
アイビスサマーダッシュコース解説(新潟芝1000m)

新潟競馬場は、2001年にコース改造工事が竣工され、右回りから左回りコースに生まれ変わると同時に国内初の直線競馬1000mのコースが新設されました。
アイビスサマーダッシュは、新潟競馬場の名物直線コースの芝1000mで開催されます。コーナーを1度も回らずにゴールを目指していくアイビスサマーダッシュは新潟競馬場、夏の風物詩です。
2001年新潟直線芝1000mが創設され、8枠が有利だったのは創設から最初の4年だけでした。創設5年目の2005年から8枠の成績が急落し、2015年まで11年間も続き、1枠を除くとほぼフラットに近い成績でした。
しかし、2016年あたりから8枠の成績が上がり始めました。
8枠のみならず、7枠も有利な傾向があり、7枠、8枠を重視して予想した方が良さそうです。
アイビスサマーダッシュ新潟芝Aコース開幕週で開催されます。7月に入り芝の生育が旺盛となり、全体的に良好な状態ですが、外側の芝状態が良いのは明らかで、今年も外側を走る馬に有利な芝状態です。
新潟の直線は平坦のイメージがありますが、実は芝1000m直線競馬に坂の上り下りが存在しています。スタートから約240mは穏やかな上り、続く200mは緩やかに下り、残りの約560mは少しの上り下りのあとはゴールまで平坦一直線です。
アイビスサマーダッシュは開幕週で全体的に芝の状態は良好です。
それでも日頃から馬が走らない直線外側の芝を走る方が断然にスピードがでやすいのは間違いないです。
スタート直後から外ラチを目指して一斉にダッシュしていくので馬群が外へ殺到します。
アイビスサマーダッシュは、スタート直後から外ラチに向けて全力で走るため、内枠に入った馬はなし崩しに脚を使います。
しかも、外枠の馬よりも長い距離を走ることになる内枠は絶対的に不利です。
1000mと短い距離での距離ロスは、長い距離レースの距離ロスと比較したら、その影響はかなり大きいです。
馬群に包まれないスーパーダッシュ力と長い直線でスピードを高いレベルで持続できる能力、馬群を捌き抜け出そうとする勝負根性が問われるレースです。
外回りコースは得意だが小回りコースが苦手で近走成績不振の馬が外枠に入った場合、アイビスサマーダッシュでは、人気薄の激走もあるので注意です。
【アイビスサマーダッシュ2024予想】データ分析と傾向

アイビスサマーダッシュ過去10年人気別成績
1番人気【6.2.0.2】
2番人気【1.4.0.5】
3番人気【0.1.2.7】
9番人気【1.1.2.6】
1番人気は6勝と好走率は高いが、2022年ヴェントヴォーチェ、2023年ファイアダンサーとここ2年連続馬券外。
それでも二桁人気馬が連対したことはないため、 馬連平均配当は3千円台と比較的安めです。
1番人気・2番人気の信頼度は高い。
アイビスサマーダッシュ過去23年枠順別成績
1枠【0.0.3.35】
2枠【4.2.4.29】
3枠【0.1.1.37】
4枠【2.2.1.39】
5枠【4.4.2.36】
6枠【1.4.3.38】
7枠【4.4.7.41】
8枠【8.6.2.40】
過去23年
8枠8勝・3着以内16頭
7枠4勝・3着以内15頭
7・8枠とも全滅は3回のみ、
枠連内枠決着 (1枠から4枠) はなし
アイビスサマーダッシュ過去10年牝馬成績
過去10年3着以内30頭中18頭が牝馬
過去23年全てで馬券圏内
アイビスサマーダッシュ過去10年リピーター実績
過去10年3着以内30頭中24頭は、新潟芝1000mで3着以内の実績があった
近走新潟芝1000mで着外続きの馬は苦戦している
アイビスサマーダッシュ買うと危険条件
①牡馬同士の馬連
②1枠3枠の単勝
③8歳以上
④柴田善騎手騎乗馬
⑤西園厩舎所属馬
アイビスサマーダッシュデータ分析まとめ
①1・2番人気を外せない
②新潟芝1000mの韋駄天S4着内なら信頼度高い
③軽視できない大外枠
④牝馬人気薄でも好走
【アイビスサマーダッシュ2024予想】本命馬候補5選情報

