北九州記念コース解説(小倉芝1200m)
1周1615mという距離は、福島競馬場に次ぐ小ささです。
293mの直線に坂は設けられ小倉競馬場芝Aコースの1週距離は1,615.1m、幅員は30m、直線距離は293m、高低差は3mです。
福島競馬場に次ぐ小さな小回りコースです。293mの直線に坂はなく平坦になっています。
小倉競馬場はローカル競馬場らしい、直線平坦、小回りのコース設定になっています。
小倉芝1200m は、3つの特徴があります。
小倉競馬場1つめの特徴は下りスタートになる点です。
芝1200mは2コーナーポケットからのスタートのため、3コーナーまでの距離は480mと長くなっています。
小倉芝1200mは、200mほどの下り→300mほど平坦→200mほどの下り→ゴールまで平坦という起伏になるため、非常にペースが速くなります。
3～4コーナーが下りのスパイラルカーブということもあり、スタートからゴールまで絶対的なスピードが求められるコースです。
下りスタートでハイペースになる傾向があります。
小倉競馬場2つめの特徴はゴール板を通過直後から2コーナー半ばにかけて約220mの上り坂になっていることです。
この坂の高低差は3m、勾配率1.3%です。
2コーナー半ばにかけて上った3mを、2コーナーから向正面、向正面の200mは平坦、3コーナーから4コーナーにかけて下るというコース設定になっていることです。
小倉競馬場3つめの特徴はコースの幅が30mと広くゆったりしていることです。
30m芝コースの幅員は、他のローカル競馬場としては広い設定になっています。
小倉競馬場の3、4コーナーにはスパイラルカーブがあります。
スパイラルカーブとは、コーナーの入口が緩やかで、コーナーの出口がきついカーブになっているカーブのことを言います。
コーナーの入口が緩やかで3コーナーから4コーナーにかけて下り坂は、直線のスピードを落とさずにコーナーへ突入できます。
4コーナーの出口がきついカーブになっているので、スピードにのっている馬は外へ大きく膨らみます。
その中できついカーブで内ラチを走る馬は一旦スピードを落としますが、そこから機動力を発揮して短時間でトップスピードにギアチェンジできる機動力のある馬の好走率が高い傾向があります。
逃げ、先行タイプが明らかに優勢を誇り、極端な追い込みはあまり決まりません。
スタートした後、ゴールまで上り勾配を走る局面がほとんどなく直線は平たんなので、小倉芝1200mでは絶対的なスピード能力が問われます。
【北九州記念2025予想】データ分析と傾向
北九州記念過去10年単勝人気別成績
北九州記念はハンデ戦らしく波乱の可能性が高いです。
過去10年のデータを見ると、単勝3番人気以内の馬が揃って4着以下に沈んだケースは1度だけですが、優勝馬の半数が6番人気以下と荒れやすい傾向があります。
特に2022年の16番人気ボンボヤージの勝利や、昨年3着の16番人気モズメイメイによる79万8750円の高配当がその象徴です。
1番人気は勝率0%（0-4-1-5）、連対率40.0%、3着内率50.0%と安定感はあるが勝ち切れない。2番人気は勝率10.0%（1-0-1-8）とやや期待外れ。
3番人気は勝率20.0%（2-2-1-5）、連対率40.0%、3着内率50.0%で比較的信頼度が高い。
4～5番人気は勝率0%～20.0%と波があり、連対率・3着内率も30.0%前後。6～9番人気は4勝（勝率10.0%）と中穴ゾーンが活躍。
10番人気以下は1勝（ボンボヤージ）だが、3着内率6.0%とたまに絡む。
3番人気以内に軸を置きつつ、6～9番人気や10番人気以下の穴馬を絡めた馬券戦略が有効そうです。
高配当を狙うなら、波乱を前提に広めにカバーする買い方がおすすめ。
北九州記念過去10年性別成績
過去10年の3着以内馬30頭中、18頭が牝馬で、全体の60%を占めます。
