エリザベス女王杯コース解説(京都芝2200m右外回り)
エリザベス女王杯京都開催6週目、Bコースは2週4日目に開催されます。
京都芝2200mは外回りコースの一周距離は1,913.6m、幅員は21~35m、直線距離は398.7mです。
エリザベス女王杯は、京都芝2200m外回りコースを使用します。
スタート地点は正面スタンド前直線の入り口付近、1~2コーナーは平坦。向正面は約500mのバックストレッチ、半ばからは徐々に坂を上り、3コーナーのところで頂上を迎え、4コーナーにかけて下ります。
3コーナー付近に小高い丘があるイメージです。
京都競馬場外回りコースの最大の特徴である3コーナーの高低差は4.3m。坂をどう走るかが勝負の重要なポイントになります。
3コーナーの下りでスピードをアップしながら直線に向かう傾向が高く、下り坂まで折り合いをつけてスタミナを温存できるかがこのコースを克服できる条件になります。
その結果ラスト800mのスタミナ比べのレースになりやすい傾向があります。
過去のエリザベス女王杯で年によってかなり異なる展開になっています。
スローペース、ハイペース、平均ペースがほぼ同じ比率で、出走メンバー次第で変わるようです。
京都外回りのG1での逃げ馬は常に注意が必要です。
4コーナーで好位から後続を断つには、相当のポテンシャルの高さが求められます。
差し馬が圧倒的に馬券に絡む確率は高く、長い直線で瞬発力を発揮できる馬が勝ちやすいのがエリザベス女王杯です。
追い込み、まくりの最後方からでは厳しくなります。
後半長く脚を使い続けることができるスタミナとスピードの持続力が問われ、直線403mは平坦でも末脚の強襲が決まりやすく、長く脚を使えるスピードの持続力に加えて瞬発力も求められます。
京都芝2200mは独自コース適性に適応力のある2200m巧者が、エリザベス女王杯人気薄でも激走する可能性があります。
エリザベス女王杯データ分析
エリザベス女王杯の単勝のポイント
①関西馬
②3歳馬4歳馬
③ 2000M以上で勝利、もしくは重賞3着内がある
④2000M以上で上がり3ハロン1位を記録したことがある
⑤前走がGIもしくはGIIだった
⑥前走が3着内
⑦前走で5番人気内
⑧前走からのレース間隔が中3週から中8週
⑨鞍上が前哨戦から継続騎乗か、外国人騎手への乗り替わり
⑩当日の馬体重が478キロ以下
エリザベス女王杯まとめ
人気→4倍から9.9倍の馬が馬券的に狙い目
脚質→牝馬にとって距離が長く差し馬有利
年齢→3歳馬は妙味が薄く、狙うは4歳馬
種牡馬→京都競馬場開催時は切れ味特化タイプがおススメ
エリザベス女王杯本命馬情報
【レガレイラ】
父スワーヴリチャード。母ロカ。母の父ハービンジャー。
デビューから6戦連続で上り3Fメンバー中最速の上がりの末脚を発揮した、潜在能力が非常に高い馬です。
日本ダービーでは強豪牡馬を相手に33秒2のメンバー中最速上がりの末脚で5着に健闘して牝馬として実力を示しました。
エリザベス女王杯2024唯一の3歳馬が、昨年のブレイディヴェーグに続いてエリザベス女王杯での勝利を目指します。
【ホールネス】
父Lope de Vega。母Missunited。母の父Golan。
これまで6戦全てで3着以内を確保している能力が高い馬です。
重賞に格上挑戦した前々走のマーメイドSでは、道中は中団追走から勝負所で外を回って追い上げていき、勝負所での反応は目立つものではありませんでしたが、直線、外から追い込んで、エーデルブルーメに迫って3着に食い込みました。
前走はエリザベス女王杯と同じ距離の新潟牝馬ステークスに格上挑戦し、好位から伸びて差し切り勝ちしました。
勢いはG1の大舞台でも侮れません。
【スタニングローズ】
父キングカメハメハ。母ローザブランカ。母の父クロフネ。
2022年の秋華賞ではナミュール、スターズオンアースを抑えてG1初制覇。
その後は未勝利も、前走クイーンSでは6着ながら勝ち馬から0秒2差に粘り、実力は示せました。
一昨年のエリザベス女王杯は2番人気で14着でした、今年はリベンジなるか注目です。
【シランケド】
父デクラレーションオブウォー。母フェアブルーム。母の父ディープインパクト。
唯一の重賞挑戦だった昨年の紫苑ステークスでは追い込んで3着を確保して重賞でも通用する実力があることを示しました。
前々走の猪苗代特別(2勝クラス) は、内から先手をとったマイネルダグラスを見ながら2番手から先行、早目に押し上げて並んでいき抜け出すと差を広げて1着。
少頭数ですんなり先行でき、力を発揮できました。前走魚沼S(3勝クラス)は、9番手追走から33秒0の強烈な末脚で差し切って勝利。
2連勝中の上り馬で前走・条件戦から挑戦でも侮れない存在です。
エリザベス女王杯穴馬情報
【シンリョクカ】
父サトノダイヤモンド。母レイカーラ。母の父キングカメハメハ。
3歳時は好結果を出せませんでしたが、前走の新潟記念では、2番手先行から直線、外に出されて先頭へ、ゴール前でセレシオンが猛追してきましたが、ハナ差で凌いで1着。
