函館2歳ステークス

2026年7月19日(日)、函館競馬場で第58回函館2歳ステークス(GⅢ・芝1200メートル)が行われます。2歳世代にとって最初のJRA重賞であり、その年の主役候補が名乗りを上げる注目の一戦です。

過去には、グレード制導入後の第16回覇者エルプスが翌年の桜花賞馬に輝いたほか、第28回覇者マイネルマックスは京成杯3歳S・朝日杯3歳Sと重賞3連勝を果たし、その世代のチャンピオンに上り詰めました。まさに「出世レース」の異名にふさわしい歴史を持つ一戦です。

一方で、荒れるレースとしても知られています。昨年は9番人気エイシンディードが優勝、2023年は10番人気ゼルトザームが制するなど、人気薄の激走も珍しくありません。仕上がり早の素質馬が台頭するレースだけに、新馬戦の内容を丁寧に読み解くことが攻略の鍵となります。

今回は有力馬8頭を徹底分析。世代最初のタイトルを掴むのはどの馬か、詳しく見ていきましょう。


シグレ(牝2歳)

シグレ徹底分析
シグレ徹底分析

調教師:武英智(栗東)/ 父:Twirling Candy / 母:Ferdinanda / 母父:Giant’s Causeway / 想定騎手:武豊

注目ポイント:名手称賛の米国産馬

シグレは、今回のメンバーでもスピード性能が屈指と評価される存在です。

父は、アメリカのマリブステークス(米G1・ダート7ハロン)を制した名スプリンター、トワーリングキャンディ。日本ではシックスペンスの母父としても知られるこの父を持つ、パワフルな血統背景を誇るアメリカ産馬です。

メイクデビュー函館(芝1200メートル)では、その血統通りの走りを披露。ノーステッキのまま後続を6馬身突き放す圧勝劇を演じました。追い切りの動きからファンの期待も高かった一戦でしたが、その評判にたがわぬ内容だったと言えるでしょう。

そして最大の魅力は、初戦に騎乗した名手・武豊騎手からの称賛です。**「バネの利いたいい走り」**とコメントしており、「まだまだ良くなりそうです」とも語っています。名手が太鼓判を押す好素材だけに、上位人気が予想される一頭。世代トップクラスのスピードで、ここでも主役級の走りが期待されます。


ロンドンガーズ(牡2歳)

ロンドンガーズ徹底分析
ロンドンガーズ徹底分析

調教師:前川恭子(栗東)/ 父:グレーターロンドン / 母:スカイランダーガール / 母父:Stroll / 想定騎手:北村友一

注目ポイント:素質馬が意欲の北上

ロンドンガーズは、意欲的なローテーションで参戦する素質馬です。

メイクデビュー阪神(芝1200メートル)では、スピードの違いを見せつけて押し切り、3馬身差の完勝。しかも、この勝利は2歳コースレコードタイという価値ある内容でした。

この勝利には、もう一つの物語があります。管理する前川恭子調教師は、JRA史上初の女性調教師。ロンドンガーズは、その前川師にとってうれしい新馬戦初勝利をプレゼントした一頭でもあるのです。

父グレーターロンドンは中京記念に勝ったディープインパクト産駒で、サノノグレーター、ロンドンプラン、ピースワンデュック、フォーチュンタイムなどの父。しなやかなマイラー血統を受け継いでいます。

阪神の内回りコースを器用にこなしたことから、初の函館競馬場もマッチするイメージです。素質の高さを胸に、初北上での重賞制覇に挑みます。


イモージェン(牝2歳)

イモージェン徹底分析
イモージェン徹底分析

調教師:池添学(栗東)/ 父:サリオス / 母:シーリア / 母父:キングカメハメハ / 想定騎手:佐々木大輔

注目ポイント:新風届ける初産駒

イモージェンは、血統面で最大の注目を集める一頭です。

半兄はデビュー2連勝を飾ったヴィンセンシオ。そして祖母は、日本のオークスとアメリカ遠征を含むGⅠ・G1計2勝を挙げた歴史的名牝シーザリオという、輝かしい良血の持ち主です。母シーリアはリオンディーズの全妹、サートゥルナーリアの4分の3姉、エピファネイアの半妹にあたる、まさに一族の中枢を担う存在です。