牝馬の成績は〔6-5-7-55〕で、勝率8.2%、連対率15.1%、3着内率24.7%と、牡・せん馬（〔4-5-3-88〕、勝率4.0%、連対率9.0%、3着内率12.0%）を大きく上回ります。
特に、2018年を除く毎年、単勝3番人気以内の牝馬が3着以内に入っており、信頼度が高いです。
一方、牡・せん馬で3番人気以内は〔0-2-1-9〕と勝利がなく、過信は禁物です。
軽ハンデ（50～53kg）の牝馬が6勝を含む16回の3着以内と好成績で、2022年の16番人気ボンボヤージや2023年の16番人気モズメイメイのような穴馬も牝馬からでてます。
牝馬中心の馬券戦略が有効です。牝馬、特に単勝3番人気以内の牝馬を軸に、6番人気以下の軽量牝馬を絡める戦略がおすすめ。
北九州記念過去10年前走との間隔別成績
過去10年の優勝馬10頭全てが前走から中6週以下で出走。
成績は〔10-5-7-93〕で、勝率8.7%、連対率13.0%、3着内率19.1%と優秀です。
2023年に開催時期が早まった際も、中4週のピューロマジックが優勝し、この傾向は不変。
一方、中7週以上の馬は〔0-5-3-50〕で勝利がなく、連対率8.6%、3着内率13.8%と苦戦。休み明けの馬は割り引きが必要です。
特に、前走G3を勝利した馬は〔2-1-0-4〕（勝率28.6%、3着内率42.9%）と好成績で、2024年のヨシノイースター（前走北九州短距離S勝利）など、G3勝ち馬は要注目です。
北九州記念、前走中6週以下の牝馬、特にG3勝ち馬や軽ハンデの牝馬を軸に、6～9番人気の穴馬を絡める戦略がおすすめ。
北九州記念過去10年前走別成績
過去10年の3着以内馬30頭中18頭が前走G3（格付けのない時期の葵S含む）からの臨戦で、G3組の成績は〔7-6-5-68〕、勝率8.1%、連対率15.1%、3着内率20.9%と優秀。
特に前走G3を勝利した馬は〔4-4-1-3〕で3着内率75.0%と圧倒的。2024年のヨシノイースター（前走北九州短距離S勝利）や2023年のピューロマジックなど、G3勝ち馬は要注目。
一方、前走G1は〔0-1-2-9〕で勝利なし、G2は〔0-0-0-5〕で3着以内ゼロと不振。
オープン特別〔2-2-3-47〕や3勝クラス〔1-1-0-12〕も成績が劣り、G3組以外は割り引きが必要です。北九州記念は、前走G3で好走（特に勝利）の牝馬を軸に、6～9番人気の軽量牝馬を絡める戦略がおすすめ。
北九州記念過去10年優勝馬の年齢
過去10年の優勝馬10頭中、2016年のバクシンテイオー（7歳）を除く9頭が6歳以下。
この9頭は全て、芝1200mの重賞勝利歴（例：2024年ピューロマジックの葵S、2023年ジャスパークローネのCBC賞など）または夏の小倉・芝1200mでの勝利歴（例：2021年ヨカヨカ、2019年ダイメイプリンセスなど）のいずれかを有していました。
6歳以下の馬で、これらの実績を持つ馬が優勝の最有力候補です。
3～4歳の若い馬（2021年ヨカヨカ、2024年ピューロマジックなど）が3勝、5～6歳が5勝と、幅広い年齢層が活躍。
ただし、7歳以上はバクシンテイオーの1勝のみで、基本的には割り引きが必要です。
北九州記念は、6歳以下の牝馬で、芝1200m重賞勝利または夏の小倉1200m勝利歴を持つ馬を軸に、6～9番人気の軽量牝馬を絡める戦略がおすすめ。
【北九州記念2025予想】血統情報
【ロードフォアエース】
ロードフォアエースの父は、2012年・2013年のスプリンターズS（GI）連覇や香港スプリント（G1）連覇を達成した名スプリンター、ロードカナロア（父キングカメハメハ）。
ロードカナロアは、キングカメハメハの爆発力とストームキャットのスピードを受け継ぎ、産駒にもその圧倒的な短距離適性を伝えます。
ロードフォアエースは、父の鋭い加速力としなやかなストライドを継承し、芝1200mで[2-5-0-0]と抜群の安定感を誇ります。
