【スプリンターズステークス2026 データ分析】危険な人気馬・勝ち馬の条件を徹底解剖!中山芝1200mの電撃戦を完全攻略
2026年9月27日(日)15時40分、中山競馬場・芝1200メートル(外回り)で第60回スプリンターズステークス(GI)が行われます。下半期の短距離王を決める、電撃の6ハロン戦です。夏を休養に充てた馬と、サマースプリントシリーズを経由してきた馬が激突する一戦。近年は波乱含みの決着が続いており、2025年は11番人気ウインカーネリアン、2024年は9番人気ルガル、2022年は8番人気ジャンダルムが優勝するなど、思い切った穴狙いが的中する舞台でもあります。ここでは、過去10年のデータを徹底分析し、コースの特徴、各データ傾向、そして「危険な人気馬の条件」「勝ち馬の条件」を詳しく解説します。
コース解説 中山芝1200m外回り


スプリンターズステークスの舞台となる中山芝1200メートル外回りは、前半と後半で様相が大きく変化する、特異なコース形態を持っています。スタート地点は、高低差の最も高い2コーナーを回りきって向正面に入ったところ。そこからバックストレッチを通り、3コーナー途中まで約500メートルで約4.4メートルの下り坂が続きます。この急な下り坂により、スタート直後から加速がつきやすく、テンから速くなりやすいのが最大の特徴です。さらに、外回りコースの3コーナーは角度が緩く、直線コース並みのスピードが出やすいため、GI特有の超ハイペースの消耗戦になる傾向があります。
4コーナーを回ると、ゴール前の直線はわずか310メートルと非常に短くなっています。直線は残り約180メートル地点まで緩やかな下り坂が続き、そこから残り70メートル地点にかけて、高低差2.2メートル・勾配率2.24パーセントという急坂が待ち受けます。110メートルで2.2メートルを上る、日本一の急勾配です。前半のハイペースを折り合って先行し、ゴール前の急坂でもスピードを持続して上りきる、ハイレベルな底力とパワーが求められます。強烈な前傾ラップと直線の急坂を考えると、一見、差し・追い込み馬が有利に思えますが、このレースではその常識が当てはまりません。直線が短いため、4コーナー出口で3番手以内につけていた馬の勝率が高く、そのまま押し切るパターンが多くなっています。今年はCコースが使用され、傷んだ芝がカバーされて良好な状態。近年、秋開催のCコースでは、Aコース・Bコースに比べて逃げ馬の好走確率が高くなっています。枠順では、ごちゃつかない6枠・7枠が狙い目で、ダッシュ力があれば最内1枠も純粋に有利。一方で、極端な大外枠や、馬群に包まれやすい2〜5枠で先行できない場合は、厳しい枠順となる傾向があります。
データ分析① 人気

過去10年の単勝人気別成績を見ると、1番人気から3番人気の3着内率が40パーセントから50パーセントでほぼ横並びとなっています。1番人気は【3-0-2-5】で勝率30.0パーセント・3着内率50.0パーセント、2番人気は【1-2-1-6】で3着内率40.0パーセント、3番人気は【3-2-0-5】で連対率50.0パーセントと、上位人気馬がしっかりと結果を残しています。3番人気以内の馬がそろって4着以下に敗れたのは、2022年と2024年の2回のみ。したがって、連複系の軸は3番人気以内の馬から選ぶのがベターな選択となります。
一方で、注目すべきは伏兵馬の激走です。昨年は11番人気のウインカーネリアン、2024年は9番人気のルガル、2022年は8番人気のジャンダルムが優勝しており、思い切った穴狙いも十分に面白い舞台です。2着・3着馬も下位人気まで幅広く分布しており、特に3着馬は過去10頭中5頭が7番人気以下の人気薄でした。配当面では、3連単で10万円以上の高配当が過去10年で半数の5回。特に近2年は29万円、130万円と大波乱の決着が続いています。逆に、3連単1万円未満の堅い決着はわずか1回のみで、波乱傾向が非常に強いレースといえます。軸は上位人気で堅く、ヒモには思い切って人気薄を加えるのが、このレースの馬券戦略の基本となりそうです。
データ分析② 年齢・前走

年齢別成績では、4歳馬が【4-4-4-26】と最多の4勝を挙げ、連対率21.1パーセント・複勝率31.6パーセントでともにトップの成績を残しています。しかも、3着以内馬12頭中8頭が牝馬と、若い牝馬の活躍が非常に目立っています。3歳馬も【1-2-1-15】で複勝率21.1パーセントと、4歳馬に次ぐ好成績。一方、5歳馬は【2-4-1-37】で複勝率15.9パーセント、6歳馬は【1-0-3-28】で同12.5パーセントと、年齢を重ねるにつれて複勝率が下がる傾向があります。選択に迷ったときは、4歳馬や3歳馬といった若い馬、特に牝馬を上位に取ると、的中率が上がりそうです。
前走レース別成績では、上半期のGI出走後にここまで休養していた馬の成績が際立って良好です。前走GI組は【3-2-1-8】で勝率21.4パーセント・複勝率42.9パーセント。特に、安田記念組は【2-0-1-4】で複勝率42.9パーセント、高松宮記念組は【1-1-0-2】で同50.0パーセントと、そこでの着順にかかわらず注目すべき存在です。前走セントウルステークス組は、出走数最多の【3-4-1-44】で連対率13.5パーセント。この組の好走馬8頭はすべて前走5着以内で、特に前走1着馬は【2-3-0-5】で連対率50.0パーセントと優秀です。出走数の多い北九州記念組は【2-1-1-17】で複勝率19.0パーセント、キーンランドカップ組は【1-1-4-35】で同14.6パーセントとなっています。夏のGⅢ組よりも、春のGIから直行してきた実績馬を重視するのが、このレースのセオリーです。
データ分析③ 脚質・枠順・騎手

優勝馬の脚質を見ると、直近5年の優勝馬は全て4コーナーで3番手以内のポジションにつけていました。2021年ピクシーナイト(1番手)、2022年ジャンダルム(2番手)、2023年ママコチャ(4番手)、2024年ルガル(2番手)、2025年ウインカーネリアン(2番手)と、いずれも前々でレースを進めた馬ばかり。しかも、これらの優勝馬は全て、過去にも逃げ・先行策でオープン特別以上のレースを勝った経験を持っていました。直線が短く、前が止まりにくいコース形態を考えると、先行力のある馬が圧倒的に有利です。
枠順については、ごちゃつかない6枠・7枠が狙いの枠で、ダッシュ力があれば最内1枠も純粋に有利。極端な大外枠は不利で、馬群に包まれやすい2〜5枠で先行できない場合は、一旦後ろに下がるため厳しい枠順となります。騎手別成績では、前走と同じ騎手が継続騎乗した馬が【8-8-5-74】で勝率8.4パーセント・複勝率22.1パーセントと、乗り替わり馬の【2-2-5-56】(複勝率13.8パーセント)を大きく上回っています。昨年も、3年以上にわたってウインカーネリアンの手綱を握り続けた三浦皇成騎手が、GI初制覇を遂げました。前走人気別でも、前走1番人気だった馬が【5-4-6-16】で複勝率48.4パーセントと非常に高く、前走3番人気以内だった馬が3着以内馬30頭中25頭を占めています。継続騎乗かつ前走上位人気という馬は、それだけで信頼度が高まります。
スプリンターズステークス 危険な人気馬の条件

過去10年のデータから、人気を裏切りやすい馬には、以下のような共通した傾向が見られます。
① 前走で騎手が乗り替わりとなった人気馬。継続騎乗馬が複勝率22.1パーセントに対し、乗り替わり馬は同13.8パーセントと大きく劣る。人気を背負う馬でコンビが解消された場合は、割引が必要。
② 前走が夏のGⅢ(北九州記念・キーンランドカップなど)で、前走着順が4着以下だった人気馬。夏のローテで力を出し切ってしまうと本番で凡走するジンクスがあり、実際にトウシンマカオやレシステンシアが該当した。
③ 5歳以上のベテラン人気馬。4歳馬(複勝率31.6パーセント)に比べ、5歳馬(同15.9パーセント)、6歳馬(同12.5パーセント)と複勝率が明確に下がる。実績だけで過信するのは危険。
④ 前走4番人気以下だった人気馬。前走3番人気以内だった馬が3着以内の大半を占める一方、前走4番人気以下だった馬は【1-0-4-70】で複勝率6.7パーセントと極端に低い。人気に見合う裏付けがない。
⑤ 極端な大外枠に入った人気馬、または内枠でも先行力に欠ける差し・追い込みタイプの人気馬。短い直線と前残りの傾向から、後方からの馬は展開に左右されやすい。
スプリンターズステークス 勝ち馬の条件

過去10年の優勝馬を分析すると、勝ち切る馬には以下のような明確な共通点があります。
① 4コーナーで3番手以内につけられる先行力を持つ馬。直近5年の優勝馬は全て4角3番手以内で、逃げ・先行策でオープン特別以上を勝った経験があった。前々でレースを進められることが絶対条件。
② 4歳馬、または3歳馬の若い世代。4歳馬が最多4勝・複勝率31.6パーセントでトップ、3歳馬も複勝率21.1パーセントと続く。特に牝馬の活躍が顕著。
③ 前走が上半期のGI(高松宮記念・安田記念・ヴィクトリアマイル)で、そこから直行してきた実績馬。着順を問わず好走率が高く、GI組は複勝率42.9パーセント。
④ 前走から継続騎乗する馬。継続騎乗馬が8勝と大半を占め、複勝率22.1パーセント。コンビの信頼関係が電撃戦では大きくものを言う。
⑤ ハイペースを先行しながらゴール前の急坂を踏ん張れる、底力とパワーを兼備した馬。前走が上位人気(3番人気以内)で、地力の裏付けがあることも重要な条件。
まとめ

スプリンターズステークス2026は、中山芝1200メートル外回りの電撃戦。前半のハイペースを先行しながら、日本一の急勾配を上りきる底力とパワーが問われる、ハイレベルな一戦です。データ上の中心は、4コーナー3番手以内の先行力を持ち、上半期のGIから直行してきた4歳・3歳の若い馬。継続騎乗かつ前走上位人気であれば、さらに信頼度が高まります。一方で、夏のGⅢで力を出し切った馬や、乗り替わりの5歳以上のベテラン人気馬は、危険な人気馬として警戒が必要です。ただし、近年は11番人気、9番人気、8番人気の優勝が続く波乱含みのレース。軸は上位人気で堅く、ヒモには思い切って人気薄を狙うのが、高配当を仕留めるカギとなりそうです。当日の枠順、馬場状態、オッズを確認して、狙いを定めてください。
【スプリンターズステークス2026 血統傾向】父ミスプロ系が主軸!フリッカージャブ、スターアニスに戴冠の魅力
2026年9月27日(日)15時40分、中山競馬場・芝1200メートル(外回り)で第60回スプリンターズステークス(GI)が行われます。下半期の短距離王を決める電撃の6ハロン戦。前半は下り坂で超ハイペース、後半は日本一の急勾配という特殊な条件から、求められる血統的な資質も明確です。ここでは、過去10年の血統データを徹底分析し、今年の出走予定馬への適用まで詳しく解説します。
血統傾向① 父の系統 ミスタープロスペクター系の牡馬が主軸
過去10年の父馬の系統別成績を見ると、ミスタープロスペクター系が5勝を挙げ、勝率9.8パーセント・複勝率25.5パーセントで一歩リードしています。注目すべきは、この5頭の勝ち馬がすべて牡馬だったという点。短距離のパワー勝負では、ミスプロ系の牡馬が持つ筋力とスピードが大きな武器となります。
一方、サンデーサイレンス系は【1-2-6-45】で勝率わずか2.2パーセント。複勝率は20.0パーセントあるものの、3着候補のイメージが強く、勝ち切るには物足りない数字です。対照的に、サンデーサイレンス系以外のヘイルトゥリーズン系は【2-0-0-11】で勝率18.2パーセントと、出走数こそ少ないものの高い勝率を誇り、単穴として狙う価値があります。ノーザンダンサー系は【2-1-1-39】で複勝率10.3パーセントとやや低調。ナスルーラ系は【0-2-0-13】で未勝利となっており、マイナス評価が妥当です。
まとめると、父の系統では、ミスタープロスペクター系の牡馬が最高評価。次いで、サンデーサイレンス系以外のヘイルトゥリーズン系が単穴候補。ナスルーラ系はマイナス評価となります。
血統傾向② 母父の系統 ナスルーラ系とミスプロ系の争い
母父としての勝率が高いのは、ナスルーラ系とミスタープロスペクター系です。母父ナスルーラ系は【3-0-3-27】で勝率11.1パーセント、母父ミスタープロスペクター系は【2-1-2-22】で勝率9.1パーセント・複勝率22.7パーセント。興味深いのは、牝馬の勝ち馬を出したのが、この2系統だけだという点です。牝馬を狙う場合は、母父がこの2系統であることがほぼ必須条件といえます。
母父サンデーサイレンス系は【3-3-0-48】で勝率6.3パーセント・複勝率12.5パーセントと数字は平凡ですが、牡馬に限れば【3-2-0-25】で勝率10.0パーセントとなるため、牡馬であれば狙う価値があります。母父ノーザンダンサー系は【2-5-4-48】で複勝率22.9パーセントと、2着・3着に絡むケースが多い系統です。一方、母父がサンデーサイレンス系以外のヘイルトゥリーズン系、およびその他の系統はマイナス評価となります。
血統傾向③ 父には2000m以上、母父には短距離かダートの実績
過去10年の勝ち馬の父と母父を詳しく見ると、非常に明確な傾向が浮かび上がります。勝ち馬の父で純粋な短距離タイプといえるのは、スウェプトオーヴァーボードだけ。むしろ、ジャパンカップを制したアドマイヤムーンやスクリーンヒーロー、三冠馬ディープインパクト、皐月賞・ダービー馬のドゥラメンテなど、2000メートル以上のGI勝ち鞍を持つ種牡馬の産駒のほうが、明らかに好成績を残しています。
一方で、母父は芝1200メートルから1600メートル、またはダート1800メートルのGIウィナーばかり。具体的には、キングヘイロー(芝1200メートル)、マイネルラヴ(芝1200メートル)、サンデーサイレンス(ダート1800〜2000メートル)、Tapit(ダート1800メートル)といった顔ぶれです。つまり、父が中距離以上の実績を持ち、母父が短距離型またはダート型という「中距離以上型×短距離型・ダート型」の配合こそが、このレースの黄金パターンなのです。父から持続力と底力を、母父からスピードとパワーを受け継いだ馬が、ハイペースの消耗戦と急坂を克服できるというわけです。
血統傾向④ 母父は海外色が濃く、ノーザンダンサーの血が必要
勝ち馬の母父には、海外種牡馬、輸入種牡馬、外国産馬が多いという特徴があります。実際、勝ち馬9頭中8頭は、母母父も海外種牡馬か輸入種牡馬でした。海外色が濃いほど有力といえそうです。
さらに注目すべきが、ノーザンダンサーの血の存在です。近5年の3着以内馬13頭を見ると、父がノーザンダンサー系が4頭、母父ノーザンダンサー系が5頭、母母父ノーザンダンサー系も5頭、そして5代前までにノーザンダンサーのインブリードを持つ馬が8頭に上ります。どれにも該当しないのは、昨年の勝ち馬ウインカーネリアンだけ(それも5×6のインブリードは保有)。したがって、ノーザンダンサーの血はどこかに必要と考えてよさそうです。中山芝1200メートルが求めるパワーと持続力に、ノーザンダンサーの血が寄与していると考えられます。
2026年 注目馬の血統適性
フリッカージャブは、今年最も血統的な魅力を感じさせる一頭です。父サートゥルナーリアは、ミスタープロスペクター系(ロードカナロアの系統)で皐月賞を制した実績馬。母ナイキトリックの父は、1200メートルで類まれな強さを発揮したサクラバクシンオー(ナスルーラ系)、母母父はFavorite Trickで、ノーザンダンサーの5×5インブリードも保有しています。父ミスプロ系の牡馬、母父ナスルーラ系、ノーザンダンサーの血と、必要な条件を幅広く満たしており、まさに理想的な配合。鞍馬ステークスを1分6秒4のコースレコードで制し、北九州記念、セントウルステークスと重賞を連勝中の勢いも魅力です。高速馬場でも重馬場でも苦にしない点も大きな強みで、連勝の勢いに乗って戴冠まで突っ走る可能性は十分にあります。
スターアニスは、父ドレフォンというミスタープロスペクター系の産駒。母エピセアローム、母父ダイワメジャーという血統で、母は阪神ジュベナイルフィリーズに出走した実績馬です。父ドレフォンは、アメリカのスプリント王で、パワーとスピードを伝える種牡馬。母父ダイワメジャーもマイル路線で活躍した血統で、スピードの裏付けは十分です。ただし、牝馬である点は、母父がナスルーラ系・ミスプロ系でない限り割引が必要というデータに照らすと、やや微妙な立ち位置。とはいえ、阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞を制したGI2勝の実績は、世代トップクラス。3歳馬という若さも、データ上はプラス材料です。
ルガルは、一昨年の勝ち馬で、父ドゥラメンテ、母アタブ、母父New Approachという血統。父ドゥラメンテは皐月賞・ダービーの二冠馬で、2000メートル以上のGI勝ち鞍を持つという条件をクリア。母アタブはアイルランド産で、母父New Approachも芝1400〜2400メートルのGI勝ち馬という海外色の濃い配合です。祖祖母イーストオブザムーンはフランスの最優秀3歳牝馬で、遠縁にリアルスティールやラヴズオンリーユーがいる良血。2024年の勝ち馬としての実績に加え、血統的な条件もしっかり満たしており、侮れない存在です。
ママコチャは、2023年の勝ち馬で、父クロフネ、母父キングカメハメハという血統。父クロフネは芝・ダート1600メートルとダート2100メートルのGI馬、母父キングカメハメハは芝1600メートル・2400メートルのGI馬と、まさに「中距離以上型×短距離・ダート型」の理想的な配合です。7歳という年齢は、データ上マイナス材料ですが、血統的な裏付けは確かなもの。セントウルステークス3着と、状態も上向いています。
ピューロマジックは、父アジアンエクスプレス(朝日杯フューチュリティステークス馬)、母メジェルダ、母父ディープインパクトという血統。父はミスタープロスペクター系に属しますが、牝馬である点と、母父がサンデーサイレンス系である点は、データ上はやや厳しい条件。過去2回のスプリンターズステークスはいずれも8着と、相性の面でも課題が残ります。
ウインカーネリアンは、昨年の勝ち馬で、父スクリーンヒーロー、母父マイネルラヴという血統。父はジャパンカップを制し芝2400メートルのGI勝ち鞍を持ち、母父マイネルラヴは芝1200メートルのGI馬と、条件に合致しています。ただし、ノーザンダンサーの血は5×6のインブリードのみで、9歳という高齢も大きな割引材料です。
まとめ
スプリンターズステークス2026の血統傾向をまとめると、最重要ポイントは「父ミスタープロスペクター系の牡馬」。過去10年で5勝を挙げ、その全てが牡馬という明確なデータが出ています。加えて、「父に2000メートル以上のGI勝ち鞍、母父に芝マイル以下かダート1800メートルのGI勝ち鞍」という中距離以上型×短距離・ダート型の配合、「母父や母母父が海外種牡馬」という海外色の濃さ、そして「ノーザンダンサーの血を保有」という3つの条件が、勝ち馬に共通する特徴です。これらを幅広く満たすのが、父サートゥルナーリア×母父サクラバクシンオーのフリッカージャブ。ノーザンダンサーの5×5インブリードも保有し、重賞連勝中の勢いもあります。父ドレフォンのスターアニス、血統条件を満たす一昨年の勝ち馬ルガル、理想的配合のママコチャも注目。血統的な適性と、当日の枠順・馬場状態を照らし合わせて、狙いを定めてください。

