弥生賞ディープインパクト記念コース解説(中山芝2000m)
弥生賞ディープインパクト記念は、Aコース(内柵を最内に設置)を使用。
第1回中山競馬終了後、損傷箇所へ洋芝を追加播種し、凹凸整正および肥料散布、約2週間のシート養生を実施しました。
洋芝の生育に不揃いな箇所が部分的に見られますが、全体的には概ね良好な状態です。
先週の中山開催の傾向は逃げ先行有利、後方一気は難しい傾向がありました。
中山競馬場芝内回りAコースの1周距離は1,667.1m、幅員は20~32m、直線距離は310m、高低差は5.3mです。
4コーナー過ぎからのスタートで1コーナーまでの距離が400m程度と距離が十分にあります。
スタートから1~2コーナーの中間まで5.3mの上り坂になっており、前半のペースは落ち着きやすい傾向にあります。
向正面の直線は平坦、3~4コーナーはスパイラルカーブで、緩い下り坂になっています。スパイラルカーブとは、コーナーの入口が緩やかで、コーナーの出口がきついカーブのことを言います。
コーナーの入口が緩やかで3コーナーから4コーナーにかけての下り坂は、直線のスピードを落とさずにコーナーへ突入できます。
4コーナーの出口がきついカーブになっているので、スピードにのっている馬は外へ大きく膨らみます。
ゴール前に中山名物の急坂があります。
ゴール前直線310mは東京、京都、阪神、中山競馬場の中で最も短く、残り180mから70m付近にある急坂の高低差は2.2m、最大勾配は2.24%と日本一のキツさを誇ります。
スタート直後とゴール前と2回急坂を上ることになり、成長途上の3歳馬にとっては厳しいコースです。
過去10年弥生賞で前半1000mを60秒以下だったのは2016年のマカヒキ1回だけで、勝ち時計が2分以下だったのも2016年1回だけです。
勾配率2.24%の急坂を駆け上がるスタミナとパワーが要求されます。
内回り特有のきつめのカーブが4回あるので、内枠からスタートする先行力のある馬が断然有利になります。
カーブで加速する機動力、コーナリングの器用さを伴う瞬発力、そして2度の直線の坂越えをこなすパワー、3コーナーからのロングスパートできるスピードの持続力が要求されます。
外を回る差し馬は距離ロスをカバーできるスタミナと持続力があることが必須条件になります。
【弥生賞ディープインパクト記念2024予想】データ分析と傾向
弥生賞ディープインパクト記念過去10年人気別成績
1人気【3.4.1.2】
2人気【3.2.2.3】
3人気【2.0.2.6】
4人気【1.2.2.5】
過去10年の優勝馬のうち9頭は単勝4番人気以内
そのうち8頭は前走でも4番人気以内だった
この8頭は通算勝率が50%以上だった
弥生賞ディープインパクト記念過去10年枠順別成績
7枠【1.5.1.13】
8枠【5.1.1.13】
特に外枠の連対率が高い。
馬場が渋った際、1~3枠に入った人気馬は割引が必要。
弥生賞ディープインパクト記念過去10年前走別成績
前走G1組【2.5.7.6】
そのうち朝日杯FS組【1.3.2.11】
前走が重賞以外だったにもかかわらず今回2番人気以内の馬は【3.1.1.21】と3勝を挙げています。
近3年の勝ち馬タイトルホルダー、アスクビクターモア、タスティエーラはその後にクラシックを制覇。
2着馬にもシュネルマイスターとドウデュースがいます。
弥生賞ディープインパクト記念過去10年前走着順別成績
10年で7勝と勝ち切っているのは前走1着馬。
特に1勝クラス以上を勝った馬は優秀です。
前走6着以下は【0.1.1.22】
前走2、 3着馬も過去10年で1着なし。
前走G1・2~3着【0.2.2.3】
前走6着は無印
前走G1・1~3着が中心です。
弥生賞ディープインパクト記念データ分析まとめ
近年はスターホースが活躍中
G1組と1勝、 オープン特別組に注目