ストームキャット3×4、ヌレイエフ≒サドラーズウェルズ5×4の父母相似配合により、スピードとパワーが増幅され、北九州記念のハイペースな展開に最適な資質を持っています。
母イトワズマジック（父War Front）は不出走ながら、欧州の名門牝系に属する優秀な繁殖牝馬。
War Frontはダンジグ系の名種牡馬で、スピードとパワーを子に伝えることで知られます。
イトワズマジックは、欧州2歳チャンピオンのユーエスネイヴィーフラッグや、サンチャリオットS（英G1・芝8F）勝ちのローリーポーリーの全妹で、近親には輸入種牡馬ファスリエフも名を連ねる。
この牝系は、国際的な短距離～マイル戦での実績が豊富で、ロードフォアエースにダンジグ系のパワーとスピードを注入。
War Frontの影響は、急坂のある小倉コースでの持続力や、渋った馬場への適性を強化しています。
イトワズマジックの牝系は、欧州の名門血統に根ざし、スピードとタフさを兼備。
ロードカナロアとの配合では、ストームキャット3×4、ヌレイエフ≒サドラーズウェルズ5×4のクロスが特徴的で、父母の血統が相似することで、短距離での爆発力と安定感が引き出されています。
この配合は、ロードフォアエースの立ち肩の体型にも表れており、ダートもこなせるパワー型。
芝1200mの北九州記念では、平坦コースよりも急坂のある小倉の舞台が本馬の資質にマッチ。
渋った馬場でも力を発揮できる柔軟性は、War Frontのダンジグ系血統とロードカナロアのパワーが融合した結果です。
ロードフォアエースは、芝1200mで[2-5-0-0]の安定した成績を誇り、北九州記念の小倉芝1200mでその実力を発揮する可能性が高い馬です。
父ロードカナロアのスピードと母父War Frontのパワーが、急坂とタフな展開が求められる小倉コースに最適。
ストームキャットとヌレイエフのクロスがもたらす爆発力は、ハイペースなレースでの末脚に繋がります。
渋った馬場への適性も高く、雨の影響がある場合でもパフォーマンスが落ちない点が強み。
過去のデータでも、ロードカナロア産駒は短距離重賞で好成績を残しており、ロードフォアエースも北九州記念で上位争いが期待されます。
【ヨシノイースター】
ヨシノイースターの父は、2012年のクイーンエリザベスII世C（香港G1）を制したルーラーシップ（父キングカメハメハ）。
ルーラーシップは中長距離での活躍が目立つが、キングカメハメハのスピードとトニービンのスタミナを併せ持つ産駒を輩出。
ヨシノイースターには、ルーラーシップのパワーと持続力が受け継がれており、芝1200mのハイペースな展開でも粘り強く走れる資質を備えています。
ルーラーシップ産駒にはカレンシュトラウスやトランキリテなど中距離で活躍する馬が多いが、ヨシノイースターは母方の影響で短距離適性が強調された配合。
北九州記念のタフな小倉コースに適した底力を発揮するでしょう。
母アースプレイ（父ゼンノロブロイ）は、JRAで芝1200mを中心に2勝を挙げた短距離馬。
ゼンノロブロイはステイヤー色が強いが、母系に短距離適性を引き出す血を掛け合わせることで、スピード型の産駒を輩出する例も多い。
アースプレイは、ウォーニングやマイニングといった短距離向きの血統の影響を強く受け、ヨシノイースターに軽快なスピードとパワーを伝えた。
ルーラーシップ×ゼンノロブロイの配合は、カレンシュトラウスやトランキリテと同じだが、ヨシノイースターは母方の短距離資質が強く出ており、芝1200mでの鋭いキレ味が特徴。
渋った馬場への適性も高く、北九州記念の舞台で有利に働く可能性があります。ヨシノイースターの牝系を遡ると、牝祖イングリッシュホーマーが登場。
イングリッシュホーマーの産駒には、トウカイパルサー（重賞級）などが名を連ね、短距離から中距離まで幅広い適性を持つ優秀な牝系です。