【スプリンターズステークス2026 競走馬情報】有力馬を徹底解説!電撃戦を制するのはどの馬か
2026年9月27日(日)15時40分、中山競馬場・芝1200メートル(外回り)で第60回スプリンターズステークス(GI)が行われます。下半期の短距離王を決める電撃の6ハロン戦。今年は重賞連勝中の上がり馬フリッカージャブ、桜花賞馬スターアニス、NHKマイルカップ馬パンジャタワー、そして過去の優勝馬ルガル、ママコチャ、ウインカーネリアンといった豪華なメンバーが集結しました。ここでは、有力各馬の情報を、1頭ずつ詳しく解説します。
フリッカージャブ 芝1200mは8戦6勝の充実ぶり

父サートゥルナーリア、母ナイキトリック、母父サクラバクシンオーという血統の4歳牡馬。栗東・西園翔太厩舎の所属で、通算成績は12戦7勝です。芝1200メートルに専念するようになってから8戦6勝と、物凄い充実ぶりを見せています。2026年シーズンは、重賞初挑戦のオーシャンステークスで6着と敗れましたが、次走の鞍馬ステークスでは2番手追走から直線で抜け出し、1分6秒4のコースレコードでオープン戦初勝利。続く北九州記念も好位から押し切って勝利し、管理する西園翔太調教師ともども、重賞初優勝を果たしました。
6着に敗れた4走前のオーシャンステークスが、今回と同じ中山芝1200メートルである点は気になる材料ですが、重賞初挑戦に加え、勝ち馬とわずか0秒3差だったことを考えれば、大目に見ることもできます。その後は3連勝を果たしており、特に前走のセントウルステークスは内容が秀逸でした。ピューロマジックが作ったハイペースのなか、2番手追走から抜け出し、1分6秒9(良)の時計で勝利。直線に急坂のある阪神で、ハイペースを先行しながら押し切った内容は、中山への好走を予感させるものです。西園翔太調教師も「規格外」と評価し、スプリンターズステークスでの短距離王獲りを狙います。血統面でも、父サートゥルナーリアはミスタープロスペクター系(ロードカナロアの系統)で、母父サクラバクシンオーは1200メートルで類まれな強さを発揮したナスルーラ系。データ上の好走条件を幅広く満たす配合です。高速馬場でも重馬場でも苦にしない点も大きな強みで、スプリンターズステークスでも好位で立ち回り、勝ち負けができるメドが立ちました。
スターアニス 桜花賞馬が1200mでも本領発揮

父ドレフォン、母エピセアローム、母父ダイワメジャーという血統の3歳牝馬。栗東・高野友和厩舎の所属で、2025年の阪神ジュベナイルフィリーズ、2026年の桜花賞を制したGI2勝馬です。JRA賞最優秀2歳牝馬にも選出された、世代を代表する存在といえます。
注目すべきは、デビュー2戦目の未勝利戦で、小倉芝1200メートルを7馬身差で圧勝している点。本来は1200メートルから1400メートルでも、高いパフォーマンスを発揮できるタイプです。今年の桜花賞では、淀みないペースのなか、高いスピード能力と抜群の決め手で突き抜け、1分31秒5(良)のタイムをマークしました。この地力の高さは、改めて評価すべきものです。オークスでは距離適性に疑問符がつき12着に敗れましたが、それは2400メートルという距離が原因であり、スプリント戦への短縮は、むしろ望むところでしょう。
父ドレフォンはアメリカのスプリント王で、ミスタープロスペクター系。パワーとスピードを伝える種牡馬です。母父ダイワメジャーもマイル路線で活躍した血統で、スピードの裏付けは十分。母エピセアロームは阪神ジュベナイルフィリーズに出走した実績馬で、母娘二代での戴冠という物語性もあります。実際には中山芝が初めてなので、やってみないと分からない面はありますが、追走に苦しむリスクは低く、斤量54キロという恩恵も大きな武器。3歳牝馬という、データ上も好成績の条件に該当しており、差し切るシーンは十分に考えられます。C.ルメール騎手とのコンビにも期待がかかります。
パンジャタワー 安定感があり連軸向き

父タワーオブロンドン、母クラークスデール、母父ヴィクトワールピサという血統の4歳牡馬。栗東・橋口慎介厩舎の所属で、2024年の京王杯2歳ステークス、2025年のNHKマイルカップ、キーンランドカップを制したGI馬です。母クラークスデールは未出走馬で、2019年のノーザンファーム繁殖牝馬セールにおいて税抜150万円で落札された馬。生まれた当初の評価は「目立たない」というものでしたが、チャンピオンヒルズの坂路で素晴らしい動きを見せ、周囲から「めちゃめちゃ走る」と評されるまでに成長しました。
2025年のキーンランドカップ1着以降、勝ち鞍はないものの、国内外で安定した走りを見せています。前走の2026年キーンランドカップは、前半600メートル34秒0に対し、後半600メートル33秒7というゆったりしたペースのなか、道中6番手から直線で末脚を伸ばして2着。斤量差と位置取りが敗因なので、全く悲観する必要はありません。安田記念でも上位争いを演じるなど、マイルから短距離まで幅広くこなす自在性が持ち味です。
今回はハイペース必至のメンバー構成で、差し脚を生かせる展開になりそうな点はプラス材料。中山芝1200メートルが初めてという点は鍵になりますが、上位争いできる可能性は非常に高いといえます。父タワーオブロンドンは2019年のスプリンターズステークス勝ち馬で、まさにこの舞台の申し子。母父ヴィクトワールピサは皐月賞・ジャパンカップ・ドバイワールドカップを制した名馬で、底力を伝えます。松山弘平騎手とのコンビで、安定感を武器に連軸としての信頼度は高い一頭です。
ワールズエンド 実績上位も1200mは初

5歳牡馬で、2026年の京王杯スプリングカップを逃げ切り勝ちした実力馬です。2走前の京王杯スプリングカップで逃げ切り勝ちを果たすと、前走の安田記念でも逃げて2着に粘りました。GIの厳しい流れを、逃げて2着に残すというのは、並みの馬ではなかなかできない芸当。スピード能力と底力は相当高いレベルにあることを証明しています。JRAが発表した特別登録馬のレーティングでは、117と出走予定馬のなかで最高値を記録しており、能力の高さは折り紙付きです。
課題は、キャリア初となる1200メートルという距離への対応です。近走は逃げて結果を出していますが、今回はスプリントGI特有の苛烈なハイペースになることが予想されます。マイル戦の逃げとは、求められるスピードの質がまったく異なるため、どの位置で立ち回ることができるかが最大の焦点。先行争いに巻き込まれないよう注意し、ある程度末脚を温存する必要があるかもしれません。
中山芝1200メートルは、前半に下り坂が続くため、テンから極端に速くなるコース。ここでハナを主張すると、直線の急坂で失速するリスクがあります。逆に、無理をせず好位で折り合えれば、マイルで培った底力が生きる可能性も十分。津村明秀騎手の手綱さばきが、大きなカギを握ります。実績はメンバー最上位クラスだけに、初距離をこなせるかどうかが、この馬の評価を分ける最大のポイントとなりそうです。
ウインカーネリアン 連覇を狙う9歳馬

父スクリーンヒーロー、母父マイネルラヴという血統の9歳牡馬。2025年のスプリンターズステークスで、GI初制覇を果たした昨年の覇者です。その2025年のスプリンターズステークスは、レースの前後半3ハロンが33秒7-33秒2という、異例の緩いペースでの決着。逃げたジューンブレアをマークしながら2番手で追走し、直線での叩き合いを制して、11番人気での戴冠を果たしました。三浦皇成騎手にとっても、GI127回目の挑戦での悲願の初タイトルでした。
今年9歳という高齢ながら、衰えは全く感じさせません。高松宮記念で3着と好走し、前走のキーンランドカップも、斤量59キロという酷量を背負いながら逃げ粘って3着に健闘しました。3年以上にわたって手綱を握り続ける三浦騎手との継続騎乗も、データ上は大きなプラス材料。過去10年のデータでも、継続騎乗馬は複勝率22.1パーセントと、乗り替わり馬を大きく上回っています。
中山芝1200メートル向きの機動力とスピードを兼ね備えており、コース適性は申し分ありません。血統面でも、父スクリーンヒーローはジャパンカップを制した芝2400メートルのGI馬、母父マイネルラヴは芝1200メートルのGI馬と、データが示す「中距離以上型×短距離型」の黄金配合に該当します。ただし、年齢別データでは7歳以上が複勝率11.1パーセントと厳しい数字。とはいえ、昨年も11番人気で勝利した実績を考えると、人気を落とすようなら妙味十分。今年も最初から最後まで、ハラハラさせてくれるレースが期待できそうです。
ルガル 2024年の優勝馬

父ドゥラメンテ、母アタブ、母父New Approachという血統の6歳牡馬。栗東・杉山晴紀厩舎の所属で、2024年のスプリンターズステークスを制した実績馬です。母アタブはアイルランド産で海外で1勝、祖祖母イーストオブザムーンはフランスの最優秀3歳牝馬という良血。遠縁には、ドバイターフを制したリアルスティールや、オークスほか海外GI3勝のラヴズオンリーユーがいます。
実績と地力は、今回のメンバーでもトップクラス。3走前のオーシャンステークスでは、前半600メートル32秒0というハイペースを2番手で追走し、一旦は先頭に立つも、最後に内から2頭に交わされて3着でした。ただし、斤量58キロを背負ってクビ+クビ差という内容は、勝ちに等しいもの。中山芝1200メートルでの適性の高さを、改めて示しました。近2走の海外GIの成績は度外視していいでしょう。
血統面でも、父ドゥラメンテは皐月賞・ダービーの二冠馬で「父に2000メートル以上のGI勝ち鞍」という条件をクリア。母父New Approachは芝1400〜2400メートルのGI馬で、海外色の濃い配合も、データが示す好走条件に合致しています。2024年に9番人気で勝利した際も、まさにこの血統的な裏付けがありました。鮫島克駿騎手とのコンビで、状態面に問題がなく、内から中枠を引いてうまく立ち回ることができれば、勝機も十分にあります。
ピューロマジック サマースプリントチャンピオン

父アジアンエクスプレス、母メジェルダ、母父ディープインパクトという血統の5歳牝馬。栗東・安田翔伍厩舎の所属です。2026年のサマースプリントシリーズで合計26ポイントを獲得し、2位のフリッカージャブを抑えて、同シリーズのチャンピオンに輝きました。アイビスサマーダッシュをコースレコードで制するなど、夏の短距離路線で圧倒的な存在感を示しています。
特に評価したいのが、前走のセントウルステークスです。自らハイペースを作って逃げ、フリッカージャブに交わされて2着に敗れましたが、直線に急坂がある阪神芝で連対した内容は、成長を示したといえます。これまでは平坦コースでの活躍が目立っていただけに、急坂を克服したことは、中山への大きな前進材料です。
ただし、中山芝1200メートルの成績は【0-0-0-3】と、まだ結果が出ていません。過去2回のスプリンターズステークスは、いずれも8着に終わっています。父アジアンエクスプレスは朝日杯フューチュリティステークスを制したミスタープロスペクター系ですが、牝馬である点と、母父がサンデーサイレンス系である点は、血統データ上はやや厳しい条件。とはいえ、充実した今の状態ならば、これまでとはひと味違うレースを見せてくれるかもしれません。岩田望来騎手とのコンビで、逃げて粘り込む形に持ち込めるかが焦点です。
ペアポルックス 中山芝1200mは得意

5歳牡馬で、2026年のオーシャンステークスを制した実力馬です。2025年のスプリンターズステークスでは、スタートでやや後手を踏んで後方追走となり、直線は大外に持ち出されて上がり3ハロン32秒8という素晴らしい脚を使いましたが、13着に敗れました。位置取りが全てだった一戦といえます。
2走前のオーシャンステークスでは、その反省を生かした好騎乗が光りました。2枠3番からスタートしてインの後方で脚を溜め、直線は最内の狭いスペースから伸びて、見事に差し切り勝ち。中山芝1200メートルでの成績は【2-1-0-1】と、得意としているコースです。直線が短く、前が止まりにくいこのコースでは、内の経済コースを通れるかどうかが明暗を分けます。
引き続き岩田康誠騎手が騎乗予定で、オーシャンステークスと同じような、インを突く競馬ができるかが最大のポイント。もし内枠を引くことができれば、警戒が必要な存在です。逆に外枠を引いた場合は、昨年のように大外を回らされるリスクがあり、評価を下げる必要があるでしょう。過去10年のデータでも、極端な大外枠は不利とされており、枠順が明暗を分ける一頭。人気を落とすようなら、内枠を引いた際の一発に期待したいところです。
ママコチャ 2023年の優勝馬

父クロフネ、母父キングカメハメハという血統の7歳牝馬。栗東・池江泰寿厩舎の所属で、2023年のスプリンターズステークスを制した実績馬です。重賞勝ちは、2023年のスプリンターズステークスと2025年のオーシャンステークスで、いずれも中山芝1200メートル。このコースへの適性は、実績が何よりも証明しています。
その他のコースでも、比較的安定した成績を残しているのが強み。2026年の高松宮記念こそ、スタートダッシュが決まらず直線大外から追い上げる展開となり9着に敗れましたが、前走のセントウルステークスでは、1枠1番の好枠を生かして3着に入りました。フリッカージャブ、ピューロマジックという充実した2頭に次ぐ3着は、7歳牝馬としては上々の内容です。
血統面では、父クロフネが芝・ダート1600メートルとダート2100メートルのGI馬、母父キングカメハメハが芝1600メートル・2400メートルのGI馬と、データが示す「中距離以上型×短距離・ダート型」の理想的な配合。母父がミスタープロスペクター系である点も、牝馬の勝ち馬を出している系統として、プラス材料です。7歳という年齢はデータ上マイナスですが、高いレベルで力をキープしています。武豊騎手とのコンビで、展開や枠番に恵まれれば、十分に上位争いはできるはずです。
レイピア 勝ち切る決め手が課題も安定感がある