前走1着馬が7勝、6着以下は勝利なし
内枠は苦戦、外枠の人気馬を
【弥生賞ディープインパクト記念2024予想】本命馬候補5選情報
【シンエンペラー】自在性高い
父Siyouni。母Starlet’s Sister。母の父Galileo。
シンエンペラーは、2022年のアルカナ・ドーヴィル1歳セールにて210万ユーロ(約3億円)で落札された期待の良血馬です。
新馬戦(東京芝1800m)は、3番手の好位を進み、直線伸びて抜け出して先頭へ、外から追い上げてきた馬に、並ばせず1着、凱旋門賞ソットサスの全弟の良血馬がいいスタートを切りました。
ラジオN杯京都2歳S(G3・京都芝2000m)は、アオり気味にゲートを出て道中は11番手から追走、直線に入ったあたりでもまだ前と差がありましたが、馬群の中に入って伸びて、ゴール寸前、間を割って抜け出して1着、デビュー2戦目で重賞制覇、良血に違わぬ素質の高さを示しました。
ホープフルS(G1・中山芝2000m)は、4番手を追走、直線ではインから抜け出して先頭に立ちました、ゴール前外へヨレたこともありますが、外から追い込んできたレガレイラに交わされ2着でした。
瞬発力勝負、先行抜け出しと自在性が高く弥生賞ディープインパクト記念での好勝負は必至、目指すは凱旋門賞です。
【トロヴァトーレ】中山芝2000mで2連勝
父レイデオロ。母シャルマント。母の父エンパイアメーカー。
新馬戦(中山芝2000m)は、内枠から控えて緩やかな流れのなか余力をもって中団を追走、直線外から33秒8の末脚で上がっていき、前の馬を余力十分で交わして、2馬身半の差を広げて快勝しました。
葉牡丹賞(1勝クラス・中山芝2000m)は、最内枠から控えて中団5番手から追走、直線やや外へ出され馬の間を割って、狭いスペースを突いて伸び抜け出して2馬身差で1着、33秒9の決め手が目立っていました。
弥生賞ディープインパクト記念では、一気の相手強化になりますが、中山適性の高さからここ弥生賞ディープインパクト記念でも実力は上位です。
【サンライズジパング】馬場渋れば
父キズナ。母サイマー。母の父Zoffany。
デビュー2戦目の2歳未勝利(阪神ダ1800m)は、最内枠から3番手で先行、勝負所で好位に上がっていき、4コーナーでやや外に膨れつつ直線へ、抜け出すと差を4バしいに広げて1着、初めてのダートでしたが、強い勝ちっぷりで実力を示しました。
JBC2歳優駿(G3・門別ダ1800m)2着。前々走のホープフルS(G1・中山芝2000m)は、新馬戦以来の芝でしたが、3番手の好位を進み、4コーナーで外を回って上がっていきへ振られ、直線しぶとく伸びて3着に入線。
若駒S(L・京都芝2000m)は、道中は控えて5番手から追走、4コーナーを回って上がっていき、直線に入って外から気に伸びて前の馬を交わして1着、重馬場で高いポテンシャルを発揮。
切れる末脚はありませんが、しぶとく伸びる持続力とパワーがあります。
パンパンの良馬場では厳しい面がありますが、弥生賞ディープインパクト記念が馬場を渋っての開催になれば評価を上げた方がよさそうです。
【ダノンエアズロック】32秒7の末脚
父モーリス。母モシーン。母の父Fastnet Rock。
新馬戦(東京芝1800m)は、2番手を追走、余力十分で直線で並んでいき、抜け出して1着。
アイビーS(L・東京芝1800m)は、4ヵ月半ぶりの実戦で馬体重は20キロ増えて、太目感はなく仕上がっていました、2番手先行で流れに乗って進み、直線では外から抜け出し1着。
少数頭レースではありましたが、上がり32秒7の末脚はG1級です。
弥生賞ディープインパクト記念は、約4か月ぶりの実戦になりますが、調教での乗り込み量も十分で、休み明けでもいきなり走れそうです。
【ファビュラススター】上がりのかかる消耗戦
父エピファネイア。母ヴンダーゾンネ。母の父グラスワンダー。
