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フローラステークスコース解説(東京芝2000m)
フローラステークスが開催される東京競馬場芝Aコースの1周距離は2,083.1m、幅員は31～41m、直線距離は525.9m、高低差は2.7mです。フローラステークスは開幕週の2日目に開催され、前が止まらない高速馬場になることが推測されます。昨年のフローラステークスは、前半1000m通過が58秒6の速いペース。レースの後半1000mは60秒1。ペースが思いのほか速くなったこともあり、タフな競馬になりました。フローラステークスは速い時計に対応できるスピード能力が高いレベルで求められます。フローラステークスが開催される東京芝2000mは、コーナー奥のポケットからスタートでコーナーは3つです。最初の2コーナーまでは約100m。3コーナー手前に高低差1.5mの上り坂。3、4コーナーは緩やかな下り坂です。直線の距離は525.9mで、新潟外回りに次ぐ日本で2番目の長さです。ゴール前に高低差2.1mの坂があります。スタート地点は１コーナー奥のポケットからの変則スタートになります。スタートから2コーナーまでの距離が約100mと短く、外を走る馬は内を走る馬と比較して距離のロスが大きくなるため、大外枠からのスタートが不利になります。特に逃げ先行馬が外枠に入るとスタートで体力消耗します。スタートから向正面半ばにかけて高低差1.9mの長い下り坂が続きます。向正面半ばから、3コーナーにかけて約1.5mの上がり坂があります。3～4コーナーにかけて約2m下り坂があるため、ここから下り坂でスピードアップして各馬が仕掛けます。4コーナーの手前からは若干の上り勾配になっています。ゴール前の直線は525.9m、残り460m地点から300m地点にかけては2つめの上り坂があります。160m走って2mの坂を上ると、そこからゴールまで約300mの激しい追い比べになります。東京芝2000mは、直線部分が長く終始スピードがでるコース設定になっています。スタートから2コーナーまでの距離が短く、激しい先行争いから前半11秒台から12秒台前半のラップを刻みます。前半からなし崩しに脚を使わされますので、ゴール前の直線で速い脚が使いにくくなります。フローラステークスは、高いレベルのスピードの持続力と、直線での瞬発力、ゴール前で抜かせない勝負根性を発揮できる強い精神力が求められるレースです。
【フローラステークス2025予想】データ分析と傾向
フローラステークス過去10年単勝人気別成績
過去10年の単勝人気別成績を分析すると、2番人気が抜群の安定感を誇る。2番人気は【2-3-2-3】で勝率20.0%、連対率50.0%、3着内率70.0%と高成績。一方、1番人気は【1-2-0-7】で3着内率30.0%と信頼度が低め。3番人気も同率で、上位人気では2番人気に注目すべきだ。4～5番人気は勝率10.0～20.0%、3着内率40.0%で中穴候補。6番人気以下は【2-4-3-106】で3着内率8.7%と波乱要素も。内枠有利や前走1勝クラス好走馬の傾向も考慮し、2番人気を中心に予想を組み立てたい。
フローラステークス過去10年通算出走数別成績
過去10年の通算出走数別成績を分析すると、キャリア3～5戦の馬が優勢だ。3着以内30頭中21頭を占め、特に3戦【4-2-3-26】（3着内率25.7%）、4戦【3-0-1-21】（16.0%）、5戦【0-5-3-17】（32.0%）が好成績。キャリア2戦以下は【1-1-2-43】で3着内率8.5%と苦戦傾向。6戦以上も【2-2-1-28】で3着内率15.2%とやや劣勢。キャリア4戦前後の馬が中心。
