安田記念コース解説(東京芝1600m)
安田記念は日本ダービーと同じCコースで開催されます。
東京競馬場芝Cコースの1周距離は2,120.8m、幅員は25~35m、直線距離は525.9m、高低差は2.7mです。
スタート地点は向正面の2コーナー出口付近の下り坂のスタートでバックストレッチの中間まで約1.8m下ります。
そこからは約80mで1.5mの急な上り坂です。
その後、約60m平坦を走り、3コーナー手前から3~4コーナーの中間まで再び約2.2mの下り坂です。
4コーナーの手前からは再び若干の上り勾配のカーブを曲がり、ホームストレッチ直線、残り460メートル地点から300メートル地点にかけて、高低差約2mの上り坂が設けられています。
この高低差2mの坂を上り切った後に、函館芝コースの直線の長さとほぼ同じ300mの直線が待ち受けています。
ゴール前の直線は、仮柵の位置とは関係なく、525.9mとなっています。
安田記念は、下り坂からのスタートである点と、バックストレッチの距離が540mと長いため、前半からスピードに乗りやすいコース設定になっています。
安田記念は前半のペースが速く後半の方が、時計がかかり、直線は脚が上がる消耗戦になりやすい傾向があります。
このため芝1600mから芝2000mぐらいまでの距離で勝利実績がある馬の方が有利になります。
安田記念は、息の入りにくい、日本一タフなマイル消耗戦で、真の実力がないと勝ち切るのは難しいマイルG1です。
前半スローペースからの直線勝負になることは少なく、スタートからゴールまでスピードを持続できるハイレベルな能力とスタミナ・持続力も求められます。
安田記念のおさえておきたい重要な馬場情報は、日本ダービー週に、Cコースへ替わり、内ラチの状態が良い芝の出現で前が残りやすくなることです。
安田記念は、東京連続開催14日目で、Cコース使用4日目になります。
Cコースに替わった影響から内を走った馬が有利になる傾向が強く、逃げ・先行馬の激走に警戒が必要になります。
しかし、Cコースで開催される安田記念は、直線の芝状態の良い外を回る馬が能力を発揮しやすいと考えます。
2015年から2020年まで上がり最速馬が6年連続で馬券に絡んでいます。
決め手があれば直線一気でも差し切れます。
その一方で、2019年はアエロリットが3番手先行から2着、ロゴタイプが逃げて2017年2着、2016年優勝しており、逃げ・先行馬の好走も十分ありますが、基本安田記念は外差しが決まりやすいと推測します。
【安田記念2024予想】データ分析と傾向
安田記念過去10年騎手別成績
川田将雅騎手【3.0.0.7】
池添謙一騎手【2.0.0.5】
C.ルメール騎手【1.3.2.2】
戸崎圭太騎手【1.2.0.6】
武豊騎手【0.0.0.9】
川田将雅騎手は3勝マーク
池添謙一騎手は2勝マーク
M.デムーロは8回騎乗で3着2回
武豊騎手 (9回)、岩田康成 (8回)、横山典典弘 (6回)は3着以内なし。
安田記念過去10年人気別成績
1番人気【2.3.3.2】
2番人気【0.1.1.8】
3番人気【1.3 1.5】
4番人気【3.0.1.6】
8番人気【2.1.1.6】
過去10年で1番人気は3着以内8回。
過去38回で【10.6.5.17】 と信頼度は低い。
過去38年中20年で4番人気以下が勝っている波乱レース。
過去10年で最多3勝の4番人気は過去38年でも6勝で勝利数2位。
安田記念過去10年前走別成績
ヴィクトリアマイル【2.4.0.10】
ダービー卿CT【2.0.0.8】
京王杯SC【1.1.1.22】
マイラーズC【1.0 4.33】
高松宮記念【1.0.1.9】
NHKマイルC【0.0.1.4】
大阪杯【0.0.1.13】
前走G1組【4.5.3.35】
前走海外組【1.3.1.14】
同コース、同距離で優勝したマイル組の成績が突出。
前走G1組、前走海外組の好走多い。
安田記念過去10年勝ち馬の条件
①過去に1600mを1分33秒以内で走った経験がある
②過去に上がり3F33秒5以内を記録したことがある
③ノーザンF生産馬
④馬体重が480キロ以上
⑤G1で5着以内に入ったことがある
⑥1年以内に重賞で3着内に好走していた
⑦前走が1200mから1600mのレースに出走
⑧前走上がり3ハロン1位から2位を記録していた
⑨前走1番人気から4番人気
⑩今回5枠から8枠
安田記念データ分析まとめ
2.9倍以下の1番人気は複勝率100%
5枠から8枠が 8勝をあげ外枠有利
差しが決まり上がり1位馬が好走
近年はヴィクトリアM組が優秀
【安田記念2024予想】本命馬候補5選情報
【ソウルラッシュ】モレイラ騎手騎乗
父ルーラーシップ。母エターナルブーケ。母の父マンハッタンカフェ。
