
宝塚記念コース解説(阪神競馬場2200m内回り)

宝塚記念は84年にG1に格付けされ、有馬記念と同じくファン投票によって出走馬は選出されています。
宝塚記念は、1960年に有馬記念と並ぶビッグレース、上半期を締めくくるレースとして設立され、阪神競馬場芝1800mで開催されました。
1961年から2000mへ、1966年に2200mの距離に延長されてきました。
95年からは地方馬にも出走資格が与えられ、97年からは国際競走に指定されています。
宝塚記念優勝馬はブリーダーズカップターフへの優先出走権を得ることができます。
宝塚記念の過去の優勝馬には、タイトルホルダー、クロノジェネシス、リスグラシュー、オルフェーヴル、ディープインパクト、サイレンススズカなどがいます。
向正面直線から内回り3コーナー、4コーナー、正面直線にかけて内柵沿いに傷みがあります。
梅雨の時期なので時計の掛かる馬場になる可能性が高く、淀みのない流れで厳しい展開になることが推測されます。
宝塚記念のレースレコードは2011年にアーネストリーが記録した2分10秒1です。
スタート地点は外回りコースの4コーナー出口付近になります。
1コーナーまでの距離は525mと長くスタート直後は下り坂のため前半からペースが速く緩みのないラップが続くレースとなりやすい傾向があります。
直線が359.1mと短いことから、各馬の仕掛けは早めでロングスパート合戦になります。
前半は中団以降に待機していた有力馬が早めのロングスパートを仕掛けて進出してきます。
宝塚記念は、逃げ馬には非常に厳しい展開になります。
中団より前目から上がり3F最速の上がりを使っている馬が好走しています。
レース全体の上がりの時計がかかりやすく、コース形態上、単純なスローペースの上がり勝負にはなりません。
ゴール前200m付近には阪神名物の高低差1.8m、勾配率1.5%の急坂があり、約120mの間に1.8mの勾配を一気に駆け上がります。
スタートからゴールまで阪神名物の急坂を2度越えるタフなコース設定です。
パワー不足の先行馬が坂で失速することもあります。
2021年クロノジェネシスは大外枠8枠16番、2020年リスグラシューは、大外枠8枠12番で優勝。
内回りで揉まれない外枠が宝塚記念では有利になる傾向があります。
コーナーが4回ある内回りコースで内ラチを器用なコーナーワークで距離ロスを最小限に走れ、道中の厳しい流れに対応できる末脚の持続力と底力、内回りコースをロングスパートする時のコーナーワークでの器用さ(加速力と機動力)、馬力と独特の内回り適性能力が宝塚記念で求められます。
【宝塚記念2025予想】データ分析と傾向

宝塚記念過去10年人気別成績
過去10年の1番人気は【2-2-0-6】で勝率20%、連対率40%、3着内率40%。
信頼度は高いものの、2番人気【2-0-3-5】(勝率20%、3着内率50%)や3番人気【3-0-0-7】(勝率30%)と大きな差はなく、上位人気馬の優位性は限定的です。
4番人気【0-0-2-8】や5番人気【0-2-1-7】も勝率は低いものの複勝率20~30%と馬券に絡む可能性があり、6番人気以下【3-6-4-87】は勝率3%ながら3着内率13%で穴馬の台頭も目立ちます。
特に、10番人気以下の馬が2・3着に食い込むケースもあり、3連単では高配当が期待できます(過去10年で4回が18万円以上)。
宝塚記念攻略のポイントは、1~3番人気に頼らず、6番人気以下の実績馬(重賞勝ちやG1好走歴)に注目。
阪神2200mはスタミナと内回り適性が求められ、前走天皇賞(春)4着以下の巻き返し馬や先行馬が有利。
宝塚記念過去10年年齢別成績
5歳馬が【7-4-4-42】で7勝、勝率12.3%、連対率19.3%、3着内率26.3%と圧倒的。
4歳馬も【3-2-6-27】で3勝、勝率7.9%、3着内率28.9%と好成績で、4歳・5歳が馬券の中心。
対照的に、6歳馬【0-3-0-23】、7歳以上【0-1-0-27】は勝利がなく、3着内率もそれぞれ11.5%、3.6%と低調。
ただし、6歳以上で馬券に絡んだ4頭中3頭はG1勝ち(海外含む)の実績馬で、G1実績のない高齢馬は軽視可能。
3歳馬【0-0-0-1】は出走例が少なく、狙いづらい。
宝塚記念攻略ポイントは、阪神2200mのタフなコースでは、4歳・5歳のスタミナと成長力が重要。
前走天皇賞(春)やドバイ戦で好走した4歳・5歳馬、特に先行・差し馬に注目。
6歳以上のG1未勝利馬は割引き、逆にG1実績馬なら穴候補に。
宝塚記念過去10年前走別成績
過去10年の3着以内馬30頭全てが、天皇賞(春)、大阪杯、ドバイシーマクラシックなど9つの主要レースから出走。