フローラステークス前走の4コーナー通過順別成績
過去のデータ（2015～2020年）に基づく前走4コーナー通過順別の成績分析から、馬券攻略のポイントを探ります。前走で4コーナーを3番手以内に位置した馬は【4-3-3-20】で、勝率13.3%、連対率23.3%、3着内率33.3%と高い好走率を誇る。特に先行力のある馬が有利な傾向です。一方、4～6番手【2-1-1-36】は勝率5.0%、7～9番手【0-2-2-15】は勝率0%、10番手以下【0-0-0-15】は全く馬券に絡まず、後方待機策は厳しい結果に。東京芝2000mのコース特性上、開幕週の高速馬場で先行馬が優位に立ちやすい。過去4年の前走4コーナー通過順別成績を分析すると、3着以内馬12頭中8頭が前走7番手以下で、10番手以下の馬は【2-2-1-9】で勝率14.3%、連対率28.6%、3着内率35.7%と高い好走率。対照的に、3番手以内【2-0-1-18】は勝率9.5%、4～6番手【0-1-0-10】は9.1%と低調。東京芝2000mの高速馬場では、差し・追い込み馬が台頭する傾向が強い。
フローラステークス過去10年優勝馬の前走の単勝人気、前走、前走の出走頭数
過去10年の優勝馬10頭の前走データを分析すると、明確な傾向が見える。優勝馬は全て前走単勝7番人気以内、前走が1勝クラス以上（1勝クラス6頭、GⅢ3頭、オープン特別1頭）、かつ前走出走頭数10頭以上。この条件を満たす馬が有力だ。例えば、2024年アドマイヤベルは前走1勝クラス3番人気（10頭）、2023年ゴールデンハインドはGⅢ7番人気（16頭）。キャリア3～5戦の馬が中心で、内枠や上がり3Fの鋭い馬も優勢。
【フローラステークス2025予想】本命馬候補5選情報
【ブラックルビー】
2歳新馬戦では好位から直線で抜け出し、スティーヴバローズを抑えて1着。7か月の休養明けとなった3歳1勝クラスでも中団から鋭く伸び、エナジーショットを交わして無傷の2連勝。小柄ながら均整の取れた馬体とシャープな脚さばきが武器で、素質の高さが光る。中間は美浦Wコースで鋭い動きを見せ、ルメール騎手の継続騎乗で仕上げは万全。東京の直線で末脚を爆発させ、オークス優先出走権獲得を目指す。フローラステークスでの好走が期待される注目の素質馬だ。
【エストゥペンダ】
フェアリーSでは後方から外を回り、鋭い末脚でマイスターヴェルクをハナ差交わし3着。前走クイーンCでも大外から追い上げ、桜花賞馬エンブロイダリーらに次ぐ3着と能力を示した。1勝馬ながら重賞連続3着の実力は本物。血統的に2000mへの距離延長はプラスで、東京の直線で末脚が活きる舞台は最適。三浦皇成騎手が引き続き騎乗し、美浦・伊藤圭三厩舎の調整で状態は上々。フローラステークスでの重賞初制覇とオークス出走権獲得が期待される注目馬だ。
【ゴーソーファー】
2歳新馬戦では逃げ切り勝ちを収め、3歳1勝クラスでは休養明けながら後方から外を回り、アロヒアリイを競り落として1着。前走フラワーカップでは大外から鋭く追い込み、パラディレーヌにクビ差の3着と重賞で好走。サフラン賞は距離が短く参考外だが、1800m以上で安定した末脚を発揮。中間は美浦坂路で鋭い動きを見せ、仕上げは万全。東京コースの直線は末脚を生かす舞台で、戸崎圭太騎手の積極策でオークス出走権を狙う。
【グローリーリンク】