4か月ぶりの実戦でも仕上がっており、デビュー戦以来、約2年ぶりの勝利で待望の重賞初制覇を飾りました。
2022年の阪神ジュベナイルフィリーズではリバティアイランドに続く2着に好走した実績からG1レベルの実力馬です。
【シンティレーション】
父ロードカナロア。母ファシネートダイア。母の父アグネスタキオン。
近2走は上り3F32秒8、33秒3の鋭い切れ味を発揮していることから好調さが伺えます。
久々の重賞挑戦だった前走の府中牝馬ステークスでは、勝ち馬ブレイディヴェーグと同じ上がり3ハロン32秒8をマークして2着、切れのある脚を見せました。
強烈な末脚は京都外回りコース向きです。
【コスタボニータ】
父イスラボニータ。母レディイン。母の父Kendor。
4走前の福島牝馬ステークスでは、最内枠から先行馬を見ながら好位、インコースを追走し、直線に入ってスペースがなく、外へ出され、内のウインピクシス、フィールシンパシーに迫り、抜け出して重賞初制覇を飾りました。
2走前は牡馬相手の小倉記念では、2番手で進み、直線に入って先頭に立ち、リフレーミングが伸びてきて抜け出されましたが、それでも粘って2着に好走しました。
G1は初挑戦となりますが、立ち回りのうまさを生かすことができれば好勝負も十分可能であることが推測されます。
【ハーパー】
父ハーツクライ。母セレスタ。母の父Jump Start。
昨年の牝馬三冠は桜花賞4着、オークス2着、秋華賞3着といずれもG1で4着以内に入り潜在能力が高いことを十分にしましました。
昨年のエリザベス女王杯では先行馬からやや離れた3番手から直線で外目に進路をとり、内からブレイディヴェーグに抜け出され、さらにルージュエヴァイユにも交わされました、古馬相手のG1で実力を示しました。
近走は不振続いていますが、昨年秋にG1で好走したエリザベス女王杯の京都外回りコースに戻って巻き返せるか、注目されます。
エリザベス女王杯追い切り・調教情報
レガレイラ
11月6日(水) 美浦Wコース 82.2-66.5-51.8-37.3-23.4-11.0
前走後は放牧を挟み、10月18日に美浦へ帰厩しました。
20日から今週にかけては、すべて助手が騎乗して、日曜日は坂路、水曜日はWコースというメニューで週に2本ずつ、合計6本追いを切りこなしており、十分な調教量を確保しております。
Wコースでは3連続週で併せ馬、先々週は3頭併せでラスト200m11.1秒で併入。
先週は重い馬場も問題にせず、ほぼ馬なりの状態で追走して先着。
今週はオープン馬と併せ馬、馬なりで併入。輸送前の状態から万全の仕上がりと見てよさそうです。
シンティレーション
11月6日(水) 美浦Wコース 84.6-68.7-54.3-39.0-24.1-11.7
前走後は放牧を経て、10月29日に美浦へ帰厩。レースの12日前と帰厩時期は遅いですが、レース間隔と牧場での乗り込みを考慮すれば調整過程に懸念はないと思われます。
ここ2週間は助手が乗り、Wコースで僚馬と併せ馬に追走して最後まで追いつけなかったもの、時計的にはまずまずの内容で併入に持ち込めました。
輸送前としては十分な仕上がりであることが推測されます。
ホールネス
11月6日(水) 栗東芝コース 73.4-56.5-40.6-12.0
新潟遠征から中2週間という厳しい臨戦過程ではありますが、敗戦からしっかりと切り終えており、疲労が残っている不安もなく、調整は順調と見てよいでしょう。
先週は金曜に西塚騎手騎乗で坂路単走で追われ、800mを53.2秒、ラスト200mを12.2秒と、かなり負荷をかけた内容を消化しました。
今週は坂井騎手を背に芝コースでの単勝で、軽めの調教内容でしたが、鞍上と一体感が感じられ、実力をしっかり発揮できる状態まで仕上がっています。
スタニングローズ
11月6日(水) 栗東坂路 53.7-38.5-24.8-12.2
放牧先からは10月11日に栗東へ帰厩しました。
今回も坂路での調教に限定されましたが、14日から今週にかけて計8本の追い切りを行っており、調教量は十分に確保されています。
先週は単走で終い軽めの馬なりでしたが、ラスト200mは11.6秒と、馬場の荒れた時間帯を考慮すると好時計だったと言えます。
今週もC.デムーロ騎手を背に単走で行きたがる面はあったものの、リズムよいラップで加速、前走からさらに上積みが見られる良い状態です。
シンリョクカ
11月6日(水) 美浦Wコース 93.1-68.8-52.3-37.3-23.5-11.6
放牧先からは10月中旬に美浦へ戻ってきました。
10月18日から今週にかけて6本の追いを行っており、調教量は十分に確保されています。
ここ2週は竹内師を背にWコースで僚馬と併せ馬。味わいではありますが、重い馬場を外目に回って1000mを64.9秒と、かなり強めの内容をこなしました。
今週は格下の馬に大きく先行する形で、直線では外を回りながら楽な手応えで微差先着、大きな上積みは見込めるかどうかはともかく、前走時の状態は維持されていると考えられます。