天皇賞(春)組【3-3-3-30】は勝率7.7%、3着内率23.1%、大阪杯組【2-3-2-21】は勝率7.1%、3着内率25.0%と好走率が高く、中心視すべき。
ドバイシーマクラシック組【2-1-1-6】は勝率20.0%、3着内率40.0%と特に優秀。
鳴尾記念【1-1-0-16】や目黒記念【1-0-1-15】は勝率5~6%だが、穴馬候補に。
クイーンエリザベスⅡ世C【1-0-0-6】やヴィクトリアマイル【0-0-3-2】も注目だが、勝ち切れない傾向。
宝塚記念攻略ポイントは、阪神2200mのタフなコースでは、天皇賞(春)4着以下からの巻き返しや大阪杯好走馬が有力。
ドバイシーマクラシック組はG1実績馬を優先。
先行・差し馬が有利で、4角5番手以内のポジションも重要。
宝塚記念過去10年枠番別成績
8枠が【5-0-1-16】で5勝、勝率22.7%、3着内率27.3%と圧倒的。
1枠【0-2-2-10】は勝率0%だが3着内率28.6%、3枠【2-2-0-11】は勝率13.3%、連対率26.7%と好成績。
2枠【1-1-2-11】と5枠【1-2-1-13】も3着内率23.5~26.7%で安定。対照的に、4枠【0-0-1-15】と6枠【0-0-1-17】は勝率0%、3着内率5.6~6.3%と苦戦。7枠【0-2-1-17】も勝ち切れない傾向。
宝塚記念攻略ポイントは、阪神2200mの内回りコースは外枠有利のイメージが強く、8枠の好成績は見逃せない。
8枠の先行・差し馬、特にG1実績馬を重視。
1~3枠はスタミナのある4歳・5歳馬や天皇賞(春)・大阪杯好走馬を優先。4・6枠はG1勝ち馬以外軽視可。
8枠中心に1・3枠の好走馬を絡め、穴馬券で高配当を狙う戦略が有効です!
宝塚記念過去10年優勝馬の前走成績
過去6年の優勝馬は全て同年春のG1(海外含む)で3着以内。
2019年リスグラシュー(クイーンエリザベスⅡ世C3着)、2020・2021年クロノジェネシス(大阪杯2着、ドバイシーマクラシック2着)、2022年タイトルホルダー(天皇賞(春)1着)、2023年イクイノックス(ドバイシーマクラシック1着)、2024年ブローザホーン(天皇賞(春)2着)と、春G1好走馬が圧倒的。
対象レースは天皇賞(春)、大阪杯、ドバイシーマクラシックが中心で、前走G1で1~3着の馬は優勝候補として信頼度が高い。
宝塚記念攻略ポイントは、阪神2200mのタフなコースでは、春G1(特に天皇賞(春)、大阪杯、ドバイシーマクラシック)で3着以内の4歳・5歳馬が狙い目。
先行・差し馬が有利で、4角5番手以内のポジションも重要。
8枠が過去10年で5勝と好成績な点も考慮し、外枠のG1実績馬を優先。穴馬はG1未勝利でも前走好走の5歳以下を。
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【宝塚記念2025予想】本命馬情報

【ベラジオオペラ】
昨年の大阪杯(2024)では、スタニングローズを2番手でマークし、ローシャムパークやルージュエヴァイユとの接戦を制してGI初制覇。
阪神芝2000mでの圧倒的な適性を見せつけた。
今年の大阪杯(2025)では、有馬記念以来の実戦ながら好位からインを突いて抜け出し、1分56秒2のコースレコードで史上初の連覇を達成。
阪神芝では4戦4勝の無類のコース巧者で、操縦性の高さが光る。
昨年の宝塚記念では、3~4番手を進み、道悪馬場の中、勝負所で外から進出。
ブローザホーン、ソールオリエンスに交わされたものの3着に踏ん張り、適性の高さを証明した。
今年はファン投票1位(91,593票)で出走し、注目度はさらに上昇。
課題は暑さへの弱さで、夏負けが影響した過去があるが、2025年から宝塚記念の開催が2週間前倒しされ、暑さ対策がプラスに働く可能性が高い。
横山和生騎手とのコンビで、好位追走から鋭い末脚を繰り出すレーススタイルは、阪神内回り2200mへの高い適性が認められる。
【アーバンシック】
昨年の菊花賞(2024)では、初の関西遠征かつ3000mの長距離戦で中団に構え、勝負所で好位へ進出。
直線ではアドマイヤテラを捉え、落ち着いたレース運びで抜け出してGI初制覇を達成。
長距離での安定感と鋭い末脚が光った。
前走の日経賞(2025)では、中団外目を追走し、直線で追い上げるもチャックネイトにクビ差及ばず3着。
稍重馬場が響いた印象で、道悪への適性は低いと見られる。
今年の宝塚記念は、開催時期が2週間前倒しとなり、梅雨の影響を受けにくい良馬場が期待される点はプラス材料。
阪神芝2200mは初挑戦だが、急坂のある中山で実績を重ね、菊花賞のタフな流れを制した経験から適応力は十分。
良馬場で末脚を最大限に発揮できれば、菊花賞馬の底力で宝塚記念制覇を狙える。
