
札幌記念コース解説(札幌競馬場芝2000m)
札幌競馬場芝コースの1週距離は1640.9m、幅員は25~27m、直線距離は266.1m、高低差は0.7mです。
札幌競馬場は、全体的に円形に近い丸っこいコース形態をしていることと、芝が洋芝という2つの特徴があり、この2つの特徴への適性の有無がコース攻略の鍵になります。
芝コースの1週距離は1640.9mとローカル6競馬場のなかでは3番目の長さですが、ゴール前の直線距離は266.1mと、JRA全10競馬場のなかで直線が最も番短い函館競馬場の262.1mと4mしかありません。
札幌競馬場の1週距離は1640.9mで決して小さくないにもかかわらず、直線が短い訳は、コーナーの半径が大きいために、1週距離の長さに対してコーナー部分の占める割合が多く、コースの1周が全体的に丸っこい形になっているためです。
札幌競馬場は、4つのコーナーが緩やかで大きなカーブなので、コーナーで外を回れば距離ロスが他競馬場に比べて非常に大きくなります。
走破距離を出来る限り短くするには、内ラチを器用に走れる機動力がある馬が有利になる傾向があります。
機動力とはコーナーで瞬時に加速できる能力のことです。札幌競馬場の芝は洋芝です。
洋芝は野芝に比べて、寒い気候に強く、水はけが抜群に優れていて保水性が高い半面、耐久性は野芝に比べて劣ります。
洋芝は時計がかかる品種で、耐久性に弱いため開催が進むと馬場の痛みが激しくなりやすく、札幌記念がある開催5週目になると、通常よりも時計がかかる馬場になっています。
洋芝の耐久性に弱い馬場状態を考慮すると、開幕週から開催前半は馬場状態の良い内を走れる馬の好走率が高く、開催後半は耐久性に乏しい洋芝なので特に内側の芝が荒れていることから、比較的馬場状態の良い外側を走る馬の好走率は、開催が進むにつれて高くなります。
直線距離は266.1mと短いことから、後方一気の追い込み脚質の馬は届かないことが多いですが、開催が進むと内が荒れてくることから馬場状態の良い外を回ってくる差しが決まりやすくなることも、頭に入れておきたい事項です。
また、丸っこいコース形態で、コーナーが緩やかなこともあり、早めに仕掛けてくる捲くりが決まることもあります。
とは言うものの、基本はコーナー部分が多い丸っこい形状をしているので、外々を回れば距離ロスがかなり大きくなり、内ラチの経済コースを走ることができる先行脚質の馬が有利になります。
札幌競馬場芝2000mは4コーナーのポケット地点からのスタートで、1コーナーまでの距離が約400mと比較的に長く枠順の不利が少ないコースです。
コース全体の高低差は0.7mで、ほぼ平坦のため前半から速くなりやすい傾向があります。
コーナーは緩いカーブでスピードに勢いがつき、直線距離は266.1mと短いですが、タフな持続力勝負になりやすいことから、直線まで好位で脚をためるための折り合いがつくかどうかも、勝ち負けの重要な要素になります。
札幌競馬場芝2000mのコース解説まとめ
開催5週目で内の馬場が荒れています。
内ラチを器用に走りながら直線で馬場状態の良い外側に持ち出す騎手の手腕か、操縦性の高さが必要になります。
掛かってしまうと、直線でスタミナ切れになるので、直線まで折り合えて緩いコーナーでスピードにのってのロングスパートできるスピードの持続力と洋芝を走るパワーのある馬が、札幌競馬場芝2000mで好走できることが推測されます。