
府中牝馬ステークスコース解説(東京芝1800m)

府中牝馬ステークスは、東京競馬場の第3回開催6日目にCコースで行われる芝1800mのG3レースです。
このコースは、ポケット地点からの変則スタートが特徴で、1周距離は2,120.8m、幅員は広く設計されています。
スタート地点から約150mで向正面の本線に合流し、2コーナーを斜めに通過するレイアウトは、先行争いの鍵を握ります。
この2コーナーで外目を回らされると距離ロスが生じ、内枠の馬が有利となる傾向が強いです。
芝の状態は、3コーナーから4コーナー、正面直線の内柵沿いに傷みが見られ、特に内ラチを器用に走れる機動力が求められます。
コースは3つのコーナーを持ち、最初の2コーナーは32度の軽い進行方向変更で、ほぼ「ワンターン」に近い特性を持ちます。
バックストレッチは長く、前半はスローペースになりやすいため、先行争いは2コーナー通過後に一旦落ち着き、3コーナー手前の緩い上り坂からペースが上がります。
3~4コーナーは下り勾配で、直線入口から残り260mまでは高低差2.1mのなだらかな上り坂が続き、ゴール前はほぼ平坦。
直線距離は525.9mと長く、新潟外回りに次ぐ長さを誇ります。
このコースでは、2コーナーで流れに乗れる器用さと、直線での瞬発力が勝負の分かれ目です。
内枠の先行馬はロスなく走れる利点があり、逃げ・先行有利なスローペースからの瞬発力勝負が典型的な展開です。
一方、外枠の先行馬には2000m級のスタミナとスピードが、外枠の差し馬には馬群を割る精神力が求められます。
芝1600mに似た印象を受けるが、コーナーが1つ多いことで中距離戦らしい緩急のある展開となり、折り合いや適応力が重要です。
府中牝馬ステークスは、芝1800m特有の適性が問われるレースで、先行力と瞬発力を兼ね備えた「芝1800m巧者」が好走しやすい舞台と言えます。
【府中牝馬ステークス2025予想】データ分析と傾向

府中牝馬ステークス過去10年負担重量別成績
マーメイドSの過去10年データでは、50~51kgの軽ハンデ馬が勝率10.9%、連対率17.4%と最も優秀。
2021年シャムロックヒル(10番人気)、2020年サマーセント(7番人気)など、軽ハンデ馬が低評価を覆して優勝するケースが多く、高配当の穴馬候補として魅力です。
一方、54~55kgの中量馬は3着内率31.0%と安定感があり、52~53kgは勝率4.7%ながら3着内率18.6%で複勝圏内を確保。
49kg以下や55.5kg以上は勝ち星がなく、狙いにくい傾向です。
京都芝2000mは内回りで先行力とスタミナが求められ、軽ハンデ馬の機動力が生かせる舞台。
血統ではディープインパクト産駒やキズナ産駒が好成績で、前走3勝クラスやオープン特別で好走した馬が優勢。
2025年の府中牝馬ステークスでは、50~51kgの軽ハンデ馬を中心に、54~55kgの安定馬を絡めた予想が有効。
コース適性と近走内容を重視し、高配当を狙う戦略が成功の鍵です。
府中牝馬ステークス過去10年前走別成績
過去10年のデータによると、前走がオープン特別だった馬の好走率が最も高く、成績は【2-1-2-11】で勝率12.5%、連対率18.8%、3着内率31.3%と優秀です。
次いで前走3勝クラスの馬が【6-4-1-45】で勝率10.7%、連対率17.9%、3着内率19.6%と好成績を残しています。
前走2勝クラスの馬も【1-1-2-16】で3着内率20.0%と侮れません。
一方、前走重賞組は【1-4-5-48】で勝率わずか1.7%、3着内率17.2%と、注目度に比して好走率は低めです。
この傾向から、2025年の府中牝馬ステークスでは、前走がオープン特別や3勝クラスの馬を重視し、格上挑戦の馬も積極的に狙うべきです。
府中牝馬ステークス過去10年年齢別成績
過去10年のデータでは、4歳馬が【4-4-3-41】で勝率7.7%、連対率15.4%、3着内率21.2%と最も勝利数を誇ります。
次いで5歳馬が【5-5-5-58】で勝率6.8%、連対率13.7%、3着内率20.5%と安定。
一方、6歳馬は【1-1-1-17】で3着内率15.0%、7歳以上は【0-0-1-3】で3着内率25.0%と、年齢が上がっても好走率に大きな差はなく、6歳以上の高齢馬も軽視は禁物です。
3歳馬は【0-0-0-1】と出走が少なく、データ不足で評価が難しいです。
府中牝馬ステークス過去10年優勝馬の重賞実績
過去10年の優勝馬10頭中9頭が重賞未勝利馬で、唯一の例外は2017年マキシマムドパリ(愛知杯1勝)。
さらに、10頭中7頭が牝馬限定重賞で3着以内の実績を持ち、例として2023年ビッグリボン(福島牝馬S2着)、2022年ウインマイティー(オークス3着)などが挙げられます。
牝馬限定重賞での好走歴がない馬(例:2020年サマーセント)は少数派です。
この傾向から、2025年の府中牝馬ステークスでは、牝馬限定重賞(福島牝馬S、愛知杯など)で3着以内経験のある重賞未勝利馬が狙い目となります。
≪30万馬券的中≫
321,370円3連点6点的中しました!
