関屋記念コース解説(新潟芝1600m)
新潟競馬場芝Aコースの1週距離は2.223m（外回り）、幅員は25m、直線距離は658.7m（外回り）、高低差は2.2m（外回り）です。
JRA中央競馬最大の大きさを誇る新潟競馬場芝外回りコースの1週の距離は2.223m、直線距離は東京競馬場の直線より130mも長くなっています。
向正面からのスタートで3コーナーまでの直線距離は548mです。
バックストレッチの内回りと外回りの分岐点を過ぎたところから、約1.7mの坂を上ります。
3から4コーナーはスパイラルカーブで、やや急な下り坂で約2.0mの高低差があります。
直線距離はともに658.7m。この部分はほぼ平坦ですが、直線の長さは日本最長を誇ります。
新潟競馬場芝外回りコースの長い直線まで、スタミナを温存する必要があります。
レースはスタートから4コーナーを回って直線に向くまでは、ゆったりとしたスローペースで流れ、658.7mの長い直線では、仕掛けるタイミングがとても重要になります。
早すぎると後続に差され、遅すぎると届きません。
ギリギリまで追い出しを我慢できる騎手の采配と、馬の反応の速さ、操縦性の高さ。
この3つは新潟競馬場外回りコースで勝ち負けするための必須条件になります。
外回りコースでは3コーナーから直線の半ばにかけて高低差2.0mの緩やかな下り坂が続きます。
下り坂で勢いついて折り合いを欠く馬もでてきます。
下り坂が続くためレースの上がりは速くなります。
直線はほぼ平坦なので、32秒台の上がり決着になることもあります。
折り合いに懸念がなく、長い直線で瞬発力を発揮できる馬でないと届きません。
関屋記念は、コース形態上逃げ切るのは至難の業で、逃げ・先行馬には非常に厳しいコースです。
上がりは速い競馬になる傾向があり、差し馬が有利になります。
小回りコース・内回りコースで凡走が続いている器用さに欠ける差し馬が、新潟外回りで一気に息を吹き返して大穴をあけることがあります。
器用さに欠ける馬でも直線でスピードを持続できればチャンスがあります。
小回りコース・内回りコースで大敗していても、東京競馬場で上がりの速い競馬で勝利実績のある馬を探してみることが、馬券的中の近道になります。
展開的には658.7mの長い直線を意識するため、芝1600m外回りコースのレースでは序盤から中盤にかけてはゆったりとしたペースで流れ、直線の末脚比べに持ち込まれる傾向が顕著にでています。
3コーナーと4コーナーにはスパイラルカーブで外回りコースではここに高低差1.6mほどの緩やかな下り勾配も設けられているので、ここで各馬一斉に仕掛けて直線に向きます。
このため、レースの上がりタイムは速くなることが多く、しっかりとした決め手を持つ馬でなければ勝ち切るのが難しいコースです。
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(2010年09月28日に書いた記事です)
【関屋記念2023予想】データ分析と傾向
関屋記念過去10年前人気別成績
1番人気【3.3.3.2】
1番人気は単勝､複勝回収率ともに100%を超えています。
着外に敗れた2頭は単勝オッズが4倍以上と押し出された1番人気でした。
関屋記念過去10年前走別成績
前走重賞組【7.9.8.94】
中京記念組【3.5.2.38】
前走重賞組が馬券内の大半を占めています。
中京記念組を使われた馬の好走が多く、 6着以下からでも好走しているため、中京記念組は着順よりも中京記念時の人気に注意です｡
関屋記念過去10年前走距離別成績
前走同距離組【6.7.6.79】
前走距離短縮組【3.3.2.33】
前走距離延長組【1.0.2.18】
前走京王杯SC組【0.0.0.5】
同距離組が好走馬の大半を占めています。
前走京王杯SCの距離延長組は不振です。
関屋記念過去10年3歳馬成績
3歳馬【1.0.2.7】
夏場の重賞で活躍が目立つ3歳馬ですが、 関屋記念で好走は多くありません。
1番人気で3着の2021年ソングラインや、2番人気で14着の2019年ケイデンスコールなど、人気に応えられていないケースが目立ち、3歳馬よりも歴戦の古馬に分があるレースです。
関屋記念過去10年最高配当
単勝最高配当1,210円(2017年)
馬連最高配当11,190円(2022年)
馬単最高配当17,230円(2022年)
3連複最高配当25,190円(2015年)