【レガレイラ】
一昨年のホープフルステークス(2023)では、出遅れながら後方から大外を回り、直線で鋭い末脚を発揮。
シンエンペラーを交わし、牡馬相手にGI初制覇を飾った。
昨年12月の有馬記念(2024)では、スタートでやや後手を踏むも好位に押し上げ、4コーナーで前を射程圏に。
直線ではシャフリヤールとの叩き合いをハナ差で制し、GI2勝目を挙げた。末脚のキレと勝負根性が武器だ。
今年は約6か月の休養明けで宝塚記念に挑むが、5月中旬に美浦トレセンへ帰厩し、順調な調整ぶりを見せる。
過去の休み明けでも崩れず、追い切りでは鋭い動きを披露。
阪神競馬場は初出走だが、中山の内回りで2つのGIを制した実績から、阪神芝2200mの急坂やコーナリングにも対応可能と見られる。
【ドゥレッツァ】
一昨年の菊花賞(2023)では、+12kgながら仕上がり抜群。大外から先行し、一旦下げて直線で再加速。
圧倒的な末脚で抜け出し、5連勝でGI初制覇を飾った。
昨年のジャパンカップ(2024)では、向こう正面で早めに先頭へ立ち、ドウデュースに迫られながらもシンエンペラーと2着同着。
積極的な競馬で存在感を示した。
今年3月のドバイシーマクラシック(2025)では3着と、海外でも安定した走りを見せる。重馬場適性は未知数だが、過去のレースから大きな不安は少ない。
阪神芝2200mは初挑戦ながら、菊花賞で証明した息の長い末脚と先行力を活かせる舞台。
C.ルメール騎手とのコンビで、好位からロングスパートを仕掛けるスタイルは多頭数の混戦に強く、宝塚記念で高いポテンシャルを発揮できる。
2025年の開催前倒しで良馬場が見込める点も追い風だ。
【ロードデルレイ】
前々走の日経新春杯(2025)では、中団から4コーナー手前で押し上げ、直線で2番手に浮上。
そこから鋭く抜け出し、後続を突き放して快勝。
2200mへの適性を証明した。前走の大阪杯(2025)では、外枠からじっくり中団を追走。
直線で外から力強く伸び、GI初挑戦ながら2着に食い込む健闘を見せ、トップレベルでの成長を印象づけた。
キャリア通算〔6・3・0・1〕の安定感が光り、唯一の着外(4着)は距離がやや長かった神戸新聞杯(2023)。
中距離戦では崩れ知らずで、阪神芝2200mの内回りコースも操縦性の高さと末脚のキレで対応可能。
【宝塚記念2025予想】穴馬情報

【ヨーホーレイク】
前々走の京都記念(2025)では、4か月半ぶりの実戦で+20kgと余裕残しの体ながら、中団からインを立ち回り、直線で外へ出して鋭く抜け出し勝利。
地力の高さを示した。
前走( 2025)では8kg絞れ、出遅れながら後方から馬群を割って伸び、コースレコード決着のレースでエコロヴァルツをハナ差交わし3着。
速い時計の馬場にも対応可能な末脚が武器だ。
過去に脚元の不安で長期休養を経験したが、復帰後は安定感抜群。
稍重など水分を含んだ馬場がより得意で、梅雨時期の宝塚記念は好条件。
2025年の開催2週間前倒しで良馬場傾向が強まる可能性はあるが、阪神芝2200mの内回りコースはインを捌く器用さが活きる。
【ショウナンラプンタ】
前々走の阪神大賞典(2025)では、最内枠から最後方を追走し、後半に押し上げるもブローザホーンに競り負け4着。
前走の天皇賞(春)(2025)では、中団から早めに好位へ進出し、直線で先頭を窺う場面も。
ヘデントール、ビザンチンドリームに交わされ3着だったが、3200mの長距離で粘り強い走りを見せた。
近2走は3000m超の長距離戦だったが、芝2200mの宝塚記念では中距離適性が鍵。
多頭数の速い展開では、道中のポジショニングが重要となる。
京都コースの坂の下りで加速する走りが得意な印象だが、阪神の内回りコースも器用さを活かせれば対応可能。
【ローシャムパーク】
昨年の宝塚記念(2024)では、中団後方から勝負所で外を早めに押し上げるも、直線の追い比べでやや遅れ5着。
続くBCターフ(2024)では2着と海外G1で好走し、底力を示した。
前走の大阪杯(2025)では、中団から外を回り、直線で鋭く伸びてベラジオオペラに0.2秒差の2着。高い末脚とレースレベルの高さが光る。
今年は栗東トレセン滞在で調整し、関西遠征での落ち着きや折り合いが課題だった点を改善。
1週前追い切りではCWコースで6F75秒2の圧巻の時計をマーク。
流れが速くなる多頭数レースで持ち味の末脚が活きるタイプで、阪神2200mの直線での加速力は脅威。
【ジャスティンパレス】
昨年のジャパンカップ(2024)では、中団から直線で外をじわじわ伸びるも、チェルヴィニアに競り負け5着。
負担重量の影響もあった。
有馬記念(2024)では、後方追走から内ラチ沿いを進み、直線でスペースを得て伸びるも5着。