3歳未勝利戦（京都芝1800m）では最内枠から控え、直線で外に出すと鋭く伸びて初勝利。エルフィンSでは中団インから進出し、ヴーレヴーにクビ差の2着と重賞で好走。伯母にオークス馬ダイワエルシエーロを持つ良血で、キズナ産駒の柔らかいフットワークと好馬体が魅力。東京の長い直線は末脚を活かせる舞台で、C.デムーロ騎手の巧みな騎乗が期待される。栗東・中内田充正厩舎の調整で状態は万全。フローラステークスでの重賞初制覇とオークス出走権獲得を目指し、上位争いが注目される。
【ヴァルキリーバース】
2歳未勝利戦では中団から直線で外に進出し、サンカシグレを交わして1着。距離延長で才能を開花させた。前走フリージア賞ではスタートで寄られる不利を受けつつ、向こう正面で2番手に上がり、直線で抜け出して牡馬相手に快勝。2000mで2戦2勝と距離適性は抜群だ。中間では美浦Wコースで自己ベストを更新し、フローラステークスへ万全の仕上げ。ルメール騎手の巧みな騎乗でオークス優先出走権獲得を目指す。瞬発力と持続力を武器に、決め手勝負の東京コースで上位争いが期待される。
【フローラステークス2025予想】穴馬候補5選情報
【ルクスジニア】
3歳未勝利戦では軽快に逃げ、1分33秒台の好タイムで後続を突き放し初勝利。続く1勝クラス・君子蘭賞でもハナを切り、ケリフレッドアスクの追撃を凌いで連勝。初勝利まで5戦を要したが、逃げの形を確立してからは安定感抜群。テンションの高さが課題だが、美浦滞在で調整し、初の関東遠征に備える。東京の長い直線は先行力を活かせる舞台で、横山武史騎手の積極策が期待される。フローラステークスでの重賞制覇とオークス出走権獲得を目指し、勢いそのままに上位争いが注目される。
【ミュージアムマイル】
2歳未勝利戦では好位からショウナンカゼルタを交わし1着。黄菊賞でも外から進出し、抜け出して快勝。朝日杯FSでは2着と牡馬相手に健闘。弥生賞は4着も中団から見せ場を作った。栗東・高柳大輔厩舎所属で、モレイラ騎手が騎乗予定。東京コースの長い直線は鋭い末脚に最適で、フローラステークスでの重賞初制覇とオークス出走権獲得が期待される。最終追い切りでも栗東CWで鋭い動きを見せ、状態は上々。
【ロートホルン】
2歳未勝利戦では3か月ぶりの実戦で内枠からハナを切り、後続を突き放して圧勝。スピードを活かした逃げが持ち味だ。前走クイーンCは果敢に逃げるも直線失速で7着。ただ、速いペースで引っ張り、桜花賞馬エンブロイダリーのレースレコード（1分32秒2）を演出する走りを見せた。2000mへの距離延長は血統的にプラスで、東京の直線で粘りが期待される。田辺裕信騎手が騎乗し、美浦・国枝栄厩舎の調整で状態は良好。フローラステークスでの巻き返しとオークス出走権獲得を目指し、先行力で上位争いが注目される。
【ロジャリーマイン】
2歳新馬戦ではスタートで接触するも好位に上がり、直線でアマキヒとアタマ差の接戦を演じ2着。続く2歳未勝利戦ではフルゲートの大外枠から控えて中団追走。直線で勢いよく伸び、内の馬を交わして1着と初勝利を挙げた。東京コースの経験が豊富で、広いコースでの末脚が武器。美浦・萩原清厩舎所属で、戸崎圭太騎手の騎乗が予定される。最終追い切りでは美浦Wコースで鋭い動きを見せ、状態は万全。フローラステークスでの重賞初挑戦でオークス出走権獲得を目指し、上位争いが期待される。
【エンジェルブリーズ】
3歳未勝利戦が初出走で、大外枠ながら果敢に前目につけ、4コーナー手前で先行馬に並ぶと直線で抜け出し、経験馬を抑えて1着。デビュー戦での勝利は素質の高さを証明した。ハービンジャー産駒らしい持続力と、中距離での適性が光る。美浦・池上昌和厩舎所属で、横山和生騎手の騎乗が予定される。最終追い切りでは美浦坂路で軽快な動きを見せ、初の重賞挑戦に向け状態は上々。東京の長い直線は先行力を活かせる舞台で、フローラステークスでの好走とオークス出走権獲得が期待される新星だ。