今回と同舞台となる新馬戦(函館芝1200メートル)を、好位から抜け出して快勝。デインヒルとキングマンボが強く出た短めのマイラー体型で、性能と完成度の高さを見せつけました。牡馬相手の今回も、楽しみは大きいでしょう。

そして特筆すべきは、父サリオスが新種牡馬であるという点。朝日杯フューチュリティステークスを制した名マイラーの初年度産駒が、いきなり重賞タイトルを獲得できるか。父娘二代での大舞台制覇に注目です。


ダイメイビッグボス(牡2歳)

ダイメイビッグボス徹底分析
ダイメイビッグボス徹底分析

調教師:武井亮(美浦)/ 父:サートゥルナーリア / 母:ミスチヴァスミスティ / 母父:Into Mischief / 想定騎手:横山武史

注目ポイント:姉に続く重賞Vを

ダイメイビッグボスは、一族の勢いをさらに加速させたい一頭です。

半姉ダンツエラン(父ロードカナロア)は、2024年にデビュー戦を勝利すると、そのまま2歳女王決定戦のファンタジーステークス(GⅢ)を制覇。姉が切り開いた重賞タイトルの道を、弟が追いかける構図です。

母父イントゥミスチーフは、7年連続で北米リーディングサイアーに輝いた名種牡馬。父サートゥルナーリアは、名牝シーザリオの息子で、ロデオドライブ、カヴァレリッツォ、ショウヘイなどを送り出している実力派種牡馬です。

デビュー戦となったメイクデビュー函館では、スタートこそそこまで早くなかったものの、促されて先団にとりつくと、直線ではグイグイ伸びて差し切り勝ち。器用さこそありませんが、地力の高さがうかがえる内容でした。

血統的には、ストームキャット4×4・5らしい短距離体型でありながら、同時にリボー系のクロスを重ねた、サートゥルナーリア産駒にしては珍しいパワー質。前走後は一度美浦トレーニング・センターに帰厩して順調な調整を続けており、上積みも大きそうです。稍重の洋芝をクリアした点も含め、パワータイプとしての適性は高く評価できます。


ノリヤンモーニン(牡2歳)

ノリヤンモーニン徹底分析
ノリヤンモーニン徹底分析

調教師:佐藤悠太(栗東)/ 父:モーニン / 母:レイアリイ / 母父:キングカメハメハ / 想定騎手:浜中俊

注目ポイント:砂で証明したパワー

ノリヤンモーニンは、異色の経歴でこのメンバーに加わった一頭です。

デビュー戦は、芝ではなくダート1000メートルのメイクデビュー函館。ここを5馬身差の逃げ切り勝ちで飾りました。父モーニンはフェブラリーステークス(GⅠ・ダート)を制した名ダートホースで、その血を受け継いだパワーとスピードは本物です。

ダート路線からの参戦という点で思い出されるのが、2023年の函館2歳S勝ち馬ゼルトザーム。この馬もまた、ダート1000メートルの新馬戦から重賞参戦を果たし、見事に勝利を収めています。芝の短距離戦でも、砂で鍛えたパワーが生きるケースは決して珍しくないのです。

ダートで証明したパワーは確か。稍重や不良馬場など、タフな馬場コンディションになれば、一気に評価を上げたい存在です。芝適性という未知数はありますが、一発を秘めた伏兵として警戒が必要でしょう。


フレイコン(牡2歳)

フレイコン徹底分析
フレイコン徹底分析

調教師:伊藤圭三(美浦)/ 父:Blue Point / 母:トゥウィンクルベリー / 母父:Kodiac / 想定騎手:未定

注目ポイント:余勢駆る連闘参戦

フレイコンは、圧巻の勝ち方から連闘というローテーションに踏み切った一頭です。

初戦(函館芝1200メートル)は、8馬身差の逃げ切り勝ちという衝撃的な内容。前を行く形から後続を全く寄せ付けない圧勝を演じました。

父はブルーポイント。アルクオーツスプリント(UAE・G1)をはじめ、短距離のG1を4勝したスピード自慢の名種牡馬です。その血を色濃く受け継いだ豊かなスピードが、初戦の圧勝劇の原動力となりました。

