七夕賞コース解説(福島芝2000m)
七夕賞は、サマー2000シリーズの開幕ハンデ重賞です。七夕賞は、人気薄の軽ハンデの馬が激走して波乱もあるハンデ戦です。
第1回福島競馬終了後、競走により傷んだ3コーナーから4コーナーにかけての内柵沿いおよび発走地点等約2,500平方メートルの芝張替を実施。
その後も施肥や散水等の管理作業を行なうことで芝の生育促進。芝の生育は順調で、全体的に概ね良好な状態です。
福島競馬場芝Aコースの1周距離は1,600m、幅員は25~27m、直線距離は292.0m、高低差は1.9mです。コーナーの奥にあるポケット地点からのスタート。
1周の全長が1600mとJRA全競馬場の中で1周の距離が1番短い芝コースです。
芝コースの高低差は1.9mで高低差や勾配自体は決してキツくありませんが芝2000mではスタートからゴールまでアップダウンを3回繰り返す、起伏のつけられ方が独特で乗り方が難しく、イメージよりも起伏に富んでいるコース設定になっています。
福島競馬場は独特な起伏があるコース設定になっているのが特徴です。スタートしてから、1コーナー手前から2コーナーにかけて約1.7mを下るなだらかな下り勾配です。
2コーナーを過ぎた辺りから約1.3mの上がり勾配が設けられています。向こう正面半ばから3コーナーまでは平坦、4コーナーから直線の残り170m地点まで緩やかな下りが続きます。
残り170m地点から残り50m地点まで高低差1.2m、勾配率1%の上がり坂があり、残り50mを全力疾走の追い比べとなります。
福島競馬場の1番注目すべき特徴は4コーナーから直線にかけての下り勾配、3~4コーナーにスパイラルカーブが設けられていることです。
スパイラルカーブとは、コーナーの入口が緩やかで、コーナーの出口がきついカーブになっているカーブのことを言います。
スパイラルカーブの特徴は、スピードを落とさず3コーナーに進入できますが、4コーナー出口で外に膨らみ外を回った馬は、さらに外を回らせられるので、直線でバラけやすくなります。
直線にかけての下り勾配との相乗効果でコーナーでもスピードが落ちにくく、スピードを持続したまま292mの短い直線に向くので逃げ、先行馬に断然有利で後方一気はなかなか決まりづらい傾向があります。
七夕賞過去10年、逃げ馬の勝率は10%、複勝率は30%。先行馬の勝率は16.2%、複勝率は35.1%。差し馬の勝率は5.1%、複勝率は20.6%。
追い込み馬の勝率は0%、複勝率は4.5%。小回りコースで直線が短いため、七夕賞での狙いの馬は、機動力とコーナーワークを得意にしている内枠の逃げ、先行馬です。
【七夕賞2024予想】データ分析と傾向
七夕賞過去10年人気別成績
1番人気【1.1.1.7】
2番人気【3.1.1.5】
3番人気【3.0.0.7】
7番人気【0.2.1.7】
ここ10年で3連単100万超が2度、6桁配当が5度も発生しており荒れる、ことを前提として予想を組み立てたい。
上位人気の勝率は高め。 一方で10番人気以下は【1.3.5.54】と、ヒモ荒れが多い。
馬券は手広く押さえる形で狙いたい。
七夕賞過去10年馬体重別成績
520キロ以上【0.0.1.9】
500キロから518キロ【2.2.0.30】
489キロから498キロ【2.4.4.41】
460キロから478キロ【5.4.3.24】
458キロ以下【1.0.2.18】
今回減【8.3.4.59】
同体重【1.2.2.19】
今回増【1.5.4.43】
過去10年で5勝の460キロから478キロは3頭に1頭が3着以内。
前走比では、馬体重が減っていた馬が8勝。
前走から馬体重減の馬は要チェック。
七夕賞過去10年要注目の実績
優勝馬10頭中9頭に2000m勝利歴がある。
優勝馬10頭中9頭に小回り勝利歴がある。
優勝馬10頭中8頭に7月8月に3着以内歴がある。
七夕賞過去10年前走着順
