宝塚記念コース解説(京都芝2200m)
今年の宝塚記念は、京都芝2200m外回りコースで開催されます。昨年までの阪神芝2200m内回りとは全く違うコース形態で開催されます。よって過去10年のデータは当てはまらい可能性がありますが、参考程度に見て頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます
宝塚記念は阪神競馬場の芝2200mで行われるG1競走ですが、今年はディープインパクトが勝利を収めた2006年以来、18年ぶりに京都競馬場で行われます。
昨年までの阪神芝2200m内回りとは全く違うコース形態です。
スタート地点は正面スタンド前直線の入り口付近、1~2コーナーは平坦。向正面は約500mのバックストレッチ、半ばからは徐々に坂を上り、3コーナーのところで頂上を迎え、4コーナーにかけて下ります。
3コーナー付近に小高い丘があるイメージです。
京都競馬場外回りコースの最大の特徴である3コーナーの高低差は4.3m。坂をどう走るかが勝負の重要なポイントになります。
3コーナーの下りでスピードをアップしながら直線に向かう傾向が高く、下り坂まで折り合いをつけてスタミナを温存できるかがこのコースを克服できる条件になります。
その結果ラスト800mのスタミナ比べのレースになりやすい傾向があります。
京都芝2200mは、スローペース、ハイペース、平均ペースがほぼ同じ比率で、出走メンバー次第で変わるようです。
京都外回りのG1での逃げ馬は常に注意が必要です。
4コーナーで好位から後続を断つには、相当のポテンシャルの高さが求められます。
京都芝2200mは、差し馬が圧倒的に馬券に絡む確率は高く、長い直線で瞬発力を発揮できる馬が勝ちやすい傾向があります。
追い込み、まくりの最後方からでは厳しくなります。
後半長く脚を使い続けることができるスタミナとスピードの持続力が問われ、直線403mは平坦でも末脚の強襲が決まりやすく、長く脚を使えるスピードの持続力に加えて瞬発力も求められます。
京都芝2200mは独自コース適性に適応力のある2200m巧者が、宝塚記念で激走する可能性があります。
【宝塚記念2024予想】データ分析と傾向
今年の宝塚記念は、京都芝2200m外回りコースで開催されます。昨年までの阪神芝2200m内回りとは全く違うコース形態で開催されます。よって過去10年のデータは当てはまらい可能性がありますが、参考程度に見て頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます
宝塚記念過去10年騎手別成績
C.ルメール騎手【2.0.0.6】
川田将雅騎手【1.1.1.6】
M.デムーロ騎手【1.1.1.5】
横山典弘騎手【1.1.0.4】
池添謙一騎手【0.2.2.3】
ルメールは2勝も着外6頭は2・4・2・1・2・1人気で、信頼度は低い。
このレース3勝の池添は近10年優勝皆無も3着以内4回。
武豊は9回騎乗で3着以内2回。
5回以上騎乗で3着以内なしは岩田康騎手と幸騎手。
宝塚記念過去10年人気別成績
1番人気【3.2.0.5】
2番人気【2.0.3.5】
3番人気【2.0.0.8】
6番人気【1.1.1.7】
10番人気【0.3.0.7】
1番人気は10年中5回連対。
2番人気も半数が3着以内。
1番人気、2番人気で好走した10頭はすべてG1馬。
上位2頭決着は近10年でなし。
宝塚記念過去10年前走別成績
前走天皇賞春【3.3.3.33】
前走大阪杯【2.2.1.18】
前走ドバイSC【2.1.1.6】
前走鳴尾記念【1.2.0.15】
前走目黒記念【1.0 1.13】
過去10年中8年で春の天皇賞組が好走。
近年はドバイ組の好走もある。
宝塚記念過去10年勝ち馬の条件
①4歳馬5歳馬
②前走までにG2以上のレースを勝利している
