマイティー(和田竜二)
4-4 アフリカンゴールド(国分恭介)
4-5 キングオブドラゴン(岩田望来)
5-6 ユニコーンライオン(坂井瑠星)
5-7 マイネルファンロン(川須栄彦)
6-8 プラダリア(池添謙一)
6-9 キラーアビリティ(B.ムルザバエフ)
7-10 エフフォーリア(横山武史)
7-11 インプレス(鮫島克駿)
8-12 ドウデュース(武豊)
8-13 スカーフェイス(岩田康誠)