前走の読売マイラーズC(G2)は、4か月半ぶりの実戦でしたが仕上がっていました、外枠から中団を追走、勝負所で進出し、直線では勢いで優って抜け出し、差を広げて1着。
昨年のマイルチャンピオンシップは、インコースから直線で馬郡を割って伸びて、先頭に立ちましたが、大外から伸びてきたナミュールに抜け出され2着、G1でも通用する実力がついてきたことを示しました。
先週の日本ダービーからわかることは、騎手の能力が非常にレースでは重要であることを改めて気づかされました。
今回の安田記念はモレイラ騎手とのコンビ復活することで、信頼度は高まります。
【Romantic Warrior】G1を4連勝中
父Acclamation。母Folk Melody。母の父Street Cry。
コックスプレート(G1・芝2040m)、香港C(G1・芝2000m)、香港ゴールドC(G1・芝2000m)、QE2世C(G1・芝2000m)のG1を4連勝中。
またG1・7勝は全て中距離戦。唯一のマイルG1経験は、昨年1月のスチュワーズC(G1・芝1600m)では、一昨年の香港マイル(G1・芝1600m)の優勝馬カリフォルニアスパングルには先着して2着、マイルでも高いパフォーマンスを発揮できることを示しています。
東京芝1600mのG1は、2000mで勝ち負けできるスタミナがある馬が好走する傾向はあります。
中距離G1・7勝のポテンシャルは安田記念でも十分通用することが推測されます。
【セリフォス】安田記念3勝騎手
父ダイワメジャー。母シーフロント。母の父Le Havre。
一昨年のマイルチャンピオンシップは、14番手に控えて追走、直線外から33秒0の豪快な末脚で一気に伸びて内の馬を交わして抜け出し優勝。
ドバイターフ5着から臨んだ昨年の安田記念はソングラインの2着でした。
前走の読売マイラーズC(G2)は、内目で控えて、直線に入ると間を割って伸びて、ニホンピロキーフを交わして2番手に上がって地力の高さを示しました。
安田記念は一昨年4着、昨年2着、後方でじっくりと脚をためることができれば33秒台前半の強烈な末脚を使えます。
東京マイルG1・5勝。
安田記念3勝の川田将雅騎手騎乗でセリフォスの潜在能力を最大限引き出されると思われます。
【ナミュール】直線一気の瞬発力勝負
父ハービンジャー。母サンブルエミューズ。母の父ダイワメジャー。
マイルチャンピオンSは。大外枠からアオって、後方を15番手から追走、4コーナーで大外を回り、直線でも大外を追い込んで33秒0のメンバー中最速上がりの末脚で一気に伸び、内のソウルラッシュ、ジャスティンカフェを交わして1着。
香港マイル3着、ドバイターフ2着と世界の強豪馬相手に実力を示しています。
出遅れが懸念されますが、スタートさえクリアできれば、脚をためての直線一気の瞬発力勝負に持ち込めます。
マイルチャンピオンSで見せた33秒0の末脚を再現できれば、強豪馬を直線でまとめて差し切る可能性も十分にあります。
【パラレルヴィジョン】おさえつつ先行
父キズナ。母アールブリュット。母の父マクフィ。
前走のダービー卿チャレンジTは、2番手先行から、勝負所でセッションに並んでいき、直線単独2番手に上がり、さらに先頭のエエヤンに迫って1着。
ニューイヤーS、ダービー卿チャレンジTを連勝、マイル路線への変更が成功。
今回の安田記念はルメール騎手とのコンビ復活、おさえつつ先行させることができるルメール騎手の手腕に期待できそうです。
【安田記念2024予想】穴馬候補5選情報
【フィアスプライド】自在性高い
父ディープインパクト。母ストロベリーフェア。母の父Kingmambo。
前走のヴィクトリアマイル(G1)は、3番手を進み直線で先頭に立ちましたが、外から伸びてきたテンハッピーローズに抜け出され2着も、差し有利な展開を先行して2着に粘り、潜在能力が高いことを十分に示しました。
先行しても残れ、後方からでも32秒台の末脚が使える自在性が高い馬、展開に左右されにくい点をいかした走りができれば上位も十分に狙える実力馬。
【ガイアフォース】天皇賞秋5着のスタミナ
父キタサンブラック。母ナターレ。母の父クロフネ。
前走のフェブラリーS(G1)、初めてのダートで見事2着。天皇賞秋(G1)5着、昨年の安田記念4着とG1で3度の掲示板の実績から、厳しいレース展開のG1レースで高いポテンシャルを発揮できる潜在能力が高い馬。
天皇賞秋を5着したスタミナは、安田記念では有利になります。
【ヴォイッジバブル】香港G1での実績
父Deep Field。母Raheights。母の父Rahy。