新馬戦(東京芝1600m)は、スタートで遅れましたが、それでも道中じわじわポジションを上げていき、直線外を回って上がっていき、長く脚で伸びて1着。
前走の3歳1勝クラス(中山芝2000m)は、休み明けで距離延長、控えて後方9番手を追走、外から進出、直線伸びていき、内の馬を交わして抜け出し1着、1分59秒8の勝ち時計も優秀で、潜在能力が非常に高いことを示しました。
距離延長もこなして時計のかかる馬場で2戦2勝。
上がりのかかる消耗戦の方が高いポテンシャルを発揮できそうです。
【弥生賞ディープインパクト記念2024予想】穴馬候補5選情報
【シリウスコルト】絞れていれば
父マクフィ。母オールドフレイム。母の父ゼンノロブロイ。
新馬戦(福島芝1200m)は、スタートは出遅れて道中は後ろ目のポジション、しかし直線に入って35秒1の末脚で前の馬を交わして抜け出し1着。
前々走の芙蓉S(OP・中山芝2000m)は、デビュー戦が1200m、2走目が1600m、今回は2000mと距離を延ばしてきました。
先行馬を見ながら4番手の好位に上がっていき、直線抜け出し1着、中距離適性を示しました。
ホープフルS(G1・中山芝2000m)は、直線で伸びきれず6着、14キロの馬体重増加はやや太目残りでした。
10キロくらい絞れていれば芙蓉Sで見せたポテンシャルを発揮してくる可能性があります。
【シュバルツクーゲル】中山2000mで強い勝ち方
父キズナ。母ソベラニア。母の父Monsun。
新馬戦(中山芝2000m)は、流れに乗って2番手で先行、4コーナーで並んでいき、直線の追い比べで外の馬を突き放しで1着。
東京スポーツ杯2歳S(G2・東京芝1800m)は、最内から2番手で先行、直線シュトラウスに交わされたものの、2着にしぶとく粘り、追い上げてきたファーヴェントに抜かせませんでした。
前走の東京スポーツ杯2歳Sは、かなりタフな展開のなかで正攻法の競馬で2着した実力は軽視できません。
弥生賞ディープインパクト記念は、強い勝ち方をした新馬戦と同じコース。
中山2000mで巻き返しは必至の実力馬です。
【コスモキュランダ】中山芝2000mは3戦2着
父アルアイン。母サザンスピード。母の父Southern Image。
デビュー3戦目の2歳未勝利(中山芝2000m)は、先行馬を見ながら2番手を進み、直線逃げるエクセルゴールドを交わしましたが、1番人気アバンデルに抜け出され、それでもしぶとく2着に粘りました。
3走前の2歳未勝利(新潟芝2000m)は、2番手先行から直線36秒2のメンバー中最速上がりの末脚で2馬身半の差で快勝しました。
ラジオN杯京都2歳S(G3・京都芝2000m)は伸びきれず8着。
前走の3歳1勝クラス(中山芝2000m)は、スタートで遅れて道中は後方9番手から追走、直線長く脚を使って2着に入線しました。
中山芝2000mは3戦2着2回で、コース適性の懸念なく、3回中山芝2000mを走った経験は2歳馬戦では大きなプラス材料です。
【アドミラルシップ】ホープフルSを4着
父ゴールドシップ。母ヴィーヴァブーケ。母の父キングカメハメハ。
新馬戦(京都芝2000m)は、3番手の好位を進み、直線ヴィレムに並んでいって激しい叩き合い、ハナ差で競り勝ち1着。
ホープフルS(G1・中山芝2000m)は、スタート遅れて後方内目を器用な脚で追走、直線に入っても内から上がってき、僅か一戦のキャリアで4着に善戦しました。
ゆりかもめ賞(1勝クラス・東京芝2400m)は、3番手の好位につけ先行馬を見ながら直線に入り、追い比べについていくことができず7着に敗退しましたが、逃げ馬が上がり最速で押し切るような競馬は合わなかったことが敗因で、弥生賞ディープインパクト記念ではこの結果は度外視してもよさそうです。
デビュー2戦目でホープフルSを4着した能力から、中山芝2000mなら巻き返してくる可能性があります。
