
ヴィクトリアマイルコース解説(東京芝1600m)

スタート地点は向正面の2コーナー出口付近の下り坂のスタートでバックストレッチの中間まで約1.8m下ります。
そこからは約80mで1.5mの急な上り坂です。その後、約60m平坦を走り、3コーナー手前から3~4コーナーの中間まで再び約2.2mの下り坂です。
4コーナーの手前からは再び若干の上り勾配のカーブを曲がり、ホームストレッチ直線、残り460m地点から300m地点にかけて、高低差約2mの上り坂が設けられています。
この高低差2mの坂を上り切った後に、函館芝コースの直線の長さとほぼ同じ300mの直線が待ち受けています。
ゴール前の直線は、仮柵の位置とは関係なく、525.9mとなっています。ヴィクトリアマイル(東京芝1600m)は、下り坂からのスタートである点と、バックストレッチの距離が540mと長いため、前半からスピードに乗りやすいコース設定になっています。
前半600m通過タイムは34秒台前半ぐらいになる傾向です。3~4コーナーでペースが少し落ちて、525.9mの直線へと向かいます。
ヴィクトリアマイルの先行争いは激しく、スタート後、200mから400mでは10秒台のラップ(2020年は400mから600mでも10秒台)、400mからゴールまで11秒台のラップを刻む非常にタフで厳しいレース展開になります。
ヴィクトリアマイル過去10年は、1分30秒5から1分33秒9で決着しています。良馬場だと1分30秒台から1分32秒台前半の時計です。
ヴィクトリアマイル2019年は1分30秒5、ヴィクトリアマイル2020年は1分30秒6、ヴィクトリアマイル2021年は1分31秒0と速い時計になっています。2022年は1分32秒2でした。因みに2019年のノームコアがだした1分30秒5はコースレコードです。
ヴィクトリアマイルは、1分30~32秒台前半での高速決着になりそうです。スタート後、200mからゴールまで11秒台以下のラップが続き、息が入りにくい緩みのないラップで、真の実力がないと勝てないのがヴィクトリアマイルの特徴です。
後半の600mと800mのラップを見た場合、後半の方が少し速くなっています。また、Bコースへ替わり内の馬場が良いこともあり、経済コースを通った馬が有利です。
最後の直線であまり外に出すと厳しく、差し馬もその点を考慮する必要があります。馬群をうまく捌ける勝負根性がある馬が抜け出して勝つパターンがヴィクトリアマイルの王道になります。
【ヴィクトリアマイル2025予想】データ分析と傾向
ヴィクトリアマイル過去10年人気別成績
過去10年の人気別成績を分析すると、1番人気の勝率は20%(2勝)、連対率40%、3着内率60%と安定するが、2・3番人気は勝率0%と不振。
対照的に、4・5番人気は勝率20%、3着内率40〜50%と好成績。驚くべきは6番人気以下の4勝で、昨年は14番人気のテンハッピーローズ(単勝208.6倍)が優勝。
リピーター好走率も高く、ノーザンファーム生産馬が7勝と圧倒的。
枠順では2・3枠、7歳以上の高齢馬、前走G1や海外組も要注目。
人気薄の穴馬にもチャンスがある波乱含みのG1です。
ヴィクトリアマイル過去10年着前走順別成績
前走1着馬は0勝(3着内率10.8%)と苦戦。一方、前走2〜5着馬は3着内率23.3〜35.7%で安定し、特に前走6着以下の馬が6勝(勝率8.2%)と巻き返しが顕著だ。
前走凡走馬を軽視するのは危険。人気別では、1番人気の勝率20%(2勝)、3着内率60%だが、2・3番人気は勝率0%。
4・5番人気は勝率20%、3着内率40〜50%、6番人気以下も4勝で、昨年は14番人気テンハッピーローズが優勝。
枠順は2・3枠が強く、3枠は5勝(3着内率30%)。前走阪神牝馬S組(3着以内12頭)やG1組(3着内率26.7%)、ノーザンファーム生産馬(7勝)、リピーター、7歳以上も注目。
過去5年の優勝馬4頭はマイルG1実績持ち。前走6着以下の人気薄の馬を馬券にを絡めた予想で万馬券を狙いたい。