【フローラステークス2025予想】血統情報
【エストゥペンダ】
父はサートゥルナーリア（ロードカナロア産駒）、母はアルゼンチン産のエストレチャダ（父Offlee Wild）。エストレチャダは米G3・ワヤS（芝12F）優勝馬で、母父オフリーワイルドは米G1・サバーバンH（ダ10F）を制したワイルドアゲイン産駒。エストレチャダはノーザンダンサー系を持たず、ハイペリオン系の粘着力が特徴。サートゥルナーリアのヌレイエフ≒サドラーズウェルズ5×3のクロスが掛け合わされ、配合の評価は高い。エストゥペンダはジワジワと脚を伸ばす実直な脚質で、フローラステークスの距離延長に対応可能。前目で運べれば上位争いが期待できる血統背景を持つ。
【ゴーソーファー】
父はキズナ（ディープインパクト産駒）、母はゴーマギーゴー（父Ghostzapper）。母は米G2・ガルフストリームパークオークス（ダ8.5F）優勝馬で、母父ゴーストザッパーは北米年度代表馬かつドレフォンやギベオンの母父。ゴーソーファーはオープンファイア（父ディープインパクト）の3/4弟で、米G2勝ちウォリアナの姪にあたります。ストームキャット3×4のクロスを持ち、ディープインパクトとストームキャットの配合によるしなやかなストライドが特徴。父キズナは2024年リーディングサイアー。東京コースの長い直線で差し脚を活かせそうで、フローラステークスの舞台は適性が高い。末脚の爆発力で上位を狙える血統背景です。
【ルクスジニア】
父はキズナ（ディープインパクト産駒）、母はサトノアリシア（父ハービンジャー）。母はコスモス賞などJRA3勝を挙げ、牝祖フランクアーギュメントからはヒカルカザブエ、アドマイヤロード、アマーティなどが輩出。母父ハービンジャーはベラジオオペラやレガレイラの父で、母系に入ると長打力のある産駒を生む。父キズナは2024年リーディングサイアー。サトノアリシアのオリオール薄いクロスが影響し、逃げると[2-1-0-0]の好成績。後続が迫るほど伸びる底力が特徴で、フローラステークスの東京コースで直線先頭に立てば、その持続力を活かし上位争いが期待できる血統です。
【ティラトーレ】
父はリアルスティール（ディープインパクト産駒）、母はエアシンフォニー（父ルーラーシップ）。母母エアデジャヴーはクイーンS勝ち馬で、ティラトーレはオールセインツ（父キズナ）の3/4妹、エアメサイアやエアシェイディの姪、エアスピネルのイトコにあたります。同牝系からはベラジオオペラ、エアシャカール、秋華賞馬などが出る名門で、ボールドルーラー系の機動力に優れる。リアルスティール産駒らしい立ち肩で、フェアリーS2着の実績から中山向きの印象。フローラステークスの東京コースでは、クロッカスSのような鋭い上がり勝負が理想。機動力を活かし切れば上位争いが期待できる血統です。
【カムニャック】
父はブラックタイド（サンデーサイレンス産駒）、母はダンスアミーガ（父サクラバクシンオー）。母はJRA5勝（芝1400～1600m）、牝祖ダンスパートナー（オークス、エリザベス女王杯）はダンスインザダークの全姉でフェデラリストの母。カムニャックはキープカルムやラウルピドゥの半妹、ヨカグラの姪にあたります。ブラックタイド×サクラバクシンオーの配合はキタサンブラックで実績ある組み合わせ。カムニャックは母より伸びのある体型で、2000mの新馬戦勝利実績から適距離は1800～2000mと推定。ゆったりとした走りで、広々としたコースが合う。好位で流れに乗れば、フローラステークスでの上位争いが期待できる血統です。