前走の天皇賞(春)(2025)では、スタートで後手を踏み、早めに押し上げるも直線で伸びきれず6着。
2年ぶりの長距離戦で対応しきれなかったが、力負けではない。
中距離の芝2200mは、2023年天皇賞(秋)3着の実績があり、適性は高い。
阪神の内回りコースは、器用さと持続力のある末脚が活きる舞台。
【ソールオリエンス】
昨年の宝塚記念(2024)では、中団追走から勝負所で外に持ち出し、直線で鋭い末脚を発揮。
ベラジオオペラらを交わし、道悪馬場をこなして2着に食い込んだ。前々走の京都記念(2025)では、後方からインを突くもスペースがなく5着。
反応が鈍かったが、展開が向かなかった影響も。
前走の大阪杯(2025)は、流れに乗れず10着に沈んだが、得意の中距離戦での復活に期待がかかる。
阪神芝2200mは、昨年の好走実績があり、急坂や内回りコースも問題なし。
2023年皐月賞覇者の実力馬で、末脚のキレはトップクラス。
後方から一気の追い込みを狙うスタイルが、ペースが速くなる多頭数レースでハマる可能性が高い。
【宝塚記念2025予想】血統情報

【ベラジオオペラ】
ベラジオオペラの父は、日本競馬史に名を刻む名スプリンターロードカナロアです。香港スプリント連覇やスプリンターズステークス連覇など、世界の短距離戦線で圧倒的な実績を誇ります。
しかし、種牡馬としては短距離だけでなく中距離でも成功を収めており、アーモンドアイ(ジャパンカップなどG1・9勝)やパンサラッサ(ドバイターフなど)といった中距離の名馬を輩出。
ロードカナロアの産駒は、瞬発力と持続力を兼ね備えた柔軟な適性を持ち、ベラジオオペラもその遺伝子を受け継いでいます。
特に、母系が中距離適性を補強する場合、2000m前後のレースで高いパフォーマンスを発揮する傾向があります。
ベラジオオペラの母エアルーティーンは、未勝利馬ながら優秀な繁殖牝馬として知られています。
父ロードカナロアとの配合により、ベラジオオペラのような重賞級の競走馬を生み出しました。
エアルーティーンの産駒には、ベラジオオペラ以外にも注目馬がおり、牝系としてのポテンシャルが高いことを証明しています。
母の父ハービンジャーは、英ダービー3着の実績を持つステイヤーで、種牡馬としてはブラストワンピース(有馬記念)やディアドラ(ナッソーS)など、中長距離で活躍する産駒を多数輩出しています。
ハービンジャーの影響は、ベラジオオペラにスタミナと持続力をもたらし、特に2000m~2400mの距離で力を発揮する要因となっています。
この母父の血は、宝塚記念の舞台である阪神2200m(内回り)での機動力とタフさに直結します。
ベラジオオペラの牝祖(3代前)エアデジャヴーは、オークス2着の実績を持ち、名牝系を築いた名繁殖牝馬です。
エアデジャヴーの直仔にはエアメサイア(秋華賞)、エアシェイディ(アメリカJCC)などがおり、さらにその子孫にはエアスピネル(菊花賞2着)やエアウィンザー(チャレンジC)が名を連ねます。
ベラジオオペラは、この牝系に連なるエアアンセムやサトノヘリオスの甥にあたります。この牝系は、機動力と内回りコースでの適性に優れ、ベラジオオペラもその特徴を色濃く受け継いでいます。
実際、ベラジオオペラの重賞勝利はすべて内回りコースで記録されており、宝塚記念の阪神内回りコースは本馬にとって最適な舞台と言えるでしょう。
ベラジオオペラは、父ロードカナロア、母エアルーティーン、母父ハービンジャーという血統構成により、スピードとスタミナをバランスよく備えた中距離馬です。
エアデジャヴーを牝祖とする名門牝系から受け継いだ機動力は、宝塚記念の阪神2200mで大きな武器となるでしょう。
【ロードデルレイ】
ロードデルレイの父は、世界的なスプリント王ロードカナロアです。
香港スプリント連覇やスプリンターズステークス連覇など短距離で圧倒的な実績を誇りますが、種牡馬としては中距離でも成功。
アーモンドアイ(ジャパンカップなどG1・9勝)やパンサラッサ(ドバイターフ)など、2000m前後で活躍する産駒を多数輩出しています。
ロードカナロアの産駒は、鋭い瞬発力と持続力を兼ね備え、ロードデルレイもそのスピードを受け継ぎつつ、母系の影響で中距離適性を強化しています。
母デルフィーノは、JRAで3勝(芝1800~2000m)を挙げた実績馬で、中距離での安定感が特徴です。
デルフィーノ自身は重賞勝ちこそないものの、ロードカナロアとの配合でロードデルレイのような素質馬を生み出しました。
デルフィーノの競走成績から、ロードデルレイには中距離での持続力とタフさが伝わっており、宝塚記念の阪神2200mに適した資質を備えています。
