エルムステークスコース解説(札幌ダ1700m)
札幌競馬場ダートコースの1週距離は1487.2m、幅員は20m、直線距離は264.3m、高低差は0.9mです。
1周の距離は、ローカルのダートでは中京競馬場に次ぐ大きさですが、直線の長さは264.3mと東京競馬場ダートコースの直線の長さ501.6mの約半分とかなり短い直線になっています。
中京競馬場ダートコースは1周距離が1530m、直線の長さが410.7mです。
札幌競馬場と中京競馬場を比較すると札幌競馬場がいかにまるっこい独特なコース形態をした競馬場なのかが分かります。
コーナー部分の占める割合が多いため、外を回れば回るほど距離ロスが大きくなってしまいます。
コーナーでの機動力に加えて騎手の手腕が大きく勝ち負けに影響してきます。コーナーが緩やかで、更に直線距離が264.3mと短いため好位から長くいい脚を使える逃げ・先行馬が有利な傾向があります。
その反面、緩いカーブで一気に捲くり直線入口で好位につける馬が馬券に絡むパターンもあるので追い込み馬にも注意は必要です。
総合判断はスタートからゴールまで高いレベルでスピードを持続する豊富なスタミナを持った馬の好走度が高い傾向があります。
まるっこい独特なコース形態でコーナー部分占める割合が多いため、コーナーワークの上手さ、コーナーで加速できる機動力がある馬が、エルムステークスコースへのレース適性が高いことが推測されます。
【エルムステークス2024予想】データ分析と傾向
エルムステークス過去10年人気別成績
1番人気【1.1.2.6】
2番人気【3.1.1.5】
3番人気【1.1.0.8】
4番人気【2.2.1.5】
①1番人気は20年タイムフライヤーしか勝てておらず着外多め。
②ただ、 2番人気から4番人気が必ず3着内に入っている。
③1番人気を嫌って、2番3番4番人気から攻めてみる手が馬券妙味あり。
エルムステークス過去10年前走別成績
マリーンS【7.3.2.45】
平安S【1.2.2.5】
安達太良S【1.0.0.2】
東京大賞典【1.0.0.2】
プロキオンS【0.2.0.9】
アンタレスS【0.1.1.8】
マーキュリーC【0.0.2.5】
帝王賞【0.0.0.4】
①直線は短いけど上がりの速い一瞬の瞬発力重要。
②マリーンS組の好走が多いことも関係していますが、ローカル場のダ1700mという特殊条件なので、前走同距離組の好走が多い。
③前走ダ1700m【8.4.3.45】と勝ち馬のほとんどがこれに当てはまっています。
エルムステークス過去27年枠順別成績
①驚異的な成績4枠5枠。
②過去27年で4枠9勝で3着以内15頭。
③5枠4勝で3着以内13頭と複勝率突出しています。
④4枠5枠は27年中23年で3着以内。
⑤1枠は1勝のみ。
エルムステークス過去10年馬体重別成績
①馬体重単勝危険な480キロ未満。
②優勝10頭中9頭が馬体重480キ口以上。
③520キロ以上の上位人気は1頭好走、7頭凡走。
エルムステークス過去10年前走コース別成績
①前走東京・新潟・中京の左回り出走馬は2着3着6頭ですが優勝馬はなしです。
②優勝10頭全頭が前走右回り。
③前走左回り出走馬は見送り。
エルムステークス危険パターン
①前走G1・G2
②前走左回り
③キングカメハメハ産駒
④1枠
⑤馬体重480キロ未満
⑥馬体重520キロ以上の人気馬
エルムステークスデータ分析まとめ
①1番人気を外して、 2番3番4番人気から狙う
②好位で折り合え一瞬の瞬発力のある馬
③マリーンSで好走した馬中心
④前走ダ1700m組狙い
⑤高齢馬、キャリアが浅い馬割引
【エルムステークス2024予想】本命馬候補5選情報
【ナチュラルハイ】ダ1700m3勝
父スクリーンヒーロー。母ニシノシュクラン。母の父Pulpit。