【府中牝馬ステークス2025予想】本命馬情報

【カニキュル】
昨年のフローラS(GII・東京・芝2000m)では、大外枠から後方を追走し、直線で大外から鋭く追い込み3着。
クリスマスパレードらをゴール前で交わす末脚を見せた。三浦特別(2勝クラス)では好位から内を突き、逃げるニューステソーロを交わして1着。
前々走の2勝クラスでは内枠から後方待機、内ラチ沿いを伸びて2着。
前走の4歳以上2勝クラス(東京・芝1800m)では最内枠から好位をキープ、内ラチ沿いを鋭く伸びて抜け出し、1着と圧勝。
東京芝コース適性は高く、3戦2着1回。
初重賞挑戦となる府中牝馬ステークスだが、軽ハンデと東京コースの相性が武器。
1週前追い切りでは美浦Wコースで5F66秒台の好時計をマークし、状態は絶好。
菊沢調教師は「東京の直線で末脚が活きる」と自信を見せる。
【カナテープ】
鞍上は大野拓弥騎手(当初D.レーン予定もハンデ53キロで変更)、ハンデ53キロで挑む。
前走の初音ステークスでは、スタートで遅れつつも中団に挽回。
直線で外から鋭く伸び、後に福島牝馬Sを制したアドマイヤマツリを交わして優勝。
上がり3ハロン33秒7の末脚はメンバー最速で、好タイムでの勝利は地力強化の証だ。
東京芝1800mでは全4勝を挙げ、コース適性は抜群。
過去、東京コースで馬券外は1度のみと安定感も光る。
キャリアを積むごとに成長し、3勝クラス卒業に時間を要したが、前走のレースレベルは高く、ヴィクトリアマイル7着のアドマイヤマツリを斤量+1kgで破った実績は評価大。
堀宣行調教師は「東京1800mはベスト。
仕上がりも良好」と自信を見せる。
1週前追い切りでは鋭い動きで状態も上々。府中牝馬ステークスでは、軽ハンデと舞台巧者ぶりを活かし、初重賞制覇を狙う。
【セキトバイースト】
今年初戦の壇之浦S(1月26日、小倉・芝1800m)では、2番手先行から抜け出し快勝。
前走の都大路S(L、5月25日、京都・芝1800m)では、先行策から直線で突き抜け、3馬身半差の圧勝劇を披露した。
この勝利でオープン初勝利を飾り、勢いに乗る。
3歳時の2024年にはチューリップ賞(G2)で2着、ローズS(G2)で3着と重賞での実績も豊富。
気性の難しさから成績にムラはあるが、好調時の爆発力は抜群だ。
府中牝馬ステークスでは、ハンデ55.5kgを背負うが、先行力を生かせる東京・芝1800mの舞台は適性が高い。
過去の同レースでは、先行して粘り込む馬が好成績を残す傾向があり、セキトバイーストの脚質にマッチする。
1週前追い切りでは栗東CWで鋭い動きを見せ、陣営も「成長を感じる」と期待を寄せる。
持ち前のスピードと勢いで、頂点をつかめるか注目だ。
【ラヴェル】
昨年11月のエリザベス女王杯(G1)では、16番枠から中団外目を追走。
直線で鋭く伸び、スタニングローズに2馬身差の2着とG1での変わり身を見せつけた。
続くチャレンジC(G3)では、中団から3・4コーナーでスムーズに進出。直線で早めに先頭に立つと、ディープモンスターら牡馬を抑え、重賞2勝目をマーク。
好調を維持し、牝馬の底力を見せつけた。
しかし、2025年は大阪杯11着、ヴィクトリアマイル12着と3戦続けて着外に終わり、復調が課題だ。
それでも、府中牝馬ステークスのメンバーでは実績が一枚上。
トップハンデを背負うが、得意の東京コースで巻き返しが期待される。
過去の府中牝馬ステークスでは、鋭い末脚を武器に好走する馬が多く、ラヴェルの直線での伸びがカギを握る。
調教の動きも上々で、陣営は「状態は上向いている」と強気だ。
【タガノエルピーダ】
デビュー2戦目で挑んだ朝日杯フューチュリティS(GI)では、牡馬相手に3着と好走し、素質の高さを証明。