母の父ハーツクライは、ドバイシーマクラシックや有馬記念を制した名馬で、種牡馬としてもシュヴァルグラン(ジャパンカップ)やリスグラシュー(宝塚記念)など中長距離のトップホースを輩出。
ハーツクライの影響は、ロードデルレイにスタミナとコーナリング能力をもたらし、特にヘイロー3×4のクロスにより、鋭い切れ味と機動力が強化されています。
この血統構成は、ロードカナロア×ハーツクライのニックス(相性の良い配合)として知られ、コスタノヴァなどの成功例も見られます。
ロードデルレイの牝系は、牝祖エンジェリックソングに遡る名門です。エンジェリックソングは、カナダの名牝グロリアスソングの全妹で、北米の名門牝系に連なります。
3代母レディバラードは交流重賞2勝の実績を持ち、ダノンバラード(アメリカJCC)やクラヴィコードの母母として知られています。
ロードデルレイはロードクルセイダーの甥にあたり、この牝系特有のタフさと中距離での機動力を継承。
宝塚記念の内回りコースでは、この血統背景がコーナリング能力として活きるでしょう。血統的には父ロードカナロアのスピードより母デルフィーノとハーツクライのスタミナが強く出ており、2000mがベスト距離。
宝塚記念の阪神2200mはやや長めですが、ヘイロー3×4のクロスによるコーナリング能力と、母系のタフさがカバーするでしょう。
機動力と持続力を活かし、好位から鋭く抜け出すレース展開が期待されます。ロードデルレイは、父ロードカナロア、母デルフィーノ、母父ハーツクライという血統構成により、スピードとスタミナが絶妙に融合した中距離馬です。
名門牝系エンジェリックソングに連なる機動力と、ロードカナロア×ハーツクライのニックスによる高いポテンシャルが魅力。
【レガレイラ】
レガレイラの父スワーヴリチャードは、ハーツクライの代表産駒で、大阪杯やジャパンカップを制した名馬です。
種牡馬としても初年度から成功を収め、中長距離で活躍する産駒を多数輩出。
スワーヴリチャードの特徴は、細身でしなやかな体質と低燃費の走りで、有馬記念の勝利ではステイヤーとしての資質も証明しました。
レガレイラには、父の持つスピードとスタミナのバランスが伝わり、2200m~2400mの距離で高いパフォーマンスを発揮する素質があります。
特に、宝塚記念の阪神2200mは、スワーヴリチャード産駒の機動力と持続力が活きる舞台です。
母ロカは未出走馬ですが、優秀な繁殖牝馬として知られ、レガレイラやドゥラドーレス(レガレイラの半兄)など活躍馬を輩出しています。
ロカの全姉妹にはアーバンシックの母がおり、アーバンシックとは父スワーヴリチャードが同じで母が全姉妹という「同血」の関係にあります。
この血統構成は、遺伝的な安定感とポテンシャルの高さを示しており、レガレイラの競走能力に大きく貢献しています。
母の父ハービンジャーは、英ダービー3着の実績を持つステイヤーで、種牡馬としてはブラストワンピース(有馬記念)やディアドラ(ナッソーS)を輩出。
ハービンジャーの影響は、レガレイラにスタミナとタフさをもたらし、特に中長距離での持続力を強化しています。
スワーヴリチャード×ハービンジャーの配合は、スピードとスタミナのバランスが良く、宝塚記念のタフな内回りコースに適した資質を伝えます。
レガレイラの牝祖ウインドインハーヘアは、日本競馬史に名を刻む名繁殖牝馬で、ディープインパクト(三冠馬)やブラックタイド(種牡馬としてキタサンブラックを輩出)の母として知られます。
この牝系は、ヴァルコス(レガレイラの甥)やステレンボッシュ(レガレイラの従姉妹)など、G1級の活躍馬を多数輩出。
ウインドインハーヘアの血は、底力と大舞台での勝負強さをレガレイラに伝えており、宝塚記念のような高強度のレースでその真価を発揮する可能性が高いです。
レガレイラは、父スワーヴリチャードのしなやかな走りと母父ハービンジャーのスタミナを受け継ぎ、2200m前後の距離で高い適性を示します。
牝系ウインドインハーヘアの底力は、厳しい展開での追い込み能力を強化。
戦績からは後方からの競馬を得意としており、宝塚記念では休み明けながら鋭い末脚でどこまで追い込めるかが鍵となります。
レガレイラは、父スワーヴリチャード、母ロカ、母父ハービンジャーという血統構成により、スピードとスタミナが融合した中長距離馬です。
ウインドインハーヘアを牝祖とする名門牝系から受け継いだ底力は、宝塚記念の舞台で大きな武器となるでしょう。
【ドゥレッツァ】
ドゥレッツァの父ドゥラメンテは、皐月賞と日本ダービーを制した二冠馬で、種牡馬としてもリバティアイランド(牝馬三冠)やタイトルホルダー(天皇賞・春)など、G1級の活躍馬を輩出しています。
ドゥラメンテの産駒は、抜群の瞬発力と持続力を兼ね備え、特に2000m~2400mの中長距離で優れたパフォーマンスを発揮。
