セントウルステークスコース解説(阪神芝1200m)
セントウルステークスはサマースプリントシリーズの最終戦、3週間後のスプリンターズSの前哨戦に位置づけられたレースです。
阪神競馬場芝内回りAコースの1周距離は1689mです。
内回りの芝1200mと外回りの芝1600mはスタート地点が同じです。
スタートから3コーナーまで約243mと最初のコーナーまでの距離が短いために枠順は内枠が圧倒的に有利ですが、激しい先行争いが繰り広げられることから、ダッシュ力のない馬が最内枠に入ると馬郡に飲み込まれるのでマイナスになります。
総合的に2枠の馬が1番良いところを走れる可能性が高いようです。
阪神競馬場芝1200m内回りコースは残り800m地点から直線の半ばにかけて緩やかな下り坂が続きます。
直線距離は359m、ゴール前200m地点から約120mの間に、急坂が待ち受けています。この急坂は高低差1.8m、勾配率は1.5%となかなかキツい上り坂です。
この急坂を上がりきってから約80mを全力でゴールまで走りきる体力と強い精神力が問われるタフなコースです。
3コーナーまでの距離が短いので揉まれず先行できるスタートダッシュ力、内回りコースのインを器用に立ち回る機動力、短い直線での一瞬の末脚が求められます。
先行馬は良いポジションを取るダッシュ力、差し馬はインを回る器用さと馬群を割っていく勝負根性と一瞬の瞬発力、急坂を一気に上るパワーが求められます。
前が止まらない開幕週なので内枠に入った逃げ・先行馬が圧倒的に有利になる傾向が顕著に出ています。
【セントウルステークス2023予想】データ分析と傾向
セントウルステークス過去10年人気別成績
1番人気【7.3.0.0】
2番人気【1.3.2.4】
3人気【0.0.2.8】
4番人気【1.0.3.6】
5番人気【0.0.1.9】
6~9番人気【0.3.2.35】
10番人気以【1.1.0.54】
JRA全重賞の中でも1番人気の好走率の高さは最上位のレースで連対率100%です。
2016年から7年連続1番人気が勝利しています。
馬連平均配当は3千円台。
大荒れは少なく、堅い決着の傾向があります。
セントウルステークス過去10年年齢別成績
3歳馬【1.3.1.10】
4歳馬【5.0.0.20】
5歳馬【4.4.4.26】
3歳馬の、回収率は単勝、複勝とも100%超えています。
7番人気以下で2回連対、人気薄の激走は3歳馬が多い傾向があります。
6歳以上は2着が最高で割引。
セントウルステークス過去10年前走別成績
前走3勝クラス【0.0.0.3】
前走オープン特別組【0.0.2.28】
前走重賞1着馬【4.3.1.8】
人気馬が強いレースだけに、格上挑戦組には厳しいレースです。
前走は重賞を使われた馬でないと勝ち負けは厳しい傾向があります。
重賞組でも前走1着馬優秀で重賞連勝するパターンが多いです。
セントウルステークス過去10年前走距離別成績
走は1200m組【5.6.7.84】
前走は1600m組【3.2.2.12】
前走は1200m組が中心ですが、
好走率が高いのは前走は1600m組で、単勝、複勝回収率ともに100%を超えています。
セントウルステークス過去10年のステップレース
前走がサマースプリントシリーズ対象レースの馬が4勝に対し、 春G1だった馬も4勝。
好走率は春G1組の方が高く実績馬を狙うのがいいかもしれません。
秘視点 サマースプリントシリーズ組なら前走連対が目安となります。
セントウルステークス過去10年最高配当
単勝最高配当4,800円(2015年)
馬連最高配当11,990円(2020年)
馬単最高配当29,740円(2015年)
3連複最高配当40,700円(2015年)
3連単最高配当405.590円(2015年)
セントウルステークスデータ分析まとめ
16年から1番人気は7連勝中
穴狙いなら3歳馬
前走重賞組以外から連対なし
1600mを使われた馬が好成績
【セントウルステークス2023予想】本命馬候補5選情報
【ビッグシーザー】瞬発力は一級品
父ビッグアーサー。母アンナペレンナ。母の父Tale of Ekati。
昨年の2歳未勝利、福島2歳S(OP)、中京2歳S(OP)、マーガレットS(L)の芝1200mで、一気の4連勝でオープンクラスを3勝しました
。好位から抜け出す時の一瞬の瞬発力は一級品です。
前走の葵S(G3・京都芝1200m)は、内枠から先行馬を見ながら4番手の好位を進み、インコースを立ち回り、直線で2番手に上がり内を突いたルガルに交わされ3着でしたが、世代トップレベルのスプリンターであることは間違いないと思われます。