前走のマリーンS(OP・函館ダ1700m)は、4番手先行から直線1馬身抜け出して1着。函館ダ1700mは2戦1勝・2着1回。ダ1700mは、5戦3勝・2着1回。
エルムステークス過去10年で、前走ダ1700m【8.4.3.45】、優勝馬10頭全頭が前走右回りだったデータから、ナチュラルハイのエルムステークスでの好走する可能性は大きいことが推測されます。
【サンテックス】マリーンS2着
父マジェスティックウォリアー。母ナイトフライト。母の父ゴールドアリュール。
前走のマリーンS(OP・函館ダ1700m)は、2番手先行から直線先頭にたちましたがゴール前で交わされて2着。ダ1700は、4戦1勝・2着1回。
エルムステークス過去10年前走マリーンS組が【7.3.2.45】と圧倒的な成績を残しています。
ローカル競馬場のダ1700mという特殊条件なので、前走同距離組の好走が多く、マリーンS2着の成績は軽視できません。
【テーオードレフォン】ダ1700は、5戦2勝・3着1回
父ドレフォン。母エミネントシチー。母の父ブライアンズタイム。
前走のマリーンS(OP・函館ダ1700m)は、果敢に逃げましたが直線で2頭に交わされて3着でした。
ダ1700は、5戦2勝・3着1回。ローカル場のダ1700mという特殊条件なので、前走同距離組の好走が多く、前走ダ1700m【8.4.3.45】と勝ち馬のほとんどがこれに当てはまっています。
直線は短いけど上がりの速い一瞬の瞬発力重要、テーオードレフォンは逃げても、直線で速い末脚を発揮できるので、エルムステークスでも好勝負は必至です。
【ドゥラエレーデ】ダートG1で3着2回の実績
父ドゥラメンテ。母マルケッサ。母の父オルフェーヴル。
芝G1のホープフルS勝ち馬ですが、ダートG1で連続3着、フェブラリーステークス12着、ドバイワールドカップ5着。
コーナーが4回あるダートG1で3着2回の実績があり、コーナーが4回あるエルムステークスなら巻き返して好走する可能性は十分にあると思われます。
【ミトノオー】距離短縮懸念
父ロゴタイプ。母シダクティヴリー。母の父サンダーガルチ。
前走平安S(G3京都ダ1900m)、逃げタイプで、内枠に入ってここも先手をとって逃げ、直線に入っても先頭を譲らず先頭、スピードを持続して後続に抜かせずに1着、JRA重賞初制覇しました。
これまでダート重賞で1勝・2着2回・3着1回と強豪馬相手に善戦しています。
1700mへの距離が微妙に影響することが少し懸念されます。
【エルムステークス2024予想】穴馬候補5選情報
【ドゥラレジリエント】2着・3着で
父ドゥラメンテ。母グレナディーン。母の父スペシャルウィーク。
前走のディープインパクトC(3勝クラス・東京ダ1600m)は、外枠から控えて中団の8番手から追走、直線外目から上がっていき、34秒8の末脚で前の馬を交わして1着。ダ1700mは、4戦3勝・2着1回と、この距離はパーフェクトです。
ローカル場のダ1700mという特殊条件なので、同距離の実績は軽視できませんが、前走東京・新潟・中京の左回り出走馬は2着3着6頭ですが優勝馬はなしなので、狙うなら2着・3着つけで。
【プロミストウォリア】距離短縮プラス
父マジェスティックウォリアー。母プロミストスパーク。母の父フジキセキ。
昨年東海ステークス(G3・中京ダ1800m)、アンタレスステークス(G3・阪神ダ1800m)のコーナーが4回あるダート重賞を逃げて連勝しました。
機動力があるのでコーナーが4回あるコースが得意、前走からの距離短縮で、巻き返してくる可能性は十分にあると思われます。
【ユティタム】前走左回り懸念
父Justify。母ジペッサ。母の父City Zip。
コーナーが4回ある阪神ダ1800mで2勝した実績あり。
エルムステークス過去10年の優勝馬10頭全頭が前走右回りなので、エルムステークスでは苦戦が強いられることが懸念されます。