ドゥレッツァにも、父の持つタフさと鋭い末脚が伝わっており、宝塚記念の阪神2200mというタフなコースに適した資質を備えています。
母モアザンセイクリッドは、ニュージーランドオークス(G1・芝2400m)の勝ち馬で、中長距離でのスタミナと底力が特徴。
競走馬としての実績をそのまま繁殖牝馬として発揮し、ドゥレッツァのような素質馬を産み出しました。
モアザンセイクリッドの影響は、ドゥレッツァに長距離向きの持続力とタフさを与え、宝塚記念の厳しい展開でも最後まで粘り強く走れる基盤を伝えています。
母の父More Than Readyは、キングスビショップS(米G1・ダート7F)を制したスピード馬で、種牡馬としてはカフェファラオ(フェブラリーS)やナックビーナス、ノーブルロジャーの母父として日本でも成功。
More Than Readyの影響は、ドゥレッツァに先行力をもたらし、ヘイロー4×4のクロスにより、小回りコースでの機動力やコーナリング能力を強化しています。
このスピード要素が、ドゥレッツァの先行する脚質を形成し、宝塚記念の内回りコースで有利に働く可能性があります。
ドゥレッツァの牝祖フルーイションに遡る牝系は、国際的に活躍馬を輩出する名門です。この牝系からは、ノーザンスパー(BCターフ勝ち馬)やサマーセント(マーメイドS勝ち馬)など、中長距離で実績を残す馬が多数登場。
フルーイションの血は、ドゥレッツァに底力と大舞台での勝負強さを伝え、宝塚記念のような高強度のレースでその真価を発揮するでしょう。
牝系のタフさが、ドゥレッツァの先行策を支える重要な要素です。
ドゥレッツァは、父ドゥラメンテの瞬発力と母モアザンセイクリッドのスタミナ、母父More Than Readyのスピードを融合した血統構成により、先行して粘り込む競馬を得意とします。
ヘイロー4×4のクロスによる機動力は、阪神内回りコースでのコーナリングで有利に働き、開催4日目の馬場傾向を考慮すると、前残りの展開が期待できます。
【ヨーホーレイク】
ヨーホーレイクの父は、日本競馬史に燦然と輝くディープインパクトです。無敗の三冠馬であり、種牡馬としてもジェンティルドンナ(ジャパンカップ連覇)、コントレイル(三冠馬)など、数々のG1馬を輩出。
ディープインパクトの産駒は、鋭い瞬発力と中長距離での持続力が特徴で、ヨーホーレイクにもその優れた末脚が伝わっています。
宝塚記念の阪神2200mは、ディープインパクト産駒が得意とする距離で、過去にサトノダイヤモンドやクロノジェネシスが同レースで活躍しています。
母クロウキャニオンは、JRAで2勝を挙げた名繁殖牝馬で、ヨーホーレイクの全兄にカミノタサハラ(弥生賞)、ボレアス、ベルキャニオン、ストーンリッジなどがいます。
クロウキャニオンの産駒は、中長距離でのスタミナと大舞台での勝負強さが特徴。ヨーホーレイクは、この母の持つタフさと、ニジンスキー的な伸びのある体型を受け継ぎ、大箱コース向きの中距離馬として成長しました。
宝塚記念の内回りはやや不向きですが、血統の底力でカバーできる可能性があります。母の父フレンチデピュティは、米G1勝ち馬で、種牡馬としてはクロフネやショウナンパンドラ(ジャパンカップ)、マカヒキ(日本ダービー)、アンジュデジール(地方G1)を輩出。
ディープインパクト×フレンチデピュティは、成功したニックスとして知られ、瞬発力にタフさとパワーを加えた産駒を生み出します。
ヨーホーレイクには、フレンチデピュティの影響で先行力と粘り強さが加わり、阪神の内回りでも対応可能な機動力を備えていヨーホーレイクの母母クロカミは、府中牝馬Sと京成杯AHを制した実績馬で、牝系としても優秀な子孫を多数輩出しています。
クロウキャニオンを通じて、ヨーホーレイクはカミノタサハラら全兄たちと同様、クロカミの持つスピードとタフさを継承。
特に、カミノタサハラに似たニジンスキー的な体型は、直線の長いコースでストライドを活かした走りが得意。
宝塚記念の内回りコースは本馬にとってややタイトですが、大阪杯での無欲のイン差し3着のように、展開次第で上位を狙える血統的背景を持っています。
ヨーホーレイクは、父ディープインパクトの瞬発力と母クロウキャニオンのスタミナ、母父フレンチデピュティのパワーを融合した中距離馬です。
大阪杯での3着は、インを突くレース運びで地力を示しましたが、血統的には外回りがベスト。
【宝塚記念2025予想】追い切り/調教情報

【ベラジオオペラ】
5月14日に放牧先から栗東トレーニングセンターに帰厩後、約1か月間にわたり着実に調教を積んできた。
18日から本格的な追い切りを開始し、週2本のペースで計8本の追い切りを消化。調教量は十分で、宝塚記念に向けた準備は順調そのものだ。