ヴィクトリアマイル過去10年枠番別成績
3枠が5勝(勝率25%、3着内率30%)、2枠が2勝(勝率10%、3着内率25%)と内枠が優勢。特に3枠は圧倒的で、馬券検討の要注目だ。
対照的に、6〜8枠は好走率が低く、6枠(3着内率10%)、7枠(7.4%)、8枠(17.9%)は苦戦傾向。
人気別では、1番人気の勝率20%(2勝)、3着内率60%に対し、2・3番人気は勝率0%。
4・5番人気は勝率20%、3着内率40〜50%と安定。6番人気以下も4勝を挙げ、昨年は14番人気テンハッピーローズ(単勝208.6倍)が優勝。
ノーザンファーム生産馬が7勝、リピーターや7歳以上の高齢馬、前走G1・海外組も要警戒。前走6着以下の巻き返しも6勝と顕著だ。
2・3枠の人気薄の馬を絡めて大穴を狙いたい。
ヴィクトリアマイル過去10年前走別成績
前走阪神牝馬S組が3着以内12頭(勝率5.8%、3着内率17.4%)で最多、前走G1組は8頭(勝率13.3%、3着内率26.7%)で好走率が高い。
軸馬はこの2組から選ぶのが賢明だ。対して、その他G2(3着内率9.1%)やG3(17.4%)は勝利が少なく、前走非重賞は0%と苦戦。海外組は1勝(勝率20%)と侮れない。
人気別では、1番人気の勝率20%、3着内率60%に対し、2・3番人気は勝率0%。
4・5番人気は勝率20%、3着内率40〜50%、6番人気以下も4勝で、昨年は14番人気テンハッピーローズが優勝。
枠順では2・3枠が強く、ノーザンファーム生産馬が7勝、リピーターや7歳以上、前走6着以下の巻き返し(6勝)も注目。
阪神牝馬S・G1組中心に、人気薄や内枠の馬を絡めた予想をしたい。
ヴィクトリアマイル過去5年優勝馬のマイルGⅠ優勝実績
過去5年の優勝馬のうち4頭(アーモンドアイ、グランアレグリア、ソダシ、ソングライン)が芝マイルG1(桜花賞、マイルCS、安田記念など)での優勝経験を持ち、2024年のテンハッピーローズ(G1未出走)は例外。
マイルG1タイトルホルダーは1着候補として要マークだ。
人気別では、1番人気の勝率20%(2勝)、3着内率60%だが、2・3番人気は勝率0%。
4・5番人気は勝率20%、3着内率40〜50%、6番人気以下も4勝で、昨年は14番人気テンハッピーローズが波乱を演出。
前走では阪神牝馬S組(3着以内12頭)、G1組(3着内率26.7%)が強く、前走6着以下の巻き返しも6勝。
枠順は2・3枠が有利、ノーザンファーム生産馬が7勝、リピーターや7歳以上も注目。
ヴィクトリアマイル本命馬情報

【アスコリピチェーノ】
アスコリピチェーノ(牝4歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)に出走予定の注目馬だ。美浦・黒岩陽一厩舎所属で、父はダイワメジャー、母はアスコルティ(母父Danehill Dancer)。2023年の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)で2歳女王に輝き、桜花賞とNHKマイルCで1番人気2着、京成杯AH(G3)1着とマイル戦で抜群の安定感を誇る。前走はサウジアラビアの1351ターフスプリント(G2・芝1351m)で海外初勝利を達成。直線でウインマーベルを差し切り、国際舞台でのスピードと適応力を証明した。鞍上のC.ルメール騎手とのコンビ継続も心強い。約3か月の休養明けとなるが、1週前追い切りではラスト1F11秒0の鋭い動きを見せ、黒岩調教師も「順調」と太鼓判。東京芝1600mでは5戦3勝2着2回と連対率100%。
【ステレンボッシュ】