香港マイル(G1・芝1600m)2着、香港スチュワーズC(G1・芝1600m)1着、香港ゴールドC(G1・芝2000m)2着、チャンピオンズマイル(G1・芝1600m)3着。香港G1での実績は申し分なく、世界の強豪馬相手のこれだけの実績があるなら、安田記念でも十分通用することが推測されます。
香港馬の2頭の実力は相当高く、おさえておいたがよさそうです。
【ステラヴェローチェ】距離短縮プラス
父バゴ。母オーマイベイビー。母の父ディープインパクト。
前走の大阪杯(G1)は、道中9番手に控えて追走、馬群の中から上がっていき、直線で外へ出されて伸びて、勝ち馬ベラジオオペラから0秒1差の4着。
中距離G1で混戦のレースで4着した能力は高く、2000mで通用するスタミナがあり、距離短縮になる安田記念では、1発激走の可能性のあり実力馬です。
【エルトンバローズ】東京なら巻き返す
父ディープブリランテ。母ショウナンカラット。母の父ブライアンズタイム。
昨年4連勝で毎日王冠を制覇。
マイルチャンピオンS(G1)でも、勝ち馬ナミュールから0秒4差の4着とマイルG1で結果を残しています。
ここ2戦がひと息ですが、実績のある東京なら巻き返してくる可能性は十分にあります。
【安田記念2024予想】血統馬5選情報
【ソウルラッシュ】マイラー血統
父ルーラーシップ。母エターナルブーケ。母の父マンハッタンカフェ。
ディオ(JRA5勝)の半兄で、ヒラボクディープ(JRA5勝)の近親。
ヘネシー、エディターズノート、カフェブリッツなどもでている優秀な牝系です。
ルーラーシップ×マンハッタンカフェ×ストームキャットまでアディラート(JRA6勝)と同じで、ストームキャットの高いマイラー適性を受け継いでいます。
【セリフォス】自在性高い脚質
父ダイワメジャー。母シーフロント。母の父Le Havre。
母の父Le Havreは2009年の仏ダービー馬で、アヴニールセルタン(仏オークス、仏1000ギニー)、ラクレッソニエール(仏オークス、仏1000ギニー)の仏2冠牝馬を輩出して種牡馬としても成功しています。
母シーフロントはベルトランデュブルイユ賞(仏G3・芝1600m)の3着馬。
近親にパシフィッククラシックS(米G1・ダ10F)を勝ったゴービトゥウィーンなどがいる優秀な血統です。
母系の血脈構成がマイルG1を2勝したアドマイヤマーズと似ています。
重厚感を伝えるダイワメジャー産駒で、母父がブラッシンググルーム系で脚質は自在性が高く、自在な脚で好勝負必至の血統です。
【ナミュール】絶妙なマイル配合
父ハービンジャー。母サンブルエミューズ。母の父ダイワメジャー。
父ハービンジャーはKジョージ六世&QエリザベスSの優勝馬で、種牡馬としては6頭のG1馬をだしています。
G3ファルコンS(3着)の半妹。3代母のキョウエイマーチは、1997年の桜花賞馬。
同じキョウエイマーチの牝系のマルシュロレーヌ(父オルフェーヴル)は、BCディスタフ(G1)を制覇しています。
ラヴェルの半姉で、マルシュロレーヌやバーデンヴァイラーの姪。
母サンブルエミューズはフェアリーS3着。3代母キョウエイマーチはトライアンフマーチなどの母。
重厚な父ハービンジャー×母の父ダイワメジャーの配合が絶妙でマイルレースへの高い血統適性がある血統配合です。
【ウインカーネリアン】スタミナある血統
父スクリーンヒーロー。母コスモクリスタル。母の父マイネルラヴ。
ウインルチル(JRA2勝)やウインガーネット(JRA4勝)の半弟で、母コスモクリスタルはJRA4勝の短距離馬。
東京芝1600mは、1800m以上を勝ち負けできるスタミナがある馬が好走する傾向があります。
ノーザンダンサーとヘイルトゥリーズンのクロスがあり、父中距離×母短距離の組み合わせで先行力のあるマイラー血統ですが、父スクリーンヒーロー産駒は芝1800m以上に好成績、安田記念で好走する可能性のある血脈です。
【エルトンバローズ】パワーと機動力
父ディープブリランテ。母ショウナンカラット。母の父ブライアンズタイム。
ドグマ(JRA3勝)やカバーガール(JRA3勝)の半弟で、グランプリゴールド(JRA4勝)、ダノンプログラマー(JRA7勝)の近親です。
母母ニュースヴァリューはJRA6勝のオープン馬で、Moonscapeの牝系。
Moonscapeの牝系からベガ、アドマイヤベガ、ハープスターなど活躍馬が多数出ている優秀な牝系です。
父ディープブリランテはダービー馬でモズベッロ(日経新春杯)やセダブリランテス(中山金杯・ラジオNIKKEI賞)などを輩出。
母父がブライアンズタイムでパワーと機動力を受け継いでおり、中距離適性が高い血統です。
ディープインパクトとSeattle Songの配合で斬味を伝えますが、母父がブライアンズタイムでパワーと機動力も伝える総合力の高い血統です。