【ウイングレイテスト】新潟芝1000m未経験
父スクリーンヒーロー。母グレートキャティ。母の父サクラユタカオー。
昨年MBS賞スワンSは、内枠から2番手で先行、逃げるトウシンマカオを見ながら進み、直線で先頭に立ち、外からララクリスティーヌに迫られたが、クビ差で凌いで1着。
6歳にして待望の重賞初制覇した成長力豊富な馬です。
前走の函館スプリントSは、先行馬を見ながら3番手の好位から、直線2番手に上がってき、後続をクビ差で抑えて2着、斤量59キロでも帰国初戦で好走して実力を示しました。
新潟芝1000m未経験の馬は、アイビスサマーダッシュ過去10年3着以内30頭中6頭しかいないのはデータ的に懸念されます。
【チェイスザドリーム】新潟芝1000mの勝利実績
父ロードカナロア。母ゴールドチェイス。母の父アドマイヤムーン。
昨年のカペラSを10番人気で2着した実力馬です。
前走の韋駄天Sは7枠13番から後発、2番手先行から押しきって1着、スピード能力が高いことを示しました。
過去10年3着以内30頭中18頭が牝馬、牝馬の出走数が少ない割には好走馬が多く、新潟芝1000mの勝利実績もあり、ここアイビスサマーダッシュは好勝負必至です。
【モズメイメイ】4歳牝馬
父リアルインパクト。母インラグジュアリー。母の父Frankel。
前走の北九州記念は、今回は中団9番手から馬群の内目を追走、直線狭い内ラチ沿いから、しぶとく伸びて、3着争いでしぶとく先着。
2桁着順が続いていましたが、変わり身をみせました。
新潟芝1000mの出走経験はありませんが、4歳牝馬、好走率が高い牝馬、アイビスサマーダッシュで外枠を引けば期待できそうです。
【ファイアダンサー】韋駄天S3着
父パイロ。母エンジェヌー。母の父コマンズ。
昨年のアイビスサマーダッシュは1番人気の推されましたが、痛恨の出遅れで18着。新潟芝1000mの実績は、昨年の韋駄天Sは1枠1番から2着、前走の韋駄天Sは8枠16番から3着。
直線競馬への適性高く、牝馬でもあり、アイビスサマーダッシュでの上位進出の可能性は高いと思われます。
【マウンテンムスメ】良化著しい
父アドマイヤムーン。母ヤマガール。母の父ストーミングホーム。
新潟芝1000mは【1.2.0.5】。
アイビスサマーダッシュは一昨年8着、昨年12着。
前走韋駄天Sは3枠5番から、スタートダッシュを決めて、2着。
馬体重も10キロ増えて筋力増加でスピード能力がアップ、前走の走りから体調面の良さが伺えました。
アイビスサマーダッシュでさらなる良化が見込めそうです。
【アイビスサマーダッシュ2024予想】穴馬候補5選情報

【ジャスパークローネ】精彩さを欠く
父Frosted。母Fancy Kitten。母の父Kitten’s Joy。
昨年のCBC賞と北九州記念を逃げて重賞を2連勝して、サマースプリントシリーズのチャンピオンに輝いた現役屈指のスプリンターです。
近4走は海外に挑戦して調子を落としています。前走の北九州記念でも精彩さを欠き16着。
スプリンターズSでも4着した実力馬です、調子さえ戻れば、上位を狙える馬です。変わり身に期待です。
【マイヨアポア】陣営の勝負レース
父リオンディーズ。母エバーローズ。母の父ウインクリューガー。
昨年本舞台アイビスサマーダッシュと同じ新潟芝1000mの稲妻ステークスを54秒7の好時計で差し切って優勝。
その2週間前に開催されたアイビスサマーダッシュの勝ち時計より0秒2速かったことは、アイビスサマーダッシュでも十分勝ち負けまで持ち込めそうです。
近5戦中4戦を新潟芝1000mで使われたローテーションから、陣営のアイビスサマーダッシュ制覇の気持ちは強いことが推測され、ここアイビスサマーダッシュは陣営の勝負レースです。
【テイエムスパーダ】開幕週スピード最大限発揮
父レッドスパーダ。母トシザコジーン。母の父アドマイヤコジーン。
2022年のCBC賞、2023年のセントウルステークスの重賞2勝は、両方とも開幕週の開催での逃げ切りでした。
開幕週の新潟でも持ち前のスピード最大限発揮して逃走劇を演じての1発の可能性は十分にあると思われます。
【ショウナンマッハ】自在性が低い
父ショウナンカンプ。母オーバーレイ。母の父ダイワメジャー。
邁進特別(新潟芝1000m)はスタートで躓きましたが、落ち着いて立て直し6番手追走から抜け出し快勝。
新潟芝1000mは2戦1勝・3着1回。自在性が低いので直線競馬で最大限の実力を発揮できます。
【クムシラコ】大穴1発の可能性
父ディスクリートキャット。母デイドリーマー。母の父ネオユニヴァース。
新潟芝1000mは6戦2勝。
直線競馬での走りにムラはありますが、直線競馬への適性が高いのは間違いなく、大穴1発の可能性があり、おさえておきたい穴馬です。
【アイビスサマーダッシュ2024予想】血統馬5選情報