父のビッグアーサーは2016年のセントウルステークスの優勝馬、ビッグシーザーが勝てば、レース史上初の父仔制覇となります。
強豪を撃破して重賞初制覇となるか注目されます。
【アグリ】開幕週の馬場合う
父カラヴァッジオ。母オールドタイムワルツ。母の父War Front。
阪急杯を一気の4連勝で重賞初制覇、4連勝は全て違う騎手で勝っていることから操縦性は非常に高く、どんな環境でも高いポテンシャルを発揮できる潜在能力が非常に高い馬です。
高松宮記念(G1)は、直線不利を受けてしまい順位を下げての7着は非常に惜しい結果でした。
脚質的に逃げ・先行タイプで、開幕週のセントウルステークスの馬場は合いそうです。
【ジャングロ】叩き2戦目
父More Than Ready。母Goodbye Stranger。母の父Broad Brush。
一昨年の報知杯中京2歳S(OP・中京芝1200m)は逃げて、34秒7のメンバー中最速上がりの末脚を使い3馬身半差をつける圧勝も余力を残していました。
昨年のマーガレットS(L・阪神芝1200m)は、控えて4番手を追走、直線、先頭のショウナンマッハを交わして抜け出し勝利。
ニュージーランドT(G2・中山芝1600m)は、積極策でハナへ先手をとってスムーズに逃げ、直線に入っても先頭、そのまま逃げ切って勝利。
NHKマイルC(G1・東京芝1600m)は、痛恨の出遅れで最後方からの競馬になり7着。
アイビスサマーD(G3・新潟芝1000m)は、長期休養明けだったことを考慮すれば、6着は叩きレースとしては合格点です。
ダッシュ力、先行力があり、前残りになりやすい開幕週の馬場なら1発の可能性は十分にあると思われます。
【ピクシーナイト】更なる上積みに期待
父モーリス。母ピクシーホロウ。母の父キングヘイロー。
一昨年の3歳時に、CBC賞(G3・小倉芝1200m)2着、セントウルステークス(G2・中京芝1200m)2着、スプリンターズステークス(G1・中山芝1200m)を制覇している潜在能力が非常に高い馬です。
香港スプリントで落馬に巻き込まれ、左前脚のトウ骨手根骨を剥離骨折して休養を余儀なくされ、長期休養の高松宮記念(G1・中京芝1200m)は13着。
前走の京王杯スプリングC(G2・東京芝1400m)は、3着から12着までが全てクビ差の大接戦の中での8着は、体調が上向きであることを示しており、休養明け3戦目で更なる上積みが期待できそうです。
【ドルチェモア】距離短縮で変り身
父ルーラーシップ。母アユサン。母の父ディープインパクト。
デビュー戦の2歳新馬(札幌芝1500m)は、水分を含みパワーを要する馬場で2着馬に3馬身の差をつけて圧勝しました。
サウジアラビアRC(東京芝1600m)は、離れた2番手で先行、直線に入って差がありましたが、そこから33秒4のメンバー中最速上がりの末脚で差を詰め、1馬身半の差をつけて1着。
朝日杯FSは、内枠からから反応良くゲートを出て3番手で先行、直線は前の馬から上がっていき、先頭に立って1着。デビュー3連勝でG1を制覇した実力馬です。
ニュージーランドT(G2・中山芝1600m)7着、NHKマイルC(G1・東京芝1600m)12着、安田記念(G1・東京芝1600m)18着と大敗しました。
成長するにつれて短距離適性が高くなっている可能性があり、夏場を越しての芝1200mへの距離短縮で大きな変り身を見せてくる可能性があります。
【セントウルステークス2023予想】穴馬候補5選情報
【スマートクラージュ】馬場が重くなれば
父ディープインパクト。母レジェトウショウ。母の父キングヘイロー。
昨年の京阪杯(G3・阪神芝1200m)は、先行馬のあとの4番手の好位を進み、直線内目から2番手に上がっていき3着に善戦しました。
前々走の鞍馬S(OP・京都芝1200m・不良馬場)は、逃げるコムストックロードを見ながら2番手で先行、直線先頭に立ちましたが、外からエイシンスポッター、スノーテーラーに交わされて3着でした。
前走のCBC賞(G3・中京芝1200m)は、先団を見ながら馬群の中を5番手で追走、直線、外へ出されて3番手に上がりゴール、直線でロスがありながらも善戦しています。
スマートクラージュは7走前からスプリントに転じて、重賞で3着2回と結果を出しています。
ディープインパクト産駒のスプリンターで脚の回転が速いピッチ走法、スピードがあり、走り方から芝1200mはベストの条件です。
【エイシンスポッター】末脚強烈
父エイシンヒカリ。母マーゼリン。母の父Barathea。
今年初戦だった3走前のフジオーシャンステークス(G3・中山芝1200m)は、後方10番手から追走、直線外に出されて追い上げて3着。