近親にはアスターディゴン（ヨシノイースターの半兄）や、マルブツイースター、ダイメイザバリヤル（甥）がおり、この牝系はスピードとパワーを一貫して伝えます。
特に、母アースプレイが芝1200mで実績を残したように、ヨシノイースターも小倉の短距離戦に最適な資質を継承。
ウォーニングやマイニングの血は、パワー型の走りを強化し、渋った馬場での持続力を高めています。
ヨシノイースターは、芝1200mの勝ち鞍を全て1分8秒台で記録するパワー型。
ルーラーシップの持続力と、母方ウォーニング・マイニングの短距離適性が融合し、高速馬場よりも稍重～重馬場でパフォーマンスが上がるタイプです。
北九州記念の小倉芝1200mは、急坂とタフな展開が求められるコースで、ヨシノイースターのパワーと渋った馬場への適性が活きる舞台。
ルーラーシップ×ゼンノロブロイの配合は中距離向きのイメージが強いが、母方の短距離資質が強く出た本馬は、北九州記念で上位争いが期待されます。
過去のデータでも、渋った馬場で好走するパワー型が活躍する傾向があり、ヨシノイースターの血統背景は好走の条件に合致します。
【アブキールベイ】
アブキールベイの父は、2018年のスプリンターズS（GI）と高松宮記念（GI）を制した名スプリンター、ファインニードル（父アドマイヤムーン）。
そのスピードと瞬発力は、芝1200mの舞台で圧倒的なパフォーマンスを発揮しました。
ファインニードル自身はサンデーサイレンスの血を引く配合から、しなやかさとパワーを兼ね備えた走りを披露。
アブキールベイにも、この短距離適性と爆発力が受け継がれています。
ファインニードルの代表産駒にはエイシンフェンサー（CBC賞勝ち）がおり、アブキールベイも同様の配合パターン（サンデーサイレンス4×3、ストームキャット近似のロイヤルアカデミーII≒ストームキャット4×3）を持つため、短距離での高い適性が期待されます。
このクロスは、スピードとパワーを増幅する配合として知られ、北九州記念のようなハイスピードなレースに最適です。母アゴベイ（父ハーツクライ）は、堅実な競走成績を残し、短距離での適性を子に伝える繁殖牝馬です。
ハーツクライはステイヤーとして知られるが、ディープインパクトやサンデーサイレンス系の牝馬との配合で、短距離適性を引き出す例も多く、アゴベイもその一頭。
彼女の血統背景は、アブキールベイにしなやかな筋肉と瞬発力を与え、芝1200mでの軽快な走りを支えています。
アブキールベイの牝系を遡ると、牝祖コンポージャーが登場します。コンポージャーはアメリカのG1競走、サンタアニタオークス（ダート8.5F）を制した名牝で、さらにはロイヤルデルタS（G2・ダート8.5F）勝ち馬ペンウィズの母としても知られます。
この牝系は、ダートでのパワーとスピードを伝える優秀な血統であり、芝の短距離戦にも適応可能な底力をアブキールベイに与えています。
コンポージャーの血は、北九州記念のタフな小倉コースで求められる持続力とパワーを補完する要素と言えるでしょう。
アブキールベイの血統は、サンデーサイレンス4×3とロイヤルアカデミーII≒ストームキャット4×3のクロスにより、スピードとパワーのバランスが絶妙。
実績面でも、良馬場の芝1200mで[3-1-0-0]と無敗の成績を誇り、葵S（GIII）勝ち馬としての実力は折り紙付きです。
過去のデータを見ると、葵S勝ち馬が北九州記念に出走した際の成績は[1-1-0-1]と優秀で、2024年のピューロマジックに続く活躍が期待されます。
小倉の急坂を克服するスタミナと、ファインニードル由来の鋭いキレ味が、北九州記念での好走を後押しするでしょう。
【キタノエクスプレス】
キタノエクスプレスの父は、2014年の朝日杯フューチュリティS（GI）を制したアジアエクスプレス（父ヘニーヒューズ）。
ヘニーヒューズの代表産駒として知られ、ダートでのパワーとスピードを武器に活躍しました。