そして今回、勢いのままに選択したのが連闘参戦です。もし連闘でこの函館2歳Sを制すれば、2014年のアクティブミノル以来という快挙になります。過去に例が少ないローテーションだけに賛否は分かれるところですが、圧巻の内容を見せた勢いそのままに、大舞台へ乗り込みます。


ダイシンドラゴン(牡2歳)

ダイシンドラゴン徹底分析
ダイシンドラゴン徹底分析

調教師:高橋一哉(栗東)/ 父:ビッグアーサー / 母:エカルラート / 母父:ハーツクライ / 想定騎手:丹内祐次

注目ポイント:父譲りの速力生かす

ダイシンドラゴンは、着実な成長曲線を描いてきた一頭です。

デビュー2戦の成績は、5着から1着。2戦目で勝ち切った修正能力は高く評価したいポイントです。1戦叩いて上積みを見せるタイプは、レースを重ねるごとに良化する伸びしろを感じさせます。

父ビッグアーサーは、スプリンターズステークス(GⅠ)を制した名スプリンター。その父から受け継いだスピードこそが、この馬最大の武器です。母父ハーツクライの存在も、パワーと持続力に厚みを加えています。

そして注目したいのが、2戦目で経験した競馬内容です。好位に控える競馬を経験したことは、頭数が増える今回のような一戦に向けて大きな好材料となります。器用さと父譲りのスピードを武器に、重賞初挑戦でどこまでやれるか注目です。


フェリチタ(牝2歳)

フェリチタ徹底分析
フェリチタ徹底分析

調教師:鈴木孝志(栗東)/ 父:タワーオブロンドン / 母:ジャストザハピネス / 母父:ハーツクライ / 想定騎手:横山和生

注目ポイント:快速牝馬が速攻狙う

フェリチタは、抜群のスピードで速攻を仕掛ける快速牝馬です。

メイクデビュー函館(芝1200メートル)では、最内枠を利した速攻からハナを奪うと、そのまま3馬身差の快勝。仕上がりの早さと勝負根性の高さを見せつけました。

父タワーオブロンドンは、スプリンターズステークス(GⅠ)勝ち馬で、初年度からパンジャタワーやレイピアといった活躍馬を送り出している注目の種牡馬。母父はハーツクライで、見た目こそ父似ながら、ストライドでしっかり走る要素も受け継いでいます。

仕上がりが早く、気のいい牝馬という評価通り、デビューからすでに完成度の高さを見せています。世代最初の重賞であるこのレースは、まさに「狙ってみたくなるタイプ」。スピードと勝負根性を武器に、上位争いに加わる資格は十分です。


まとめ:函館2歳ステークス2026 攻略のポイント

出走予定馬を見渡すと、それぞれ異なる魅力を持つ8頭が揃いました。

スピード最上位と評価されるのがシグレ。名手武豊騎手が太鼓判を押す動きは伊達ではありません。コースレコードタイで初戦を制したロンドンガーズ、歴史的名牝シーザリオを祖母に持つ良血のイモージェンも、素質面で見劣りしません。

そして、パワータイプの台頭も見逃せないポイントです。ダイメイビッグボス、ノリヤンモーニンは、いずれも稍重やダートといった悪条件をものともしない底力を証明済み。馬場が渋れば、これらパワー型の評価が急上昇する可能性があります。

過去の傾向を踏まえると、函館2歳ステークスは9番人気・10番人気からの勝利例もある波乱含みのレース。仕上がり早の素質馬が台頭しやすい特性上、上位人気を過信せず、フレイコンやダイシンドラゴンといった勢いのある馬にも目を配りたいところです。

血統的にはテスコボーイの血が特注とされ、過去7年の勝ち馬のうち6頭がこの血を引いています。加えて、仕上がり早の牝馬がよく穴をあける傾向も見逃せません。シグレやイモージェン、フェリチタといった牝馬勢の動向にも注目したいところです。