3歳時には忘れな草賞(L・阪神・芝2000m)を制し、安定感を示した。
昨秋以降、馬体が成長し、力強さを増している。
近走では、嵯峨野ステークス(3勝クラス)で2番手から粘り、半馬身差の2着。
斑鳩ステークス(3勝クラス)では内枠を活かし、先行策から抜け出して3勝目を挙げた。
阪神牝馬S(GII)では7着に敗れたが、上位との差は小さく、直線での進路変更のロスも影響した。
東京1800mは初挑戦だが、左回りでの実績もあり、適性は高いと評価される。
斉藤崇調教師は「ヴィクトリアマイル除外後の調整が順調。
東京の1800mは合う」と自信を見せる。
1週前追い切りでは3頭併せで最先着し、仕上がりも上々だ。
府中牝馬ステークスでは、先行力を活かし、軽ハンデを武器に初重賞制覇を目指す。
【府中牝馬ステークス2025予想】穴馬情報

【ラヴァンダ】
3勝クラスからの格上挑戦だが、昨年春のフローラS(G2)で2着、秋華賞(G1)では勝ち馬から0.5秒差の4着と実績は十分。
直近では、難波S(2月25日、阪神・芝1800m)で中団前目からインを突くもサブマリーナに敗れ2着。
阪神牝馬S(G2、4月6日)では中団後方から追い上げ、ハナ+ハナ差の3着と接戦を演じた。
前走シドニートロフィーでは先行策で逃げ粘り、2着を確保。安定した走りを見せる。
府中牝馬ステークスの東京・芝1800mは、ラヴァンダの先行力と末脚が活きる舞台。
過去の同レースでは、好位で立ち回る馬が好成績を残す傾向があり、戦法の幅広さが強みだ。
1週前追い切りでは栗東坂路で鋭い動きを見せ、陣営も「状態は万全」と自信。
【ミアネーロ】
昨年春のフラワーカップ(GIII・中山・芝1800m)では、中団から内を突く巧みな競馬で抜け出し、外から迫る馬を抑えて重賞初制覇。
新馬戦と同じ中山1800mでの勝利で適性を示した。秋の紫苑S(GII・中山・芝2000m)ではコースレコード決着の接戦をクビ差2着と好走し、G1秋華賞へ進むも12着。
年明けの中山牝馬S(GIII)ではスタートで後手を踏み、後方から内を突いたがスペースがなく8着に敗れた。
ヴィクトリアマイル(GI)は出走取消となったが、再調整後の調教では鋭い動きを見せ、好調時と遜色ない仕上がり。
東京芝1800mは初挑戦だが、1週前追い切りでCWコース6F81秒台の好時計をマークし、状態は上々。
林調教師は「東京の広いコースは合う。末脚を活かせれば」と期待を寄せる。
府中牝馬ステークスでは、中団からの鋭い差し脚で上位争いを狙う。
【フィールシンパシー】
前走の福島牝馬S(GIII・福島・芝1800m)では、1番人気アドマイヤマツリを追走する形で中団前目を進み、直線で鋭く伸びて2番手に浮上。
最後はフェアエールングにクビ差交わされ3着も、接戦の好内容。
2023年ターコイズS(GIII・中山・芝1600m)で2着、2024年福島牝馬Sで3着と重賞で2度の連対実績を持つ。
中山牝馬S(GIII)では先行するも直線で伸びを欠き5着だったが、上位とは差が少なく、安定感は健在だ。
1年7か月勝ち星から遠ざかるが、先行・差しを問わない自在性と軽ハンデが武器。
1週前追い切りでは坂路で4F52秒台の好時計をマークし、状態も上々。
小島調教師は「東京の直線で末脚が活きる」と自信を見せる。
府中牝馬ステークスでは、展開を問わない競馬で上位争いを狙う。
【ウンブライル】
一昨年のNHKマイルC(GI・東京・芝1600m)では、出遅れながら後方から大外を鋭く追い込み、シャンパンカラーにアタマ差の2着と好走。
3歳時のポテンシャルの高さを証明した。
昨年4月の阪神牝馬S(GII・阪神・芝1600m)では、休み明け2走目で馬体10kg減の仕上がり。
中団から外を伸び、先頭のマスクトディーヴァに半馬身差の2着と健闘。