七夕賞過去10年前走着順1着馬は優勝なし。
前走1着馬は15頭出走も優勝なし。
前走5着以下に注目。
七夕賞データ分析まとめ
2桁人気でも侮れず馬券は手広く
最多勝の前走G2組は着差に注目
狙いは先行馬、逃げ・追い込みは見送り
前走阪神組が馬券妙味あり
【七夕賞2024予想】本命馬候補5選情報
【キングズパレス】3拍子揃った小回り巧者
父キングカメハメハ。母ドバウィハイツ。母の父Dubawi。
前走の新潟大賞典は、中団9番手追走から馬群の外目から直線へ、33秒6の末脚で伸び、先頭のヤマニンサルバムに迫りましたが、ハナ差で2着に惜敗。
これまで18戦中16戦で上り3位以内、7回の最速上りの末脚を使っています。
中山芝2000mで3勝を挙げて内回り適性も高く、短い直線でも一瞬の末脚が使えます。
自在性、機動力、一瞬の末脚と3拍子揃った小回り巧者で七夕賞での好走が大きく期待されます。
【カレンルシェルブル】優勝パターン歴有
父ハービンジャー。母カレンケカリーナ。母の父ハーツクライ。
前走の福島民報杯は、直線で不利を受けてしまい結果5着。
福島コースは、昨年の福島記念は後方を追走からそのままインコースを追い上げていき、直線でも内目から伸びて3着。
福島民報杯は4コーナー5番手から35秒4の最速上りの末脚で差し切り勝利、稍重も時計のかかる馬場にも対応できています。
小倉芝2000mの勝利実績もあり、ローカル小回りコースへの適性が高い馬です。
七夕賞過去10年優勝馬10頭中9頭に2000m勝利歴、優勝馬10頭中9頭に小回り勝利歴があるパターンにあてはまり、データ的にも狙いたい馬です。
【ボーンディスウェイ】小回り適性が高い
父ハーツクライ。母ウィンドハック。母の父サンデーサイレンス。
前走の福島民報杯は、5番手追走から直線追い上げてクビ差の2着。
コーナーが4回ある内回りの中山芝1800m、2000mで3勝・2着2回・3着1回、福島民報杯2着の実績から小回り適性が高いことが推測されます。
内ラチを器用な脚で走れ、先行力もあるので、福島芝2000mは合っています。
小回り福島開催の七夕賞は、絶好の舞台で、重賞初制覇を狙いるチャンスです。
【リフレーミング】福島2000mで強い勝ち方
父キングヘイロー。母ヒーリング。母の父バトルプラン。
重賞初挑戦だった新潟大賞典は、ペースが落ち外からでは間に合わない展開の中で外を回っての5着に入線して実力を示しました。
前々走の福島民報杯は、出遅れましたが落ち着いて後方で折り合い、4コーナー13番手から34秒2の最速上りの末脚で差し切って勝利。
福島民報杯の走りが再現できれば七夕賞を勝つ可能性は十分にあります。
【レッドラディエンス】小回り適性に懸念なし
父ディープインパクト。母ペルフォルマーダ。母の父Jump Start。
これまで11戦4勝・2着5回・3着1回で、掲示板を外したのはデビュー戦の1戦のみです。
どんな条件でも力を出せる自在性が高い馬です。
鴨川特別(京都芝2000m)1着、猪苗代特別(福島芝2000m)2着と小回り適性に懸念なく、七夕賞でも高いポテンシャルを発揮してくると思われます。
【七夕賞2024予想】穴馬候補5選情報
【アラタ】上積み期待大
父キングカメハメハ。母サンシャイン。母の父ハーツクライ。
福島芝2000mで開催された福島記念での2年連続3着。函館コース3勝、中山芝2000m1勝と小回り・内回りコースで非常に高いポテンシャルを発揮できる機動力の高い資質馬です。
適性が高い福島小回りコースに替わり一変しての激走の可能性も十分にあり、人気薄でもおさえておきたい穴馬です。
【フェーングロッテン】夏場好調
父ブラックタイド。母ピクシーホロウ。母の父キングヘイロー。
一昨年福島芝1800mで開催されたラジオNIKKEI賞の勝ち馬。
コーナーが4回ある阪神芝2000m内回りで開催された鳴尾記念で2着に好走した実績があります。