【サーマルソアリング】右回りが得意
父ドゥラメンテ。母トータルヒート。母の父ストリートクライ。
前走兵庫女王盃(G1・兵庫ダ1870m)3番手先行から直線スピードを持続して3着。
近5戦は、全て右回りで、3勝・2着1回・3着1回です。時計のかかる良馬場でも実績ありますが、脚抜きの良い重馬場のも適応できます。
エルムステークス過去10年優勝馬10頭全頭が前走右回りです。
右回りが得意なペイシャエス、エルムステークスでの好走が期待できそうです。
【ペイシャエス】重賞で2勝
父エスポワールシチー。母リサプシュケ。母の父ワイルドラッシュ。
前走マーチステークス(G3・中山ダ1800m)は、やや離れた2番手で先行、直線外からヴァルツァーシャルに交わされましたが、3着に粘りました。
重賞で2勝・2着1回・3着3回と強い馬を相手に結果をだしている実力から、エルムステークスでも好勝負必至です。
【エルムステークス2024予想】血統馬5選情報
【ドゥラエレーデ】コーナーワークが得意
父ドゥラメンテ。母マルケッサ。母の父オルフェーヴル。
サトノダイヤモンド(菊花賞)、リナーテ(JRA6勝)、サトノジェネシス(JRA3勝)の近親で、母母マルペンサはヒルベルトレレナ大賞、クリアドレス大賞、銀杯大賞のアルゼンチンG1を3勝した名牝馬。
父ドゥラメンテは二冠馬で産駒はG1を9勝、昨年のリーディングサイアーです。
母父オルフェーヴルだから成長力と底力が溢れる中距離血統です。
ドゥラメンテ×オルフェーヴルで狭いコースでのコーナーワークが得意な配合です。
【ミトノオー】先行力とコーナリング
父ロゴタイプ。母シダクティヴリー。母の父サンダーガルチ。
アルーフクライ(JRA2勝)の半弟で、母シダクティヴリーはセリーニS(米国G3・ダ8.5F)優勝馬です。
母父サンダーガルチはケンタッキーダービー馬でサンライズノヴァやピイラニハイウェイなどの母父でもあります。
父ロゴタイプは皐月賞と安田記念のG1を2勝したスピード勝負に強い馬でした。
ミトノオーはロゴタイプの唯一の重賞勝ち馬で、ロゴタイプ産駒らしく先行力とコーナリングに優れた1800mがベストのタイプです。
【ナチュラルハイ】ロベルト系の機動力
父スクリーンヒーロー。母ニシノシュクラン。母の父Pulpit。
ニシノコトダマ(JRA3勝)の近親で、母母アラビックソングはハニムーンH(米国G2・芝9F)を2着した実力馬。
父スクリーンヒーローはグラスワンダーの代表産駒でモーリス(天皇賞秋・香港CなどG1を6勝)、ゴールドアクター(有馬記念)、ウインマリリン(香港ヴァーズ)などのG1馬の父です。
ロベルト系で機動力に優れ、小回りのコーナーが4回あるコースへの適性が高い血統です。
【プロミストウォリア】ダート適性高い
父マジェスティックウォリアー。母プロミストスパーク。母の父フジキセキ。
プロミストリープ(JRA3勝)の半弟で、母プロミストスパークはJRA5勝。
父マジェスティックウォリアーは、ベストウォーリア(ダート重賞3勝)、ライトウォーリア(ダート重賞2勝)、ラムジェット(ダート重賞1勝)などを輩出している、ダートに適性が高い血統です。
母の父フジキセキに似てピッチ走法なので、コーナーが4回あるローカルコースへの適性が高い血統配合です。
【ユティタム】Justify産駒トビが大きい
父Justify。母ジペッサ。母の父City Zip。
母ジペッサはファーストレディS(米国G1・芝8F)の優勝馬です。
父Justifyは北米三冠馬でG1を4勝、種牡馬としてもCity of Troy(USA)など6頭のG1馬を輩出して成功しています。
日本でもオーサムリザルトがエンプレス杯勝ち現在ダートでデビューから5連勝中です。
Justify産駒はトビが大きいの、ローカル小回りのコーナー4回がやや懸念されます。