しかし、前走の阪神牝馬Sでは出遅れとマイナス14kgの馬体重減少が響き10着に敗れた。
4歳夏以降は勝ち星がないが、東京コースはNHKマイルCで実績があり、1800mも初挑戦ながら広いコースで末脚が活きる舞台。
1週前追い切りでは美浦Wコースで5F66秒台の好時計をマークし、状態は上向き。
木村調教師は「東京の直線で切れる脚を使える」と期待。
府中牝馬ステークスでは、ルメール騎手の巧みな騎乗で上位争いを狙う。
【シングザットソング】
昨年の安土城S(L・京都・芝1400m)では、大外枠から控えて追走。
直線で外から鋭く伸び、ゴール寸前で3着に浮上し、リステッド競走で存在感を示した。
愛知杯(GIII・小倉・芝2000m)では中団から内ラチ沿いを突き、ラストでカピリナを競り落としたが、ワイドラトゥールにクビ差交わされ2着。
重賞での勝負強さを見せた。ヴィクトリアマイル(GI・東京・芝1600m)では10着に敗れたが、1800mへの距離延長も問題ない。
2年以上勝ち星から遠ざかるが、近走の安定感と東京適性が光る。
1週前追い切りでは栗東CWコースで6F80秒台の好時計をマークし、状態は上々。
高野調教師は「東京の直線で末脚が活きる」と自信。
府中牝馬ステークスでは、中団からの差し脚を武器に上位争いを狙う。
ttps://talmudic.net/2025-2-23results/
府中牝馬ステークス血統情報

【カナテープ】
カナテープの父は、日本競馬史に名を刻む名スプリンター・ロードカナロア(King Kamehameha産駒)。
香港スプリント連覇や安田記念などG1を6勝した名馬で、種牡馬としてもアーモンドアイやサートゥルナーリアなど一流馬を輩出している。
ロードカナロアは、キングマンボ系特有の瞬発力とスピードを子孫に伝える傾向があり、カナテープにもその鋭い切れ味が受け継がれている。
特に、東京競馬場の広いコースで求められる瞬発力は、府中牝馬ステークスの舞台で大きな武器となるだろう。
母ティッカーテープは、英国産のRoyal Applause産駒で、米国で活躍した実績を持つ。
代表的な勝利は、クイーンエリザベス二世チャレンジカップステークス(G1、芝9F)。
このレースは中距離での高い持続力とタフさが求められる一戦で、ティッカーテープの底力を物語る。
Royal ApplauseはNureyevの系統に属し、スピードとスタミナのバランスを子孫に伝える。
カナテープはこの母の影響を受け、マイルよりも1800m前後で持ち前の末脚を発揮するタイプだ。
戦績でもマイル戦は[0-2-1-1]とやや詰めの甘さが見られるが、1800mの大箱コースでは鋭い差し脚が期待できる。
カナテープの血統の大きな特徴は、ストームキャットの3/4同血クロス(3×4)だ。
このクロスは、父母の血統構成が類似する「相似配合」の一例で、ストームキャット特有の爆発的なスピードとパワーを強化する。
ストームキャットは米国で成功した名種牡馬で、その影響はカナテープの瞬発力やレースでのしぶとさに表れている。
府中牝馬ステークスのようなスローペースで上がりが速くなるレース展開は、カナテープの血統的特性に合致し、差し馬としての持ち味が活きるだろう。
カナテープはスカイロケットの半姉、オータムレッドの叔母、ベストアプローチのイトコにあたる。
母ティッカーテープの牝系は、堅実な中距離適性を持つ馬を多く輩出しており、カナテープもその流れを汲む。
母系から受け継いだ持続力と父ロードカナロアのスピードが融合し、東京1800mという舞台で高いパフォーマンスを発揮する可能性が高い。
【セキトバイースト】
セキトバイーストの父デクラレーションオブウォーは、米国産のWar Front産駒で、クイーンアンステークス(英G1、芝8F)など欧米で活躍した名馬。