父タワーオブロンドンという血統の4歳牡馬。中央5勝を挙げ、2026年のオーシャンステークス2着、シルクロードステークス2着、函館スプリントステークス3着、葵ステークス3着と、重賞でコンスタントに好走を続けています。2025年には会津ステークスを制してオープン入りを果たしました。JRAレーティングは111と、能力の高さは確かなものです。
課題は、重賞で勝ち切れていない点。オーシャンステークス、シルクロードステークスとあと一歩のところで敗れており、決め手不足が指摘されています。とはいえ、複数の重賞で掲示板を外さない安定感は、大きな評価ポイント。特に、今回と同じ中山芝1200メートルが舞台のオーシャンステークスで2着という実績は、コース適性の高さを示しています。
父タワーオブロンドンは、2019年のスプリンターズステークスを制した名スプリンター。同じ父を持つパンジャタワーとともに、この舞台への適性を血統的にも受け継いでいます。横山武史騎手とのコンビで、今回はGI初挑戦となりますが、ハイペースの消耗戦になれば、持ち前の安定感が生きる可能性も。展開次第では、馬券圏内に食い込む力は十分に秘めています。人気を落とすようなら、連下の押さえとして警戒したい一頭です。
まとめ

スプリンターズステークス2026は、実に多彩なメンバーが集まった、混戦模様の一戦です。中心は、芝1200メートルで8戦6勝という抜群の充実ぶりを見せ、重賞連勝中のフリッカージャブ。血統的にもデータ上の好走条件を幅広く満たしており、好位から押し切る形に期待がかかります。相手には、1200メートルで7馬身差の圧勝歴を持つ桜花賞馬スターアニス、安定感が光るNHKマイルカップ馬パンジャタワー。過去の優勝馬であるルガル、ママコチャ、ウインカーネリアンも、コース適性と血統的裏付けを持つ侮れない存在です。マイルGIで逃げて2着のワールズエンドは、初距離が焦点。内枠を引いた際のペアポルックス、安定感のあるレイピアにも注意が必要です。各馬の適性と枠順、そして当日の馬場状態を照らし合わせて、狙いを定めてください。
【スプリンターズステークス2026 血統分析】今年も警戒「内枠のロベルト」!全18頭の血統を徹底解剖
2026年9月27日(日)15時40分、中山競馬場・芝1200メートル(外回り)で第60回スプリンターズステークス(GI)が行われます。血統面で近年最も注目すべき傾向が、「内枠に入ったロベルトの血を引く馬」の好走です。2021年ピクシーナイト(父モーリス、2枠4番)、2022年ジャンダルム(父キトゥンズジョイ、1枠2番)、2023年ママコチャ(父クロフネ、3枠6番)と、3年連続で「内枠のロベルト」が優勝しました。2024年も4番人気3着ナムラクレア(3枠5番)、2025年も14番人気5着ヨシノイースター(1枠2番)と、ここ2年も内枠のロベルトは好走を続けています。
2025年は馬単16→13というスプリンターズステークスにしては珍しい外枠同士の決着でしたが、これは前後半33秒7-33秒2という後傾ラップの「行った行った」によるもの。しかも勝ったウインカーネリアンは、ロベルト系スクリーンヒーローの産駒でした。外枠を引いた馬が勝ち負けするには、ウインカーネリアン、ルガル、ジューンブレアのように先行するしかありません。枠順確定後は、ロベルトの血の有無と枠の組み合わせに要注目です。ここでは、有力各馬の血統を1頭ずつ詳しく解説します。
アイサンサン

アカイイトやエニシノウタの全妹で、ステキナシャチョウの姪にあたる4歳牝馬です。母ウアジェトはJRA2勝(芝1600〜1800メートル)。父キズナは2年連続でリーディングサイアーに輝いた名種牡馬で、キズナ×シンボリクリスエスという組み合わせは、ソングライン、ジューンテイク、タイトニットなどと同じ配合パターン。高確率でオープン級の活躍馬が出ている、いわゆる「ニックス」と呼べる組み合わせです。
注目すべきは、母父シンボリクリスエスがロベルト系であるという点。つまり、この馬は「ロベルトの血を引く馬」に該当し、内枠を引けば近年の好走パターンにぴたりと当てはまります。全姉のアカイイトはエリザベス女王杯を制した中距離馬でしたが、本馬は全姉たちよりもミスワキのマイラーっぽさが強く出ており、芝1400メートルの愛知杯を逃げ切って重賞初制覇を果たしました。スピードと先行力に優れたタイプです。
前走のヴィクトリアマイルは痛恨の出遅れで万事休す。持ち味の先行力を発揮できませんでした。今回は1200メートルのGIで、他馬のテンのスピードも一段と速くなりますが、自分の形で運べるかどうかが最大の焦点。スタートを決めて先行でき、内枠を引ければ、ロベルトの血を持つ馬として一発の魅力があります。幸英明騎手とのコンビで、枠順次第で評価を大きく上げたい一頭です。
ウインカーネリアン

昨年の覇者で、ウインアイオライトの全兄、ウインルチルやウインシトリンの半弟にあたる9歳牡馬です。母コスモクリスタルはJRA4勝をすべて芝1200メートルで挙げた短距離馬で、母母クリスチャンネームは函館3歳ステークス3着の実績を持っています。母系は生粋のスプリント血統です。
父スクリーンヒーローはジャパンカップを制した中距離馬で、ロベルト系。アウトブリードの母に、ノーザンダンサー4×4とヘイルトゥリーズン4×4を持つスクリーンヒーローを配したことが奏功しました。「父中距離×母短距離」らしい先行脚質を受け継ぎ、昨年のスプリンターズステークスでは、前後半33秒7-33秒2という後傾ラップの流れに持ち込み、まんまと行った行ったで押し切りました。外枠(16番)からでも勝ち切れたのは、この先行力があったからこそです。
母も自身もアウトブリードで、典型的な遅咲きのスプリンター。9歳になった今も先行力と粘りは健在で、高松宮記念3着、前走キーンランドカップでも斤量59キロを背負って逃げ粘り3着と、衰えは感じられません。ロベルトの血を持ち、しかも先行できるという、近年の好走パターンを二重に満たす存在。年齢的な割引は必要ですが、内枠を引けばもちろん、外枠でもハナか2番手を取れれば連覇の可能性は十分にあります。三浦皇成騎手との継続騎乗も心強い材料です。
エーティーマクフィ

ブライトルピナスの半兄で、サダムリスペクトの甥にあたる7歳牡馬です。母テンシンランマンはJRA2勝(芝1800メートル)。父マクフィは英2000ギニーを制したドバウィ産駒で、日本ではメイクビリーヴ、ヴァルツァーシャル、シリウスコルト、イミグラントソングなど、多彩な活躍馬を送り出しています。
本馬はアウトブリードの晩成型で、6歳にして芝短距離で覚醒したという珍しい経歴の持ち主。血統的には、トニービン、テスコボーイ、ミルリーフといった、いわゆる「ナスペリオン」的な持続力のある末脚が最大の武器です。近2走も前残りの展開をしっかりと詰めてきており、脚力の高さは確かです。父系はミスタープロスペクター系(ドバウィはシーキングザゴールド経由)に属し、スプリンターズステークスで最多勝を誇る父系に該当する点は好材料といえます。
ただし、中山芝1200メートルは直線が310メートルと短く、外から差しやすいイメージのコースではありません。持続力のある末脚を生かすには、前が崩れるハイペースになるか、内で脚を溜めて直線でうまく捌くかが必要になります。先行争いが激しくなりそうな今年のメンバー構成は、差し馬にとって追い風となる可能性もあります。富田暁騎手とのコンビで、ハイペースの消耗戦になれば、晩成スプリンターの末脚が炸裂するシーンも考えられます。
サウンドモリアーナ

サウンドアレグリア(父キズナ)の3/4妹で、サウンドムーブの叔母にあたる4歳牝馬です。母サウンドリアーナはファンタジーステークスを制し、ユニコーンステークスでも2着に入った実績馬。芝・ダートを問わず走った母の能力を受け継いでいます。
父ミッキーアイルはマイルチャンピオンシップとNHKマイルカップの勝ち馬で、特に牝駒はナムラクレア、メイケイエール、ララクリスティーヌなど、芝短距離でしなやかかつ鋭敏な走りを見せる馬が多いのが特徴です。本馬もディープインパクト×ゴーンウエスト×ダンシングブレーヴのしなやかさで走るタイプで、スプリンターズステークスで3年連続3着以内に好走したナムラクレアに近いタイプといえます。ミッキーアイル産駒の牝馬がこのレースで好走してきた実績は、大きな強調材料です。
脚質面では、位置取りにはあまりこだわらず、前走のキーンランドカップのように後傾ラップで運びたいところ。前半無理をせず、後半の脚を生かす形が理想です。ナムラクレアがこのレースで何度も馬券に絡んだように、しなやかな末脚は中山の急坂でも通用する可能性があります。優先出走権を持つ上がり馬として、吉田隼人騎手とのコンビで、4歳牝馬という好走データにも該当する存在。展開が向けば上位争いに加わる力を秘めています。
ジューンブレア

欧州の名門牝系に連なる5歳牝馬です。ミドルパークステークス(英GI・芝6ハロン)を制したダッチアートや、ブランドフォードステークス(愛GII・芝10ハロン)のアップの甥にあたり、レイクプラシドステークス(米GII)のアスプレイや、フィーニクスステークス(愛GI)2着のコングラチュレーションのイトコという良血です。
父アメリカンファラオは北米三冠馬で、日本ではカフェファラオ、ルクソールカフェ、ダノンファラオなどを送り出しています。母父ガリレオという欧州最強血統との組み合わせですが、本馬はストームキャットと牝系の影響が強く出た短距離体型。手先が軽く、バネのある走りで、高速決着に自信を持つタイプです。父系は北米のミスタープロスペクター系(エンパイアメーカー経由)で、このレース最多勝の父系に該当します。
昨年のスプリンターズステークスでは、逃げて2着に粘り込みました。前後半33秒7-33秒2の後傾ラップで、ウインカーネリアンにアタマ差だけ交わされた惜敗でした。控える競馬もできる器用さがあり、枠順や展開に応じて臨機応変に立ち回れるのが強み。外枠からでも先行して勝ち負けできることは、昨年の結果が証明しています。坂井瑠星騎手とのコンビで、今年も絶妙に立ち回って前残りを狙いたい一頭です。
スターアニス

今年の桜花賞馬で、バルサムノートやシトラスノートの半妹、アッラサルーテの姪、アスティスプマンテのイトコにあたる3歳牝馬です。カポーティスターも近親という良血。母エピセアロームは、セントウルステークスと小倉2歳ステークスを制した短距離の重賞ウイナーで、スプリント適性は母から色濃く受け継いでいます。
父ドレフォンは、ミッキーファイトやジオグリフなどを送り出すストームキャット系の種牡馬で、自身は米国のスプリントGIを制した快速馬。父も母父ダイワメジャーも、そして牝系もマイラーという構成で、桜花賞ではまさに完勝でした。母系にリヴァーマンが入る牝馬のため、斬れ味は十分。長い直線で追って味があるのが最大の長所です。
一方で、1200メートルのGIでは、他馬のテンのスピードが一段と速くなるため、マイル戦よりももう少し後ろからの競馬になりそうです。直線の短い中山で、どこまで差し込めるかが焦点。2020年のグランアレグリアは、マイル女王がスプリンターズステークスを後方から大外一気でナデ斬ったレースでしたが、本馬もそのような走りができるかどうか。2歳時に小倉芝1200メートルを7馬身差で圧勝した実績があり、スピード負けの心配は少ないタイプ。斤量54キロの恩恵も大きく、C.ルメール騎手の手綱で、グランアレグリアの再現を狙います。
パンジャタワー

NHKマイルカップ、キーンランドカップを制した4歳牡馬です。ロジユニヴァースの甥にあたり、牝祖ソニンクは直仔にノーザンリバーやランフォルセ、孫にディアドラやジューヌエコール、曾孫にソングラインやスキルヴィングなどを送り出した、日本を代表する名繁殖牝馬。ソングラインとの縁も感じさせる、スケールの大きな牝系です。
父タワーオブロンドンは2019年のスプリンターズステークスを制した名スプリンターで、本馬のほかレイピアやフェリチタなどを輩出しています。ゴーンウエスト系で、スプリンターズステークス最多勝のミスタープロスペクター系に該当。母はマキャベリアン3×3を持ち、父とグリーンデザートの影響が強い短距離体型に出ています。斬れ味でしなやかに差すところは父とよく似ており、ダルシャーンの血による差し脚が持ち味です。
前走の高松宮記念は、最内枠から少し行きすぎた感があり、持ち味の斬れを発揮しきれませんでした。今回はもう少し構えて、斬れで差したいところです。父がこのレースを勝っているという血統的な裏付けは何よりも心強く、中山芝1200メートルは初めてでも、父譲りの適性に期待が持てます。ハイペース必至のメンバー構成は、差し脚を生かしたいこの馬にとって追い風。松山弘平騎手とのコンビで、父子制覇を狙います。
ピューロマジック

メディーヴァルの全弟に続く良血牝馬で、バグラダスの半妹、タイセイブリリオやメルテッドハニーのイトコにあたる5歳牝馬です。母メジェルダはファンタジーステークス2着の実績を持ち、母父はディープインパクト。芝適性は母譲りといえます。
父アジアエクスプレスはヘニーヒューズの代表産駒で、ソロユニットやドンインザムードなどを輩出。ストームキャットやデピュティミニスターをクロスする父母相似配合で、前駆の力強い走りが特徴です。注目すべきは、全7勝がすべて非急坂コースで挙げたものだという点。特に6〜9月の非急坂芝1200メートル以下では5戦全勝(うち重賞4勝)と、完全な「平坦夏女」です。今夏はアイビスサマーダッシュをコースレコードで制し、サマースプリントシリーズの王者に輝きました。
前走のセントウルステークスでは、開幕週の高速馬場を逃げまくって2着に粘りましたが、直線の急坂ではやはり失速気味でした。中山芝1200メートルは日本一の急坂を持つコースで、同コースの成績は【0-0-0-3】、過去2回のスプリンターズステークスはいずれも8着。血統的にも、急坂のある中山ではパフォーマンスを落とす傾向がはっきりしています。岩田望来騎手とのコンビで、ハナを切ってレースのペースを握る存在にはなりますが、評価は割り引いて考えたい一頭です。
フリッカージャブ

重賞連勝中の短距離路線の新星、4歳牡馬です。ナイトバナレットやテーオーレイチェルの甥で、テーオーパスワードのイトコにあたります。母ナイキトリックはJRA1勝(ダート1000メートル)、母母ナイキフェイバーはJRA3勝(芝・ダート1200メートル)と、母系は一貫して短距離血統です。
父サートゥルナーリアは名牝シーザリオの息子で、自身は皐月賞馬。ロデオドライブ、カヴァレリッツォ、ショウヘイなどを送り出しています。父の父ロードカナロアは世界の短距離王で、ミスタープロスペクター系(キングマンボ経由)。母父サクラバクシンオーは、1200メートルで類まれな強さを発揮した日本スプリント界の象徴的存在です。父系のロードカナロアと母父サクラバクシンオーの影響が色濃く出たスピード型で、さらに母方の北米パワーも受け継いでおり、重馬場や急坂を苦にしません。北九州記念、セントウルステークスと異なる条件の重賞を連勝できたのも、この万能性があってこそです。
課題があるとすれば精神面です。前走のセントウルステークスは、ピューロマジックが大逃げを打ったため、離れた2番手でハナを切っているような形になりました。GIの本番では、周りに馬がいる状況で落ち着いて走れるかどうか。課題はそこだけだろうと言えるほど、血統・能力ともに充実しています。西村淳也騎手とのコンビで、スプリント王の座を狙います。
ブラックチャリス

ロジチャリスやグレイルのイトコにあたる3歳牝馬です。母ゴールドチャリスはJRA3勝(芝1200〜1400メートル)の短距離馬。牝祖シルバーレーンの子孫には、ブラックホーク、ピンクカメオ、ステイフーリッシュなど多くの活躍馬がおり、底力のある名門牝系です。
父キタサンブラックは年度代表馬で、イクイノックスやクロワデュノールなど多くの名馬を輩出した大成功種牡馬。父がリファール4×4、母方にヌレイエフ4×3、そして母母がノーザンダンサーを持たないという、クロスの形としては非常に好ましい配合です。父中距離×母短距離という組み合わせで、先行力と機動力に優れた脚質に出ています。スプリンターズステークスの勝ち馬に多い「父に2000メートル以上のGI勝ち鞍」という条件も満たしています。
ただし、1200メートルのGIとなると、他馬のテンのスピードが一段と速くなります。先行力が持ち味とはいえ、スプリントの専門家たちとまともに先行争いをすると、息を入れられずに苦しくなる可能性が高いでしょう。むしろ差しに回ってやれるかどうかが焦点です。3歳牝馬で斤量54キロの恩恵がある点は好材料。浜中俊騎手とのコンビで、控える競馬で新味を見せられるか注目です。
ペアポルックス

母母イルバチオがアイビスサマーダッシュの勝ち馬という、スプリント色の濃い牝系の5歳牡馬です。牝祖マタティナからは名種牡馬ミルジョージなどが出ており、底力も備えた牝系です。
父キンシャサノキセキは高松宮記念を連覇した最優秀短距離馬で、サクセスエナジー、シュウジ、ガロアクリークなどの父。本馬はサンデーサイレンス3×3、リファール4×5という、スプリンター×スプリンターの父母相似配合で、純度の高いスプリント血統といえます。今年のオーシャンステークスを、中山芝1200メートルで最内から差し切ったように、中山芝1200メートルは【2-1-0-1】と得意のコースです。
血統的な注意点は、馬場状態です。キンシャサノキセキ産駒らしく渋った馬場は苦手で、芝1200メートルの良馬場で勝ち時計が1分7秒台前半の決着では【2-2-1-4】と好成績を残しています。つまり、高速馬場の高速決着になってこそ持ち味が生きるタイプ。今年のスプリンターズステークスが、良馬場の高速決着になるかどうかが大きなカギを握ります。岩田康誠騎手とのコンビで、内枠を引いて良馬場なら、得意の中山で一発を狙える存在です。
ママコチャ

