NHKマイルカップコース解説(東京芝1600m)
NHKマイルカップは2回東京6日に芝Aコース最終日開催にされ3コーナーから4コーナーの内柵沿いに傷みが出始め、NHKマイルカップ当日の馬場状態は、外差しが決まりやすい馬場になっていることが推測されます。
東京競馬場芝Aコースの1周距離は2,083.1m、幅員は31～41m、直線距離は525.9m、高低差は2.7mです。
スタート地点は向正面の2コーナー出口付近の下り坂のスタートでバックストレッチの中間まで約1.8m下ります。
そこからは約80mで1.5mの急な上り坂です。
その後、約60m平坦を走り、3コーナー手前から3～4コーナーの中間まで再び約2.2mの下り坂です。
4コーナーの手前からは再び若干の上り勾配のカーブを曲がり、ホームストレッチ直線、残り460メートル地点から300メートル地点にかけて、高低差約2mの上り坂が設けられています。
この高低差2mの坂を上り切った後に、函館芝コースの直線の長さとほぼ同じ300mの直線が待ち受けています。
ゴール前の直線は、仮柵の位置とは関係なく、525.9mとなっています。
NHKマイルカップ(東京芝1600m)は、下り坂からのスタートである点と、バックストレッチの距離が540mと長いため、前半からスピードに乗りやすいコース設定になっています。
前半600m通過タイムは34秒台前半ぐらいになる傾向です。3～4コーナーでペースが少し落ちて、525.9mの直線へと向かいます。
ラスト600mから400m、400mから200mでは11秒台のラップでゴール前の200mはラップが落ちます。
スタートからゴールまで淀みない流れになる傾向があり、全馬ゴール前の200mでは脚が上がる消耗戦になります。
前半がスローペースになると、ゴール前の200mも11秒台となりますが、平均ペース以上で流れればゴール前の200mは12秒台になることが推測されます。
NHKマイルカップは1分32～33秒台の決着となりそうです。
全馬ゴール前の200mでは脚が上がることで、一気の差しも決まります。
残り200mに時計がかかる流れは、短距離戦を連想させられスプリンタータイプの馬でも侮れません。
ゴール前の直線では切れ味も求められ、マイラーとしての総合力に加えて1800mでも勝ち負けできるスタミナも要求されるタフなコース設定です。
【NHKマイルカップ2024予想】データ分析と傾向
NHKマイルカップ過去10年騎手別成績
C.ルメール騎手【2.1.0.3】
M.デムーロ騎手【2.1.0.4】
横山典弘騎手【2.1.0.4】
川田将雅騎手【1.0.1.5】
武豊騎手【0.0.1.7】
C.ルメール騎手、M.デムーロ騎手、横山典弘騎手が2勝2着1回を記録。
田辺は7回全て馬券圏外。
前走から継続騎乗が8勝。
関西騎手が7勝。
NHKマイルカップ過去10年人気別成績
1番人気【2.1.1.6】
2番人気【3.2.1.4】
3番人気【1.1.1.7】
6番人気【1.0.2.7】
9番人気【2.0.1.7】
1番人気は3着以内4頭と不振傾向。
3着以内6頭の2番人気が狙い目。
注目は3着以内3頭の6番人気、9番人気。
2ケタ人気も6頭が馬券圏内に入っている波乱傾向のG1。
過去28年では17頭が馬券圏内。
NHKマイルカップ過去10年前走別成績
ニュージーランドT【2.2.2.41】
桜花賞【2.2.0.13】
皐月賞【2.1.1.9】
アーリントンC【2.0.5.23】
ファルコンS【1.0.1.18】
ニュージーランドT組が最多も同レース1着馬は全て馬券圏外。
スプリングS組は9頭出走で3着1回。
マーガレットS組は5頭全て馬券圏外。
前走GI戦出走組が【4.3.1.21】と好調傾向。
前走1勝クラス以下は全て馬券圏外。
NHKマイルカップ過去10年勝ち馬の条件
①重賞で3着内の実績がある
②前走5着以内
③馬体重500キロ以下
④上がりタイム34秒0以下で走ったことがある
⑤芝1400Mか芝1600Mで勝ったことがある
⑥新馬戦で勝利
⑦東京で走ったことがある
⑧中9週以内
⑨馬番が10~18番
⑩前走2番人気以内
NHKマイルカップデータ分析まとめ
1番人気が不調で荒れるG1で6番人気以下の好走が目立つ