種牡馬としては、トップナイフ、タマモブラックタイ、セットアップなどを輩出し、中距離での持続力とタフな競馬を子に伝える。
セキトバイーストにもこの父の特徴が表れ、上がりのかかるレースで力を発揮するタイプだ。
特に、府中牝馬ステークスのような持久力を求められる展開は、デクラレーションオブウォー産駒の得意とするところである。
母ベアフットレディは、英国産のFootstepsinthesand産駒で、ネルグウィンS(英G3、芝7F)の勝ち馬。
短距離からマイルでのスピードと鋭い切れ味が特徴で、セキトバイーストにその瞬発力を伝えている。
母父Footstepsinthesandは英2000ギニー(G1、芝8F)勝ち馬で、Nureyev系の影響を持ち、軽快なスピードを子孫に継承する。
ベアフットレディの牝系にはオリオールの血が入り、スタミナと先行力を強化。
セキトバイーストは母系の影響で単騎逃げが理想だが、最近は2~3番手で控える競馬も可能で、戦術の幅が広がっている。
セキトバイーストの血統は、父デクラレーションオブウォーの持続力と母ベアフットレディのスピードが融合したもの。
母系にオリオールの血が入ることで、先行して粘り込む競馬が得意だ。
過去の戦績からも、稍重馬場での都大路S(リステッド)で3馬身半差の圧勝を飾るなど、タフな展開での強さが光る。
府中牝馬ステークスの芝1800mは、セキトバイーストが好位からリラックスして走れる距離で、上がりのかかるレース展開なら持ち前の粘り強さが活きるだろう。
セキトバイーストはジョバンニ(ホープフルS2着)の半姉で、マテンロウアレスやアスタービーナスの半妹。
母ベアフットレディの牝系は堅実な競走馬を輩出し、セキトバイーストもその一頭。
【タガノエルピーダ】
タガノエルピーダの父キズナは、ディープインパクト産駒で日本ダービー(G1、芝2400m)などG1を2勝した名馬。
種牡馬としてもディープボンドやソングラインを輩出し、スタミナと瞬発力を子に伝える。
キズナ産駒は中距離でしぶとく伸びる脚が特徴で、タガノエルピーダにもこの特性が受け継がれている。
府中牝馬ステークスの芝1800mは、キズナの血が活きる舞台で、先行して粘り込む競馬が期待される。
母タガノレヴェントンは、キングカメハメハ産駒の優秀な繁殖牝馬。
産駒9頭中8頭がJRAで勝ち馬となり、タガノトネール(武蔵野S・G3)、タガノエスプレッソ(デイリー杯2歳S・G2)、タガノディアマンテ(きさらぎ賞・G3)とオープン馬3頭を輩出する名牝系。
この牝系はハイペリオン的な粘着脚質が特徴で、タガノエルピーダも先行してしぶとい競馬を得意とする。
母父キングカメハメハは、ロードカナロアやドゥラメンテを輩出した名種牡馬で、スピードとパワーを子孫に伝える。
タガノエルピーダの先行力と粘りは、この母系の影響が大きい。
キズナとキングカメハメハの配合は、ハピやマジックサンズと同じで、スタミナとスピードのバランスが秀逸。
ハイペリオンの影響が強い母系は、タガノエルピーダに粘り強い脚質をもたらし、特に1800m前後の距離で力を発揮する。
最近のレースでは馬体が増え、マイル戦にも対応してきたが、血統的には芝1800mがベスト。
府中牝馬ステークスのような先行馬が有利な展開で、しぶとく粘り込む走りが期待できる。
タガノエルピーダは、タガノトネール、タガノエスプレッソ、タガノディアマンテの半妹で、ネオザウイナーやヘッドライナーも近親に持つ。
母タガノレヴェントンの牝系は、JRAで高い勝率を誇る名門で、タガノエルピーダもその資質を継承。
【ラヴァンダ】
ラヴァンダの父シルバーステートは、ディープインパクト産駒で、種牡馬としてエエヤン、リカンカブール、セイウンハーデス、ウォーターナビレラなど活躍馬を輩出している。シ