2023年のスプリンターズステークス優勝馬で、白毛の女王ソダシの全妹にあたる7歳牝馬です。ユキチャンやシロニイの姪、アマンテビアンコやハヤヤッコのイトコで、メイケイエールも近親という華やかな一族。母ブチコはJRA4勝をすべてダート1800メートルで挙げました。
父クロフネは、カレンチャン、アエロリット、ホエールキャプチャなどを送り出した名フィリーサイアー。2023年の優勝時は3枠6番という内枠で、まさに「内枠のロベルト」の好走例のひとつでした。全姉ソダシがマイルで活躍したのに比べると、本馬はフレンチデピュティとキングマンボのパワーで短距離を走破するイメージで、ベスト距離は1400メートルとみられます。母父キングカメハメハはミスタープロスペクター系で、牝馬の勝ち馬を出している系統に該当する点も好材料です。
気になるのはローテーションです。クロフネ産駒らしい夏馬で、セントウルステークスからスプリンターズステークスというローテーションは3年連続。しかし過去2年は、スプリンターズステークスで着順を落としています。夏場に調子のピークを迎えるタイプだけに、9月末の本番では下降線に入っている可能性も否定できません。7歳という年齢も含めて慎重に評価したいところですが、内枠を引けば、2023年の再現を狙える血統的な裏付けがあります。武豊騎手とのコンビに注目です。
ルガル

2024年のスプリンターズステークス優勝馬で、ヴィンテージステークス(英GII・芝7ハロン)2着イブンマリクの甥にあたる6歳牡馬です。3代母イーストオブザムーンは仏オークスなどを制した名牝で、その子孫にはアルファセントーリやアルパインスターといった欧州GI馬が並びます。キングマンボやラヴズオンリーユーも同じ牝系に属する、世界的な名門です。
父ドゥラメンテは皐月賞・ダービーの二冠馬で、キングマンボの孫。そのため本馬は名牝ミエスク4×4のクロスを持っています。キングマンボ、ストームキャット、アホヌーラといったスプリント資質がオンになった馬で、立ち肩でやや重心が高く、パワーとピッチでごり押しする脚質が特徴。中山の急坂にも負けない力強さを持っています。父系はミスタープロスペクター系で、このレース最多勝の父系に該当します。
2024年は13番という外枠から先行し、9番人気で優勝しました。外枠を引いた馬が勝ち負けするには先行するしかないという傾向を、まさに体現した勝利です。今年のオーシャンステークスでも、前半600メートル32秒0のハイペースを2番手で追走し、斤量58キロでクビ+クビ差の3着と、力の衰えは見られません。鮫島克駿騎手とのコンビで、今年も正攻法の先行押し切りで、2年ぶりの戴冠となる「飛び石連覇」を狙います。
レイピア

2007年キーンランドカップの勝ち馬クーヴェルチュールを祖母に持つ4歳牡馬です。母アンナトルテはJRA1勝(芝1200メートルの新馬戦)で、祖母クーヴェルチュールはライデンバローズなどの母。京王杯2歳ステークス勝ち馬のスキップジャックも近親にあたります。
父タワーオブロンドンは、2019年のスプリンターズステークスを制したゴーンウエスト系の名スプリンターで、初年度からNHKマイルカップ馬パンジャタワーを輩出しました。本馬も父やパンジャタワーと似たタイプですが、母父がエンパイアメーカーのため、よりパワー質に振れているのが特徴です。父子ともにミスタープロスペクター系に属し、このレースで実績のある父系です。
CBC賞2着やオーシャンステークス2着など、高速決着の重賞でも安定して上位に来ています。ただし血統的なイメージとしては、上がりがかかる展開のほうがしぶとく差せるタイプ。パワー寄りの血統構成から、時計のかかる馬場やハイペースの消耗戦で持ち味が生きそうです。重賞で勝ち切れていない点は課題ですが、今年のオーシャンステークス2着で中山芝1200メートルへの適性は証明済み。横山武史騎手とのコンビで、父が制したこの舞台で、重賞初制覇をGIで飾れるか注目です。
レッドモンレーヴ

名門エアグルーヴ牝系の7歳牡馬です。ランフォザローゼスの3/4弟で、カランドゥーラの半弟。さらにルーラーシップ、アドマイヤグルーヴ、フォゲッタブルの甥で、ドゥラメンテやアンドヴァラナウトのイトコにあたるという、日本屈指の良血です。
父ロードカナロアは世界の短距離王で、母父はディープインパクト。この牝系のロードカナロア産駒にはグルーヴィットがおり、ジュンライトボルトも同じ牝系。キングカメハメハ父系×エアグルーヴ牝系という組み合わせは、まさに「鉄板」と呼べる相性の良さを誇ります。父系はミスタープロスペクター系で、このレースで最多勝を挙げている系統です。
脚質面では、高速馬場で脚を溜めると、しなやかかつ鋭敏に斬れるタイプ。京王杯スプリングカップでは毎年上がり1位の脚を使って好走しています。1200メートルでは、今年の高松宮記念のように、前後半34秒1-32秒5という後傾ラップで走破して差すのが理想の形で、実際に高松宮記念では2着に好走しました。スプリンターズステークスが後傾ラップの流れになれば、斬れ味を存分に発揮できるはず。酒井学騎手とのコンビで、名門牝系の底力を見せたいところです。
ワールズエンド

レーティング117で出走予定馬中の最高値を持つ5歳牡馬です。アランカールの半兄で、シンハライトやアダムスピーク、スリーパーダの甥、アヌラーダプラのイトコにあたる良血。母リラヴァティはマーメイドステークスの勝ち馬で、母母シンハリーズはデルマーオークス(米GI・芝9ハロン)を制した名牝です。
父ロードカナロアは世界の短距離王で、アーモンドアイやパンサラッサなど多彩な名馬を輩出しています。本馬は体型的には父似で、母がヘイロー3×4を持つことから機動力は抜群。京王杯スプリングカップを逃げ切り、安田記念でも逃げて2着に粘るなど、マイル路線で高い能力を示してきました。父系はミスタープロスペクター系で、このレースで最多勝の父系に該当します。
課題は、キャリア初となる1200メートルへの対応です。俊敏な馬なので1200メートルでも先行はできるでしょうが、スプリントGIでハナまで行ってしまうと、息が入らずに失速するリスクがあります。昨年のスワンステークスでも、行きすぎて失速した経験があります。むしろ控えて差しに回れるかどうかが、この馬の評価を分ける最大のポイント。津村明秀騎手とのコンビで、マイルで培った底力を、差しに回ることで生かせるか注目です。
フロムダスク

今年のCBC賞で重賞初制覇を果たした6歳牡馬です。父Bolt d’Oro、母Foolish Cause、母父Giant’s Causewayという、純粋なアメリカ血統の持ち主。2歳時に京王杯2歳ステークス2着と早くから能力を示し、サウジダービーにも挑戦した経歴がありますが、その後は長いスランプに陥り、5歳春まで馬券圏内から遠ざかっていました。
父Bolt d’Oroは米国のGI馬で、スペクタキュラービッドの系統を引く種牡馬。産駒のJRA重賞制覇は本馬が初めてとなりました。母父Giant’s Causewayはストームキャット系で、スプリンターズステークスの好走馬に多いストームキャットの血を持っています。米国血統らしい、スピードと前向きな気性を兼ね備えたタイプで、CBC賞では2着レイピアを抑えて抜け出す強い競馬を見せました。
母父・母母父ともに海外種牡馬という、このレースの勝ち馬に共通する「海外色の濃い母系」にも該当しています。ただし、登録段階では除外対象の1番手となっており、出走できるかどうかは回避馬の有無次第です。出走が叶えば、森秀行厩舎らしい思い切った競馬で、復活劇の続きを見せてくれる可能性もあります。
ヨシノイースター

昨年のスプリンターズステークスで、14番人気ながら1枠2番から5着に好走した8歳牡馬です。父ルーラーシップ、母アースプレイ、母父ゼンノロブロイという血統。父ルーラーシップはキングカメハメハ×エアグルーヴという名血で、クイーンエリザベス2世カップを制した中距離馬です。
血統構成を見ると、父は中距離のGI馬で、スプリンターズステークスの勝ち馬に多い「父に2000メートル以上のGI勝ち鞍」を持つ種牡馬という条件を満たしています。昨年の5着は、まさに「内枠のロベルトの血を引く馬」の好走例として挙げられる内容でした。人気薄でも、内枠を引いた際には侮れない存在です。
ただし、今年は登録段階で除外対象となっており、出走できるかどうかは回避馬の状況次第。出走が叶い、再び内枠を引くようなことがあれば、昨年のような人気薄での激走を警戒すべき一頭です。8歳という年齢は大きな割引材料ですが、中山芝1200メートルで結果を残した実績と、血統的な好走パターンは見逃せません。
まとめ

スプリンターズステークス2026の血統的な最大のテーマは、「内枠のロベルト」です。2021年から2023年まで3連勝し、ここ2年も好走を続けているこのパターンに該当する今年の候補は、昨年の覇者ウインカーネリアン(父スクリーンヒーロー)、母父シンボリクリスエスのアイサンサン、2023年の覇者ママコチャ。枠順確定後に、この3頭が内枠を引くかどうかは大きなチェックポイントです。一方、外枠を引いた馬が勝ち負けするには先行が絶対条件で、ルガル、ジューンブレア、フリッカージャブなど先行力のある馬は、枠を問わず注意が必要です。血統的な完成度では、父系ロードカナロア×母父サクラバクシンオーのフリッカージャブ、父がこのレースを制したパンジャタワー、世界的名門牝系のルガルが上位。高速決着ならペアポルックス、後傾ラップならレッドモンレーヴと、馬場・展開別の狙い馬もはっきりしています。枠順と当日の馬場を照らし合わせて、血統から狙いを絞ってください。
【スプリンターズステークス2026 追い切り分析】全16頭の最終追い切りを徹底検証!好仕上がりはこの馬だ
2026年9月27日(日)15時40分、中山競馬場・芝1200メートルで第60回スプリンターズステークス(GI)が行われます。GI馬5頭が集結した豪華メンバーによる電撃の6ハロン戦。9月23日(水)に行われた最終追い切りでは、栗東・美浦ともに良馬場でしっかりとした時計が出ており、各馬の状態を見極める絶好の材料が揃いました。1週前追い切りが重馬場・不良馬場で行われたため時計の比較が難しかっただけに、今週の動きこそが本当の仕上がりを映し出しています。ここでは、全16頭の最終追い切りを1頭ずつ詳しく分析します。
アイサンサン(牝4/幸英明)

1週前は栗東坂路の重馬場で、幸英明騎手が騎乗して800メートル53秒1-38秒3-25秒2-13秒0を末強めでマーク。幸騎手は「追い切り自体は初めて乗せてもらいました。時計のかかる馬場でしたが、デキは悪くないと思います」とコメントしていました。
最終追い切りは栗東坂路の良馬場で、助手が騎乗して800メートル54秒4ではなく54秒8-38秒7-24秒6-12秒3を馬なりでマーク。注目すべきは後半の加速ラップで、ラスト2ハロン24秒6、ラスト1ハロン12秒3と、終いにかけてしっかりと伸びている点です。橋田調教師は「当週追いなのでいつも通りしまい重点でやりました。最後までぶれずに走れていましたね。(前走より)今回の方が状態的には上向きです」と状態面の上昇を明言。さらに「スピードの能力の高さとそれを持続するタフさ、芯の強さを生かした競馬を出来るのがこの馬の強さ」と持ち味を語っています。初の1200メートル戦という未知の要素はありますが、調教内容からは前走以上の仕上がりが見て取れます。幸騎手が懸念する「テンに速い馬が多く忙しくなりそう」という点をどう克服するかが焦点です。
ウインカーネリアン(牡9/三浦皇成)

連覇を狙う昨年の覇者は、美浦ウッドコースで最高レベルの内容を披露しました。1週前は不良馬場のなか三浦皇成騎手が騎乗し、6ハロン83秒2-67秒6-52秒5-38秒2-11秒2をゴール前仕掛けでマーク。セットエトワールを2秒3追走して0秒2先着するという、9歳とは思えない豪快な動きでした。鹿戸調教師は「馬場が悪かった中、いい動きをしていました。9歳でも元気いっぱい」と手応えを口にしています。
最終追い切りは美浦ウッドの良馬場で、再び三浦騎手が騎乗。5ハロン68秒3-52秒9-38秒0-11秒4を馬なりでマークし、ヒットミーを0秒9追走して同入しました。馬なりのままラスト1ハロン11秒4という速い時計を計時した点が秀逸です。三浦騎手は「前の馬を目標に、気持ちを持って行ければという指示だった。いい追い切りが出来た」とコメント。鹿戸調教師は「いつも通り、順調にこなせた。ある程度の本数をこなせている。満点に近い稽古だった。ジョッキーも雰囲気がいいと話していた」と最大級の評価を与えました。3年以上にわたる三浦騎手との継続騎乗も含め、死角の少ない仕上がりです。
エーティーマクフィ(牡7/富田暁)

1週前は栗東CWコースの重馬場で、富田暁騎手が騎乗して5ハロン69秒1-52秒3-37秒6-12秒1を強めにマーク。富田騎手は「暑いのが良くない馬で、涼しくなって元気が出てきた。状態は上がってきています」と、季節の変わり目とともに調子が上向いていることを強調しました。さらに「前走はスローペースになってしまって、たれてきた馬も前にいて外を回しての競馬でした。それでも崩れずに走れるようになっていて、本格化しています。7歳ですけど、まだまだ元気ですよ」と、6歳から7歳にかけての充実ぶりを語っています。
最終追い切りは栗東坂路の良馬場で、引き続き富田騎手が騎乗し、800メートル56秒3-38秒9-24秒9-12秒5を馬なりでマークしました。全体時計は目立ちませんが、馬なりでの調整であることを踏まえれば、終い12秒5にまとめた内容は悪くありません。1週前にCWでしっかり負荷をかけ、最終は坂路で軽めという、緩急をつけたメニュー構成です。晩成型で6歳にして芝短距離に覚醒したタイプだけに、涼しくなった今の時季は最も力を発揮しやすい状況。地味ながら堅実な仕上がりといえます。
サウンドモリアーナ(牝4/吉田隼人)

1週前は栗東坂路の重馬場で、吉田隼人騎手が騎乗して800メートル52秒8-39秒7-27秒5-14秒4を馬なりでマーク。重馬場で52秒8という前半の速さは驚異的で、吉田隼騎手も「予定より速い時計になってしまいましたけど、それも具合の良さかなと思います。今日は馬がだいぶ張り切ってはいましたが、すごく乗りやすい馬です」と好状態を認めました。さらに「競馬でもテン良し、中良し、しまい良し。僕の中ではストレイトガールを彷彿させます」と、GI3勝の名牝になぞらえる高評価を口にしています。
最終追い切りは栗東坂路の良馬場で、助手が騎乗して800メートル57秒4-39秒0-24秒3-12秒3を馬なりでマーク。前半は抑えて入り、後半3ハロン39秒0、ラスト2ハロン24秒3、1ハロン12秒3と鮮やかに加速するラップを刻みました。この終いの伸びこそがこの馬の身上です。武英智調教師は「中間も緩めずきています。自在性がありますし、思っている以上に成長してくれています」と、成長を実感するコメント。キーンランドカップ覇者として、3戦ぶりに吉田隼騎手とのコンビでGI初制覇を狙います。
ジューンブレア(牝5/坂井瑠星)

昨年の2着馬は、栗東坂路で落ち着いた調整を積んできました。1週前は重馬場のなか高倉稜騎手が騎乗して800メートル56秒9-41秒8-28秒2-14秒5を馬なりでマーク。時計自体は目立ちませんが、荻野助手は「順調に来ています。騎乗してくれた高倉ジョッキーも、いいと言ってくれた。去年同様にいい状態だと思いますし、久々でも問題ないです」と自信を見せました。
最終追い切りも栗東坂路の良馬場で、引き続き高倉騎手が騎乗し、800メートル56秒5-40秒8-26秒9-13秒5を馬なりでマーク。1週前と比較すると、全体で0秒4、ラスト3ハロンで1秒0、ラスト2ハロンで1秒3、ラスト1ハロンで1秒0と、すべての区間で時計を詰めてきました。数字の派手さはありませんが、着実な上積みが確認できる内容です。荻野助手が「新馬戦から中山の千二では走っています」と語るように、この舞台への適性は折り紙付き。昨年は逃げてアタマ差の2着と好走しており、久々の実戦でも態勢は整っています。レースでは坂井瑠星騎手が手綱を取ります。
スターアニス(牝3/C.ルメール)