皐月賞善戦組、アーリントンC勝ち馬が狙い目
8枠が3勝をあげるなど外枠の好走が目立つ
上がり順位5位以内、4コーナー順位5番手以内
【NHKマイルカップ2024予想】有力馬情報
【ジャンタルマンタル】マイル適性高
父Palace Malice。母インディアマントゥアナ。母の父Wilburn。
朝日杯FSは、3番枠から前半は中団の7番手からインコースを追走、勝負所でも内から進出していき、直線で先頭へ立つと外へ出されて、後続に抜かせずに押し切りました、これで3戦3勝。
前々走の共同通信杯では新馬戦以来の1800mで1馬身半差の2着に敗退しましたが、超スローの中で我慢しつつもかかり気味の中で良い脚は使っていました。
前走の皐月賞は、3番手の好位を進み、勝負所で仕掛けていき、直線で先頭に立ちましが、外から伸びてきたジャスティンミラノ、コスモキュランダに交わされ3着。
昨年は3戦3勝でG1朝日杯FSを制覇。
特にマイル重賞の2戦では完勝でした朝日杯FS制した最優秀2歳牡馬でマイル適性は世代トップクラス。
距離短縮のNHKマイルカップで大きな変わり身を見せてくる可能性が大きい実力馬です。
【アスコリピチェーノ】マイラー体系
父ダイワメジャー。母アスコルティ。母の父Danehill Dancer。
昨年度のJRA賞最優秀2歳牝馬。
阪神JFは、馬群の中を追走し、直線やや外へ出されて上がっていき、外から併せてきたコラソンビートをかわし、内を突いて迫ってきたステレンボッシュに抜かせず勝利。
桜花賞は、8番手の中団から馬群の外を追走、4コーナーを回ってやや膨れ、内からステレンボッシュに抜け出され、それでも伸びて2着に粘りました。
自在性に優れ、どこからでも折り合える抜群操縦性。
前走阪神JFのように馬郡に揉まれながら追走しても冷静に運ぶことができます。
豪快な末脚は父ダイワメジャー譲りでマイルレース向きの体系。
総合的なポテンシャル高く、NHKマイルカップでの巻き返しが期待されます。
【ゴンバデカーブース】東京マイルは2戦2勝
父ブリックスアンドモルタル。母アッフィラート。母の父ディープインパクト。
デビューの新馬戦は、すんなり先手をとってスムーズに逃げることができ、直線に入っても先頭、後続に並ばせることなく、そのまま逃げ切り1着、高速馬場でスピードを生かした勝利でした。
サウジアラビアRCは、控えて最後方でじっくり追走、直線に入って外目から伸びて、内のシュトラウス、ボンドガールとの追い比べから抜け出して1着。
ホープフルSは感冒のため出走取消。
東京芝1600mは2戦2勝、強烈な決め手があり東京開催のマイルG1なら、好勝負は必至になりそうです。
【ノーブルロジャー】マイルは2戦2勝
父Palace Malice。母Noble Ready。母の父More Than Ready。
デビュー戦の2歳新馬は、スムーズにゲートを出て前へいき、逃げた馬をマークして2番手で先行、直線並んでいき交わして1着。
シンザン記念は、デビュー戦の前走とは一転、控えて中団10番手に控えて馬群の中で追走、直線外へ出されると一気に伸びて抜け出して1着。
毎日杯は、最内枠から2番手で先行、直線突き放されながらも外に出して粘って、内からベラジオボンドに交わされましたが、差し返して2着。
NHKマイルカップで得意のマイルに戻り良馬場での出走になれば上位進出の可能性も十分あると思われます。
【エコロブルーム】1600m適性高い
父ダイワメジャー。母シュガーショック。母の父Candy Ride。
2歳未勝利は、スムーズに前へ行き、ザソード、ケイケイをマークして進み、直線に入り余力をもって進出、抜け出すと差を4馬身に広げて1着。
シンザン記念は、外目の枠から先行馬を見ながら4番手の好位を進み、直線で上がって2着に粘りこみました。
ニュージーランドTは、先団を見ながら4番手進み、直線では先行馬の外から上がっていき、末脚を伸ばして抜け出し1着。
これまでマイルで4戦2勝・2着1回・3着1回と1600mへの適性は高く、NHKマイルカップでも良いレースができることが推測されます。
【NHKマイルカップ2024予想】血統馬5選情報
【ジャンタルマンタル】母父ナスルーラ系割引