最終的な判断は、枠順、馬体重、そして最終追い切りの動きも加味して行いたいところ。世代最初のタイトルをかけた熱戦、しっかり見極めて挑みましょう。


【函館2歳ステークス2026】血統傾向を徹底解剖!テスコボーイの血が過去7年で6勝

函館2歳ステークス
函館2歳ステークス

2026年7月19日(日)、函館競馬場で第58回函館2歳ステークス(GⅢ・芝1200メートル)が行われます。2歳世代にとって最初のJRA重賞であり、仕上がり早の素質馬たちが世代の主導権を争う一戦です。

「出世レース」の側面もあるこのレースですが、実は血統面で極めて明確な傾向を持つことでも知られています。今回はその血統傾向を徹底調査し、有力5頭の血統背景を詳しく分析しました。


函館2歳ステークス2026 血統傾向

函館2歳ステークス血統傾向
函館2歳ステークス血統傾向

テスコボーイの血が過去7年で6勝

最初のJRA2歳重賞であるこのレースには、際立った血統傾向があります。

過去7年の勝ち馬のうち、実に6頭がテスコボーイ系の血をもっているのです。24年エイシンディード(トウショウボーイ)、サトノカルナバル(サクラバクシンオー)、ブトンドール(ビッグアーサー)、ナムラリコリス(トウショウボーイ)、ビアンフェ(サクラバクシンオー)——いずれもこの系統に連なる名前です。テスコボーイの血脈は、日本競馬に短距離・スプリント能力を色濃く伝えてきた系統。函館芝1200メートルという小回り・スピード決着になりやすい舞台と、抜群の相性を見せています。

より広い視点で見ると、サクラバクシンオーの血脈も特に注目されています。2015年ブランボヌール、2019年ビアンフェ(いずれも母の父サクラバクシンオー)が姉弟制覇を達成し、2022年には直系孫世代のブトンドールが勝利。父ビッグアーサーに種牡馬としての箔を付けることにもなりました。

もう一つの注目血脈が、アメリカ産馬に見られるスピード血統です。2016年レヴァンテライオン(父Pioneerof the Nile)、2018年アスターペガサス(父Giant’s Causeway)といった外国産馬が勝ち馬として名を連ねており、Storm CatやUnbridled、フォーティナイナーといったアメリカ特有のスピード血脈も高く評価できる系統です。

仕上がり早の牝馬がよく穴をあける

血統面と並んで見逃せないのが、牝馬の激走傾向です。

24年ニシノラヴァンダ(8番人気2着)、23年ナナオ(6番人気2着)、22年ブトンドール(4番人気1着)、20年リンゴアメ(10番人気1着)と、仕上がり早の牝馬がよく穴をあけています。21年も穴ではありませんでしたが牝馬のワンツー決着でしたし、25年も牝馬が2着・3着に入っています。

2歳の最初期に行われる重賞だけに、成長の早い牝馬が牡馬に先んじて完成度の高さを見せつけるケースが多いのです。仕上がりの早さと勝負根性を兼ね備えた牝馬には、人気の有無にかかわらず注意を払う必要があります。

コース適性も重要な判断材料

血統以外の傾向として、函館芝1200メートルは直線が短い小回り形態であることも重要です。コーナーでの加速が苦手なタイプは力を発揮しにくく、スムーズに先行できる機動力や、コーナーで失速しない持続力を持つ血統が有利になります。決め脚の有無も重視すべきポイントで、過去10年の優勝馬12頭のうち8頭が上がり3ハロンタイム3位以内でフィニッシュしているというデータもあり、末脚の確かさも軽視できません。


各馬の血統情報 詳細分析

イモージェン(牝2歳)

イモージェン血統分析函館2歳ステークス

父:サリオス / 母:シーリア / 母父:キングカメハメハ

ヴィンセンシオの半妹で、オーソリティのいとこにあたる血統です。母シーリアはリオンディーズの全妹、サートゥルナーリアの4分の3姉、エピファネイアの半妹という、まさに一族の中枢を担う存在。そして母母シーザリオは、日米でGⅠ・G1計2勝を挙げたオークス馬で、歴史的な名繁殖として知られています。

父サリオスは朝日杯フューチュリティステークスに勝ったハーツクライ産駒で、2歳が初年度産駒にあたります。デインヒルとキングマンボの血が強く出た短めのマイラー体型で、本来ならひとまずフィリーズレビューに照準を合わせるようなタイプに見えますが、性能と完成度の高さから、ここでもいいケイバになるでしょう。