桜花賞馬は、最終追い切りでラスト1ハロン最速をマークする圧巻の動きを見せました。1週前は栗東坂路の重馬場で、C.ルメール騎手が騎乗して800メートル54秒8-38秒9-24秒8-12秒4を馬なりでマーク。高野調教師は「やり過ぎず、やらなさ過ぎず。でもジョッキーには感触を味わってもらう難しいシチュエーションでしたが、クリアできて非常にいい追い切りでした。鞍上もめちゃ褒めてくれました」と振り返っています。
最終追い切りは栗東坂路の良馬場で、助手が騎乗して800メートル54秒2-39秒1-24秒7-11秒8を馬なりでマーク。特筆すべきはラスト1ハロンの11秒8で、これは追い切り全体を通じての最速タイムです。しかも馬なりでの計時という点が、この馬の非凡なスピード能力を物語っています。高野調教師は「いいリズムで走らせて最後無理なく上がってこられればと思っていましたが、その通りの動きでした。2400メートルからいきなり1200メートルになってどうなるかと思われるかもしれませんが、私は全然、問題なく走れると思います」と、距離短縮への不安を完全に否定しました。
パンジャタワー(牡4/松山弘平)

1週前追い切りで、今回のメンバー中でも屈指の動きを披露しました。栗東坂路の重馬場ながら、松山弘平騎手が騎乗して800メートル52秒5-37秒7-24秒4-12秒3を馬なりでマーク。重馬場で馬なりのまま52秒5という全体時計は、この日の栗東坂路でもトップクラスの数字です。しかも攻め駆けするセイウンハーデスを0秒2追走してクビ先着と、併せ馬でも余裕を見せました。
松山騎手は「坂路で併せ馬をすることがなかったので比較材料はありませんが、いつも動ける馬ですからね。きょうも動き自体は良かったです」とコメント。橋口調教師は「セイウンハーデスを後ろから追走する形で最後は先着。動きは良かったと思います。いつも1週前はCWでやっているんですが、今回は間隔が詰まっていますし、スプリントなので坂路を選択しました。千二はベストだと思いますし、短距離馬らしい体つきになっています」と、メニュー変更の意図と馬体の変化を説明しました。さらに「前走は次につながる内容だった。使って馬体の張りなどが良化しています」とも語っており、キーンランドカップ2着からの上積みは確実。複数の追い切り診断でも「1週前追い切りの好調教馬」に挙げられており、状態面の評価は非常に高い一頭です。
ピューロマジック(牝5/岩田望来)

3年連続での挑戦となるサマースプリント王者は、最終追い切りで「自制」をテーマにした調整を行いました。1週前は栗東坂路の良馬場で、助手が騎乗して800メートル54秒4-39秒0-25秒4-12秒7を馬なりでマーク。
最終追い切りは栗東CWコースの良馬場に舞台を移し、4ハロン52秒6-37秒4-11秒6を馬なりでマークしました。アイボリータワーを0秒6追走して同入という内容で、併せ馬で我慢させる形を選択しています。安田翔伍調教師は「馬の後ろでしっかり我慢して、直線も加速して解放してしまわず、行ったら駄目という指示を受け入れてもらいながら、気持ちを外に出さず中に静かに抑えられることを目的に追い切りました」と意図を明かしました。さらに「乗った人に聞いても、前回と同じ感触で、道中も止まった時のしぐさも乱れているところはない」と状態を評価する一方、「使ってきた消耗は感じます。維持を目標に残り数日取り組みます」と、夏場を使い詰めた反動にも言及しています。この正直なコメントは、評価の際に押さえておきたいポイントです。
ブラックチャリス(牝3/浜中俊)

1週前は栗東CWコースの重馬場で、武幸四郎調教師自らが騎乗して4ハロン50秒5-36秒0-11秒4を馬なりでマーク。重馬場で馬なりのまま4ハロン50秒5という時計は極めて優秀で、3歳牝馬とは思えない軽快な走りでした。武幸調教師は「いい動きでした。北海道で使っていたので、そんなに強い調教はいらない。だんだん短距離色が濃くなって、前進気勢が強くなってきました」とコメント。さらに「前進気勢が出てきて、短距離馬特有の硬さもある。体に幅も出てきた」と、短距離馬への変貌を実感しています。
最終追い切りも栗東CWコースの良馬場で、再び武幸調教師が騎乗し、4ハロン54秒3-38秒8-11秒7を直線強めでマークしました。1週前より全体時計は遅いものの、これは北海道帰りで強い調教が不要という方針に沿ったもの。直線だけ気合をつけて11秒7にまとめており、最終調整としては十分な内容です。調教師自らが継続して跨り、馬の変化を直接感じ取っているという点も心強い材料。3歳牝馬で斤量54キロの恩恵もあり、前進気勢の高まりが実戦でどう出るか注目です。
フリッカージャブ(牡4/西村淳也)

重賞連勝中の主役候補は、いつも通り栗東坂路での単走を選択しました。最終追い切りは良馬場で、助手が騎乗して800メートル53秒5-38秒5-24秒6-12秒0を馬なりでマーク。馬場の真ん中あたりを力強いストライドで登坂し、ラスト2ハロンからはさらに豪快なアクションを見せています。しっかりと抑えを利かせながらこの時計を出せる点に、一流スプリンターとしての地力が表れています。
西園翔太調教師は「53〜54秒くらいで、しまいだけ気合をつける感じ。指示通りの内容で、いい動きだった。好位から安定したレースができるようになった。スピードを生かせる、いい馬場でやりたい」とコメント。別の場面では「いつものフリッカージャブらしい、いい動きができたのではないかと思います」とも語り、平常運転での好仕上がりを強調しました。今回は中2週での参戦となりますが、指揮官は「もともと小倉で中1週で勝ったこともありますし、間隔が詰まっていることは意識していないです」と懸念を否定。パワーとスピードを兼備した動きで、万全の仕上がりといえます。ただし主戦の松山弘平騎手から西村淳也騎手への乗り替わりは、継続騎乗有利のデータに照らすと唯一の不安材料です。
ペアポルックス(牡5/岩田康誠)

夏負けによる出遅れを取り戻す調整過程となっています。1週前は栗東坂路の重馬場で、岩田康誠騎手が騎乗して800メートル56秒8-40秒3-25秒2-12秒2を強めにマーク。全体時計は遅いものの、ラスト2ハロン25秒2、ラスト1ハロン12秒2と、終いにかけてしっかりと加速するラップを刻みました。
梅田調教師は「キーンランドカップに使うつもりで帰厩させたが、夏負けのようだったのでパス。在厩で調整していて先週くらいから、ようやく動きが戻ってきた」と、夏場の不調を率直に明かしています。その上で「1週前追いはしまい重点で、追ってからの反応も良かったしジョッキーも『めちゃくちゃ良かった』と。本番までにピークにもっていきたい」と、上昇途上であることを示しました。岩田康騎手が「めちゃくちゃ良かった」と評するほどの反応の良さは好材料ですが、夏負けからの立て直しという点で、仕上がりが本番に間に合うかどうかがカギ。中山芝1200メートルは【2-1-0-1】と得意条件だけに、状態さえ整えば侮れません。
ママコチャ(牝7/武豊)

3年前の覇者は、中2週ながら意欲的な攻めで好気配を漂わせています。1週前は栗東坂路の重馬場で、助手が騎乗して800メートル60秒8-43秒3-28秒1-13秒6を馬なりでマーク。時計は控えめですが、兼武助手は「体がしぼんでいる様子はなく、上積みを感じさせる馬体です。予定通りです」と状態を評価していました。
最終追い切りは栗東坂路で単走。ゴール前で強めに追われ、軽快な脚さばきで800メートル54秒4-39秒1-25秒0-12秒2をマークしました。1週前から全体で6秒4も時計を詰めており、中2週とは思えない意欲的な内容です。池江調教師は「動きは良かったです。(前走は)ゲートを出たのが大きかったですね。叩き良化型なので一回、使った上積みは大きいです」と、セントウルステークスを叩いた上積みに自信をのぞかせました。叩き良化型という特性を踏まえれば、セントウルステークス3着からの前進は十分に期待できます。兼武助手も「中山千二はいい条件だと思います」と語り、武豊騎手とのコンビで2度目の戴冠を狙います。
ルガル(牡6/鮫島克駿)

2024年の覇者は、2週前の物足りなさから一転、順調な上昇曲線を描いています。1週前は栗東坂路の重馬場で、鮫島克駿騎手が騎乗して800メートル54秒3-38秒4-24秒8-12秒4を一杯に追い、ゴールデンバランスを0秒8追走して同入しました。鮫島駿騎手は「2週前追いはこの馬らしくない動きだったので、しっかり併せで動かしました。気持ちも、体にも負荷をかけました。馬場が重くて、時計はこの馬らしくないですが、良くなっています」とコメント。
最終追い切りは栗東坂路の良馬場で、引き続き鮫島駿騎手が騎乗し、800メートル54秒2-38秒4-24秒5-12秒0を馬なりでマークしました。1週前は一杯に追っての54秒3だったのに対し、今週は馬なりで54秒2。しかもラスト2ハロン24秒5、ラスト1ハロン12秒0と、すべての区間で1週前を上回っています。杉山晴紀調教師は「1週前、2週前が馬場がすごく悪くて、この馬としては時計が出なかったので、評価がしにくかった。今週は、先週より走りやすい馬場で、これぐらいの時計が出れば大丈夫だろう。一昨年と同じぐらいの状態に持っていきたい」と、優勝時の状態を目標に掲げました。
レイピア(牡4/横山武史)

1週前は栗東坂路の重馬場で、助手が騎乗して800メートル53秒6-38秒5-25秒6-13秒4を一杯に追ってマーク。終いを要する形になりましたが、篠原助手は「しまいを要したが、これはいつものこと」と平常運転であることを説明しています。重馬場で一杯に追い、しっかりと負荷をかけた内容です。
篠原助手は「馬場は重そうでしたが、動きは良かった。今回は気持ちの部分が不安だったけど、2週前からハミを自分で取るようになって集中して走れて、いつものこの子になっていました」と、精神面での改善を強調しました。さらに「体つきもそうですし、競馬も覚えてスプリンターらしくなってきたと思います」と、スプリンターとしての成長を実感しています。2026年に入りオーシャンステークス2着、高松宮記念5着、函館スプリントステークス3着、CBC賞2着と、スプリント重賞で常に上位争いを演じてきた安定株。気持ちの面が整ったという報告は、GI初挑戦に向けて大きな前進材料といえます。
レッドモンレーヴ(牡7/酒井学)

課題のゲートに向き合いながら、追い切りでは非常に良い動きを見せました。1週前は美浦坂路の重馬場で、助手が騎乗して800メートル60秒2-45秒1-29秒9-15秒0を馬なりでマーク。時計は軽めですが、この週はゲート練習に重点を置いた調整でした。蛯名正義調教師は「彼と2人で話をして我慢できるように(ゲート)練習。個別指導だね。『君はやればできるんだ』と。ちゃんと聞いてくれていたと思う」とユーモアを交えて語っています。
最終追い切りは美浦ウッドコースの良馬場で、助手が騎乗して5ハロン67秒3-51秒9-37秒1-11秒5を馬なりでマーク。メイショウソムリエを0秒6追走して同入という内容で、馬なりのままラスト1ハロン11秒5という鋭い伸びを見せました。蛯名調教師は「前走後は消耗が全くなかった。しっかり負荷をかけて、非常にいい動きだったと思う」と高く評価。ゲートについても「ゲートの中で我慢できるように、練習は毎日している。発走委員とも話をしながら、これなら大丈夫だよねというところまで来ている」と、不安解消に手応えを示しました。
ワールズエンド(牡5/津村明秀)

レーティング117でメンバー最高値を誇る実力馬は、気性面の成長とともに強い調教を消化できるようになりました。1週前は栗東CWコースの重馬場で、助手が騎乗して7ハロン97秒3-66秒5-52秒1-37秒2-11秒5を一杯に追ってマーク。サークルオブジョイを2秒2追走してクビ先着と、長めからしっかり負荷をかけた内容です。
池添学調教師は「動きも時計も予定通りでした。今まで気性的に繊細で追い込めませんでしたが、落ち着きが出たので攻めてもいいのかなと。順調に夏を越せました」と、これまでできなかった強い調教が可能になった変化を明かしました。これは能力を出し切る上で大きなプラス材料です。さらに「しまいまでしっかり動けていました。時計も予定通り。昨年のスワンステークス(8着)は結果こそ出なかったですが、この距離を使いたくなるようなラップを刻んでいました。リズム良く運べれば」と、1200メートルへの適性にも前向きな見方を示しています。「ハナにはこだわらず、うまくためればしまいも切れる」との言葉通り、控える競馬ができるかが最大の焦点です。
まとめ

最終追い切りの内容から、特に高く評価したいのは4頭です。まず、美浦ウッドで馬なりのままラスト11秒4を計時し、鹿戸調教師が「満点に近い稽古」と語ったウインカーネリアン。次に、栗東坂路で馬なりのままラスト1ハロン11秒8という追い切り最速をマークしたスターアニス。そして、1週前の重馬場で馬なり52秒5という驚異的な時計を出したパンジャタワー。さらに、1週前の一杯追いを上回る時計を馬なりで出し、陣営が優勝時の状態を目標に掲げるルガルです。主役のフリッカージャブも平常運転で万全の仕上がり。叩き良化型で中2週にも意欲的な攻めを見せたママコチャも要注目です。一方、ピューロマジックは陣営自ら「使ってきた消耗は感じる」と認めており、ペアポルックスは夏負けからの立て直し途上。この2頭は割引が必要かもしれません。枠順と当日の馬場状態を照らし合わせて、最終的な判断を下してください。
【スプリンターズステークス2026 総合情報】全16頭を馬情報・データ・血統・追い切りで完全網羅
2026年9月27日(日)15時40分、中山競馬場・芝1200メートル(外回り)で第60回スプリンターズステークス(GI)が行われます。GI馬5頭が集結した豪華メンバーによる、下半期の短距離王決定戦。ここでは、これまでに調査したすべての情報を統合し、全16頭を「馬情報」「データ」「血統」「追い切り」の4つの観点から、1頭ずつ詳しくまとめました。
なお、レースの基本傾向として押さえておきたいのは、直近5年の優勝馬が全て4コーナー3番手以内だったという先行有利の傾向、4歳馬が複勝率31.6パーセントでトップという年齢傾向、継続騎乗馬が複勝率22.1パーセントと乗り替わり馬を大きく上回る点、そして「内枠に入ったロベルトの血を引く馬」が2021年から2023年まで3連勝しているという血統傾向です。
アイサンサン(牝4/幸英明)

【馬情報】アカイイトやエニシノウタの全妹で、ステキナシャチョウの姪。芝1400メートルの愛知杯を逃げ切って重賞初制覇を飾りました。前走のヴィクトリアマイルは痛恨の出遅れで力を発揮できず。今回が初の1200メートル戦となります。
【データ】4歳という複勝率31.6パーセントでトップの年齢帯に該当する点は大きな好材料です。一方、幸英明騎手は1週前追い切りが初騎乗で、実戦でもコンビは浅め。先行力を持ち味とするタイプですが、幸騎手自身が「イメージ的には前めにつける競馬ですが、今回はテンに速い馬が多いですし、忙しくなりそうです」と懸念を口にしており、テンのスピード争いに対応できるかが最大の焦点です。
【血統】父キズナ、母ウアジェト、母父シンボリクリスエス。キズナ×シンボリクリスエスはソングライン、ジューンテイク、タイトニットと同じ配合で、高確率でオープン級を輩出する黄金ニックスです。注目は母父シンボリクリスエスがロベルト系である点。内枠を引けば、近年の「内枠のロベルト」好走パターンに合致します。全姉たちよりもミスワキのマイラーっぽさが強く出たタイプです。
【追い切り】1週前は栗東坂路の重馬場で53秒1-38秒3-25秒2-13秒0を末強め。最終追い切りは栗東坂路の良馬場で54秒8-38秒7-24秒6-12秒3を馬なりでマークしました。橋田調教師は「当週追いなのでいつも通りしまい重点。最後までぶれずに走れていましたね。前走より今回の方が状態的には上向きです」とコメント。ラスト2ハロン24秒6と終いにかけてしっかり加速しており、状態面の上昇は確かです。
ウインカーネリアン(牡9/三浦皇成)