父Palace Malice。母インディアマントゥアナ。母の父Wilburn。
母インディアマントゥアナはレッドカーペットH(米G3・芝11F)勝ち馬。母父ウィルバーンはインディアナダービー(米G2・ダ8.5F)勝ち馬。
父Palace Maliceはダート2400mの米G1ベルモントSを制しており、その弟には春の天皇賞馬ジャスティンパレスやステイヤーズS勝ち馬アイアンバローズがいます。
種牡馬系統ミスタープロスペクター系は【2.3.2.42】で、複勝率16.7%。母父の系統ナスルーラ系【0.0.1.8】で、複勝率3.8%はマイナス要素。
母も芝2200mの米G1を勝っており、血統背景はむしろ中長距離向きです。
【アスコリピチェーノ】持続力勝負向き血統
父ダイワメジャー。母アスコルティ。母の父Danehill Dancer。
ダイワメジャー産駒は、マイルG1を9勝とマイル重賞に非常に適性が高い血統です。
NHKマイルカップ過去10年、ダイワメジャー産駒は、2022年マテンロウオリオン2着、2020年レシステンシア2着、2019年アドマイヤマーズ1着、2016年メジャーエンブレム1着。
アスコルターレ（JRA3勝）の半妹で、母アスコルティはJRA2勝、母母リッスンはフィリーズマイル(英G1)勝ち馬で、タッチングスピーチ(秋華賞)の母です。
母系にSadler’s Wellsが入るダイワメジャー産駒にアドマイヤマーズ(朝日フューチュリティS)、レシステンシア(阪神ジュベナイルF)がおり、マイルG1に適性が高い血統です。
高速末脚勝負より、上りのかかるスピードの持続力勝負の方が、より高いポテンシャルを発揮できる血統配合です。
【ダノンマッキンリー】ハイペースの展開なら
父モーリス。母ホームカミングクイーン。母の父Holy Roman Emperor。
アイリッシュパール（JRA1勝）、シェイル(愛G1モイグレアスタッドS)の半弟。欧州年度代表馬Dylan Thomas（凱旋門賞などG1を6勝）の近親。
母ホームカミングクイーンは英1000ギニーの優勝馬。父モーリスはジャックドール(大阪杯)、ジェラルディーナ(エリザベス女王杯)、ピクシーナイト(スプリンターズS)を輩出して種牡馬としても成功しています。
母父Holy Roman EmperorはスプリントG1を2勝、その影響が強く、本質的にスプリンターで距離延長は割引かもしれません。
だだし、折り合ってからの爆発力は強烈、ハイペースの展開なら末脚を発揮できると思われます。
【ディスペランツァ】1800mがベスト
父ルーラーシップ。母ルパンII。母の父Medaglia d’Oro。
父はルーラーシップ、その父キングカメハメハ、母父はMedaglia d’Oro（北米ダートG1勝ち馬）でミスタープロスペクター系×ノーザンダンサー系、母母父はノーザンダンサー系Danehillと、NHKマイルカップ向きの血統配合です。
ファントムシーフ(共同通信杯1着)やルピナスリード(JRA4勝)の半弟です。
母母プロミシングは、愛プリティポリーS(愛G1・芝10F)の優勝馬です。
父ルーラーシップの母はエアグルーヴで、高いポテンシャルを伝えています。
マイルで2連勝していますが1800mがベストの配合です。
東京芝1600mは、1800mで勝ち負けできる能力が要求されるため、1800mがベストの配合がプラスになることが推測されます。
【ボンドガール】父系も母系もマイル血統
父ダイワメジャー。母コーステッド。母の父Tizway。
ダノンベルーガ(共同通信杯1着)の半妹。
母コーステッドはBCジュベナイルフィリーズターフ(米G1・芝8F)2着馬。母母マリブピアはサンタアナS(米G2・芝9F)の優勝馬です。
ダイワメジャー産駒は、マイルG1を9勝とマイル重賞に非常に適性が高い血統です。
NHKマイルカップ過去10年、ダイワメジャー産駒は、2022年マテンロウオリオン2着、2020年レシステンシア2着、2019年アドマイヤマーズ1着、2016年メジャーエンブレム1着。
父系も母系もマイル血統で、母系のロミタスなど底力とスタミナの血脈があり、1800mで勝ち負けできる能力が求められる東京マイルへの適性を高めています。