ルバーステート産駒は、ディープインパクト譲りの瞬発力と機動力が特徴で、特に中距離戦で鋭い末脚を発揮する。
ラヴァンダもこの父の影響を受け、軽快なフットワークとレースでの柔軟な対応力を備えている。
府中牝馬ステークスの東京芝1800mは、シルバーステート産駒が得意とする舞台で、ラヴァンダの持ち味が活きるだろう。
母ゴッドパイレーツは、ベーカバド産駒で、ダンジグの4×4クロスを持つ。
ダンジグの影響により、ゴッドパイレーツはスピードと機敏さを子に伝える傾向があり、ラヴァンダの素軽い動きに寄与している。
母父ベーカバドは、Cape Cross産駒で、欧州の中距離戦で活躍した血統。スタミナと堅実な走りを子孫に伝える。母母ゴッドインチーフはチューリップ賞(G2)で2着の実績を持ち、牝系全体として中距離での競争力が強い。
ラヴァンダは、この母系から受け継いだ機動力と持続力を武器に、好位から鋭く伸びる競馬を得意とする。
ラヴァンダの血統の鍵は、ダンジグ4×4とロベルト4×5のクロス。
ダンジグのクロスは、ラヴァンダに鋭い加速力と機敏な動きをもたらし、ロベルトのクロスは中距離での持続力とタフさを強化している。
この配合により、ラヴァンダはスローペースのレースで好位を立ち回り、瞬時に加速する能力を持つ。
フローラS(G2)2着や阪神牝馬S(G2)3着の実績は、この血統の特性が反映された結果だ。
府中牝馬ステークスのようなスローペースになりやすい展開は、ラヴァンダの機動力が最大限に活きる。
ラヴァンダは、ミューチャリーやオヤコダカのイトコで、牝祖ファーガーズプロスペクトの孫にはオークス馬ヌーヴォレコルトがいる名門牝系。
母母ゴッドインチーフの活躍も含め、この牝系は中距離での堅実な実績が際立つ。
【ラヴェル】
ラヴェルの父キタサンブラックは、ブラックタイド産駒で、天皇賞(春)やジャパンCなどG1を7勝した名馬。
種牡馬としてもイクイノックス(ドバイシーマクラシック・G1)やクロワデュノール(クイーンC・G3)を輩出し、成功を収めている。
キタサンブラック産駒は、父譲りのスタミナと持続力のある末脚が特徴で、特に中長距離で力を発揮。
ラヴェルもこの血統の影響を受け、2000m前後でしぶとい走りを見せるが、府中牝馬ステークスの芝1800mでも十分対応可能な資質を持つ。
母サンブルエミューズは、ダイワメジャー産駒で、フェアリーS(G3)3着の実績を持つ優秀な繁殖牝馬。
ラヴェルの他に、ナミュール(マイルCS・G1)、アルセナール(クイーンS・G3)、ヴェスターヴァルト(オープン馬)を産み、牝系としての価値が高い。
母父ダイワメジャーは、サンデーサイレンス系で、マイルから中距離でのスピードと瞬発力を子孫に伝える。
サンブルエミューズの軽快な脚質は、ラヴェルの好位から鋭く伸びる競馬スタイルに反映されている。
府中牝馬ステークスのスローペースで求められる切れ味は、この母系の影響が大きい。ラヴェルの血統は、キタサンブラックのスタミナとサンブルエミューズのスピードが絶妙に融合。
母母ヴィートマルシェは、マルシュロレーヌ(BCディスタフ・G1)、バーデンヴァイラー(オープン馬)、グレナディアーズ(オープン馬)を産んだ名繁殖で、牝祖キョウエイマーチは桜花賞(G1)勝ち馬。
この牝系は、スピードと底力を兼ね備えた馬を輩出する名門だ。
ラヴェルは、1800mより2000mがベストだが、東京の直線で繰り出す末脚は、府中牝馬ステークスでも上位争いに十分な力を持つ。
ラヴェルは、ナミュールやアルセナールの全妹で、マルシュロレーヌやキョウエイマーチの近親。
母サンブルエミューズの牝系は、G1馬を複数輩出する名門で、ラヴェルもその素質を継承。