【馬情報】昨年のスプリンターズステークスを11番人気で制した覇者。三浦皇成騎手にとってGI127回目の挑戦での悲願の初タイトルでした。今年も高松宮記念3着、前走のキーンランドカップでは斤量59キロを背負って逃げ粘り3着と、9歳になっても衰えは全く感じられません。
【データ】3年以上にわたる三浦騎手との継続騎乗は、複勝率22.1パーセントというデータ上の強力な後押しです。一方、7歳以上の複勝率11.1パーセントという年齢データは割引材料。ただし昨年も11番人気で勝利しており、人気を落とすようなら妙味十分です。外枠を引いた馬が勝ち負けするには先行するしかないという傾向を、昨年16番枠から体現しました。
【血統】父スクリーンヒーロー(ロベルト系)、母コスモクリスタル、母父マイネルラヴ。父はジャパンカップを制した芝2400メートルのGI馬、母父は芝1200メートルのGI馬と、データが示す「中距離以上型×短距離型」の黄金配合に合致します。母はJRA4勝すべてが芝1200メートル。アウトブリードの母にノーザンダンサー4×4とヘイルトゥリーズン4×4を持つ父を配した成功例です。
【追い切り】1週前は美浦ウッドの不良馬場で、三浦騎手が騎乗して6ハロン83秒2-38秒2-11秒2。セットエトワールを2秒3追走して0秒2先着しました。最終追い切りも三浦騎手が騎乗し、美浦ウッド良馬場で5ハロン68秒3-52秒9-38秒0-11秒4を馬なり。ヒットミーを0秒9追走して同入しています。鹿戸調教師は「満点に近い稽古だった」と最大級の評価。
エーティーマクフィ(牡7/富田暁)

【馬情報】ブライトルピナスの半兄で、サダムリスペクトの甥。6歳にして芝短距離で覚醒したという珍しい経歴の持ち主です。前走のキーンランドカップは4着。近2走は前残りの展開をしっかり詰めており、脚力の高さを示しています。
【データ】7歳以上は複勝率11.1パーセントと年齢面では厳しい数字。ただし富田騎手との継続騎乗はプラス材料です。中山芝1200メートルは直線310メートルと短く、外から差しやすいコースではないため、脚質面では展開の助けが必要。先行争いが激化しそうな今年のメンバー構成は、差し馬にとって追い風となる可能性があります。
【血統】父マクフィ、母テンシンランマン。父は英2000ギニーを制したドバウィ産駒で、メイクビリーヴ、ヴァルツァーシャル、シリウスコルトなどを輩出。ミスタープロスペクター系(シーキングザゴールド経由)に属し、このレース最多勝の父系に該当します。アウトブリードの晩成型で、トニービン、テスコボーイ、ミルリーフといったナスペリオン的な持続力のある末脚が武器です。
【追い切り】1週前は栗東CWコースの重馬場で、富田騎手が騎乗して5ハロン69秒1-52秒3-37秒6-12秒1を強め。最終追い切りは栗東坂路の良馬場で56秒3-38秒9-24秒9-12秒5を馬なりでマークしました。富田騎手は「暑いのが良くない馬で、涼しくなって元気が出てきた。状態は上がってきています」「7歳ですけど、まだまだ元気ですよ」とコメント。1週前にCWで負荷、最終は坂路で軽めという緩急メニューです。
サウンドモリアーナ(牝4/吉田隼人)

【馬情報】サウンドアレグリアの3/4妹で、サウンドムーブの叔母。前走のキーンランドカップを制してGIへの優先出走権を獲得しました。3戦ぶりに吉田隼人騎手とコンビを組み、GI初制覇を狙います。
【データ】4歳牝馬という、このレースで最も好成績を残している属性に該当します。過去10年の年齢別成績では4歳馬が複勝率31.6パーセントでトップ、しかも3着以内馬12頭中8頭が牝馬。前走キーンランドカップ組は複勝率14.6パーセントとやや低めですが、勝ち馬としての臨戦は別格です。位置取りにこだわらない自在性も強みです。
【血統】父ミッキーアイル、母サウンドリアーナ、母父ディープインパクト。父はマイルチャンピオンシップとNHKマイルカップの勝ち馬で、牝駒はナムラクレア、メイケイエール、ララクリスティーヌなど芝短距離でしなやかに走るタイプが多数。本馬もディープインパクト×ゴーンウエスト×ダンシングブレーヴのしなやかさで走り、このレースで3年連続3着以内のナムラクレアに近いタイプです。
【追い切り】1週前は栗東坂路の重馬場で、吉田隼騎手が騎乗して52秒8-39秒7-27秒5-14秒4を馬なり。重馬場で52秒8は驚異的です。最終追い切りは栗東坂路良馬場で57秒4-39秒0-24秒3-12秒3を馬なり。前半を抑えて後半で鮮やかに加速するラップを刻みました。吉田隼騎手は「テン良し、中良し、しまい良し。僕の中ではストレイトガールを彷彿させます」と絶賛。武英智調教師も「思っている以上に成長してくれています」とコメントしています。
ジューンブレア(牝5/坂井瑠星)

【馬情報】昨年のスプリンターズステークスで逃げてアタマ差の2着に粘り込んだ実力馬。ミドルパークステークス(英GI)のダッチアートの甥にあたる欧州名門牝系の出身です。今回は久々の実戦となりますが、陣営は不安を否定しています。
【データ】5歳馬は複勝率15.9パーセントとやや割引。ただし昨年2着の実績があり、新馬戦から中山芝1200メートルで走っているという舞台適性は確かです。外枠を引いた馬が勝ち負けするには先行するしかないという傾向に対し、この馬は昨年外枠から逃げて2着と、まさにその形を体現しました。控える競馬もできる器用さが武器です。
【血統】父アメリカンファラオ、母父ガリレオ。父は北米三冠馬で、ミスタープロスペクター系(エンパイアメーカー経由)に属しこのレース最多勝の父系に該当します。母父ガリレオという欧州最強血統ながら、ストームキャットと牝系の影響が強く出た短距離体型。手先が軽くバネのある走りで、高速決着に自信を持つタイプです。
【追い切り】1週前は栗東坂路の重馬場で、高倉稜騎手が騎乗して56秒9-41秒8-28秒2-14秒5を馬なり。最終追い切りも同じく高倉騎手が騎乗し、栗東坂路良馬場で56秒5-40秒8-26秒9-13秒5を馬なりでマークしました。全体で0秒4、ラスト3ハロンで1秒0、2ハロンで1秒3、1ハロンで1秒0と、すべての区間で1週前を上回る着実な上積み。荻野助手は「去年同様にいい状態だと思いますし、久々でも問題ないです」とコメントしています。
スターアニス(牝3/C.ルメール)

【馬情報】2025年の阪神ジュベナイルフィリーズ、2026年の桜花賞を制したGI2勝馬。JRA賞最優秀2歳牝馬にも選出された世代の代表格です。前走のオークスは距離適性の問題で12着に敗れましたが、スプリント戦への短縮はむしろ望むところ。2歳未勝利戦では小倉芝1200メートルを7馬身差で圧勝しています。
【データ】3歳馬は複勝率21.1パーセントで4歳に次ぐ好成績。しかも斤量54キロという大きな恩恵があります。3着以内馬の3分の2が牝馬というデータにも合致。C.ルメール騎手との継続騎乗もプラスです。懸念は中山芝が初めてという点と、1200メートルGIのテンの速さへの対応。2020年のグランアレグリアのような大外一気が再現できるかが焦点です。
【血統】父ドレフォン、母エピセアローム、母父ダイワメジャー。父は米国のスプリントGI馬でストームキャット系。母エピセアロームはセントウルステークスと小倉2歳ステークスを制した短距離重賞馬で、スプリント適性は母譲りです。母系にリヴァーマンが入る牝馬のため斬れ味十分。父・母父・牝系すべてがマイラー構成という、スピードに特化した配合です。
【追い切り】1週前は栗東坂路の重馬場で、ルメール騎手が騎乗して54秒8-38秒9-24秒8-12秒4を馬なり。最終追い切りは栗東坂路良馬場で54秒2-39秒1-24秒7-11秒8を馬なりでマークし、ラスト1ハロン11秒8は追い切り全体を通じての最速タイムでした。高野調教師は「いいリズムで走らせて最後無理なく上がってこられればと思っていましたが、その通りの動きでした。私は全然、問題なく走れると思います」と距離短縮への不安を完全否定しています。
パンジャタワー(牡4/松山弘平)

【馬情報】2024年の京王杯2歳ステークス、2025年のNHKマイルカップとキーンランドカップを制した重賞3勝馬。母クラークスデールは未出走馬で、繁殖牝馬セールで税抜150万円で落札されたという出世物語の持ち主です。前走のキーンランドカップは2着でした。
【データ】4歳馬という最強年齢帯に該当し、松山弘平騎手との継続騎乗もデータ上の好材料。レーティングは116でメンバー上位です。前走キーンランドカップは前半600メートル34秒0に対し後半33秒7というゆったりしたペースのなか、道中6番手から2着。斤量差と位置取りが敗因で悲観する必要はありません。中山芝1200メートルが初めてという点のみが課題です。
【血統】父タワーオブロンドン、母クラークスデール、母父ヴィクトワールピサ。父は2019年のスプリンターズステークス勝ち馬で、この舞台の申し子。ゴーンウエスト系(ミスタープロスペクター系)でレース最多勝の父系に該当します。牝祖ソニンクはディアドラ、ジューヌエコール、ソングライン、スキルヴィングなどを輩出した名繁殖。母はマキャベリアン3×3を持ち、斬れ味でしなやかに差す走りは父譲りです。
【追い切り】1週前は栗東坂路の重馬場で、松山騎手が騎乗して52秒5-37秒7-24秒4-12秒3を馬なり。重馬場で馬なり52秒5はこの日の栗東坂路でもトップクラスの時計で、攻め駆けするセイウンハーデスを0秒2追走してクビ先着しました。橋口調教師は「いつも1週前はCWですが、今回は間隔が詰まっていますしスプリントなので坂路を選択しました。千二はベストだと思いますし、短距離馬らしい体つきになっています」とコメント。複数の追い切り診断で好調教馬に選出されています。
ピューロマジック(牝5/岩田望来)

【馬情報】2026年のサマースプリントシリーズで合計26ポイントを獲得し、2位のフリッカージャブを抑えてチャンピオンに輝きました。アイビスサマーダッシュをコースレコードで制覇。前走のセントウルステークスでは自らハイペースを作って逃げ、フリッカージャブに交わされて2着でした。今回が3年連続の挑戦です。
【データ】直近5年の優勝馬が全て4コーナー3番手以内という先行有利のデータには合致します。しかし中山芝1200メートルの成績は【0-0-0-3】で、過去2回のスプリンターズステークスはいずれも8着。全7勝がすべて非急坂コースというのは大きな割引材料です。6〜9月の非急坂芝1200メートル以下では5戦全勝という「平坦夏女」ぶりが、逆に中山では不安要素となります。
【血統】父アジアエクスプレス、母メジェルダ、母父ディープインパクト。父はヘニーヒューズの代表産駒で、ストームキャットやデピュティミニスターをクロスする父母相似配合。前駆の力強い走りが特徴で、芝適性は母譲りです。ただし牝馬で母父がサンデーサイレンス系という組み合わせは、データ上はやや厳しい条件となります。
【追い切り】1週前は栗東坂路の良馬場で54秒4-39秒0-25秒4-12秒7を馬なり。最終追い切りは栗東CWコースの良馬場で4ハロン52秒6-37秒4-11秒6を馬なりでマークし、アイボリータワーを0秒6追走して同入しました。安田翔伍調教師は「行ったら駄目という指示を受け入れてもらいながら、気持ちを外に出さず中に静かに抑えられることを目的に追い切りました」と説明する一方、「使ってきた消耗は感じます。維持を目標に残り数日取り組みます」と率直に語っています。
ブラックチャリス(牝3/浜中俊)

【馬情報】ロジチャリスやグレイルのイトコにあたる3歳牝馬。前走のUHB賞は6着でした。北海道を主戦場に使われてきましたが、夏を越して短距離色が濃くなり、前進気勢が強くなってきたと陣営は変化を実感しています。
【データ】3歳馬は複勝率21.1パーセントで4歳に次ぐ好成績。斤量54キロの恩恵も大きい条件です。ただし1200メートルGIとなると他馬のテンが一段と速く、先行力が持ち味とはいえスプリントの専門家と先行争いをすると苦しくなる可能性があります。差しに回れるかどうかが焦点。GI初挑戦という経験値の面でも課題が残ります。
【血統】父キタサンブラック、母ゴールドチャリス。父は年度代表馬でイクイノックスやクロワデュノールを輩出、「父に2000メートル以上のGI勝ち鞍」という勝ち馬の条件を満たします。母は芝1200〜1400メートルで3勝の短距離馬。父がリファール4×4、母方がヌレイエフ4×3、母母がノーザンダンサーを持たないという好ましいクロス構成で、牝祖シルバーレーンからはブラックホークやステイフーリッシュが出ています。
【追い切り】1週前は栗東CWコースの重馬場で、武幸四郎調教師自らが騎乗して4ハロン50秒5-36秒0-11秒4を馬なり。重馬場で馬なり50秒5は極めて優秀な時計です。最終追い切りも調教師が騎乗し、栗東CW良馬場で4ハロン54秒3-38秒8-11秒7を直線強めでマーク。武幸調教師は「北海道で使っていたので、そんなに強い調教はいらない。だんだん短距離色が濃くなって、前進気勢が強くなってきました」とコメントしています。
フリッカージャブ(牡4/西村淳也)

【馬情報】芝1200メートルに専念してから8戦6勝という物凄い充実ぶりを見せている新星。5月に鞍馬ステークスを1分6秒4のコースレコードで制すると、北九州記念、セントウルステークスと重賞を連勝し、3連勝で本番に臨みます。前走は、ピューロマジックが作ったハイペースを2番手から抜け出して勝利しました。
【データ】4歳馬という最強年齢帯に該当し、前走セントウルステークス1着馬は【2-3-0-5】で連対率50パーセントという優秀なデータにも合致します。直近5年の勝ち馬が全て4角3番手以内という先行有利の傾向にも当てはまる脚質。唯一の不安は、主戦の松山弘平騎手から西村淳也騎手への乗り替わり。継続騎乗が複勝率22.1パーセントに対し乗り替わりは13.8パーセントというデータは気がかりです。
【血統】父サートゥルナーリア、母ナイキトリック、母父サクラバクシンオー。父は名牝シーザリオの息子で皐月賞馬、その父はロードカナロアでミスタープロスペクター系。母父サクラバクシンオーは1200メートルで類まれな強さを発揮したナスルーラ系です。ノーザンダンサー5×5のインブリードも保有し、データが示す好走条件を幅広く満たす理想的な配合。母方の北米パワーで重馬場や急坂も苦にしません。
【追い切り】最終追い切りは栗東坂路の良馬場で単走。4ハロン53秒5-38秒5-24秒6-12秒0を馬なりでマークし、馬場の真ん中を力強いストライドで登坂、ラスト2ハロンからは豪快なアクションを見せました。西園翔太調教師は「53〜54秒くらいで、しまいだけ気合をつける感じ。指示通りの内容で、いい動きだった。スピードを生かせる、いい馬場でやりたい」とコメント。中2週についても「間隔が詰まっていることは意識していないです」と懸念を否定しています。
ペアポルックス(牡5/岩田康誠)

【馬情報】2026年のオーシャンステークスを、中山芝1200メートルで最内から差し切って制した実力馬。昨年のスプリンターズステークスは、スタートで後手を踏んで後方から大外を回し、上がり3ハロン32秒8の脚を使いながら13着に敗れました。位置取りが全てだった一戦です。
【データ】中山芝1200メートルは【2-1-0-1】と得意条件。岩田康誠騎手の継続騎乗もプラス材料です。ただし極端な大外枠は不利というデータがあり、内枠を引けるかどうかが評価を大きく左右します。また芝1200メートルの良馬場で勝ち時計が1分7秒台前半の決着では【2-2-1-4】と、高速決着でこそ持ち味が生きるタイプです。
【血統】父キンシャサノキセキ、母母イルバチオ。父は高松宮記念を連覇した最優秀短距離馬で、サンデーサイレンス3×3、リファール4×5というスプリンター×スプリンターの父母相似配合。母母はアイビスサマーダッシュの勝ち馬で、牝祖マタティナからは名種牡馬ミルジョージが出ています。キンシャサノキセキ産駒らしく渋った馬場は苦手という点には注意が必要です。
【追い切り】1週前は栗東坂路の重馬場で、岩田康騎手が騎乗して56秒8-40秒3-25秒2-12秒2を強め。全体時計は遅いものの、ラスト2ハロン25秒2、1ハロン12秒2としっかり加速しています。梅田調教師は「キーンランドカップに使うつもりで帰厩させたが、夏負けのようだったのでパス。先週くらいから、ようやく動きが戻ってきた」と経緯を説明。「追ってからの反応も良かったしジョッキーも『めちゃくちゃ良かった』と。本番までにピークにもっていきたい」と、上昇途上であることを示しています。
ママコチャ(牝7/武豊)

【馬情報】2023年のスプリンターズステークスを制した覇者で、白毛の女王ソダシの全妹。重賞勝ちは当レースと2025年のオーシャンステークスで、いずれも中山芝1200メートルです。2026年の高松宮記念はスタートダッシュが決まらず9着でしたが、前走のセントウルステークスでは1枠1番を生かして3着に好走しました。
【データ】7歳は複勝率11.1パーセントと年齢面では厳しい数字。ただし2023年の優勝時は3枠6番という内枠で、「内枠のロベルト」の好走例のひとつでした。武豊騎手との継続騎乗はプラス材料です。懸念はローテーションで、セントウルステークスからスプリンターズステークスという流れは3年連続ですが、過去2年はいずれも本番で着順を落としています。
【血統】父クロフネ、母ブチコ、母父キングカメハメハ。父はカレンチャン、アエロリット、ホエールキャプチャなどを輩出した名フィリーサイアー。フレンチデピュティとキングマンボのパワーで短距離を走破するタイプで、ベスト距離は1400メートルとみられます。母父キングカメハメハはミスタープロスペクター系で、牝馬の勝ち馬を出している系統に該当する点も好材料です。
【追い切り】1週前は栗東坂路の重馬場で60秒8-43秒3-28秒1-13秒6を馬なり。最終追い切りは栗東坂路の単走で、ゴール前を強めに追われて54秒4-39秒1-25秒0-12秒2をマークしました。1週前から6秒4も時計を詰めており、中2週とは思えない意欲的な内容です。池江調教師は「動きは良かったです。叩き良化型なので一回、使った上積みは大きいです」と自信をのぞかせ、兼武助手も「中山千二はいい条件だと思います」とコメントしています。
ルガル(牡6/鮫島克駿)