アジアエクスプレスは、芝とダートの両方で結果を残した万能型で、その産駒にはソロユニット（芝1200mで活躍）やワールドタキオン（ダート重賞勝ち）など、多彩な適性を持つ馬が名を連ねます。
キタノエクスプレスには、父譲りの瞬発力と持続力が受け継がれており、北九州記念の小倉芝1200mのようなハイペースな展開に適した資質を持っています。
アウトブリードの配合により、柔軟性とスタミナも兼備している点が強みです。
母ツルマルサンチャン母ツルマルサンチャン（父ディープインパクト）は、ディープインパクトの柔らかなストライドと持久力を子に伝える繁殖牝馬です。
ディープインパクトは長距離での実績が目立つが、短距離適性を引き出す配合も多く、キタノエクスプレスの場合は、アジアエクスプレスのパワーと融合することで、芝1200mでのキレ味を強化しています。
このアジアエクスプレス×ディープインパクトの配合は、2024年北九州記念勝ち馬ピューロマジックやそのきょうだいメディーヴァルと同じで、短距離戦での成功例が豊富。
ツルマルサンチャンの血は、キタノエクスプレスにしなやかさとタフさを与え、小倉の急坂を克服する力を補完します。
キタノエクスプレスの牝系も優秀で、母母リキセレナードは小倉3歳S（現・小倉2歳S）の勝ち馬。
リキセレナードの産駒には、キングスレガリアやオスカールビーといった重賞級の活躍馬が含まれる。
近親にはキタノセレナード（キタノエクスプレスの半兄）やキタノユーリン（半弟）がおり、この牝系は短距離でのスピードとパワーを一貫して伝える特徴を持つ。
リキセレナードの小倉適性は、キタノエクスプレスにとって北九州記念の舞台で大きなアドバンテージとなるでしょう。
牝系のタフさが、渋った馬場への対応力も高めています。キタノエクスプレスは6歳にして芝短距離で本格化し、オープンクラス入りを果たした実力馬。
ダートでも走れるパワーを持ち、馬場が渋った場合に特に有利と見られます。アジアエクスプレス×ディープインパクトの配合は、ピューロマジックが証明したように北九州記念に最適で、スピードとスタミナのバランスが小倉のタフなコースにマッチします。
アウトブリードの配合は、柔軟性と持続力を強化し、ハイペースな展開でも最後まで粘り強く走れる資質を保証。
過去のデータでも、同配合の馬が北九州記念で好成績を残しており、キタノエクスプレスも上位争いが期待されます。
【ヤマニンアルリフラ】
ヤマニンアルリフラの父は、2014年の皐月賞（GI）と2017年のマイルCS（GI）を制したイスラボニータ（父フジキセキ）。
イスラボニータは、フジキセキのしなやかなスピードと、サンデーサイレンスの持久力を併せ持つ名馬で、産駒にもその柔軟な走りが受け継がれています。
ヤマニンアルリフラは、イスラボニータのしなやかなストライドを活かし、外目から鋭く差す競馬を得意とします。イスラボニータ産駒はマイル戦での活躍が多いが、短距離適性も十分で、北九州記念の芝1200mのようなハイペースな展開に適応可能。
ヤマニンサルバム（重賞級）と同じ父を持つ本馬は、血統的なポテンシャルが非常に高いと言えるでしょう。
母ヤマニンパピオネ（父スウェプトオーヴァーボード）は、JRAで芝・ダート1000～1200mを中心に4勝を挙げた短距離馬。
繁殖牝馬としても優秀で、産駒5頭のうち4頭が勝ち馬、計16勝を記録しています。
代表産駒にはヤマニンウルス（ダート重賞級）やヤマニンサンパ（芝短距離で活躍）が含まれ、短距離戦でのスピードとパワーを子に伝える能力が際立っています。
スウェプトオーヴァーボードは、エンドスウィープの系統で、ダート色の強いパワーと瞬発力を提供。ヤマニンアルリフラは、この母の血から、芝1200mのタフな小倉コースに対応する粘り強さを獲得しています。
牝系を遡ると、牝祖ワンオブアクラインが登場。ワンオブアクラインは、アメリカのG1競走オークリーフS（ダート8.5F）を制したダンジグ産駒で、スピードとパワーを兼備した名牝です。