③非根幹距離 (400で割れない距離) の重賞で勝利経験がある
④中山、阪神、中京競馬場で行われた重賞で3着内がある
⑤レースの上がりが35秒5以上掛かったレースで勝利経験があった
⑥GIで5内に入った事がある
⑦2500M以上の重賞で5着内に入った経験がある
⑧前走が国内もしくは海外G1だった
⑨前走の上がりが3位から5位だった
⑩5枠から8枠
宝塚記念データ分析まとめ
1番人気は低調
京都開催で外枠有利
外回りコースに替わり差しが有利
主流血統以外の活躍が目立つ
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【ドウデュース】直線一気勝負
父ハーツクライ。母ダストアンドダイヤモンズ。母の父Vindication。
宝塚記念を勝てば、昨年末の有馬記念に続くグランプリ連勝の快挙となります。
有馬記念は、スタートはやや遅れましたが大きなロスではなく控えて我慢させつつ追走、勝負所で外から一気に進出していき、直線でも勢いがあり、内のスターズオンアース、タイトルホルダーを交わして1着。日本ダービー依頼となるG1・3勝目を挙げて、高い潜在能力を示しました。
京都コースを走るのも今回が初めてですが、日本ダービーを4コーナー14番手から鬼脚で差し切った実績があり、京都の外回りコースでも、直線一気の勝負に持ち込めれば勝ち負け必至です。
【ジャスティンパレス】G1初制覇した舞台
父ディープインパクト。母パレスルーマー。母の父Royal Anthem。
天皇賞春4着、宝塚記念3着、天皇賞秋2着、有馬記念4着、ドバイシーマC4着とG1の5レース連続で4着以内に好走しています。
5歳を迎えて成長、馬体的にも完成期を迎えつつあります。
昨年天皇賞春でG1初制覇した京都の舞台、その時と同じ鞍上ルメール騎手とともにG1・2勝目を狙います。
【ローシャムパーク】力の要る馬場なら
父ハービンジャー。母レネットグルーヴ。母の父キングカメハメハ。
前走大阪杯は、内枠から控えて後ろ目の12番手のポジションから追走、ペースが緩かったこともあり、向こう正面で早目に動いて先団に上がっていき、ベラジオオペラに並びかけ叩き合ったが、クビ差で競り負けましたが惜しい2着。
昨年重賞を連勝したときは、函館記念(稍重)、オールカマー(良馬場も力の要る馬場)だったことから、最終日の使い込まれた馬場で高いポテンシャルを発揮してくる可能性があります。
【ベラジオオペラ】ポイントは相手関係
父ロードカナロア。母エアルーティーン。母の父ハービンジャー。
前走大阪杯は、今回は2番手で先行、流れに乗って進み、外から併せてきたローシャムパークと進出。直線内からルージュエヴァイユが並んできて接戦となりましたが、2頭に競り勝ち、G1初制覇を達成。
宝塚記念のポイントは、相手関係です。
大阪杯に出走しなかった、ドウデュース、ジャスティンパレス、ブローザホーン、ディープボンドとどこまでやれるかG1馬として真価が問われるレースです。
【ブローザホーン】末脚要注意
父エピファネイア。母オートクレール。母の父デュランダル。
前走の天皇賞春は、後方12番手にじっくり構えて脚をため、4コーナーで外を回って追い込んでいき、内のディープボンドを交わして2着。
京都コースは、烏丸S(不良馬場)、日経新春杯、天皇賞春で上り最速の末脚を使っています。スタミナ豊富な馬なので、上りのかかる消耗戦になったときは、その末脚は要注意です。
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【シュトルーヴェ】消耗戦と瞬発力
父キングカメハメハ。母アンチュラス。母の父ディープインパクト。
芝2400mから芝2500mの長距離レース3戦連続で、上り最速の末脚で差し切って3連勝中の上り馬です。