ステレンボッシュ(牝4歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)の有力候補だ。美浦・国枝栄厩舎所属で、父はエピファネイア、母はブルークランズ(母父ルーラーシップ)。昨年、桜花賞(G1)でG1初制覇を果たし、オークス(G1)2着、秋華賞(G1)3着と、4歳牝馬世代のトップランナーとして活躍。マイルから中距離まで安定した走りを見せる。前走の大阪杯(G1・芝2000m)では13着と大敗したが、初の古馬混合戦と重馬場が影響したか。今回は2戦目で状態上向き、得意のマイル戦に戻る。1週前追い切りではCWコースで6F80秒台をマークし、鞍上の戸崎圭太騎手も「反応が良かった」と高評価。東京芝1600mは桜花賞以来だが、2歳時のアルテミスS(G3)勝利実績があり、コース適性は問題ない。
【クイーンズウォーク】
クイーンズウォーク(牝4歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)の注目馬だ。栗東・中内田充正厩舎所属で、父はキズナ、母はウェイヴェルアベニュー(母父Harlington)。馬名の由来はロンドンの遊歩道。2024年のクイーンカップ(G3)、ローズS(G2)、2025年の金鯱賞(G2)と重賞3勝を誇る。昨年は牝馬三冠で桜花賞8着、オークス4着、秋華賞15着とG1タイトルに届かなかったが、前走の金鯱賞(G2・芝2000m)では牡馬混合戦でハナ差の激勝。重馬場の中、3番手追走から直線で差し切り、成長力を示した。鞍上の川田将雅騎手は継続騎乗。 東京マイルはクイーンカップ勝利の舞台で、1週前追い切りでは栗東CWで6F81秒台をマークし、鋭い動きを見せた。
【アルジーヌ】
アルジーヌ(牝5歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)の有力馬だ。栗東・中内田充正厩舎所属で、父はロードカナロア、母は重賞ウイナー・キャトルフィーユ(母父ディープインパクト)。2024年のターコイズS(G3)で重賞初制覇を達成し、前走の阪神牝馬S(G2・芝1600m)では2着に好走。デビュー以来、掲示板(5着以内)を外さない抜群の安定感が武器だ。東京芝1600mは初挑戦だが、阪神牝馬Sでマスクドディーヴァをクビ差まで追い詰めた末脚はG1級。1週前追い切りでは栗東CWで6F80秒台を記録し、「状態はさらに良化」と高評価。母系のスタミナと父のスピードを融合した良血馬で、高速馬場への適性も期待される。稍重の阪神牝馬Sで好走したように、馬場を選ばない点も強み。
【ボンドガール】
ボンドガール(牝4歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)の注目馬だ。美浦・手塚貴久厩舎所属で、父はダイワメジャー、母はコーステッド(母父Tizway)。2歳時にメイクデビュー東京(芝1600m)で、後にG1を2勝するチェルヴィニアを差し切り快勝。昨年秋の秋華賞(G1・芝2000m)ではメンバー中最速の=推定=の末脚で2着に好走し、素質の高さを見せつけた。今季は得意のマイル戦に照準を合わせ、ヴィクトリアマイルでG1初制覇を狙う。1週前追い切りでは美浦Wコースで5F65秒台の鋭い動きを披露し、手塚調教師は「仕上がりは完璧」と自信。東京芝1600mはデビュー戦勝利の舞台で、コース適性は抜群。
ヴィクトリアマイル穴馬情報

【アドマイヤマツリ】
アドマイヤマツリ(牝4歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)に出走予定の新星だ。美浦・宮田敬介厩舎所属で、父はキタサンブラック、母はアドマイヤナイト(母父アドマイヤムーン)。昨年6月の初勝利から急成長し、2024年秋の紫苑S(G2)3着を経て、前走の福島牝馬S(G3・芝1800m)で重賞初制覇。後方から鋭く差し切り、勢いを見せつけた。これまで1800m以上を中心に走ってきたが、今回は初のマイル戦。東京芝1600mは未知数ながら、1週前追い切りでは美浦Wコースで5F65秒台の好時計をマークし、末脚の爆発力に期待がかかる。稍重馬場だった福島牝馬Sの経験から、高速馬場への対応も鍵となる。ライバルにはアスコリピチェーノやステレンボッシュらが名を連ねるが、2連勝中の勢いと軽い馬体(約450kg)での機動力で一発を狙う。ヴィクトリアマイルでのG1初挑戦で、どこまで食い込めるか注目だ。