この牝系は、ヤマニンサルバムとも共通し、フジキセキ、フォーティナイナー、ダンジグの影響が強い短距離体型を形成。
ヤマニンアルリフラは、この牝系から受け継いだダート由来のパワーと、芝での軽快なスピードを融合させ、北九州記念の急坂を克服する底力を備えています。
ダンジグの血は、特にハイペースな展開での持続力を強化します。ヤマニンアルリフラは、父イスラボニータのしなやかな走りと、母ヤマニンパピオネの短距離適性、牝祖ワンオブアクラインのパワーを融合した血統構成。
フジキセキ、フォーティナイナー、ダンジグの影響により、短距離戦に最適な体型と走りを持ち、外目から差すスタイルが小倉芝1200mにマッチします。母系のタフさが、渋った馬場やタフな展開にも対応可能である点も強み。
イスラボニータ産駒のしなやかなストライドは、小倉の直線で鋭い末脚を発揮する可能性が高く、北九州記念での上位争いが期待されます。過
去、イスラボニータ産駒は短距離重賞でも結果を残しており、ヤマニンアルリフラもその系譜に続く存在です。
【北九州記念2025予想】本命馬情報
【ロードフォアエース】
堅実な先行力と安定感が武器で、通算成績〔4・8・0・1〕は信頼度の高さを物語る。2走前の米子城ステークス（OP、阪神芝1200m）では、先行策から2番手をキープ。
直線で勝ったカルチャーデイに迫れなかったものの、2着を確保し、芝1200mでの適性を示した。
前走の春雷ステークス（L、阪神芝1200m）でも、ジョーメッドヴィンをマークしながら2番手でレースを進め、4コーナーで先頭に並びかける積極的な競馬を見せた。
しかし、外から伸びたヨシノイースターに交わされ、惜しくも2着。
それでも最後まで粘り強く走り、短距離での安定感を再確認させた。
小倉1200mは小回りコースで先行馬が有利な傾向があり、同馬の先行力を活かせる舞台だ。
陣営は「レースを重ねるごとに良化するタイプ」と見ており、今回は休み明けがポイント。
北九州記念でのパフォーマンスは、直前の調教内容や当日の仕上がりが鍵を握る。
軽ハンデを活かせれば、昨年2着のヨシノイースターら強豪を逆転する可能性も十分。
スピードとタフさを兼ね備えたロードフォアエースが、夏の小倉で待望の重賞初制覇を狙う。
【ヨシノイースター】
昨年の同レースでは、外枠から好位を確保し、勝負所で2番手に浮上。
直線では先行したピューロマジックを追い詰めるも、4kgのハンデ差もあり、1/2馬身差の2着に惜敗。
しかし、小倉コースへの高い適性を証明し、夏競馬での順応性も見せつけた。
軽快なスピードと小回りコースでの機動力が持ち味で、小倉1200mは同馬にとって最適な舞台と言える。
今年の春雷ステークス（L、阪神芝1200m）では、トップハンデを背負いながらも、先団を見据えるポジションから4コーナーで先行馬に並びかけ、直線で鋭く抜け出して1着。
休み明け2走目でのパフォーマンス向上を示し、状態の良さがうかがえた。この勝利は、速い流れにも対応可能な脚力を証明するものだ。
北九州記念でのポイントは、速い時計での決着への対応力。
ヨシノイースターは、稍重～良馬場でやや時計を要するコンディションが理想とされるが、近走の走りから高速決着にも適応しつつある。
斤量や枠順も重要だが、過去の小倉での実績（2着）を考慮すると、好枠を引き当てれば勝ち負けは必至。
夏の小倉で、ヨシノイースターの末脚が再び輝くか、注目だ。
【アブキールベイ】
3歳牝馬ながら小回りコースでの高い適性が魅力で、キャリアの浅さを感じさせない走りを見せる。
前走の葵ステークス（GIII、京都芝1200m）では、15番人気の低評価を覆し、中団から鋭く伸びて1着。
先行馬が内と外に分かれた隙を突き、ラストは鋭い末脚で首位争いを制した。
リフレッシュ効果もあり、状態の良さと成長力を証明した一戦だった。