前々走の鞍馬ステークス(OP・京都芝1200m・不良馬場)は、馬体重は14キロ増えていましたが、これは成長分、道中は控えて後方を16番手から追走、直線は馬群の中を割って追い込み、前の馬をごぼう抜きして1着と高い実力を示しました。
CBC賞(G3・中京芝1200m)は、今回も控えて12番手を追走から、直線33秒0の末脚で追い上げてはきましたが、前の馬が止まらず、上位争いに加わることはできず6着、位置どりの差がでた展開でした。
直近の10戦中8戦で上がり3Fをメンバー中最速上がりの末脚を使っています。
開幕週で前が止まらない展開が推測されますが、前半からハイペースになれば、上位に食い込むチャンスがあると思われます。
【モリノドリーム】馬場が重くなれば
父モーリス。母グロリエッテ。母の父アドマイヤムーン。
前々走の函館日刊スポーツ杯(2勝クラス・函館芝1200m)は、6番手追走から直線34秒8の末脚で抜け出して勝利。
TVh杯(3勝クラス・函館芝1200m)は、出遅れて9番手追走から直線34秒6の末脚で差し切って勝利、2連勝している夏の上がり馬です。
全4勝を札幌、函館の洋芝1200mであげています。
時計のかかる馬場で高いポテンシャルを発揮するタイプで、開幕週の馬場は苦戦が予想されます。雨で馬場が重くなったら狙い目です。
【ロンドンプラン】叩き2走目に期待
父グレーターロンドン。母パッションローズ。母の父アフリート。
デビュー戦の2歳新馬(小倉芝1200m)は、3番手先行から34秒4の末脚で差し切り勝利。
小倉2歳S(G3・小倉芝1200m)は、スタートで大きく遅れて最後方を追走、4コーナーでも後方にいましたが、直線に入り、33秒1のメンバー中最速上がりの末脚で一気に追い込んで優勝、ロンドンプランだけが目立つ脚を使っていました。
京王杯2歳S(G2・東京芝1400m)は出遅れたのもありますが、距離が微妙に長かったことが敗因の1つと思われます。
前走の北九州記念(G3・小倉芝1200m)は、スタートでの躓きが響き、直線33秒6の末脚で追い込みましたが8着、ただ約10カ月の休み明けだったので、叩き2走目になるセントウルステークスでの巻き返しが期待されます。
【ホウオウアマゾン】1億5,120万円で落札
父キングカメハメハ。母ヒカルアマランサス。母の父アグネスタキオン。
・2018年セレクトセールで、1億5,120万円で落札された期待の良血馬です。
重賞での成績は、1勝・2着3回・3着2回と重賞での好走実績は出走メンバー中上位です。
3走前の阪急杯(G3・阪神芝1400m)は、外枠から前へ、先行馬を見ながら3番手の好位を進み、直線に入ってもスピードを持続して3着に粘りました。
前走の中京記念(G3・中京芝1600m)は、海外遠征帰国後初戦ということもあり14着。
芝1200mは初めてになりますが、芝1400mで2着1回・3着2回の実績がありますので、適応力に懸念はないと思われます。
【セントウルステークス2023予想】コース適性馬5選情報
【ビッグシーザー】短い直線で一瞬の瞬発力
父ビッグアーサー。母アンナペレンナ。母の父Tale of Ekati。
阪神芝1200mは【1.0.0.0】で複勝率は100%。
阪神芝コースは【1.0.0.0】で複勝率は100%。
芝1200mは【4.1.2.0.】で複勝率は100%。
右は【2.1.0.0】で複勝率は100%です。
小回り・内回りコースの京都内回り、小倉、福島での好走実績があり、阪神内回りコースへの適性の懸念はないと思われます。
好位から抜け出す時の一瞬の瞬発力は、短い直線で高いポテンシャルを発揮できます。
【アグリ】開幕週の馬場合う
父カラヴァッジオ。母オールドタイムワルツ。母の父War Front。
阪神芝1200mは未出走。
阪神芝コースは【3.0.2.0】で複勝率は100%。
芝1200mは【0.0.0.3】で複勝率は0%。
右回りは【4.0.2.2】で複勝率は75%です。
阪神内回り芝コースの阪神芝1400mで3勝3着1回複勝率100%と、阪神内回りコースに高い適性があります。
また脚質的に逃げ・先行タイプで、開幕週のセントウルステークスの馬場と、短い直線は合いそうです。
【ジャングロ】本領発揮
父More Than Ready。母Goodbye Stranger。母の父Broad Brush。
阪神芝1200mは【1.0.0.0】で複勝率100%。
阪神芝コースは【2.1.0.0】で複勝率は100%。
芝1200mは【2.0.1.0】で複勝率は100%。
右回りは【3.1.1.0】で複勝率は100%です。
阪神芝内回りコースは、3戦2勝・2着1回連対率は100%です。