7月のラジオNIKKEI賞で重賞初制覇しているように、夏場の暑い時期に調子を上げてくるタイプで前走から変わり身を見せての好走が期待でそうです。
【ダンディズム】展開次第
父マンハッタンカフェ。母ビューティーコンテスト。母の父シングスピール。
コーナーが4回あるローカル小回りコースの小倉芝2000mで2勝。コーナーでの機動力、短い直線での一瞬に末脚がありローカル小回りコースを得意にしている馬です。
毎回のように出遅れるので、ハイペースの展開になった時に末脚を発揮できるタイプです。
【ノッキングポイント】ローカル小回りで変わり身
父モーリス。母チェッキーノ。母の父キングカメハメハ。
昨年3歳で古馬を相手に新潟記念を勝った潜在能力が高い馬です。
日本ダービーでは勝ったタスティエーラから0秒2差の5着に入ったことも実力があることを示しています。
血統的に見ても適性距離でない菊花賞を使ったことで、ずぶさがでて凡走が続いていると思われます。
これまで走ったことのない息の入りやすいローカル小回りコースでの変わり身の可能性に期待です。
【バビット】福島重賞勝ち馬
父ナカヤマフェスタ。母アートリョウコ。母の父タイキシャトル。
セントライト記念を勝った後は凡走が続いていましたが、今年京都記念で3着にいり復活兆しが伺えました。
3歳時に福島開催のラジオNIKKEI賞を勝った実績もあり、コース適性に懸念はありません。
先行力をいかして内ラチ経済コースを入れ込まずに走ることができれば上位進出の可能性もあると思われます。
【七夕賞2024予想】血統馬情報
【キングズパレス】馬場が渋ったら
父キングカメハメハ。母ドバウィハイツ。母の父Dubawi。
リバティハイツ( フィリーズレビュー)の全弟でランドオブリバティ(JRA3勝)の半弟です。
母ドバウィハイツはイエローリボンS(米G1・芝10F)とゲイムリーS(米G1・芝9F)の勝ち馬です。
馬場が渋った2020年と2021年の七夕賞は、馬券に絡んだ6頭のうち5頭が父キングマンボ系だったことから、馬場が渋ったらねらい目の血統。
【アラタ】上がりがかかる持続戦
父キングカメハメハ。母サンシャイン。母の父ハーツクライ。
キングカメハメハ×ハーツクライはJRA出走9頭中7頭が勝ち上がっている配合です。
ジュエラー(桜花賞)やワンカラット(スプリント重賞4勝)の近親。
母サンシャインはJRA3勝。母の母バルドウィナはペネロープ賞(仏G3・芝2100m)の優勝馬。
キングカメハメハ×ハーツクライはJRA出走9頭中7頭が勝ちあがっている優秀な組み合わせです。
ハーツクライからスタミナを受け継ぎ、上がりがかかる持続戦になる傾向がある七夕賞で高いポテンシャルを発揮できる血統です。
【フェーングロッテン】中距離回り対応できる血統
父ブラックタイド。母ピクシーホロウ。母の父キングヘイロー。
半姉にスプリンターズステークス(G1)を制覇したピクシーナイトがいる良血馬です。母ピクシーホロウはJRA3勝。
3代母ンコウエンジェルはクィーンズバーン(阪神牝馬S)、ワイルドソルジャー(名古屋グランプリ)、ダノンカモン(名古屋大賞典)などを排出した名牝馬です。
ブラックタイド×キングヘイロー×サクラバクシンオーだからキタサンブラックに似た父スタミナ×母スピード配合で中距離小回りコースにも対応できる血統です。
【バビット】ピッチ走法
父ナカヤマフェスタ。母アートリョウコ。母の父タイキシャトル。
父ナカヤマフェスタは宝塚記念を勝ち、凱旋門賞でもアタマ差2着と大健闘した馬です。
凱旋門賞はスタートから3コーナーまでに約10mの坂超えがある世界有数のタフなコースです。
その凱旋門賞で2着して世界に通用する実力があることを示しました。
父系はオルフェーヴル、ゴールドシップが菊花賞を優勝、レインボーライン、エタリオウは2着。
バビットは父タイキシャトルの影響を強く受けて、やや胴が短くピッチ走法で走ることから、内回り、小回りコースがベストになると思われます。