馬体重420kgと小柄な牝馬だが、小倉での勝利実績に加え、デビュー戦を福島1200mで制しており、小回りコースへの適性は抜群。
北九州記念の舞台である小倉芝1200mは、機動力を活かせる同馬に最適な条件だ。
持ち時計の速さはまだ課題だが、3歳馬ゆえに成長余地は大きく、時計勝負への対応力も期待される。
軽ハンデを活かせる点も強み。
陣営は状態の良さを強調しており、夏競馬でのさらなる飛躍が期待される。
直前の調教や当日の馬体重も注目ポイントだ。
小回り巧者のアブキールベイが、北九州記念で再び鮮やかな末脚を見せ、3歳牝馬の底力で重賞連勝を狙う。
【キタノエクスプレス】
前走の鞍馬ステークス（OP、京都芝1200m）では、中団からレースを進め、メンバー減による展開の利も活かして直線で鋭く伸び、マイネルレノンを交わして2着。
オープン特別での変わり身を見せ、短距離戦での安定感と末脚の切れ味を改めて証明した。昨年夏の福島1200mでは、1分07秒0の好タイムで勝利し、時計勝負への対応力を示している。
小倉芝1200mは小回りコースでスピードと機動力が求められるが、キタノエクスプレスの差し脚は同舞台にマッチ。
北九州記念の高速決着にも対応可能な実績は心強い。6月26日の1週前追い切りでは、栗東坂路でラスト2ハロン23秒6、1ハロン11秒6の鋭い動きを披露。
7歳ながら充実期を迎えている印象で、状態の良さが際立つ。
斤量や枠順も鍵となるが、外枠でもスムーズに捌ければ、稍重～良馬場でのパフォーマンスも安定しており、夏の小倉で持ち前の末脚を炸裂させる可能性は高い。直前の調教や当日の馬場状態に注目だ。
【クラスペディア】
3走前のクロッカスステークス（L、東京芝1400m）では果敢に逃げ、ペースを落として主導権を握ると、直線でティラトーレの追撃を半馬身差で振り切り、リステッド初勝利を飾った。
前走の葵ステークス（GIII、京都芝1200m）でも積極的に先手を奪い、2番手のサウスバンクを牽制しながら粘り込み。
ゴール寸前でアブキールベイに交わされたが、2着を確保し、ハイペースでも崩れないタフさを証明した。
芝1200mでは3戦全て2着以内と抜群の適性を誇り、スピードと持続力が武器。小倉の小回り平坦コースは、クラスペディアの先行力を最大限に活かせる舞台だ。
3歳馬で重賞未勝利ながら、軽ハンデを活かせる点は大きなアドバンテージ。
夏競馬の経験もあり、暑さに強いタフな気性も北九州記念でプラスに働く。
積極的なレース運びで上位争いが期待できる。
直前の調教では鋭い動きを見せており、状態面も良好。枠順や馬場状態次第だが、良馬場でのスピード勝負にも対応可能だ。
北九州記念での逃げ粘りに注目が集まる。
≪30万馬券的中≫
321,370円3連点6点的中しました！
【北九州記念2025予想】穴馬情報
【オタルエバー】
前走の鞍馬ステークス（OP、京都芝1200m）では、近走より前目の好位を確保。
4コーナーで中団外からスムーズに進出し、直線で鋭く抜け出して1着を獲得。2桁着順が続いていたが、芝に戻り一変した走りを見せ、復調をアピールした。
切れ味鋭い末脚が武器で、展開次第では上位争いが可能な実力馬だ。
小倉コースでは過去1戦で2番人気4着、走破時計1分07秒6を記録。
スピード負けの印象もあったが、小回りコースでの機動力は健在。
北九州記念の小倉芝1200mは、先行馬が有利な舞台だが、オタルエバーの好位差しスタイルにも合う。
課題は速い時計への対応力で、良馬場での高速決着は苦手意識がある。
稍重～重馬場など、多少渋った馬場状態が理想的だ。
斤量や枠順も重要で、軽ハンデや内枠を引ければ上位進出のチャンスは広がる。
陣営は状態の良さを強調しており、鞍馬Sの再現を狙う。
展開が向けば一発の可能性は十分。
直前の調教や当日の馬場状態をチェックしたい。
夏の小倉で、オタルエバーの末脚が再び炸裂するか、注目の一戦だ。
【メイショウソラフネ】