6月11日(水)栗東Wコース: 99.5-81.8-66.4-51.3-36.2-22.4-11.2(馬なり)の追い切りでは、横山和生騎手を背にWコースで僚馬2頭を追走する形を採用。
ラスト200m手前で楽な手応えのまま2頭を交わし、ゴール前では軽く促されるだけで最先着を果たした。
最終時計の11.2秒は鋭く、動きも軽快。馬体の反応は極めて良好で、仕上がりの良さが伺える。
先週の追い切りは、上村洋行調教師自らが騎乗し、Wコースで僚馬2頭との併せ馬を実施。
外の馬に先着し、中の馬とは併入という内容で、ラスト400mを11.3秒-11.0秒の好時計でまとめた。終始余裕のある動きで、加速力と持続力の高さをアピール。
調教過程での負荷のかけ方もちょうど良く、馬のコンディションは上向きだ。
ベラジオオペラの調教メニューは、宝塚記念の舞台である阪神芝2200mに対応するためのスタミナと瞬発力をバランスよく強化する内容だ。
Wコースでの併せ馬を中心に、馬なりのまま鋭い反応を見せている点は高く評価できる。
特に、ラスト200mでの加速力とゴール前の伸びは、宝塚記念の直線での切れ味を意識したもの。
横山和生騎手とのコンビネーションも良好で、騎乗者の感触も上々だ。
また、放牧明けから1か月以上かけ、じっくりと調教を積んできたことで、馬体に無駄な脂肪がなく、筋肉の張りも理想的。
過去のレースでも安定したパフォーマンスを見せてきたベラジオオペラだが、今回の追い切り内容からは、さらなる成長とピークの状態が期待できる。
陣営のコメントでも「動きも時計も申し分ない」と自信を覗かせており、万全の仕上がりと言えるだろう。
【ロードデルレイ】
5月13日に放牧先から栗東トレーニングセンターに帰厩。
5月18日から本格的な追い切りを開始し、6月11日までに単走で計7本の追い切りを消化した。
調教量は十分で、宝塚記念のタフなコースに対応するための基礎体力はしっかりと整っている。
6月11日(水)栗東Wコース: 53.3-37.1-22.5-11.1(強め)の最終追い切りは助手を背にWコースで実質800mからの調整。
直線で強めに追われると、鋭い反応を見せ、ラスト200mを11.1秒の好時計でまとめた。
時計以上に動きは軽快で、馬体のキレと推進力が際立っていた。
見た目にも迫力のある走りで、状態の良さをアピールした。
先週は川田将雅騎手が騎乗し、Wコースで1200mを76.3秒というハイペースで追う猛稽古を実施。
終盤はさすがにバテ気味だったものの、ラスト200mを11.8秒で粘り強くまとめた。
この追い切りで負荷をしっかりとかけたことで、スタミナと精神面の強化が図られた。
前走時の状態を維持しつつ、さらなる上積みも感じさせる内容だった。
ロードデルレイの調教は、宝塚記念の阪神芝2200mで求められるスタミナと末脚の持続力を意識した内容だ。
単走中心ながら、Wコースでの長めの距離を強めに追うことで、馬の心肺機能を高めている。
特に先週の1200m猛稽古では、タフなレースを想定した負荷をかけ、最後まで粘り強く走り切った点が評価できる。
最終追い切りでは、短めの距離で鋭い反応を見せ、スピード面も十分に磨かれた印象だ。
馬体の状態も良好で、帰厩後の約1か月の調教で無駄な脂肪は落ち、筋肉の張りも理想的。
前走時のコンディションをしっかり維持しており、陣営も「動きは前走以上」と手応えを掴んでいる。
川田騎手との相性も良く、追い切りでの感触から本番でのスムーズな競馬が期待できる。
【アーバンシック】
5月27日に放牧先から美浦トレーニングセンターに帰厩。
5月29日から本格的な追い切りを開始し、6月11日までに強めの内容を中心に5本の追い切りを消化した。
牧場での乗り込み量が豊富だったこともあり、調教量は十分。
宝塚記念の阪神芝2200mに対応するためのコンディション作りが順調に進んでいる。以下、最近の追い切り内容を詳しく見ていく。
6月11日(水)美浦Wコース: 82.0-65.9-50.9-36.7-23.6-11.6(馬なり)の最終追い切りは助手を背にWコースで3頭併せを実施。
真ん中に入り、軽く仕掛けられる程度で両馬と併入した。ラスト200mの時計は11.6秒とまずまずだが、動きはスムーズで力強い。
目立つ派手さはないものの、馬体のバランスと反応は良好で、阪神への長距離輸送を考慮した調整としては十分な内容だ。
先週は石神深一騎手が騎乗し、Wコースで3頭併せの内に入る形。
前を行く2頭を追走し、直線から1コーナーまでしっかり追われる意欲的な内容で最先着を果たした。
負荷をかけつつも、終始安定した走りを見せ、スタミナと集中力を強化。長めの距離を追ったことで、宝塚記念のタフなコースに対応する準備が整った印象だ。