新種牡馬の初年度産駒が、いきなり重賞タイトルを獲得する珍しい形になるか、注目が集まります。

血統評価:完成度◎ スピード○ 底力◎ コース適性○


シグレ(牝2歳)

シグレ血統分析函館2歳ステークス
シグレ血統分析函館2歳ステークス

父:Twirling Candy / 母:Ferdinanda / 母父:Giant’s Causeway

アシュランドステークス(米G1・ダート8.5ハロン)を勝ったアウトフォアスピンの姪にあたり、ドバイターフ3連覇のロードノースや、ブルーグラスステークス(米G1・ダート9ハロン)を勝ったバンディーニも近親という、国際色豊かな良血馬です。

父トワーリングキャンディは、マリブステークス(米G1・ダート7ハロン)を制したキャンディライド産駒。日本ではシックスペンスの母父としても知られています。

血統構成を見ると、デビュー戦からストームキャット、ラーイ、ゴーンウエストというスピード全開の配合。実際にデビュー戦は、スピードと完成度が違うとばかりに馬なりで逃げ切る圧勝劇でした。控える競馬もできそうなタイプで、良馬場が味方に付けば、その真価を存分に発揮するでしょう。

血統評価:完成度◎ スピード◎ 底力◎ コース適性○


ダイメイビッグボス(牡2歳)

ダイメイビッグボス 血統分析函館2歳ステークス
ダイメイビッグボス 血統分析函館2歳ステークス

父:サートゥルナーリア / 母:ミスチヴァスミスティ / 母父:Into Mischief

ダンツエラン(父ロードカナロア)の4分の3弟にあたり、近親にはブリーダーズカップ・スプリントを制したコナゴールドがいます。母父イントゥミスチーフは、7年連続で北米リーディングサイアーに輝いた押しも押されぬ名種牡馬です。

父サートゥルナーリアは、名牝シーザリオの息子で、ロデオドライブ、カヴァレリッツォ、ショウヘイなどを送り出す実力派種牡馬。ストームキャット4×4・5らしい短距離体型を持ちながら、同時にリボー系のクロスを重ねており、サートゥルナーリア産駒にしては珍しいパワー質に仕上がっています。

姉ダンツエランは不良馬場のファンタジーステークスを勝っており、本馬も渋った馬場で浮上するタイプと見て良いでしょう。

血統評価:完成度○ スピード○ 底力◎ コース適性◎


フェリチタ(牝2歳)

フェリチタ血統分析函館2歳ステークス
フェリチタ血統分析函館2歳ステークス

父:タワーオブロンドン / 母:ジャストザハピネス / 母父:ハーツクライ

ジャストザビアンカの半妹で、ワンスインアライフのいとこにあたります。近親には、シャンペンステークス(米G1・ダート8.5ハロン)を勝ったザグルームイズレッドがいる血統です。

父タワーオブロンドンはスプリンターズステークス(GⅠ)の勝ち馬で、初年度からパンジャタワーやレイピアといった活躍馬を送り出した注目種牡馬。見た目は父似ですが、母父がハーツクライであるため、父以上にストライドでしっかり走る要素を受け継いでいます。

デビュー戦は芝1200メートルを後傾ラップで逃げ切りましたが、あまり無理に行かず、マイペース追走から差す競馬をした方が、本来の味を発揮できそうな馬です。控える競馬にも対応できるタイプでしょう。

血統評価:完成度◎ スピード◎ 底力◎ コース適性○


ロンドンガーズ(牡2歳)

ロンドンガーズ血統分析函館2歳ステークス
ロンドンガーズ血統分析函館2歳ステークス

父:グレーターロンドン / 母:スカイランダーガール / 母父:Stroll

母スカイランダーガールはヘンドリーステークス(加G3・オールウェザー6.5ハロン)の勝ち馬で、母母ヘリオトロープはナッソーステークス(加G3・芝8.5ハロン)の勝ち馬という、カナダ血統の色濃い一族です。