【サフィラ】
サフィラ(牝4歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)の隠れた有力馬だ。栗東・池添学厩舎所属で、父はハーツクライ、母はサロミナ(母父Lomitas)。G1馬サリオスの全妹として注目され、2歳時にアルテミスS(G3)2着、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)4着と素質を示した。3歳秋以降に馬体が成長し、前走の阪神牝馬S(G2・芝1600m)で重賞初制覇。直線で鋭く伸び、アルジーヌを差し切った。
東京芝1600mは初だが、1週前追い切りでは栗東CWで6F80秒台、ラスト1F11秒2の鋭い動きを見せ、池添調教師は「状態は最高」と太鼓判。鞍上の松山弘平騎手は継続騎乗。ハーツクライ産駒らしい持続力と、母系譲りのスピードで高速馬場にも対応可能。稍重の阪神牝馬Sを勝ったタフさも強みだ。
【シランケド】
シランケド(牝5歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)のダークホースだ。栗東・牧浦充徳厩舎所属で、父はデクラレーションオブウォー、母はフェアブルーム(母父ディープインパクト)。3歳時の紫苑S(G2)3着で素質を示し、体質強化を優先したローテーションで着実に成長。2024年秋から3連勝中で、前走の中山牝馬S(G3・芝1800m)では重賞初制覇。稍重馬場を力強く抜け出した。
初のマイル戦となるが、1週前追い切りでは栗東坂路で4F51秒台の好時計をマーク。牧浦調教師は「動きにキレが増した」と状態の良さを強調。先行力を活かした積極策が期待される。東京コースは初だが、ディープインパクトの母系譲りの瞬発力で対応可能。5歳で迎えた充実期の勢いは見逃せない。
【ビヨンドザヴァレー】
ビヨンドザヴァレー(牝5歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)の注目馬だ。栗東・橋口慎介厩舎所属で、父はイスラボニータ、母はリリーオブザヴァレー(母父Galileo)。2024年の清水S(3勝クラス・芝1600m)では2番手先行から直線で抜け出し快勝。続くターコイズS(G3)では好位追走からアルジーヌにクビ差の2着。ドゥアイズを競り落とし、昇級初戦で実力を見せつけた。東京芝1600mは清水SとターコイズSで連対した得意舞台。1週前追い切りでは栗東CWで6F81秒台、ラスト1F11秒3の鋭い動きを披露し、橋口調教師は「状態は過去最高」と高評価。イスラボニータ産駒のスピードと母系のスタミナを活かし、高速馬場での先行策が持ち味。稍重のターコイズSでも好走した適応力も強みだ。
【ソーダズリング】
ソーダズリング(牝5歳)は、2025年5月18日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1・芝1600m)の伏兵だ。栗東・新谷功一厩舎所属で、父はハーツクライ、母はソーマジック(母父シンボリクリスエス)。2024年の京都牝馬S(G3・芝1400m)で重賞初制覇。外枠から中団追走し、直線で鋭く抜け出し、ナムラクレアを競り落とした。前々走の阪急杯(G3・芝1400m)では中団から伸びて3着。休み明け2戦目で上積みを見せた。東京芝1600mは初挑戦だが、1週前追い切りでは栗東CWで6F80秒台、ラスト1F11秒2の好時計をマーク。新谷調教師は「マイルも守備範囲」と自信。鞍上の横山和生騎手は継続騎乗。ハーツクライ産駒らしい持続力と、1400mでのキレ味を活かし、高速馬場に対応可能。京都牝馬Sの稍重で勝ったタフさも魅力だ。
≪30万馬券的中≫