アーバンシックの調教は、宝塚記念の舞台で求められる持続力と適応力を重視した内容だ。
美浦Wコースでの3頭併せを中心に、強めの追い切りで馬の心肺機能を高めている。
先週の意欲的な追い切りでは、長距離をしっかり追われたことで、阪神の急坂や2200mの距離への対応力が強化された。
最終追い切りでは軽めの調整に留めたが、馬なりのままスムーズな動きを見せ、状態の安定感が伺える。
馬体のコンディションも良好で、帰厩後の短期間で無駄のない仕上がりを実現。
牧場での下地がしっかりしていたため、5本の追い切りで十分な負荷をかけられた。
陣営も「輸送を考慮しても態勢は整った」とコメントしており、阪神の馬場への適応が鍵となるが、追い切りからは柔軟性と底力が感じられる。
【レガレイラ】
5月9日に放牧先から美浦トレーニングセンターに帰厩。
5月14日から本格的な追い切りを開始し、6月11日までに計9本の追い切りを消化。
調教量は十分で、約半年の休養明けとは思えないほど順調な調整過程を歩んでいる。
特に、ここ3週はWコースでの併せ馬を中心に負荷をかけ、宝塚記念のタフな舞台に向けた準備が整っている。
6月11日(水)美浦Wコース: 85.0-68.5-53.3-38.3-23.9-11.2(強め)の最終追い切りは助手を背にWコースで3頭併せを実施。
真ん中に入り、ラスト100mから1コーナー過ぎまで意欲的に追われ、最先着を果たした。
ラスト200mの時計は11.2秒と鋭く、力強い動きで仕上がりの良さをアピール。
長めの追い切りでスタミナを強化しつつ、鋭い反応も見せ、輸送前の調整としては申し分ない内容だ。
先週は戸崎圭太騎手が騎乗し、Wコースで僚馬との併せ馬を実施。
4コーナーで内に入り、馬なりのまま最後まで併入する好内容。
時計以上にスムーズで伸びやかな動きが目立ち、休養明けの不安を感じさせない仕上がりだった。
先々週の軽めな追い切りで基礎を整えた後、負荷を上げたことで、馬のコンディションは明らかに上向いている。
レガレイラの調教は、宝塚記念の阪神芝2200mで求められるスタミナと瞬発力をバランスよく強化する内容だ。
Wコースでの3週連続の併せ馬は、タフなレース展開を想定したもので、特に最終追い切りの意欲的な追走は、馬の集中力と持続力を引き出す効果的なメニューだった。
ラスト100mから1コーナー過ぎまで追われたことで、阪神の急坂や長めの直線に対応する準備が整った。
馬体の状態も良好で、休養明けながら筋肉の張りと柔軟性は理想的。
9本の追い切りを通じて無駄な脂肪が落ち、動きにキレが増している。
陣営も「半年ぶりでも動きは上々」とコメントしており、戸崎騎手とのコンビネーションもスムーズ。
美浦から阪神への長距離輸送が課題だが、輸送前の仕上がりとしては十分な状態と言える。
【ドゥレッツァ】
5月21日に放牧先から美浦トレーニングセンターに帰厩。
5月24日から本格的な追い切りを開始し、6月11日までに週2本のペースで計6本の追い切りを消化。
調教量は十分で、宝塚記念のタフなコースに対応するためのコンディション作りが順調に進んでいる。
すべての追い切りをWコースで行い、質の高い調整が特徴だ。
6月11日(水)美浦Wコース: 82.9-66.3-51.7-37.2-23.7-11.6(強め)の最終追い切りは助手を背に、Wコースの外目を通って4コーナーから強めに追われる内容。
きっちり加速し、ラスト200mを11.6秒でまとめてゴールした。
動きは力強く、推進力のある走りで仕上がりの良さをアピール。
阪神への長距離輸送を考慮した調整としては、負荷と体調管理のバランスが絶妙だ。
先週は横山武史騎手が騎乗し、Wコースで僚馬を追走する形。
4コーナーで外に持ち出し、直線では豪快な伸び脚を見せて一気に交わし、先着。
1コーナー過ぎまで一杯に追われた意欲的な内容で、スタミナと瞬発力を強化。
時計以上にダイナミックな動きが目立ち、馬の状態が上向いていることを証明した。
ドゥレッツァの調教は、宝塚記念の阪神芝2200mで求められるスタミナと末脚の持続力を意識したもの。
Wコースでの併せ馬や強めの追い切りを通じて、心肺機能と筋力を高めている。
先週の豪快な伸び脚は、阪神の急坂や長めの直線での競り合いを想定した調整で、G1の舞台でのパフォーマンスを意識した内容だ。
最終追い切りでは強めの負荷をかけつつも、馬体の反応は鋭く、疲労感は見られない。
馬体のコンディションも良好で、帰厩後の約3週間で無駄のない仕上がりを実現。
筋肉の張りと柔軟性が整い、休養明けの影響を感じさせない動きを見せている。
陣営も「ほぼ万全の状態」と自信を覗かせており、横山武史騎手との連携もスムーズ。
輸送前の現時点で、ピークに近い状態と言えるだろう。