昨年のタンザナイトS（OP、阪神芝1200m）では、好位からレースを進め、直線で中ほどから鋭く伸びて抜け出し、内・外の馬を寄せ付けず1着。
重賞でも善戦実績があり、オープン特別では常に上位争いを演じる安定感が魅力だ。
前走のシルクロードS（GIII、京都芝1200m）では出遅れが響き5着に終わったが、持ち前の末脚は健在。
小倉芝1200mの小回りコースは、好位差しがハマる舞台で同馬に最適だ。
良馬場での軽快なフットワークが武器で、道悪は苦手なため、当日の馬場状態が鍵となる。
過去に夏の小倉で未勝利戦を勝利しているが、近年は夏場のイメージが薄く、今回は休み明けでの出走。
仕上がり具合がパフォーマンスを左右するだろう。
6月下旬の調教では動きが上々で、状態面の上向きが期待される。
好スタートを切れれば上位進出は可能。軽ハンデを活かし、得意の好位差しで一気の抜け出しを狙う。
北九州記念でのメイショウソラフネの走りに注目。
良馬場でスムーズな競馬ができれば、重賞制覇のチャンスは十分だ。
【モズメイメイ】
昨年のアイビスサマーダッシュ（GIII、新潟芝1000m）では、15番枠から中団で控えて追走。
後半に鋭く伸び、外のウイングレイテストやテイエムスパーダとの僅差の競り合いを制し、重賞3勝目を挙げた。
初の直線競馬での勝利は、適応力の高さと末脚のキレを証明。
小倉芝1200mの小回りコースでも、鋭い決め手が活きる舞台だ。
6月18日の2週前追い切りでは、栗東坂路で4ハロン49秒8の好時計を記録。
調教駆けするタイプとはいえ、夏場の動きは特に出色で、開幕2週目の良好な芝状態もプラスに働く。
モズメイメイは速い時計の決着を得意とし、北九州記念の高速決着に最適な特性を持つ。
軽ハンデを活かし、後方から一気の差し切りを狙える。
夏競馬での好調ぶりと小倉コースへの適性から、ファンからも注目度が高い。
直前の調教や枠順、当日の馬場状態が鍵だが、良馬場ならその爆発力で上位進出は確実。
モズメイメイが北九州記念で重賞4勝目を飾り、夏の小倉を沸かせるか、期待が高まる一戦だ。
【バースクライ】
昨年のフジS（GII、中山芝1200m）では最内枠から中団で控え、4コーナーで接触しながらも直線で鋭く進出。
ビッグシーザーを競り落とし、ヨシノイースターにアタマ差先着の3着と健闘。
前々走のタンザナイトS（OP、阪神芝1200m）でも内枠から中団追走、1番人気ソンシをマークしつつ内を突いて伸び、3着を確保した。
前走のカーバンクルS（OP、中山芝1200m）では中団から勝負所で進出し、エイシンフェンサーを追い詰めるもクビ差の2着。
連続上位入線で安定感を示した。
小倉芝1200mの小回りコースは、バースクライの鋭い差し脚と機動力が活きる舞台。
良馬場での切れ味が持ち味で、稍重以下ではややパフォーマンスが落ちるため、当日の馬場状態が鍵だ。
軽ハンデを活せれば、強豪と互角に渡り合える実力を持つ。
6月下旬の調教では好動きを見せ、状態面も上々。
内枠を引き当てれば、さらにチャンスが広がる。
【ヤマニンアンフィル】
昨年の知多特別（2勝、中京芝1200m）では、内枠からインコースを追走し、直線で内ラチ沿いを突いて鋭く伸び、逃げ馬を交わして1着。
4走ぶりの1200mで良化を示した。
3走前の淀屋橋S（3勝、阪神芝1200m）では中団から馬群を割って一旦先頭に立つも、外から追い込んだツインクルトーズに交わされ2着。
前走の佐世保S（3勝、小倉芝1200m）では中団から内を突き、レッドエヴァンスのさらに内を鋭く伸びて1着。
切れ味抜群の末脚で4勝目を挙げた。
小倉芝1200mは前走で勝利した相性の良い舞台。
インを突く機動力と鋭い差し脚は、北九州記念の小回りコースに最適で、軽ハンデを活かし上位争いが期待できる。
良馬場での切れ味が武器だが、稍重でも対応可能。
6月下旬の調教では好動きを見せ、状態は上々。
内枠を引き当てれば、さらに有利にレースを進められる。