先行力とスピード能力に優れています。
開幕週の前残り馬場で本領発揮です。
【ピクシーナイト】中山内回りG1覇者
父モーリス。母ピクシーホロウ。母の父キングヘイロー。
阪神芝1200mは未出走。
阪神芝コースは【0.0.1.1】で複勝率は50%。芝1200mは【1.2.0.2】で複勝率は60%。
右回りは【1.1.1.2】で複勝率は60%です。
阪神内回り3着、中山内回りコースのスプリンターズステークスを優勝した実績から内回りコースへの適性は高くセントウルステークスでの好走が期待されます。
【エイシンスポッター】小回り内回りで4勝
父エイシンヒカリ。母マーゼリン。母の父Barathea。
阪神芝1200mは【1.0.0.0】で複勝率は100%。
阪神芝コースは【1.0.0.2】で複勝率は33%。
芝1200mは【5.1.2.2】で複勝率は80%。
右回りは【4.0.1.2】で複勝率は71%です。
小回りコースの小倉芝1200mで2勝、芝1200mの内回りの阪神と京都で勝利実績があり、阪神内回りコースで好走する可能性は十分にあると思われます。
【セントウルステークス2023予想】血統馬5選情報
【ビッグシーザー】スプリント血統
父ビッグアーサー。母アンナペレンナ。母の父Tale of Ekati。
ビッグドリーム(JRA1勝)の全兄でメテオロロジスト(G3佐賀記念優勝)の近親で、母アンナペレンナはJRA3勝。
父ビッグアーサーは高松宮記念に勝ちトウシンマカオ(G京阪杯優勝)やブトンドール(G3函館2歳S優勝)を輩出。
父も母も完成度が高い血統背景です。
母はストームキャットのインブリードがありしなやかな体質になっています。
Nijinskyの血脈もありスピードの持続性を高めています。
【アグリ】1400mベスト
父カラヴァッジオ。母オールドタイムワルツ。母の父War Front。
父カラヴァッジオは、フィーニクスS(伊G1芝6F)、コモンウェルスC(独G1芝6F)の優勝馬で、その父は米国G1を2勝したスキャットダディで、種牡馬として30頭のG1馬を輩出、2015年高松宮記念を優勝したミスターメロディの父です。
母の母TogetherはQエリザベス二世チャレンジCS(米G1芝9F)の優勝馬。
母父ウォーフロントはデクラレーションオブウォー(独G1・2勝)やアメリカンペイトリオット(北米G1・1勝)の父でもあるダンジグ系です。
血統的に父系、母系ともに短距離血統で1400mがベストで、1200mは少し忙しいかもしれません。
【ジャングロ】ヘイロー系のスピード
父More Than Ready。母Goodbye Stranger。母の父Broad Brush。
ウッディスティーヴンスS(米G2・ダ7F)の優勝馬トムズレディの全弟です。
近親にレニャーノ賞(伊G2・芝2000m)優勝のヴェールラケースがいます。
父More Than Readyはヘイロー系のスピード型で日本ではカフェファラオ(フェブラリーステークス2勝、マイルチャンピオンシップ優勝)やナックビーナス(G3キーンランドカップ優勝)の母父でもあります。
優秀な牝系にヘイロー系らスピードが重ねられた配合で、1200mにも懸念のない血統です。
【エイシンスポッター】パワフルなスピード
父エイシンヒカリ。母マーゼリン。母の父Barathea。
バリーローンS(愛G3・芝12F)勝ちステラーマスの近親です。
母マーゼリンはサンタマリアH(米G1・AW8.5F)2着馬。
父エイシンヒカリの母キャタリナは米国の3勝馬。
父エイシンヒカリの半兄にエーシンピーシー (スプリングS3着)、 全妹にエイシンティンクル (関屋記念3着)がいます。
ディープインパクト×ストームキャットの組合せは現代を代表する黄金配合。
エイシンスポッターは、ストームキャットとダンジグ色が強く、短距離の差し馬、馬群気にしないのでインからの強襲でき、やや力の要る馬場でパワフルなスピードを活かす競馬を得意とする傾向があります。
【ドルチェモア】母系の機動力
父ルーラーシップ。母アユサン。母の父ディープインパクト。
エンギダルマ(JRA1勝)の全弟で、アップストリーム(JRA1勝)の半弟。
紫苑ステークスの2着馬マウレアの近親です。
母アユサンは2013年の桜花賞馬でディープインパクト×Storm Catの黄金配合。
3代母のBuy the Firmは、トップフライトH(米G1・ダ9F)の優勝馬です。
ルーラーシップ×ディープインパクトの配合はキセキと同じです。
Storm Catのマイラー色が強くでているタイプです。
母系が機動力に優れている血統で阪神内回りコースの開幕週で先行力を発揮できそうです。