2026年7月19日(日)15時20分発走、函館競馬場・芝1200メートルで行われる第58回函館2歳ステークス(GⅢ・2歳オープン・馬齢・1着賞金3400万円)の全出走馬13頭の最新情報と馬場傾向をまとめました。負担重量は馬齢の一律55.0キロです。
馬場傾向・馬場状況
1回函館・開催最終週(12日目)の洋芝コンディション
今回のレースは1回函館開催の最終盤(12日目)にあたります。函館競馬場は洋芝(ケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラスの混生)で施行されるのが最大の特徴で、日本の他場で使われる野芝とは異なり、時計がかかりやすくパワーとスタミナが要求される馬場です。
開催最終週ということで、内ラチ沿いを中心に芝の傷みが進行しています。過去の開催でも「芝は3〜4角の内柵沿いに傷み」という傾向が確認されており、内を通る馬にとっては厳しい条件になりつつあります。JRAは傷みをカバーするため開催途中でBコース(内柵を数メートル外に移動)に変更しており、柵の移動によって傷んだ部分をある程度カバーしていますが、開催最終週ともなれば全体的な蓄積ダメージは避けられません。
当日の天気見通しと想定馬場
当日は前日午後から断続的な降雨が予報されており、芝コースには水分が残る可能性が高い状況です。複数の情報筋が「稍重馬場」を本線に想定しており、雨量が増えれば「重馬場」寄りまで悪化する可能性も指摘されています。
もともと時計のかかる洋芝に加えて、雨で馬場が渋れば、パワー型・先行力のある馬がさらに有利になります。逆に、良馬場近くまで回復すれば、純粋なスピードと切れ味を持つ馬の評価が上がる——この馬場の振れ幅が、今回の最大のポイントです。
当日朝の馬場発表(良・稍重・重)とクッション値・含水率の数字は、馬券検討の最重要チェック項目となります。北海道の天候は変わりやすいため、直前まで注視が必要です。
函館芝1200メートルのコース形態と枠順傾向
函館芝1200メートルは、向正面のポケットからスタートし、3〜4コーナーを回って直線に向かう形態。直線は約262メートル(Bコース使用時)と短く、小回りでスピードと機動力が問われるコースです。
基本的には先行有利の傾向が強く、内〜中枠からロスなく前のポジションを取れる馬が好走しやすい形。ただし開催最終週で内が傷んでいる場合は、やや外めを通った差し馬にもチャンスが生まれます。テン(最初の1ハロン)の速さと二の脚のダッシュ力が、good positionを確保する鍵になります。
全13頭 馬番順・最新情報
1枠1番 ダマスク(牡2・55.0kg・黛弘人・美浦伊藤圭三)
美浦・伊藤圭三厩舎の牡馬。最内枠の1番を引き当てました。先行力を生かして内ラチ沿いの経済コースを立ち回れれば、粘り込みの可能性があります。ただし開催最終週で最内は芝の傷みが最も進んでいるゾーン。馬場悪化がどう影響するかがポイントです。当初出走を予定していたフレイコンが回避したメンバー構成の中、内枠の利を生かせるか注目です。
2枠2番 ダイシンドラゴン(牡2・55.0kg・丹内祐次・栗東高橋一哉)
デビュー2戦目で勝ち上がった上昇馬。最終追い切りは函館Wコースで岩田康誠騎手が騎乗し、馬なりで5ハロン70秒0-12秒5。シグレを追走してしっかり動けていました。高橋一哉調教師は「反応が良かった。ピッチ走法で最終週の馬場も合うのでは。血統的にはダートかもしれないけど、状態はすごくいい」とコメント。ピッチ走法は、まさに開催最終週の傷んだ洋芝にマッチする可能性があり、父ビッグアーサー譲りのスピードと合わせて、馬番2番の好枠から一発を狙います。調教評価B〜A。
3枠3番 セタキト(牡2・55.0kg・斎藤新・栗東伊坂重信)