3連单最高配当·131,710円(2017年)
関屋記念データ分析まとめ
好走馬の大半が単勝オッズ14.9倍以下
前走重賞組中心
1400m以下からの参戦は厳しい
3歳馬は人気に反して馬券に絡まない
【関屋記念2023予想】本命馬候補5選情報
【セルバーグ】逃げて2勝
父エピファネイア。母エナチャン。母の父キンシャサノキセキ。
前走の中京記念(G3・中京芝1600m)は、ここ2走とは一転してハナに立ってペースを緩めずに逃げ、直線に入っても先頭をキープ、上位人気馬が追いあげてきましたが、並ばせずに1馬身半さをつけて逃げ切って優勝しました。
3走前の六甲S(L・阪神芝1600m)は、雨と連続開催の影響で一気にタフなコンディションなった馬場で、後方から追い込み、勝ち馬と０秒4差の4着で大きく負けてはいません。
前走の米子S(L・阪神芝1600m)は、直線で不利を受けて驚いてかかってなし崩しに脚を使ってしまい12着でした。
スムーズに逃げた時の成績は、5戦2勝・3着3回で複勝率は100%です。
関屋記念でもスムーズに逃げることが出来れば勝ち負けは必至になりそうです。あとは夏場の中2週がどうか少し懸念されます。
【ララクリスティーヌ】左回り4勝
父ミッキーアイル。母スーパーマダム。母の父タニノギムレット。
3走前のキャピタルS(L・東京芝1600m)は、フルゲート2枠4番から6番手を先行、直線押し上げていき抜け出し、後続も追い上げて、外からトリプルエースが迫りましたが、並ばせず1着、距離延長で変わり身を見せたレースでした。
前々走の京都牝馬S(G3・阪神芝1400m)は、道中は先団を見るポジションの馬群の中の7番手を追走、直線伸びて先頭のウインシャーロットに迫りほぼ並んで入線、ハナ差の1着で重賞初制覇しました。
小雨の中開催された前走のヴィクトリアマイル(G1・東京芝1600m)は、折り合いを欠いて3コーナー過ぎから失速してしまい14着に敗れています。
京都牝馬Sを勝っている実力馬です、自分のリズムで走れるようなら重賞2勝目のチャンスです。
全6勝中4勝を左回りで挙げていることから、折り合いに問題がなければ関屋記念で巻き返せる実力馬です。
【プレサージュリフト】左回り重賞で1勝・3着2回
父ハービンジャー。母シュプリームギフト。母の父ディープインパクト。
デビュー2連勝でクイーンカップを勝ち重賞制覇した潜在能力が非常に高い馬です。
牝馬三冠レースは桜花賞11着、オークス5着、秋華賞9着はいずれも勝ち馬から0秒6差以内で大負けはしていません。
前々走の京都金杯(G3・中京芝1600m)は、馬群の内目の中団を追走から、直線追い出しが遅れましたが、やや外へ出されて伸びて3着に入線しました。
東京新聞杯(G3・東京芝1600m)は、ロスなくゲートを出ましたが、大外枠だったので控えて中団を追走、直線に入り、外から33秒なの鋭い末脚で追い上げてきましたが届かず3着でした。
左回り重賞で1勝・3着2回と、左回りを得意にしていますので、新潟コースである関屋記念でも好勝負が期待できそうです。
【ディヴィーナ】中京巧者
父モーリス。母ヴィルシーナ。母の父ディープインパクト。
昨年豊橋S(3勝クラス・中京芝1600m)を先行して直線抜け出す競馬で快勝してオープンクラス入りした後は、重賞で2桁着順と苦戦が続いていましたが、さすが中京4勝の中京巧者、前走の中京記念(G3・中京芝1600m)は、じっくり構えて後ろ目の13番手のポジションに控え、直線外から34秒9の末脚で猛烈に追いあげて2番手にまで上がりましたが、先頭のセルバーグに並べず、惜しい2着でした。
前走のヴィクトリアマイル(G1・東京芝1600m)でも4着に好走しているように、左回りは得意です。夏場開催の関屋記念、夏は牝馬でディヴィーナの好走の可能性は十分にあると思われます。
【アナザーリリック】新潟で強烈な末脚
父リオンディーズ。母アンソロジー。母の父サクラバクシンオー。
昨年の福島牝馬S(G3・福島芝1800m)は、スタートで遅れて後方を15番手で追走していましたが、勝負所で外目から進出、4コーナーでも外を回って追い込み、直線34秒6のメンバー中最速上がりの末脚で、内のクリノプレミアムを交わして抜け出して優勝しました。
新馬戦(新潟芝1600m)は、4コーナー9番手から34秒3のメンバー中最速上がりの末脚で差し切り1着。
佐渡S(3勝クラス・新潟芝1800m)は11番手追走から、直線36秒3の末脚で差し切って1着。