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ヴィクトリアマイル血統情報
【アスコリピチェーノ】
父ダイワメジャーはサンデーサイレンス系種牡馬で、マイラーとしての鋭い切れ味と先行力を産駒に伝えます。代表産駒にはアドマイヤマーズやレシステンシアがおり、ヴィクトリアマイルのようなマイル戦で活躍する血統背景を持っています。母アスコルティ(父Danehill Dancer)はJRAで2勝(芝1200~1400m)を挙げた短距離馬。母系は重厚で、母母リッスンは英G1フィリーズマイル(芝8F)勝ち馬として知られ、タッチングスピーチやサトノルークスなどの活躍馬を輩出。リッスンの父サドラーズウェルズはスタミナと成長力をもたらし、アスコリピチェーノの底力の源泉となっています。母系にサドラーズウェルズを持つダイワメジャー産駒は、マイラーのスピードに中距離の持続力を融合させ、ヴィクトリアマイルの舞台である東京芝1600mに最適な適性を示します。前走1351ターフスプリント(サウジアラビア)では、ダイワメジャーらしい先行力と粘り強さで勝利し、充実ぶりをアピール。姉アスコルターレやアスコルティアーモも活躍する良血で、成長力とマイル適性の高い血統です。
【ボンドガール】
父ダイワメジャーはサンデーサイレンス系種牡馬で、マイラーとしての鋭い切れ味を産駒に伝えます。アドマイヤマーズやセリフォスといったG1馬を輩出し、ヴィクトリアマイルの東京芝1600mに最適な先行力と瞬発力を伝えます。
母コーステッド(父Tizway)はBCジュベナイルフィリーズターフ(米G1・芝8F)で2着の実績を持つマイラー。母母マリブピアはサンタアナS(米G2・芝9F)を制した名牝で、母系にはロミタスなど欧州のスタミナと底力を伝える血が流れます。この重厚な母系が、ボンドガールの持続力と成長力を支えています。戦績[1-5-1-2]と惜敗が多いものの、ダイワメジャー産駒ながら後方からの差し脚質が特徴。ヴィクトリアマイルのマイル戦では、父の先行力を活かし、正攻法で前目につける競馬が期待されます。ダノンベルーガの妹としての良血に加え、母系のスタミナが東京コースの直線で活きるはず。
【ステレンボッシュ】
父エピファネイアはシンボリクリスエス産駒で、エフフォーリアやデアリングタクト、ダノンデサイルなどG1級の中長距離馬を多数輩出。ヴィクトリアマイルの東京芝1600mでは、父譲りの瞬発力と持続力が武器となります。母ブルークランズ(父ルーラーシップ)はJRAで3勝(芝1800~2000m)を挙げた中距離馬。母父ルーラーシップと母母父ダンスインザダークの影響で、ステレンボッシュは長手な体型と中距離向きのスタミナを継承。母系はヴァルコスやロカ、レガレイラ、アーバンシックといった活躍馬を輩出した名門で、底力に富みます。
桜花賞を制した実績はあるものの、牝馬三冠では秋華賞で連を外すなど、大箱の東京コースが最適。エピファネイア×ルーラーシップの配合は、ヴィクトリアマイルの直線で鋭い末脚を発揮する可能性を秘めます。ペースが緩めば中距離馬の持続力が活き、桜花賞で見せたマイル適性も光る。
【アルジーヌ】
父ロードカナロアはキングカメハメハ産駒で、短距離からマイルのG1馬を多数輩出。ヴィクトリアマイルの東京芝1600mに最適な瞬発力と先行力を産駒に伝えます。母キャトルフィーユ(父ディープインパクト)はクイーンS(G3・芝1800m)を制した実力馬。母母ワンフォーローズはカナダ古牝馬チャンピオンで、母系はレディアルバローザやオールフォーラヴ、ロードレゼルといった活躍馬を輩出した名門です。ロードカナロア×ディープインパクトの配合は、ブレイディヴェーグやレッドモンレーヴと同じく、マイル戦で安定したパフォーマンスを発揮。アルジーヌはメルトユアハートの全姉で、ロードプレジールの3/4妹にあたります。馬体が増すにつれてパワーアップし、マイラーとしての完成度を高めてきた点も強み。稍重や重馬場でさらに力を発揮する可能性があり、渋った馬場が勝ち切る鍵となるかもしれません。