【馬情報】2024年のスプリンターズステークスを9番人気で制した実力馬。3走前のオーシャンステークスでは、前半600メートル32秒0のハイペースを2番手で追走し、斤量58キロを背負ってクビ+クビ差の3着と、勝ちに等しい内容でした。近2走の海外GIの成績は度外視していい内容です。
【データ】6歳は複勝率12.5パーセントとやや割引。ただし当レース優勝の実績があり、鮫島克駿騎手との継続騎乗もプラス材料です。2024年は13番という外枠から先行して勝利しており、「外枠を引いた馬が勝ち負けするには先行するしかない」という傾向をまさに体現しました。レーティング114はメンバー上位。内から中枠を引ければ勝機は十分です。
【血統】父ドゥラメンテ、母アタブ、母父New Approach。3代母イーストオブザムーンは仏オークスなどを制した名牝で、アルファセントーリやアルパインスターといった欧州GI馬が並ぶ世界的名門牝系です。父はキングマンボの孫でミエスク4×4を保有。キングマンボ、ストームキャット、アホヌーラのスプリント資質がオンになり、パワーとピッチでごり押しする走りは中山の急坂向きです。
【追い切り】1週前は栗東坂路の重馬場で、鮫島駿騎手が騎乗して54秒3-38秒4-24秒8-12秒4を一杯に追い、ゴールデンバランスを0秒8追走して同入。最終追い切りも鮫島駿騎手が騎乗し、栗東坂路良馬場で54秒2-38秒4-24秒5-12秒0を馬なりでマークしました。一杯追いの時計を馬なりで全区間上回った点が秀逸です。杉山晴紀調教師は「これぐらいの時計が出れば大丈夫だろう。一昨年と同じぐらいの状態に持っていきたい」と優勝時の状態を目標に掲げています。
レイピア(牡4/横山武史)

【馬情報】2026年に入りオーシャンステークス2着、高松宮記念5着、函館スプリントステークス3着、CBC賞2着と、スプリント重賞で常に上位争いを演じている安定株。近走は先行せず中団で脚を溜め、直線で馬群を割って伸びる競馬が印象的です。中央5勝、レーティング111。
【データ】4歳馬という最強年齢帯に該当。オーシャンステークス2着という中山芝1200メートルでの実績も心強い材料です。一方、重賞未勝利で勝ち切る決め手に課題があり、GIではスピード争いに加われない可能性も。器用さと粘り強さがあるため、展開が向けば侮れない存在です。GI初挑戦という点は経験値の面で不安が残ります。
【血統】父タワーオブロンドン、母アンナトルテ、母父エンパイアメーカー。父は2019年のスプリンターズステークス勝ち馬で、パンジャタワーと同じ父を持ちます。ただし母父がエンパイアメーカーのため、パンジャタワーよりもパワー質に振れているのが特徴。祖母クーヴェルチュールは2007年のキーンランドカップ勝ち馬です。上がりがかかる展開のほうがしぶとく差せるイメージです。
【追い切り】1週前は栗東坂路の重馬場で、助手が騎乗して53秒6-38秒5-25秒6-13秒4を一杯に追ってマーク。終いを要するのはこの馬の平常運転です。篠原助手は「馬場は重そうでしたが、動きは良かった。今回は気持ちの部分が不安だったけど、2週前からハミを自分で取るようになって集中して走れて、いつものこの子になっていました」とコメント。「競馬も覚えてスプリンターらしくなってきた」と成長も実感しています。
レッドモンレーヴ(牡7/酒井学)

【馬情報】名門エアグルーヴ牝系の出身で、ルーラーシップやアドマイヤグルーヴの甥、ドゥラメンテのイトコにあたる良血。今年の高松宮記念では2着に好走しました。京王杯スプリングカップでは毎年上がり1位の脚を使って好走しており、高速馬場で脚を溜めると鋭く斬れるタイプです。課題はゲートでした。
【データ】7歳は複勝率11.1パーセントと年齢面では割引が必要。ただし高松宮記念2着の実績が示すように、スプリントGIでの地力は確かです。1200メートルでは、今年の高松宮記念のように前後半34秒1-32秒5という後傾ラップで走破して差すのが理想の形。前傾ラップの消耗戦になると苦しい可能性があります。ゲートの改善度が実戦でどう出るかが焦点です。
【血統】父ロードカナロア、母父ディープインパクト。キングカメハメハ父系×エアグルーヴ牝系という組み合わせは、グルーヴィットやジュンライトボルトと同じ「鉄板」の相性を誇ります。父は世界の短距離王でミスタープロスペクター系、レース最多勝の父系に該当。しなやかで鋭敏な斬れ味が最大の武器です。
【追い切り】1週前は美浦坂路の重馬場で60秒2-45秒1-29秒9-15秒0を馬なり。この週はゲート練習に重点を置きました。最終追い切りは美浦ウッドの良馬場で5ハロン67秒3-51秒9-37秒1-11秒5を馬なりでマークし、メイショウソムリエを0秒6追走して同入。蛯名正義調教師は「前走後は消耗が全くなかった。しっかり負荷をかけて、非常にいい動きだったと思う」と評価し、ゲートについても「これなら大丈夫だよねというところまで来ている」と手応えを示しています。
ワールズエンド(牡5/津村明秀)

【馬情報】2走前の京王杯スプリングカップを逃げ切り、前走の安田記念でも逃げて2着に粘った実力馬。GIの厳しい流れを逃げて2着に残すのは並の馬にはできない芸当で、スピード能力と底力の高さは確かです。JRA発表のプレレーティングでは117で出走馬中の最高値を記録しました。
【データ】5歳馬は複勝率15.9パーセント。最大の課題はキャリア初となる1200メートルです。近走は逃げて結果を出していますが、スプリントGI特有の苛烈なハイペースのなかでハナを主張すると、息が入らずに失速するリスクがあります。昨年のスワンステークスでも行き過ぎて8着に敗れました。控える競馬ができるかどうかが評価の分かれ目です。
【血統】父ロードカナロア、母リラヴァティ、母母シンハリーズ。父は世界の短距離王でアーモンドアイやパンサラッサを輩出。母はマーメイドステークスの勝ち馬、母母はデルマーオークス(米GI)を制した名牝です。体型は父似で、母がヘイロー3×4を持つため機動力は抜群。シンハライトやアダムスピークの甥にあたる良血です。
【追い切り】1週前は栗東CWコースの重馬場で、7ハロン97秒3-66秒5-52秒1-37秒2-11秒5を一杯に追い、サークルオブジョイを2秒2追走して先着しました。池添学調教師は「動きも時計も予定通りでした。今まで気性的に繊細で追い込めませんでしたが、落ち着きが出たので攻めてもいいのかなと。順調に夏を越せました」と、強い調教が可能になった変化を明かしています。「ハナにはこだわらず、うまくためればしまいも切れる」との方針です。
まとめ

スプリンターズステークス2026は、実力伯仲の混戦模様です。総合的に最も評価したいのは、芝1200メートルで8戦6勝という充実ぶりを見せ、血統・データ条件も幅広く満たすフリッカージャブ。次いで、追い切りで「満点に近い稽古」と評され、ロベルトの血と先行力という好走パターンを二重に満たす連覇狙いのウインカーネリアン。馬なりで追い切り最速11秒8をマークした桜花賞馬スターアニス、父がこの舞台を制し1週前に重馬場で馬なり52秒5を出したパンジャタワー、一杯追いを馬なりで上回ったルガルも有力です。相手には、終いの加速が光るサウンドモリアーナ、叩き良化型のママコチャ、ゲート不安が解消したレッドモンレーヴ。一方、ピューロマジックは陣営が消耗を認め、ペアポルックスは夏負けからの立て直し途上で割引が必要です。枠順確定後は、ロベルトの血を持つ馬の枠と、外枠を引いた馬の先行力を必ずチェックしてください。
【スプリンターズステークス2026 当日最新情報 全頭解説】