直線は平坦な新潟コースで末脚をいかせるタイプです。
直線平坦な新潟芝1600mで開催される関屋記念は重賞2勝目を挙げる絶好の舞台です。
【関屋記念2023予想】穴馬候補5選情報
【エターナルタイム】左回り巧者
父ロードカナロア。母マジックタイム。母の父ハーツクライ。
前走の多摩川S(3勝クラス・東京芝1400m)は、最内枠から先行馬を見ながら5番手を進み、直線先に抜け出したニシノラブウインクに迫っていき交わして1着。
昇級2走目で実力がついてきたことを示しました。
これまで全7戦を左回りコースを使われて4勝・2着1回・3着1回と、直線の長い左回りで抜群の実績を誇ります。
直線平坦左回りの新潟芝1600mで開催される関屋記念で好走する可能性は十分にあると思われます。
【ロータスランド】2021年優勝
父Point of Entry。母Little Miss Muffet。母の父 Scat Daddy。
昨年の高松宮記念は2着に好走。京都牝馬は昨年優勝、今年は3着。2021年の関屋記念を優勝しており重賞で勝ち負けできる実力馬です。
近2戦も高松宮記念6着、ヴィクトリアマイル6着と、G1で差のない競馬をしています。
脚をためることが出来れば32秒台の末脚も使えます。
夏は牝馬、関屋記念で重賞2勝目を狙います。
【アヴェラーレ】強烈な末脚
父ドゥラメンテ。母アルビアーノ。母の父Harlan’s Holiday。
重賞挑戦2回目だった前走京王杯スプリングC(G2・東京芝1400m)では、3コーナー13番手から32秒5のメンバー中最速上がりの末脚を使い4着に善戦しました。
これまで13戦中12戦でメンバー中3位以内の末脚を発揮。
全4勝を左回りコースで挙げています。
左回りコースでの実績は十分、強烈な末脚で関屋記念を差し切っても驚けません。
【コンシリエーレ】雨が降った馬場状態
父ドレフォン。母ターシャズスター。母の父Spanish Steps。
これまで、中央・地方ダート8戦で5勝の実力馬が芝に初挑戦します。
先行力とパワーがあるタイプで、切れる末脚はないので、雨が降った馬場状態になれば好勝負になりそうです。
【ラインベック】展開次第
父ディープインパクト。母アパパネ。母の父キングカメハメハ。
一昨年江の島S(3勝クラス・東京芝1600m)を勝ってオープンクラス入りした後は、苦戦が続いていました。
3走前の東風S(L・中山芝1600m)を勝って、ようやくオープンクラス初勝利。
今年の関屋記念は、後ろからいく馬が多く先行する馬にチャンスがあるかもしれません。
【関屋記念2023予想】コース適性馬5選情報
【エターナルタイム】左回り複勝率86%
父ロードカナロア。母マジックタイム。母の父ハーツクライ。
新潟芝1600mは未出走。
新潟芝コースは【0.1.0.0】で複勝率は100%。
芝1600mは【3.0.0.1】で複勝率は75%。
左回りは【4.1.1.1】で複勝率は86%。
稍重・重・不良馬場は【1.1.0.0】で複勝率は100%です。
これまで全7戦を左回りコースを使われ複勝率は86%、直線の長い左回りで抜群の実績を誇ります。
芝1600mでの複勝率は75%。
新潟芝1600mは未出走でも、これまでの芝1600m、左回りの実績からコース適性に懸念はなさそうです。
【ララクリスティーヌ】左回り4勝
父ミッキーアイル。母スーパーマダム。母の父タニノギムレット。
新潟芝1600mは【1.0.0.0】で複勝率は100%。
新潟芝コースは【2.1.0.0】で複勝率は100%。
芝1600mは【2.0.0.1】で複勝率は67%。
左回りは【4.2.0.2】で複勝率は75%。
稍重・重・不良馬場は【1.0.0.0】で複勝率は100%です。
全6勝中4勝を左回りで挙げている左回り巧者、新潟芝コース複勝率は100%で新潟芝1600mへの適性は、関屋記念出走メンバー中上位です。
【プレサージュリフト】左回り重賞実績十分
父ハービンジャー。母シュプリームギフト。母の父ディープインパクト。
新潟芝1600mは未出走。
新潟芝コースは未出走。
芝1600mは【2.0.2.1】で複勝率は80%。
左回りは【2.0.2.1】で複勝率は80%。
稍重・重・不良馬場は未出走です。
新潟芝1600mは未出走ですが、左回り重賞で1勝・3着2回と、左回りでの実績は十分。
新潟芝1600mは直線平坦なので、更にポテンシャルを上げてくる可能性があります。