函館芝1200メートルの新馬戦(6月28日)を勝ち上がってきた上がり馬。雨量が増えて馬場が悪化するほど評価が上昇するタイプとされ、重馬場寄りまで渋れば逆転候補の筆頭格に躍り出る可能性があります。斎藤新騎手を背に、パワーを要する洋芝適性を武器に、馬番3番の内枠から積極的な競馬で上位を狙います。当日の降雨量が、この馬の評価を大きく左右します。
4枠4番 アルテクィーン(牝2・55.0kg・鮫島克駿・栗東杉山晴紀)
栗東・杉山晴紀厩舎の牝馬。函館芝1000メートルの未勝利戦(7月4日)を勝ち上がってきた快速タイプ。**「仕上がり早の牝馬が穴をあける」**のが函館2歳Sの伝統的傾向で、この馬もそのパターンに当てはまる可能性があります。1000メートル戦からの距離延長がカギですが、鮫島克駿騎手を配し、スピードを生かした先行策から粘り込みを狙います。
4枠5番 フェリチタ(牝2・55.0kg・横山和生・栗東鈴木孝志)
函館芝1200メートルの新馬戦(6月21日)を、最内枠から速攻で3馬身差完勝した快速牝馬。最終追い切りは函館芝コースで舟山瑠騎乗の強めで4ハロン53秒5-11秒6。テン1ハロンの速さはメンバー最速級で、発馬が決まれば再度のハナも十分に可能。父タワーオブロンドン譲りのスピードと母父ハーツクライのストライドを兼ね備えています。「仕上がりが早く、気のいい牝馬」という評価通り、完成度の高さはメンバー上位。馬番5番の枠からスムーズに先手を取れれば、押し切りも狙えます。調教評価B〜A。
5枠6番 ウンスイ(牡2・55.0kg・横山琉人・美浦和田正一郎)
美浦・和田正一郎厩舎の牡馬。横山琉人騎手を背に参戦。キャリアの浅い2歳馬同士の一戦だけに、詳しい能力比較は難しいものの、洋芝適性と当日の馬場対応がポイントになります。馬番6番の中枠から、どこまで存在感を示せるか注目の一頭です。
5枠7番 ショウナンカノア(牝2・55.0kg・池添謙一・栗東清水久詞)
栗東・清水久詞厩舎の牝馬。安定感ではメンバー上位との評価で、大きく崩れるイメージが少なく、連軸として信頼できるタイプとされています。池添謙一騎手を配し、馬番7番の中枠から堅実な脚を使えれば、上位争いに加わる資格は十分。仕上がり早の牝馬という点でも、函館2歳Sの好走パターンに合致します。
6枠8番 クロリス(牝2・55.0kg・岩田康誠・栗東高橋一哉)
ダイシンドラゴンと同じ栗東・高橋一哉厩舎の牝馬。岩田康誠騎手が騎乗します。シグレの最終追い切りで併走相手を務めており、能力の比較材料としても注目。牝馬らしい仕上がりの早さを武器に、馬番8番から上位食い込みを狙います。厩舎はダイシンドラゴンとの2頭出しで、勝負度合いにも注目です。
6枠9番 イモージェン(牝2・55.0kg・佐々木大輔・栗東池添学)
新種牡馬サリオスの初年度産駒で、祖母に歴史的名牝シーザリオを持つ良血馬。函館芝1200メートルの新馬戦を好位抜け出しで快勝しました。最終追い切りは実戦同様ブリンカーを着用し、函館芝でカリスマンに4馬身先着。佐々木大輔騎手は「ブリンカーを着けた方が集中して走れていた。調教よりもレースに行った方がいい味が出るタイプ」とコメント。差しが届く流れになれば勝ち切る力があり、馬番9番の中枠は立ち回りにも good。血統的な底力と本番でのさらなる上昇に期待がかかります。調教評価A。
7枠10番 ノリヤンモーニン(牡2・55.0kg・浜中俊・栗東佐藤悠太)
ダート1000メートルの新馬戦を5馬身差で逃げ切った異色の実力馬。今回が芝への初挑戦となりますが、タフな洋芝&道悪馬場になれば、ダートで培ったパワーが一気に生きる可能性があります。2023年の勝ち馬ゼルトザームも同じダート路線からの参戦だっただけに侮れません。浜中俊騎手を背に、馬番10番から先行力を生かした積極策で。当日の馬場が渋れば、評価急上昇の一頭です。調教評価A。
7枠11番 シグレ(牝2・55.0kg・武豊・栗東武英智)