2026年9月27日(日)中山11R 第60回スプリンターズステークス(GⅠ・芝外1200m・16頭立て)は15時40分発走です。
【当日の馬場状態と馬場傾向】
当日朝の中山は曇りで、芝は重馬場でのスタートとなりました。
土曜日に10ミリ前後のまとまった雨が降り、芝コースは水分をたっぷり含んだ状態です。
土曜朝の計測で芝のクッション値は8.3の標準、含水率はゴール前15.7%、4コーナー16.0%でした。
芝はCコース替わり2週目で、3コーナーから直線にかけて内柵沿いの傷みが進んでいます。
ただし内が荒れていても前が止まらない傾向ははっきりしていて、土曜も逃げ・先行馬の粘り込みが目立ちました。
土曜9Rの勝浦特別は勝ち時計1分9秒7で、近10年の同時期と比べてもかなり遅い決着でした。
日曜は曇り予報で雨は小康状態の見込みですが、重からどこまで回復するかは読み切れません。
本番は1分8秒台後半のタフな決着を想定し、先行力とパワー、急坂をこなせる馬力を重視したい馬場です。
過去10年の枠別成績では4枠が最多の3勝、1枠は複勝率35%と好走率が高く、5枠から外は勝率5%と苦戦しています。
近年は外枠の先行馬が穴をあけていますが、外枠の人気馬は5年連続で勝てていない点も覚えておきたいデータです。
【前日最終オッズ(単勝)】
9番スターアニス 3.9倍(1番人気)
13番パンジャタワー 5.5倍(2番人気)
15番フリッカージャブ 6.6倍(3番人気)
11番ルガル 9.4倍(4番人気)
14番ウインカーネリアン 11.7倍(5番人気)
6番ワールズエンド 11.9倍(6番人気)
10番レイピア 16.4倍(7番人気)
3番ママコチャ 16.7倍(8番人気)
16番ピューロマジック 17.9倍(9番人気)
8番エーティーマクフィ 22.3倍(10番人気)
5番サウンドモリアーナ 27.5倍(11番人気)
4番ジューンブレア 29.5倍(12番人気)
7番ペアポルックス 30.6倍(13番人気)
1番レッドモンレーヴ 31.8倍(14番人気)
2番アイサンサン 53.5倍(15番人気)
12番ブラックチャリス 61.3倍(16番人気)
1番人気から4番人気までが10倍を切る混戦で、馬連・馬単・3連系はいずれも9番、13番、15番の組み合わせが1番人気です。
【1番 レッドモンレーヴ(牡7・58キロ・酒井学)】
前日オッズ31.8倍の14番人気で、1枠1番の最内枠からGⅠに挑みます。
前走のセントウルSは16着と大敗しましたが、ゲートでまったく出られず、レースに参加できないまま終わった一戦でした。
休み明けで出遅れたことを考えれば、着順は度外視してよい内容です。
今年3月の高松宮記念では2着に好走しており、GⅠの舞台でも通用する末脚を持っていることは証明済みです。
中2週の今回は追い切りでもハードに攻められ、型通りに一度使った効果で動きが良くなっています。
調教後の馬体重は516キロで前走比プラス4キロと、体調面の不安は見当たりません。
課題ははっきりしていて、スタートが遅くテンに行けない脚質そのものです。
今の中山は前残りが続いている馬場で、後方からの競馬になるとどうしても展開の助けが必要になります。
また右回りの重賞では掲示板に載ったことがなく、左回りの東京や中京で良さが出るタイプと言えます。
それでも最内枠を引いたことで、道中は内でじっと脚をためる競馬ができる点はプラス材料です。
ただし内柵沿いは傷みが進んでいるため、直線で進路をどこに取るかが結果を大きく左右しそうです。
ハイペースで前が崩れる流れになれば、高松宮記念で見せた末脚が再び生きる可能性はあります。
人気の盲点になっている今回は、展開ひとつで3着争いに食い込むヒモ穴候補として押さえておきたい1頭です。
【2番 アイサンサン(牝4・56キロ・幸英明)】
前日オッズ53.5倍の15番人気で、1枠2番からの発走となります。
愛知杯を逃げ切った実績を持つ先行型の牝馬で、自分の形に持ち込んだ時の粘りには見るべきものがあります。
ただ前走のヴィクトリアマイルは13着と大きく崩れ、今回はそこからの休み明けでの参戦です。
中間の調整は坂路での単走が中心で、負荷のかけ方としてはやや軽めに映ります。
久々の割には動けているものの、仕上げが急ピッチに見える点は割り引きが必要です。
調教後の馬体重は464キロで前走からプラス6キロと、数字の上では成長分とも取れる範囲です。
距離面では1600mから一気の1200m短縮となり、スプリントGⅠ特有の激しい先行争いに初めて挑みます。
今回はピューロマジックやサウンドモリアーナなど、テンの速い馬がそろっている点も楽ではありません。
一方で今の中山は内枠の先行馬に有利な前残り馬場で、1枠2番という枠そのものは悪くありません。
外の速い馬を行かせて内の2〜3番手で我慢できれば、見せ場を作れる可能性はゼロではないでしょう。
とはいえ牡馬一線級とのGⅠで、休み明けからいきなり一変するハードルは高いと言わざるを得ません。
ここは状態を確かめる一戦になる可能性が高く、馬券的には大きく評価を下げたい立場です。
【3番 ママコチャ(牝7・56キロ・武豊)】
前日オッズ16.7倍の8番人気で、2枠3番から2度目のスプリンターズS制覇を狙います。
2023年の覇者で、中山芝1200mのGⅠを勝った実績は今回のメンバーでも上位です。
前走のセントウルSでは外から脚を伸ばして3着に入り、7歳秋でも力が衰えていないことを示しました。
中間は若い頃ほどの動きではないものの、仕掛けられてからの反応は鋭く、一度使った上積みが感じられます。
調教後の馬体重は506キロで前走比プラス4キロと、体つきも安定しています。
今回は武豊騎手との新たなコンビで、スプリンターズSを知り尽くした名手の手綱が大きな魅力です。
2枠3番という内目の枠は、前残り傾向が続く今の馬場を考えると理想的な位置と言えます。
好位のインでロスなく立ち回り、直線で傷んだ内を避けて1頭分外に出せれば、しぶとく伸びてくるはずです。
父クロフネ譲りのパワーも備えており、重馬場を苦にしないタイプである点も今回は追い風です。
気になるのは、ここ最近の芝GⅠで掲示板を外すことが増えている点です。
高松宮記念も9着に終わっており、トップクラス相手に勝ち切るまでの力が残っているかは半信半疑の部分もあります。
それでも枠・馬場・騎手の3点がそろった今回は、人気以上に上位争いへ食い込む余地がある1頭です。
【4番 ジューンブレア(牝5・56キロ・坂井瑠星)】
前日オッズ29.5倍の12番人気で、2枠4番からの出走です。
昨年のスプリンターズSでは逃げてアタマ差の2着に粘り込み、この舞台への適性はすでに証明しています。
ただ昨年はスローに近い流れで前が残る展開に恵まれた面があり、鞍上の好判断も大きかった一戦でした。
今年は高松宮記念の17着以来、約半年ぶりのレースで、ぶっつけ本番での挑戦になります。
調教後の馬体重は500キロで、前走から16キロの大幅な増加となりました。
成長分なのか太め残りなのかは当日のパドックでしっかり確認したいところです。
中間は土曜日に坂路で強めに追われたものの、休み明けの影響か反応がひと息だった印象です。
昨年の同時期と比べると、動きの迫力はやや物足りなく映ります。
一方で2枠4番は昨年の7枠13番より内で、前残り馬場を生かす位置取りは取りやすくなりました。
坂井瑠星騎手は積極的な騎乗が持ち味で、ハナにこだわらず好位の内で運べれば粘り込みの余地はあります。
同型のピューロマジックが大外枠に入ったことで、テンの主導権争いに巻き込まれずに済む可能性もあります。
とはいえ休み明けと馬体増、GⅠでの相手強化を考えると、昨年の再現はハードルが高いと見るのが妥当です。
状態次第では一変もありえますが、今回は押さえ程度の評価にとどめたい存在です。
【5番 サウンドモリアーナ(牝4・56キロ・吉田隼人)】
前日オッズ27.5倍の11番人気で、3枠5番から一発を狙う今回の穴の筆頭候補です。
前走のキーンランドCでは2番手から直線で抜け出し、1番人気パンジャタワーに1馬身1/4差をつけて重賞初制覇を飾りました。
北九州記念6着からの鮮やかな巻き返しで、夏を越してはっきりと力をつけています。
今春には中山芝1200mのレースを逃げ切ってオープン入りを決めており、今回の舞台での勝ち鞍がある点は大きな強みです。
タフな洋芝の札幌で結果を出したように、力の要る馬場への対応力も十分に備えています。
中間は日曜日に本追い切りを消化し、直前は輸送を考えて軽めの調整でしたが、終いの伸びは鋭く好調をキープしています。
調教後の馬体重は458キロで前走比プラス4キロと、体調面も万全です。
父ミッキーアイル譲りのスピードと先行力があり、前残りの今の中山は脚質的にぴったりの馬場です。
3枠5番という内寄りの枠も、好位でロスなく運びたいこの馬には好材料と言えます。
不安点は、前走がゆったりした前半から後半に速くなるラップで、展開に恵まれた面もあったことです。
GⅠではテンから速い流れになりやすく、前走のように楽な形で運べるとは限りません。
それでも先行して粘る形に持ち込めれば、GⅠでも十分に勝ち負けできる力と勢いがあります。
人気の低さと馬場・枠・コース適性のかみ合い方を考えると、今回もっとも妙味の大きい1頭です。
【6番 ワールズエンド(牡5・58キロ・津村明秀)】
前日オッズ11.9倍の6番人気で、3枠6番から初めての1200m戦に挑みます。
春の安田記念ではクビ差の2着に好走し、マイルGIで世代トップ級の力を示しました。
京王杯SCでは1200m通過が1分7秒台という速い流れを自ら刻んで押し切っており、スプリント戦へのスピードの裏付けはあります。
1400mで見せたテンの速さを考えれば、距離短縮そのものは大きな壁にならない可能性もあります。
ただ、安田記念以来のぶっつけで、調教後の馬体重は490キロと前走から20キロ増えています。
中間の動きにも重さが残っていて、一度使ってからの方が良さそうな印象です。
鉄砲が利くタイプとはいえ、今回は完成度の点でやや割り引きが必要です。
もうひとつの気がかりは馬場で、これまでの好走は高速の東京や野芝の新潟に集中しています。
今の中山は重馬場で時計がかかり、スピードだけでは押し切れない条件です。
ロードカナロア産駒は中山芝1200mの重賞で近年好走例が少ないというデータも、評価を上げにくい材料です。
一方で3枠6番は内目で、前に行ける脚があるだけに位置取りの面では悪くありません。
好位でスムーズに運んで直線まで手応えが残れば、地力で上位に食い込む可能性は残っています。
能力は確かですが、距離・馬場・仕上がりの3つの壁を考えると、今回は連下候補の評価にとどめたい1頭です。
【7番 ペアポルックス(牡5・58キロ・岩田康誠)】
前日オッズ30.6倍の13番人気で、4枠7番からの出走です。
中山芝1200mで行われるオーシャンSの勝ち馬で、今回の舞台への適性は十分に証明されています。
昨年のキーンランドCでは2着に入っており、スプリント重賞で安定して走れる力を持っています。
今回は休み明けでの参戦ですが、日曜日に坂路で強めに追われて50秒6の好時計をマークしました。
久々を感じさせない鋭い動きで、ここを目標に仕上げてきたことがうかがえます。
調教後の馬体重は492キロで、前走から14キロの増加です。
成長分と見るか、まだ余裕が残っていると見るかは当日の馬体で判断したいところです。
4枠7番は過去10年で最多勝の4枠にあたり、枠の並びとしては恵まれました。
中団の内で脚をためられる位置から、先行勢を見ながら運べるのは理想的です。
一方で課題は明白で、これまで3回挑んだGⅠはすべて2桁着順に終わっています。
重賞では好勝負できても、GⅠの激しい流れになると力負けしているのが現状です。
岩田康誠騎手はインを突く騎乗が得意で、荒れた内をあえて通る思い切った進路取りをする可能性もあります。
中山適性と仕上がりの良さは魅力ですが、GⅠでの実績を考えると、ヒモ穴で一考するぐらいが妥当な評価です。
【8番 エーティーマクフィ(牡7・58キロ・富田暁)】
前日オッズ22.3倍の10番人気で、4枠8番から道悪での一発を狙います。
夏は函館スプリントSで2着、キーンランドCで4着と、スプリント重賞で安定して上位に来ています。
高松宮記念を除けば、芝に転向してからは勝ち馬と0秒3差以内の競馬を続けており、崩れない堅実さがあります。
もともとダートで使われていたパワー型で、時計のかかる馬場は大歓迎のタイプです。
稍重の芝では2着2回、3着1回と一度も馬券圏外に落ちていません。
今の中山は重馬場で1分8秒台後半の決着が見込まれ、この馬の良さが最も生きる条件がそろいました。
中間は追い切り当日だけでなく土曜日にも強めに追われ、夏から使い込んできた疲れはまったく見られません。
調教後の馬体重は484キロで前走比プラス2キロと、好状態をしっかり維持しています。
4枠8番は好走率の高い内寄りの枠で、中団からじわっと進出する競馬がしやすい位置です。
課題は瞬発力勝負への対応で、速い上がりを求められると切れ負けすることがあります。
ただ今回の馬場ならスピード勝負になりにくく、パワーで押し上げるこの馬の持ち味が生きるはずです。
7歳でもまだ力は衰えておらず、父マクフィ譲りの力強い走りが道悪で映える可能性は十分です。
人気は2桁でも、馬場が悪化するほど浮上する存在として、ぜひ押さえておきたい穴馬です。
【9番 スターアニス(牝3・54キロ・C.ルメール)】
前日オッズ3.9倍で1番人気に支持され、5枠9番から3歳牝馬のスプリント王を目指します。
昨年の阪神JF、今年の桜花賞とマイルGIを2勝しており、能力はメンバー中でもトップクラスです。
前走のオークスは12着と大敗しましたが、終始折り合いを欠いており、2400mの距離が合わなかったのは明らかです。
今回は2400mから一気に1200mへの距離短縮で、芝1200mはデビュー2戦目の未勝利戦で圧勝して以来となります。
ハイペースで流れる短距離戦はむしろこの馬にとって走りやすく、折り合いの不安がなくなる点はプラスです。
過去10年のスプリンターズSでは、1600m以上のGIで3着内に入った実績のある馬が7年連続で馬券に絡んでいます。
中間は1週前までは緩さが残っていたものの、最終追い切りでは見違えるような鋭い伸びを見せました。
持ったままでもスピード感たっぷりで、春より体の芯がしっかりしてきた印象です。
調教後の馬体重は488キロで前走比プラス8キロと、休み明けでも理想的な仕上がりです。
父ドレフォン、母エピセアローム、母の父ダイワメジャーという血統で、スプリントへの適性も十分に備えています。
54キロの斤量で古馬と戦えるのも3歳牝馬ならではの大きな利点です。
一方で初めての道悪と、初めての古馬GIという2つの未知数を抱えているのも事実です。
前半のスプリント特有の流れに戸惑わず中団で運べれば、ルメール騎手とともに差し切るだけの力は持っています。
【10番 レイピア(牡4・58キロ・横山武史)】
前日オッズ16.4倍の7番人気で、5枠10番からGI初制覇を狙います。
昨年秋以降はオーシャンS2着、前走のCBC賞2着など、重賞5戦すべてで掲示板を確保しています。
勝ち切れない面はあるものの、相手なりに走る安定感はメンバー屈指です。
近走は上がり3ハロン33秒台が求められる速い馬場が多く、この馬にとっては決して向いた条件ではありませんでした。
過去10年のスプリンターズSでは、前走中京芝1200mで連対した牡馬が2勝、2着3回と好成績を残しています。
時計のかかる今の中山は、パワーで押し切るこの馬のタイプに合う可能性があります。
今回は前日のうちに中山へ輸送を済ませ、一晩たってリラックスした様子を見せていると伝えられています。
陣営も他の有力馬に引けを取らないと自信をのぞかせており、状態面の心配は少なそうです。
調教後の馬体重は520キロで前走比プラス12キロと、しっかり体をつくって臨みます。
気になるのは追い切りでラストに脚が鈍る場面が目立ったことですが、もともと稽古では動かないタイプです。
横山武史騎手への乗り替わりで、陣営は騎手に任せる形で思い切った騎乗を期待しています。
5枠10番は外寄りですが、好位の外でスムーズに運べればロスは最小限に抑えられるはずです。
渋った馬場になった今回はチャンス十分で、人気以上の走りが期待できる穴候補の1頭です。
【11番 ルガル(牡6・58キロ・鮫島克駿)】
前日オッズ9.4倍の4番人気で、6枠11番から一昨年に続く2度目のスプリント王を狙います。
2024年のスプリンターズSの勝ち馬で、昨年末には阪神Cをコースレコードで制して復活を印象づけました。
今年はオーシャンS3着のあと、ドバイと英国への海外遠征を経ての帰国初戦となります。
1週前と2週前は栗東の馬場が悪く時計が出ませんでしたが、最終追い切りは坂路で4ハロン54秒2、ラスト12秒0とさすがの加速を見せました。
鞍上も本来の動きに戻ったと手応えを口にしており、陣営は一昨年と同じような状態まで仕上げたいと話しています。
調教後の馬体重は540キロで、国内最後のレースから12キロ増えましたが、陣営は狙いどおりの数字と前向きです。
杉山晴紀調教師は、理由は分からないものの真ん中よりも外めの枠で結果が出ている馬だと話し、6枠11番を歓迎しています。
実際に一昨年のスプリンターズSは13番、阪神Cは15番枠から勝っており、枠の心配はなさそうです。
右回りの方が走りのバランスが良く、不良馬場の橘Sを勝った実績もあるため、道悪にも対応できると陣営は見ています。
一方で好走した2つのGI級レースはどちらも速い時計の決着で、高速馬場の方が本来の良さが出るタイプとも言えます。
海外帰りの過去2戦で凡走している点も、データ面では気になるところです。
それでも実績と中山での勝ち方を考えれば、父ドゥラメンテ譲りの底力で上位争いに加わる可能性は十分にあります。
【12番 ブラックチャリス(牝3・54キロ・浜中俊)】
前日オッズ61.3倍の16番人気で、6枠12番から3歳牝馬として古馬GIに挑みます。
2走前には函館の青函Sを勝っており、夏の北海道シリーズでスプリント路線に活路を見いだしました。
前走のUHB賞は6着に終わりましたが、大きく崩れたのはこれまで桜花賞の15着だけです。
スピードを生かした競馬で、相手なりにまとめられる器用さがあります。
中間は1週前にCWコースで好時計をマークし、北海道で見せていた好調をそのまま維持しています。
調教後の馬体重は472キロで前走比プラス2キロと、状態面の不安は見当たりません。
54キロの軽い斤量で走れる点は、3歳牝馬ならではの利点です。
ただ古馬の一線級と戦うのは今回が初めてで、GIのペースにどこまで対応できるかは未知数です。
今回は桜花賞馬のスターアニスも同じ3歳牝馬として出走しており、世代の力関係を見ても厳しい立場です。
6枠12番はやや外寄りで、前残りの馬場を考えると先行争いに加われるかどうかが鍵になります。
重馬場の経験が少ない点も、今回のタフな中山では割り引きが必要な材料です。
浜中俊騎手は冷静な騎乗が持ち味で、うまく好位のインにもぐり込めれば見せ場はあるかもしれません。
とはいえ現時点では経験と実績の差が大きく、今回は将来に向けて経験を積む一戦になる可能性が高いでしょう。
【13番 パンジャタワー(牡4・58キロ・松山弘平)】
前日オッズ5.5倍の2番人気で、7枠13番から2つ目のGIタイトルを狙います。
昨年のNHKマイルCの勝ち馬で、今年も高松宮記念4着、安田記念5着とGIで上位を続けています。
前走のキーンランドCでは1番人気で2着に敗れましたが、ゆったりした前半からの前残り展開で、勝ち馬に展開が向いた面がありました。
この馬の大きな特徴は、NHKマイルCや高松宮記念のように、ひと叩きした2戦目で着順を上げてくる点です。
今回はまさにその叩き2戦目にあたり、上積みが大いに期待できるローテーションです。
中間は前走時の動きが良すぎたこともあってやや地味に見えましたが、スピードの乗りは良く好状態を保っています。
調教後の馬体重は496キロで前走比プラス2キロと、体調面はまったく問題ありません。
注目すべきは松山弘平騎手が複数のお手馬の中から、この馬を選んで騎乗する点です。
セントウルSを勝ったフリッカージャブではなくこちらを選んだことは、陣営と騎手の期待の高さを物語っています。
札幌の洋芝で結果を出したように、タフな馬場への適性も十分に備えています。
課題は7枠13番という外寄りの枠で、外枠の人気馬が5年続けて勝てていないデータは気になるところです。
ただ一昨年のルガルは13番枠から勝っており、好位の外でスムーズに運べれば枠の不利は最小限にとどめられます。
父タワーオブロンドン譲りのスピードと、GIを勝った底力を考えれば、今回の主役候補の1頭です。
【14番 ウインカーネリアン(牡9・58キロ・三浦皇成)】
前日オッズ11.7倍の5番人気で、7枠14番から史上まれな連覇に挑みます。
昨年のスプリンターズSでは8枠16番から11番人気で2番手から押し切り、見事にGIのタイトルを手にしました。
9歳を迎えた今年も高松宮記念3着、キーンランドC3着と、年齢を感じさせない安定した走りを見せています。
国内での叩き2戦目は3勝、2着2回と好成績を残しており、今回もそのパターンにあてはまります。
中間は北海道から美浦に戻ってからも軽快な動きを続けており、はつらつとした様子です。
調教後の馬体重は520キロで前走比プラス6キロと、しっかり体をつくって本番を迎えます。
最大の武器は、スタートから好位を取れる先行力です。
前残りが顕著な今の中山は、この馬の持ち味がそのまま生きる馬場と言えます。
昨年も外枠から2番手に付けてロスなく運んでおり、7枠14番でも同じような競馬は十分に可能です。
父スクリーンヒーロー譲りのしぶとさもあり、重馬場を苦にしないパワーも持っています。
三浦皇成騎手とのコンビも継続で、昨年の勝ちパターンを知り尽くしている点は心強い材料です。
気になるのは9歳という年齢と、昨年のようにマークが薄い立場ではなくなったことです。
それでも馬場と脚質のかみ合い方を考えれば、今年も上位争いに加わる力は十分にある1頭です。
【15番 フリッカージャブ(牡4・58キロ・西村淳也)】
前日オッズ6.6倍の3番人気で、8枠15番から初めてのGIに挑みます。
鞍馬S、北九州記念、セントウルSと重賞2勝を含む3連勝中で、勢いはメンバー随一です。
前走のセントウルSは2番手からじっくり運び、坂を上ってから逃げたピューロマジックをきっちり捕まえました。
前半600m32秒8の速い流れで1分6秒9の好時計決着となっており、レースの中身はかなりハイレベルでした。
中間は中2週でいつもよりやや控えめな調整でしたが、それでも迫力十分の動きで十分な時計を出しています。
調教後の馬体重は508キロで前走比プラス2キロと、連戦の疲れは見られません。
父サートゥルナーリアの血統で、先行してしぶとく伸びる競馬ができるのが強みです。
一方で不安材料もいくつかあります。
まず、これまで主戦を務めた松山騎手がパンジャタワーを選んだため、今回は西村淳也騎手に乗り替わります。
スプリンターズSは継続騎乗の馬が圧倒的に好成績で、テン乗りで勝った馬は少ないのが実情です。
また、過去10年で同じ年の北九州記念を勝った馬は、スプリンターズSで一度も馬券に絡んでいません。
さらに8枠15番の外枠に加え、一度だけ走った中山では6着に敗れており、コース適性も未知数です。
勢いと能力は確かですが、乗り替わり・外枠・夏からの連戦という3つの壁を越えられるかが最大の焦点です。
【16番 ピューロマジック(牝5・56キロ・岩田望来)】
前日オッズ17.9倍の9番人気で、8枠16番の大外枠からハナを狙います。
今夏は函館スプリントS、アイビスSDと重賞を連勝し、サマースプリント路線で主役を演じました。
前走のセントウルSでは自ら先手を奪いに行き、前半600m32秒8の速いペースで逃げて2着に粘りました。
途中で気合いが入りすぎてペースが速くなったにもかかわらず残ったのは、スピードの持続力が本物である証拠です。
今回は大外枠からの発走で、スタートでどれだけ速く内へ切れ込めるかが最初の関門になります。
ただ今の中山は前残りの傾向がはっきりしていて、逃げ馬には追い風の馬場状態です。
うまくハナを取って自分のリズムで運べれば、そのまま押し切る場面も十分に考えられます。
調教後の馬体重は470キロで前走比プラス10キロと、夏の疲れで細くなってはいません。
ただ中2週の今回は追い切りの鋭さがやや物足りず、絶好調時と比べると少し見劣りする印象です。
夏から数えて4戦目となり、使い込んできた疲れがどこまで残っているかは気になるところです。
同型のアイサンサンやジューンブレア、先行力のあるサウンドモリアーナやウインカーネリアンもいます。
先行争いが激しくなれば、前走以上に厳しいペースを強いられる可能性があります。
それでも父アジアエクスプレス譲りのパワーで道悪をこなせれば、大外からでも粘り込みを狙える1頭です。
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