【アナザーリリック】直線平坦得意
父リオンディーズ。母アンソロジー。母の父サクラバクシンオー。
新潟芝1600mは【1.0.0.0】で複勝率は100%。
新潟芝コースは【2.0.0.0】で複勝率は100%。
芝1600mは【2.1.0.3】で複勝率は50%。
左回りは【2.0.0.2】で複勝率は100%。
稍重・重・不良馬場は【1.0.0.0】で複勝率は100%です。
新馬戦(新潟芝1600m)は、4コーナー9番手から34秒3のメンバー中最速上がりの末脚で差し切り1着。佐渡S(3勝クラス・新潟芝1800m)は11番手追走から、直線36秒3の末脚で差し切って1着。
これまでの実績から、直線平坦な新潟芝1600mへのコース適性は出走メンバー中トップクラスです。
【ロータスランド】関屋記念優勝馬
父Point of Entry。母Little Miss Muffet。母の父 Scat Daddy。
新潟芝1600mは【1.0.0.0】で複勝率は100%。
新潟芝コースは【1.0.1.4】で複勝率は33%。
芝1600mは【4.1.2.11】で複勝率は33%。
左回りは【1.2.0.4】で複勝率は43%。
稍重・重・不良馬場は【3.2.0.1】で複勝率は83%です。
2021年関屋記念優勝馬、G1での好走実績もあります。
走りにムラがありますが、展開がハマって末脚を発揮できれば上位進出可能なコース適性があります。
【関屋記念2023予想】血統馬5選情報
【ララクリスティーヌ】
父ミッキーアイル。母スーパーマダム。母の父タニノギムレット。
アリアナティー(地方3勝)、フィールドドリーム(地方1勝)の半弟。
オメガファルコン(JRA5勝)やオメガエクスプレス(JRA3勝)の近親です。
父ミッキーアイルはマイルG1を2勝したディープインパクト産駒で、メイケイエール(重賞6勝)やナムラクレア(重賞3勝)など牝馬の実績が多い傾向があります。
ディープインパクト×Storm Catの配合もあり、潜在能力を押し上げています。
【ロータスランド】
父Point of Entry。母Little Miss Muffet。母の父 Scat Daddy。
プリファードラン(地方3勝)の半妹。
サトノディード(6勝)やカラビナ(JRA5勝)の近親で、ブロッコ(BCジュヴェナイル)やゴジップガール(アメリカンオークス招待S)などが出る優秀な牝系です。
父Point of EntryはマンノウォーS(米G1・芝9.5F)など北米芝G1を5勝。
母父スキャットダディはミスターメロディ(高松宮記念)の父でユニコーンライオン(鳴尾記念)の父の父です。
母の母Jenna Sは、Roberto系でマイル適性を高めています。
【コンシリエーレ】
父ドレフォン。母ターシャズスター。母の父Spanish Steps。
エスメラルディーナ(トゥクソムC・関東オークス)、アズールムーン(JRA2勝)の半弟でアリーヴォ(小倉大賞典)の近親。
父ドレフォンは初年度産駒から皐月賞馬のジオグリフを輩出、デシエルトが東京ダート1600mで驚異的なレコードを記録しており、北米チャンピオンスプリンターとしてマイルでのスピードを伝えています。
母父スパニッシュステップスはコントレイルの母の父Unbridled’s Songの全弟です。
550キロ超の大型馬の胴長で、エンジンのかかりが遅いので直線が長いコースがベストです。
【セルバーグ】
父エピファネイア。母エナチャン。母の父キンシャサノキセキ。
ギーロカスタル(JRA1勝)、エナジーボーイ(地方2勝)の半兄。
3代母Fara’s TeamはテストS(米G1・ダ7F)勝ち馬で、BCクラシックのコンサーンの母です。
父エピファネイアはジャパンカップと菊花賞を制覇、エフフォーリア(3冠馬)やデアリングタクト(3冠馬)などを出し種牡馬としても大成功をおさめています。
母の父の父フジキセキの影響もありマイルのスピード能力を受け継いでいます。
【ディヴィーナ】
父モーリス。母ヴィルシーナ。母の父ディープインパクト。
父モーリスはG1を6勝、 種牡馬としても、ピクシーナイト(スプリンターズS)、ジェラルディーナ(エリザベス女王杯)、ジャックドール(大阪杯)の3頭のG1馬を出しています。
母ヴィルシーナはヴィクトリアマイルを連覇。
父、母とものマイルG1の勝ち馬で、ディヴィーナもマイルのスピード能力に優れています。