函館芝1200メートルの新馬戦をノーステッキで6馬身差圧勝した最有力候補。最終追い切りは函館Wで3頭併せを行い、内クロリス・外ジューンガレンに先着。武英智調教師は「トモもひと回り大きくなって、上積みは大きそう」と成長を実感。名手・武豊騎手が「バネの利いたいい走り」と称賛した好素材で、洋芝適性・先行力・追い切り内容の完成度はいずれも高水準。現在の稍重想定の馬場とも噛み合い、総合力ではメンバートップクラス。武豊騎手にとっては函館2歳S制覇がかかる注目の騎乗でもあります。馬番11番の枠から、世代最初のタイトルへ視界は良好です。調教評価A。
8枠12番 ダイメイビッグボス(牡2・55.0kg・横山武史・美浦武井亮)
半姉ダンツエランがファンタジーS(GⅢ)を制した血統背景を持つ実力馬。デビュー戦(メイクデビュー函館)では稍重の洋芝を差し切り勝ち。すでに洋芝&道悪をクリアした実績があり、今回の想定馬場にはむしろ合うタイプです。1週前の追い切りではやや首の高さが気になったものの時計はしっかり。初戦を使った上積みも見込めます。横山武史騎手を配し、馬番12番の外枠からになりますが、パワー型として馬場が渋れば評価上昇。調教評価A。
8枠13番 ロンドンガーズ(牡2・55.0kg・北村友一・栗東前川恭子)
阪神芝1200メートルの新馬戦を2歳コースレコードタイの3馬身差で圧勝した素質馬。JRA初の女性調教師・前川恭子師の管理馬です。最終追い切りは函館芝で北村友一騎手が騎乗し「よく動いていた。コンディションはいい」と太鼓判。1週前は坂路で4ハロン53秒9。能力だけならトップクラスとの評価ですが、大外の8枠13番という枠と、馬場悪化リスクがマイナス材料。血統的には1400メートル向きのしなやかなマイラーで、渋った洋芝の1200メートルへの対応が問われます。スムーズに運べれば重賞制覇は十分。調教評価A。
馬場別の狙い分け
今回の函館2歳Sは、当日の降雨量による馬場の振れ幅が最大の焦点です。
稍重馬場(本線想定)の場合は、洋芝適性・先行力・完成度を兼ね備えたシグレ(11番)が総合力トップ。続いて安定感のショウナンカノア(7番)、差し脚のあるイモージェン(9番)が有力。
重馬場寄りまで悪化した場合は、パワー型の評価が急上昇。セタキト(3番)が逆転候補の筆頭に浮上し、ダート経験のあるノリヤンモーニン(10番)、稍重の洋芝を勝ったダイメイビッグボス(12番)、ピッチ走法の**ダイシンドラゴン(2番)も一気に浮上します。
良馬場近くまで回復した場合は、純粋な能力上位のロンドンガーズ(13番)の評価が上がり、快速のフェリチタ(5番)**のスピードも生きてきます。
そして忘れてはならないのが、函館2歳S伝統の「仕上がり早の牝馬が穴をあける」傾向。シグレ、イモージェン、フェリチタ、ショウナンカノア、アルテクィーン、クロリスと牝馬が6頭を占めるメンバー構成だけに、人気薄の牝馬の激走にも警戒が必要です。
まとめ
函館2歳ステークス2026は、当初のフルゲート16頭想定から13頭立てとなり、フレイコンなどが回避しました。それでも世代最初の重賞にふさわしい好素材が揃っています。
軸として最も信頼できるのは、洋芝適性・完成度・鞍上すべてが揃ったシグレ(11番・武豊)。対抗には差し脚のイモージェン(9番)、連軸にショウナンカノア(7番)。能力最上位の**ロンドンガーズ(13番)**は、外枠と馬場悪化のリスクをどう克服するかが焦点です。
最終判断は、当日朝の馬場発表とクッション値・含水率を必ず確認してから。稍重〜重ならパワー型(セタキト・ノリヤンモーニン・ダイメイビッグボス)を、良馬場ならスピード型(ロンドンガーズ・フェリチタ)を重視する——馬場を見極めてから勝負するのが、この一戦の鉄則です。世代最初のタイトルの行方を、しっかり見届けましょう。