【クイーンズウォーク】
父キズナはディープインパクト産駒で、2024年リーディングサイアーに輝いた名種牡馬。特に牝馬の活躍が顕著で、ヴィクトリアマイルの東京芝1600mでも持続力と瞬発力を発揮します。母ウェイヴェルアベニュー(父Harlington)はBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)を制した名牝。ミスタープロスペクターの4×4・5クロスを持ち、北米のパワーとスピードを強く伝えます。クイーンズウォークはグレナディアガーズの半妹で、母の影響を受けた大型馬体とパワー質な走りが特徴。重馬場の金鯱賞(G2・芝2000m)を力強く差し切ったように、パワー勝負の中距離戦で真価を発揮します。ヴィクトリアマイルのマイル戦では、キズナ産駒の持続力が活きる一方、母系の短距離色から高速戦でのスピード面で一線級にやや劣る可能性も。馬場が渋ればパワーが強調され、雨が浮上の鍵に。馬場次第で上位を狙えるポテンシャルを秘めています。
ヴィクトリアマイル追い切り/調教情報

【アスコリピチェーノ】
4月23日に美浦へ帰厩後、約3週間にわたり精力的な調教を消化。軽めを含め10本近い追い切りをこなし、調教量は十分です。特に直近3週の追い切りは出色。美浦Wコースでの3頭併せでは、助手を背に2頭を追走する形で圧巻の動きを披露。5月14日の最終追い切りでは、79.1-64.4-49.8-35.6-22.9-11.2(美W)と、ラスト200mで11.2秒の鋭い伸びを見せ、楽に外の2頭を交わして最先着。先週(5月7日)はラスト200mで11.0秒、先々週(4月30日)は1000m65.8秒の好時計をマークし、常に最先着を果たしています。どの追い切りも時計・動きともに申し分なく、反応の鋭さと力強い伸び脚は絶好調の証。最高の状態に仕上がっています。
【ステレンボッシュ】
5月2日に美浦へ帰厩後、5月4日から精力的に調教を重ね、Wコースで週2本、計4本の追い切りを消化。放牧先での乗り込みもあり、調教量は申し分ありません。直近2週の追い切りは特に出色。戸崎騎手を背にオープン馬との併せ馬で、5月14日の最終追い切りでは99.3-82.4-66.4-50.9-36.1-22.9-11.3(美W)をマーク。追走から楽な手応えで内に並びかけ、ラスト200mで11.3秒の鋭い伸びを見せ併入。先週(5月7日)は先行する形から外を回り、終始リードを保ち先着。調教駆けしないタイプながら、反応の良さと加速力は抜群で、動きは上々でで万全の仕上がり。
【ボンドガール】
前走後、美浦での在厩調整を続け、昨年秋華賞と同じ中4週のローテーションで順調に仕上げられました。単走で6本の追い切りをこなし、調整過程は極めて順調です。特に直近3週の追い切りは出色で、嶋田騎手が連続騎乗。5月14日の最終追い切りでは美浦坂路で53.7-39.5-25.7-12.7を記録。馬場の大外をほぼ馬なりで回りながら、加速ラップを刻む軽快な動きを見せました。先週(5月7日)はWコースで800m追い、ラスト200m11.2秒の鋭い伸びを披露。先々週(4月30日)は坂路で好時計をマーク。どの追い切りも動きは滑らかで、反応の良さが際立ち、ほぼ万全の仕上がり。
【クイーンズウォーク】
4月23日に栗東へ帰厩後、4月30日から単走で5本の追い切りを消化。追い切り本数はやや少なめですが、軽めの乗り込みを多くこなし、調教量は十分です。特に直近2週のWコース追い切りは高評価。5月14日の最終追い切りでは、栗東Wで55.0-39.1-24.1-11.9をマーク。中内田師が騎乗し、800mのごく軽めの内容ながら、リラックスした走りと鋭い伸びが際立ちました。先週(5月7日)は川田騎手を背に、終い軽く促す程度でラスト400m11.7-11.1秒の好時計を記録。反応の良さと切れ味は抜群で、輸送前の段階として申し分ない状態で万全の仕上がり。