【ウイングレイテスト】Sleek Belleの牝系
父スクリーンヒーロー。母グレートキャティ。母の父サクラユタカオー。
ベストメンバー(京都新聞杯)の半弟で、トラストケンシン(JRA4勝)やフリーフリッカー(JRA6勝)の近親。
オークス馬チョウカイキャロルも同じSleek Belleの牝系。
父スクリーンヒーローはグラスワンダーの代表産駒でモーリス(天皇賞秋)、ゴールドアクター(有馬記念)、ウインマリリン(香港ヴァーズ)などを出し種牡馬として成功しています。
【テイエムスパーダ】父高齢でも活躍
父レッドスパーダ。母トシザコジーン。母の父アドマイヤコジーン。
高齢でも活躍の一流マイラーだった父レッドスパーダは、2歳から8歳時に27戦7勝。
3歳時にスプリングSで2着、NHKマイルC2着、4歳時東京新聞杯で重賞初制覇、その後、長期休養も挟みながらタフにキャリアを重ね、7歳時の関屋記念 8歳時の京王杯スプリングCを制した成長力が豊富な血統です。
ナーゲルリング(JRA3勝)の全妹で、トシザグレイト(JRA3勝)の近親で、母トシザコジーンはJRA3勝馬です。
母の母トシメロディーはJRA3勝。
【マウンテンムスメ】短距離血統
父アドマイヤムーン。母ヤマガール。母の父ストーミングホーム。
母ヤマガールはJRA1勝馬ですがカツプリマドンナの牝系からは目立った活躍馬はでていません。
父アドマイヤムーンは宝塚記念(G1)、ジャパンC(G1)、バイデューティーF(G1)などに勝ち、ファインニードル(G1を2勝)、ハクサンムーン(アイビスサマーダッシュなど重賞3勝)、セイウンコウセイ(G1を1勝)など多くの短距離馬をだしています。
【チェイスザドリーム】ミクスドマリッジの牝系
父ロードカナロア。母ゴールドチェイス。母の父アドマイヤムーン。
レコードチェイサー(JRA4勝)の半妹で、スズカセクレターボ(JRA6勝)、ビングクロスビーS(米国G1・ダ6F)2着デザートローの近親です。
母ゴールドチェイスはJRA1勝で、名繁殖ミクスドマリッジの牝系です。
ロードカナロア×アドマイヤムーンの配合で、しなやかさで走るスプリンターで高速馬場向きの血統です。
【ファイアダンサー】短距離向き血統
父パイロ。母エンジェヌー。母の父コマンズ。
シモズル(JRA2勝)の半姉で、ウエストエンド(JRA5勝)、アフターバーナー(JRA4勝)などの近親。
牝祖ダンスールファビュルーはアラジ(G1・4勝)やNoverre(G1サセックスS)の母です。
父パイロはメイショウハリオ(G3マーチS・G3みやこS)やケンシンコウ(G3レパード)などを輩出しているエーピーインディ系。
母父コマンズはデインヒル産駒で、パイロ×コマンズはデルマルーヴル(名古屋グランプリ・兵庫ジュニアグランプリ)と同じ配合です。
母父コマンズの影響が強く短距離向き血統です。