父グレーターロンドンは中京記念に勝ったディープインパクト産駒で、サノノグレーター、ロンドンプラン、ピースワンデュック、フォーチュンタイムなどを送り出しています。母父父プルピットの影響が強いしなやかなマイラータイプで、本来は大箱の1400メートルが最もスピードに乗れそうな体型に見えます。

芝1200メートルを前傾ラップでガリガリ先行すると、最後にやや苦しくなる可能性もあります。ただし、阪神の内回りコースを器用にこなした実績から、小回りの函館競馬場にもマッチするイメージです。

血統評価:完成度○ スピード◎ 底力○ コース適性◎


まとめ:血統から見る函館2歳ステークス2026

函館2歳ステークスの血統傾向は、極めて明快です。

テスコボーイ系の血を引く馬が過去7年で6勝という圧倒的な支配率を誇り、サクラバクシンオー系やその周辺の血統は特に注目に値します。あわせて、アメリカ産馬に見られるスピード血統(Storm Cat、Unbridled、フォーティナイナー系など)も、このレースでは高く評価できる要素です。

そして忘れてはならないのが、仕上がり早の牝馬の激走傾向。人気薄でも馬券に絡むケースが多く、シグレ、イモージェン、フェリチタといった牝馬勢の動向には特に注意が必要です。

さらに、函館芝1200メートルという舞台特性上、コーナーでの機動力と、直線での確かな決め脚を兼ね備えた血統構成が有利になります。

まとめると、狙うべきは「①テスコボーイ系・サクラバクシンオー系またはアメリカのスピード血統を持ち、②牝馬なら仕上がりの早さが際立ち、③小回りコースへの適性を血統的に裏付けられる馬」。この条件に合致する馬を見つけ出せれば、世代最初のタイトル争いを制する馬に近づけるはずです。


【函館2歳ステークス2026】全馬追い切り徹底調査!仕上がり際立つロンドンガーズとシグレ

函館2歳ステークス
函館2歳ステークス

2026年7月19日(日)15時20分、函館競馬場で第58回函館2歳ステークス(GⅢ・芝1200メートル)が行われます。2歳世代最初のJRA重賞、仕上がり早の素質馬たちが世代の主導権を争う一戦です。

キャリアの浅い2歳馬同士の争いだけに、最終追い切りの動きと陣営の手応えは、能力を測る上で極めて重要な判断材料となります。今回は主力7頭の調教・追い切り内容を徹底調査。仕上がり具合から、世代の頂点を狙う一頭を探っていきましょう。

なお、当初出走を予定していたフレイコンは回避予定となりました。


シグレ(牝2歳)

シグレ調教分析函館2歳ステークス
シグレ調教分析函館2歳ステークス

調教師:武英智(栗東)/ 想定騎手:武豊

当舞台のデビュー戦を6馬身差で圧勝したシグレ。最終追い切りは函館Wコースで、騎手候補生を背に3頭併せで実施されました。序盤は活気良く運び、先行するジューンガレン(新馬)との間隔が詰まるとすぐに折り合いがつき、3コーナーでペースアップした際に少し促される場面はあったものの、そこからは勢いに乗り、直線は馬なりで5ハロン72秒1-55秒9-40秒6-12秒4をマーク。同じく函館2歳Sに出走する内クロリス(2歳オープン)に半馬身、外ジューンガレンにクビ先着しました。

武英智調教師は「(手綱を)離したらなんぼでも伸びそうでした。折り合いもつきましたし、直線に向く手前も自分で息を入れてからその後またハミをかんでいました。トモ(後肢)もひと回り大きくなって、上積みは大きそうですよ」と、成長ぶりに手応えを口にしています。

デビュー戦の圧勝内容に加え、調教でも上積みが感じられる好気配。世代トップクラスのスピードを、この舞台で存分に発揮できそうです。

調教評価:A(3頭併せで最先着・上積みは大きそう)


ロンドンガーズ(牡2歳)