【レッドテリオス】新馬戦→不利→圧勝
父ジャスタウェイ。母ショーコ。母の父Efisio。
デビュー戦の3歳新馬(中山芝2000m)は、17頭立ての大外枠から中団の前目で追走、勝負所で外へ振られながら好位へ上がっていき、4コーナーで外を回って直線へ、大外から伸び、抜け出して1着。
不良馬場でもしっかり伸びていました。
新馬戦は3コーナーでの不利がありましたが、立て直して2馬身差での圧勝は、潜在能力が非常に高いことを十分に示しています。
弥生賞ディープインパクト記念では人気薄になりそうですが、1発大駆けがあっても驚けません。
【弥生賞ディープインパクト記念2024予想】血統馬5選情報
【シンエンペラー】超良血馬
父Siyouni。母Starlet’s Sister。母の父Galileo。
シンエンペラーは父Siyouni、母Starlet’s Sister、母の父Galileoという血統。2022年のアルカナ・ドーヴィル1歳セールにて210万ユーロ(約3億円)で落札された超良血馬です。
凱旋門賞、仏ダービー、ガネー賞の勝ち馬ソットサスの全弟。
BCフィリー&メアターフのシスターチャーリーの半弟。
半姉SistercharlieはG1で7勝を挙げています。
母の父Galileoの血統はスタミナ消耗戦で無類の強さを伝えます。
母の父Galileoの血統からトリッキーな中山芝2000mへの適性は高いと思われます。
【シュバルツクーゲル】スタミナ消耗戦
父キズナ。母ソベラニア。母の父Monsun。
ゼーゲン(JRA4勝)やシュヴァルツリーゼ(JRA2勝)の半弟です。
近親のザイスモスはバイエルン大賞典(独G1芝2400m)優勝馬。
母ソベラニアは独オークス(独G1芝2200m)2着。
ドイツの有力牝系です。
母父Monsunはドイツの名種牡馬で22頭のG1馬を輩出、ソウルスターリングなどの母父です。
キズナ×Monsunでスタミナ豊富な血統配合で、菊花賞で楽しみな血脈です。
弥生賞ディープインパクト記念が上がりのかかるスタミナ消耗戦なった時、無類のスタミナを発揮できそうです。
【ダノンエアズロック】大きなストライド
父モーリス。母モシーン。母の父Fastnet Rock。
プリモシーン(東京新聞杯・関屋記念)、モーソンピーク(JRA3勝)、カーペンタリア(JRA3勝)の半弟です。
母モシーンはVRCオークス(豪G1芝2500m)、オーストラリアンギニー(豪G1芝1600m)の優勝馬です。
母父Fastnet Rockはデインヒル系で、19頭のG1馬を輩出た大種牡馬です。
母の父Fastnet Rockの影響で大きなストライドで走るので、どちらかと言えば東京コース向きです。
【トロヴァトーレ】機動力がある中距離馬
父レイデオロ。母シャルマント。母の父エンパイアメーカー。
ライツフォル(JRA3勝)、の半弟で、ディアドラ(ナッソーS・秋華賞)やフリームファクシ(きさらぎ賞)やリューベック(JRA3勝)の近親です。
2代母のソニンクはソングライン(安田記念・ヴィクトリアマイル)やロジユニヴァース(日本ダービー)など多くの活躍馬多数だした名繁殖牝馬です。
父レイデオロは日本ダービーと天皇賞(秋)に勝ったキングカメハメハ産駒。
機動力がある中距離馬で、緩いペースが合っている血統配合です。
【ファビュラススター】中山内回り向き血統
父エピファネイア。母ヴンダーゾンネ。母の父グラスワンダー。
アリンナ(JRA5勝)、やサンディレクション(JRA2勝)の半弟です。インタータイヨウ(8勝)、フィールシンパシー(JRA4勝)、やウワサノシブコ(6勝)、ウエストバイウエスト(米G1ナッソーカウンティH・ダ9.0F)の近親。
母父グラスワンダーはロベルト系の名馬でスクリーンヒーローの父。
父エピファネイアもロベルト系なので本馬はロベルト4×4のクロスで底力を押し上げています。
中山内回り向きの血統です。