前々走の日経賞は、直線で不利を受けましたが一瞬の末脚で立て直し35秒3の最速末脚で差し切って重賞初制覇、小雨の力のいる馬場にも対応できました。
前走の目黒記念は、今回も道中じっくり構えて追走、直線に入って外へ出されて追い上げ、32秒9の上り最速の末脚で、抜け出して1着。
決め手で優っていました。日経賞は上り35秒3、目黒記念は上り32秒9と、両極端な競馬で結果を出しています、特に日経賞は、他馬との接触がありながら勝負根性を見せた勝利です。
消耗戦と瞬発力勝負、どんな展開にも適応でき、勢い本物の実力馬です。宝塚記念は、レーン騎手騎乗予定でさらにパフォーマンスを上げてくる可能性大です。
【ルージュエヴァイユ】京都2200mのG1で2着
父ジャスタウェイ。母ナッシングバットドリームズ。母の父Frankel。
前走の大阪杯は、馬体重は14キロ減って絞れていました、外枠から内に入って追走、直線でも内ラチ沿いを突いて34秒0の上り最速の末脚で伸びて3着。
昨年宝塚記念と同じ舞台のエリザベス女王杯で2着入線の実績があり、コース適性に懸念はありません。
また牡馬相手の大阪杯でも11番人気で3着入った実力は高く評価できます。
【プラダリア】2戦2勝の京都
父ディープインパクト。母シャッセロール。母の父クロフネ。
前々走宝塚記念と同じ舞台であった京都記念は、内目の枠から先団を見ながら5番手から追走、4コーナーから直線では外に出されて伸びて抜け出して1着。
また重馬場開催の京都大賞典を勝っているように、京都外回りコースへの適性は高いです。京都最終の荒れた馬場で上りのかかる消耗戦は望むとこです。
2戦2勝の京都なら人気薄での好走の可能性も十分あります。
【ソールオリエンス】威力満点の末脚
父キタサンブラック。母スキア。母の父Motivator。
昨年の菊花賞は、外枠14番から抑えて追走、2周目の坂の下りで押し上げていき、直線追い上げましたが届かず3着も、スローペースで先行馬有利の状況を考えれば負けて強しの競馬でした。
原点回帰、ソールオリエンスの特性を生かした威力満点の末脚勝負でグランプリ宝塚記念をつかみにいきます。
【ディープボンド】天皇賞春4年連続2着3着
父キズナ。母ゼフィランサス。母の父キングヘイロー。
7歳馬でも衰えなしのディープボンドが、国内外16度目のG1挑戦でグランプリ制覇を目指します。
京都外回りコースは天皇賞春で2着3着の実績があり、コース適性は高いことが推測されます。
天皇賞春4年連続で馬券圏内、宝塚記念の2度の掲示板があります。
京都での下り坂での走り方が上手く、阪神よりも、京都の方が競馬しやすく、1発の可能性はまだまだあります。
【宝塚記念2024予想】血統馬8選情報
【ドウデュース】一瞬の瞬発力
父ハーツクライ。母ダストアンドダイヤモンズ。母の父Vindication。
マッチベターベイショアS(米G2・ダ7F2着)やフラーレン(JRA4勝)の半弟。
母の父Vindicationはシアトルスルーの直仔で北米2歳チャンピオンです。
シアトルスルーはケンタッキーダービーなどG1を8勝、種牡馬としては19頭のG1馬をだしています。
母ダストアンドダイヤモンズは米国GIのBCフィリーメアスプリント2着(7.0F)、G2ギャラントブルームH(6.5F)1着、G3シュガースワールS(6.0F)1着の短距離スピード系。
ダンシングブレーヴの近親なので一瞬の瞬発力勝負にも強い血統です。
【ジャスティンパレス】持続力を活かせる血統
父ディープインパクト。母パレスルーマー。母の父Royal Anthem。
母パレスルーマーは優秀な繁殖牝馬で、パレスマリス(ベルモントS・メトロポリタンH)、アイアンバローズ(阪神大賞典2着・ステイヤーズステークス2着)を産んでいます。