ロンドンガーズ調教分析函館2歳ステークス
ロンドンガーズ調教分析函館2歳ステークス

調教師:前川恭子(栗東)/ 想定騎手:北村友一

阪神のデビュー戦をコースレコードタイの3馬身差で快勝したロンドンガーズ。1週前追い切りは栗東坂路で併せ馬。馬なりで4ハロン53秒9-12秒4とシャープに駆け上がり、ペアスターロード(2歳未勝利)と併入しました。前川恭子調教師は「ある程度しっかりやりましたが、低いフォームで良かったと思います。調教では後ろで我慢させる形でも問題ありません。洋芝がどうかですが、こなせるんじゃないかと思います」と好感触を語っています。

そして最終追い切りは函館芝コースで、北村友一騎手が騎乗。サンライズジャポネ(末強め)の外を0.6秒追走してクビ先着し、5ハロン65秒7-49秒7-36秒9-11秒4をマークしました。北村騎手は「最初から闘争心が出ないように前に壁を作り、直線で外に出して気持ちを発散させるために少し(手綱を)離しました。よく動いていたと思うし、コンディションはいいと思います」と文句なしの最終リハーサルを評価しています。

平井助手も「重賞を勝てるだけのポテンシャルはあります」と自信をのぞかせるなど、陣営の期待は高まる一方。JRA史上初の女性調教師・前川師のもと、重賞初制覇へ死角の少ない仕上がりです。

調教評価:A(文句なしの最終リハーサル・コンディション良好)


イモージェン(牝2歳)

イモージェン調教分析函館2歳ステークス
イモージェン調教分析函館2歳ステークス

調教師:池添学(栗東)/ 想定騎手:佐々木大輔

歴史的名牝シーザリオを祖母に持つ良血馬イモージェン。当舞台の新馬戦を1馬身4分の1差で制した後、函館芝コースで2週続けて佐々木大輔騎手とコンタクトを重ねてきました。最終追い切りは実戦と同様にブリンカーを着用。カリスマン(新馬)を3馬身ほど追走し、直線で鞍上が仕掛けると内から好反応でパートナーを置き去りにし、5ハロン63秒5-48秒1-34秒7-11秒5をマークして4馬身先着しました。

佐々木騎手は「ブリンカーを着けた方が集中して走れていました。すごく反応が良くなっていて、いい感じで走れる状態だと思います。調教よりもレースに行った方がいい味が出るタイプなのかなという印象です」と好感触を口にしています。

新種牡馬サリオスの初年度産駒による重賞制覇へ、状態は着実に上向いています。ブリンカー効果で集中力が増している点も、大きなプラス材料です。

調教評価:A(好反応で4馬身先着・レースでさらに良さが出るタイプ)


ダイメイビッグボス(牡2歳)

ダイメイビッグボス調教分析函館2歳ステークス
ダイメイビッグボス調教分析函館2歳ステークス

調教師:武井亮(美浦)/ 想定騎手:横山武史

半姉ダンツエランがファンタジーS(GⅢ)を制した血統背景を持つダイメイビッグボス。デビュー戦は美浦で入念に乗り込まれてから出走し、好位からスムーズに抜け出して危なげなく勝利を飾りました。

1週前の芝コースでの追い切りでは、やや首の高い走りが気になったものの、時計そのものはしっかりと出ており、調整は順調。初戦を一度使われたことで息遣いや反応も良くなってきており、かなりの上積みが見込めそうです。

芝への挑戦となりますが、前走で見せたスピードなら対応可能。横山武史騎手がスタートを決めてロスなく立ち回れれば、ダートで見せた先行力を生かして、芝でも能力発揮の可能性は大いにあります。稍重の洋芝をクリアしたパワーも、この馬の大きな武器です。

調教評価:A(初戦を使った上積み十分・かなりの前進が見込める)


ノリヤンモーニン(牡2歳)

ノリヤンモーニン調教分析函館2歳ステークス
ノリヤンモーニン調教分析函館2歳ステークス

調教師:佐藤悠太(栗東)/ 想定騎手:浜中俊

ダート1000メートルの新馬戦を5馬身差で逃げ切ったノリヤンモーニン。今回が芝への初挑戦となりますが、追い切りでは古馬や併せ馬を相手に好内容を見せており、順調な仕上がりをうかがわせています。