母の父Royal AnthemはヨークインターナショナルS(芝10.0F)、ガルフストリームパークBCH(芝11.0F)、カナディアンインターナショナルS(芝12.0F)のG1を3勝しています。
Nureyev系で力強いストライドで走り、ある程度前々で持続力を活かせる血統。
脚長で大きいストライドはディープインパクトのイメージで、京都外回り向きのストライドです。
【ローシャムパーク】持続力とパワーに富む中距離馬
父ハービンジャー。母レネットグルーヴ。母の父キングカメハメハ。
母レネットグルーヴはドゥラメンテと同じ牝系でJRA3勝。
母母イントゥザグルーヴはアドマイヤグルーヴの全妹でJRA4勝。
3代母のエアグルーヴは名繁殖牝馬です。
父ハービンジャーは、2017年には産駒のディアドラ (秋華賞)、 モズカッチャン(エリザベス女王杯)、ペルシアンナイト (マイルCS) と、秋のGIレースを立て続けに制覇。
ハービンジャー産駒は、2018年には3歳馬ブラストワンピースが有馬記念で古馬を撃破、2019年はノームコアがヴィクトリアマイルを快勝。
ディアドラが海外で英GIナッソーSを制覇、さらに2020年は、ノームコアが香港Cを制してG12勝目をあげました。
芝適性が高く、パワーと底力を伝える血統です。
【ブローザホーン】牝系スタミナ血統
父エピファネイア。母オートクレール。母の父デュランダル。
父エピファネイアは菊花賞、ジャパンカップの優勝馬です。
デザートスネーク(7勝)の近親で、母オートクレールはJRA4勝。
母父デュランダルはマイルCSやスプリンターズSの優勝馬。
牝系はスタミナ血統で、母父デュランダルのスピードが入って、エピファネイアと配合されたことでバランスの良い血統配合になっています。
【ルージュエヴァイユ】2代母凱旋門賞馬
父ジャスタウェイ。母ナッシングバットドリームズ。母の父Frankel。
父ジャスタウェイは天皇賞秋優勝、ジャパンカップ2着。
その父ハーツクライ産駒には、2014年オークスを勝ったヌーヴォレコルトなど東京芝2400mに強い血統。
ジャスタウェイ産駒にも日本ダービー3着のヴェロックスがいます。
母ナッシングバットドリームズの父は名馬フランケルで、2代母のDanedreamは凱旋門賞などG1を5勝した世界的な名牝馬です。
京都外回りコース向きの良血馬です。
【プラダリア】タフな馬場
父ディープインパクト。母シャッセロール。母の父クロフネ。
同じ牝系に、ノーヴァレンダ(ダイオライト記念1着)、ブランシェクール(JRA4勝)、ボンセルヴィーソ(JRA4勝)などがいます。
ラディウス(JRA3勝)の近親。2代母のリトルオードリーは現フィリーズレビュー(G2)の勝ち馬です。
ディープインパクト×グルームダンサーはスマートレイアー(京都大賞典など重賞4勝)などと同じです。
ディープインパクト×クロフネはレイパパレ(大阪杯)やステファノス(大阪杯2着・天皇賞秋2着)などと同じです。
タフな馬場になった方がパフォーマンス上がる血統。
【ソールオリエンス】内回りコース向き血統
父キタサンブラック。母スキア。母の父Motivator。
父はジャパンC勝ち馬キタサンブラック、母父は英ダービー馬Motivator、母は仏G3フィユドレール賞の勝ち馬。
3/4の弟にヴァンドギャルド(富士S)がいます。
父キタサンブラックはイクイノックス(G1ドバイシーマC・有馬記念・天皇賞秋・宝塚記念・ジャパンC)や、ラヴェル(G3アルテミスS)、ガイアフォース(G2セントライト記念)などを輩出しています。
母父Motivatorは英ダービー馬でタイトルホルダーの母父でもあります。
母父Motivatorの芝重賞成績は中山5勝・阪神3勝・福島1勝・東京1勝で、重賞10勝の内直線が短い右回りで9勝です。
DansiliやGone Westのマイラーも受け継いで機動力はあり、直線が短い阪神内回りコースに向いた血統配合です。