前走で見せた先行力とスピードは本物。浜中騎手がスタートを決めてロスなく立ち回れれば、ダートで培ったパワーを芝でも生かせる可能性があります。稍重や不良といったタフな馬場コンディションになれば、一気に評価を上げたい存在です。芝適性という未知数はありますが、2023年の勝ち馬ゼルトザームも同じダート路線からの参戦だっただけに、侮れません。

調教評価:A(併せ馬で好内容・距離延長でも不安なし)


ダイシンドラゴン(牡2歳)

ダイシンドラゴン調教分析函館2歳ステークス
ダイシンドラゴン調教分析函館2歳ステークス

調教師:高橋一哉(栗東)/ 想定騎手:丹内祐次

デビュー2戦目で勝ち上がったダイシンドラゴン。最終追い切りは函館Wコースで、岩田康誠騎手が騎乗し、馬なりで5ハロン70秒0-55秒2-40秒2-12秒5をマーク。シグレの内2.2秒追走で0.1秒遅れる形でしたが、しっかりと動けていました。

高橋一哉調教師は「(岩田康)ジョッキーは『反応が良かった。ピッチ走法で最終週の馬場も合うのでは』と。血統的にはダートかもしれないけど、状態はすごくいいです」とコメント。父ビッグアーサー譲りのスピードを武器に、開催最終週の馬場適性にも期待がかかります。

2戦目で好位に控える競馬を経験したことは、頭数が増える今回に向けての好材料。ピッチ走法が最終週の函館の馬場にマッチすれば、重賞初挑戦でも上位食い込みの可能性があります。

調教評価:B〜A(反応良好・最終週の馬場に合いそうなピッチ走法)


フェリチタ(牝2歳)

フェリチタ調教分析函館2歳ステークス
フェリチタ調教分析函館2歳ステークス

調教師:鈴木孝志(栗東)/ 想定騎手:横山和生

函館芝1200メートルの新馬戦を、最内枠から速攻で3馬身差完勝した快速牝馬フェリチタ。最終追い切りは函館芝コースで、舟山瑠騎乗の強めで4ハロン53秒5-39秒0-11秒6を計時し、シークレットシティ(馬なり)の内で0.1秒遅れる形ながら、しっかりと動けていました。

仕上がりが早く、気のいい牝馬という評価通り、デビューからすでに高い完成度を見せています。世代最初の重賞であるこの舞台は、まさに「狙ってみたくなるタイプ」。テン1ハロンの速さはロンドンガーズと並んでメンバー最速級で、発馬が決まれば再度のハナも十分に可能です。スピードと勝負根性を武器に、上位争いに加わる資格は十分あります。

調教評価:B〜A(強めでしっかり動く・速い先行力が武器)


まとめ:函館2歳ステークス2026 調教総括

主力7頭の調教内容を総括すると、ロンドンガーズとシグレの仕上がりが際立っています。ロンドンガーズは最終追い切りで北村友一騎手が「よく動いていた」と文句なしの内容を評価し、平井助手も「重賞を勝てるだけのポテンシャルはあります」と自信を示しています。シグレも3頭併せで最先着し、武英智調教師が「トモもひと回り大きくなって、上積みは大きそう」と成長ぶりを口にするなど、両馬とも死角の見当たらない状態です。

イモージェンも好調をキープしています。ブリンカー効果で集中力が増し、最終追い切りでは4馬身先着。佐々木大輔騎手の「調教よりもレースに行った方がいい味が出るタイプ」というコメントは、本番でのさらなる上昇を期待させます。

パワー型のダイメイビッグボスとノリヤンモーニンも順調そのもの。ともに芝への対応がポイントですが、「かなりの上積み」「併せ馬で好内容」と好気配で、馬場が渋れば評価急上昇の可能性を秘めています。

ダイシンドラゴンは「ピッチ走法で最終週の馬場に合いそう」という陣営のコメントが興味深く、フェリチタは速い先行力が武器。両馬とも重賞初挑戦ながら、条件がハマれば上位食い込みも十分にあり得ます。

2歳の最初期に行われる重賞だけに、キャリアの浅い若駒たちの完成度と、当日の馬場適性が大きな鍵を握ります。枠順や馬体重、パドックでの気配も加味して、世代最初のタイトルを掴む一頭を見極めていきましょう。

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