【毎日王冠2026 データ分析】危険な人気馬・勝ち馬の条件を徹底解剖!1番人気複勝率90%の堅い重賞を攻略
2026年10月4日(日)15時45分、東京競馬場・芝1800メートルで第77回毎日王冠(GII)が行われます。1着馬には天皇賞(秋)への優先出走権が与えられる、秋のGIシリーズへ向けた最重要ステップレースです。今年は皐月賞2着のリアライズシリウス、NHKマイルカップ3着のアドマイヤクワッズ、昨年2着のホウオウビスケッツ、昨年3着のサトノシャイニングなどが登録。毎日王冠は1番人気が過去10年で7勝・3着内率90%という、重賞屈指の「堅い」レースです。ここでは過去10年のデータを徹底分析し、コースの特徴、各データ傾向、そして「危険な人気馬の条件」「勝ち馬の条件」を詳しく解説します。
コース解説 東京芝1800m

毎日王冠は4回東京開催の2日目、Aコースの2日目に行われます。夏の間じっくりと芝の生育に充てられた後の秋開催で、芝は絶好のコンディションが予想されます。東京芝Aコースは1周2083.1メートル、幅員31〜41メートル、直線525.9メートル、高低差2.7メートル。直線の長さは新潟外回りに次ぐ国内2位です。
スタートは1コーナーと2コーナーの中間にあるポケット地点で、正面から見て斜めに横切るように向正面の直線に合流する特殊なコース形態です。合流地点までは約150メートル。2コーナーは32度ほど進行方向を変えるだけの緩いカーブで、実質的には「ワンターン」に近い設定です。ただし2コーナーを斜めに曲がるため、外目を通らされると距離ロスが生じます。このコーナーでうまく流れに乗れる器用さと、直線に末脚を温存できる折り合いが好走の条件になります。
2コーナーを回り切ったところで先行争いが一旦落ち着き、そこから3コーナーまで距離があるため、前半はスローペースになりやすいのが最大の特徴です。向正面半ばから緩い上り坂、3〜4コーナーは下り坂でスピードに乗り、直線に入ると残り480メートルから260メートル地点にかけて高低差2.1メートルのなだらかな上り坂。坂を上り切るとゴールまで平坦です。
結果として毎日王冠は「スローペースからの瞬発力勝負」になりやすく、先行力に加えて直線での瞬発力が要求されます。芝1600メートルと形態は似ていますが、コーナーが1つ増えることで緩急のある展開となり、折り合いが重視されます。GIには存在しない1800メートルという独特の距離で、芝1800メートル巧者が好走しやすいレースです。一般に東京芝1800メートルは内枠有利とされますが、毎日王冠の実績では外枠からの勝ち馬も多く、枠だけで決め打ちするよりも立ち回りの器用さを重視したい舞台です。
データ分析① 人気

過去10年の単勝人気別成績では、1番人気が【7-1-1-1】で勝率70.0%・連対率80.0%・3着内率90.0%という圧倒的な数字を残しています。重賞でこれほど1番人気が信頼できるレースは珍しく、毎日王冠を攻略する上での最重要データです。2番人気は【0-3-1-6】で3着内率40.0%、3番人気は【1-3-1-5】で50.0%、4番人気は【1-2-3-4】で60.0%、5番人気は【1-1-2-6】で40.0%と、2〜5番人気もしっかりと結果を残しています。
一方で、6番人気以下になると成績は急落します。6〜9番人気は【0-0-1-39】で3着内率2.5%、10番人気以下は【0-0-1-27】で3.6%。つまり、過去10年で6番人気以下から馬券圏内に入ったのはわずか2頭だけです。さらに細かく見ると、7〜9番人気は過去10年すべて馬券圏外。単勝オッズで見ても、単勝20倍以上の馬が連対したケースは一度もありません。
このデータが意味するのは、「毎日王冠は波乱が極めて少なく、上位人気馬がきっちり結果を出すレース」だということです。秋のGIを見据えた実績馬が集まり、東京の良好な馬場でスローからの瞬発力勝負になるため、能力通りの決着になりやすいのです。馬券戦略としては、1番人気を軸に据え、相手を2〜5番人気に絞るのが基本線。高配当狙いで人気薄を手広く買うのは、このレースでは効率が悪いと言えます。3連単でも、1番人気から5番人気以内の組み合わせを中心に組み立てたいところです。
データ分析② 年齢

過去10年の年齢別成績を見ると、年齢が若い馬ほど3着内率が高いという、非常にわかりやすい傾向が出ています。3歳馬が【5-1-1-10】で勝率29.4%・連対率35.3%・3着内率41.2%と、すべての率でトップ。出走数17頭で5勝という高い勝率は驚異的です。特に2019年以降に限ると【5-0-1-5】で、3歳馬の出走があった年は毎回馬券に絡んでいます。ダノンキングリー、サリオス、シュネルマイスター、エルトンバローズ、シックスペンスと、近年の3歳馬の活躍は目覚ましいものがあります。
これに続くのが4歳馬の【2-3-5-22】(3着内率31.3%)と、5歳馬の【3-4-3-27】(同27.0%)です。6歳馬になると【0-2-0-15】で3着内率11.8%、7歳以上は【0-0-1-14】で6.7%と、ガクンと数字が下がります。6歳以上の馬は過去10年で1頭も勝っていません。
3歳馬が強い理由は、斤量面の恩恵と成長力にあります。毎日王冠は別定戦で、3歳馬は古馬より軽い斤量で出走できます。さらに、春のクラシックで世代トップクラスの力を示した3歳馬が、夏を越して心身ともに成長した状態で臨むケースが多いのです。瞬発力勝負になりやすい東京1800メートルでは、若さからくる切れ味も大きな武器になります。今年は皐月賞2着のリアライズシリウス、NHKマイルカップ3着のアドマイヤクワッズといった3歳馬が登録しており、このデータに照らせば最有力候補となります。逆に、6歳以上の人気馬は割り引いて考えるのが得策です。
データ分析③ 前走

過去10年の前走別成績では、前走がGIだった馬が【6-6-5-27】で勝率13.6%・3着内率38.6%と、最も好成績を残しています。特に有力なのが、安田記念組の【3-4-3-10】と日本ダービー組の【3-1-1-4】。この2つのレースから臨む馬は必ずマークしたい存在です。一方、それ以外のGIからの転戦馬は成績がいまひとつで、GIならどこでもよいわけではありません。
前走GIIは【1-1-0-11】で3着内率15.4%、前走GIIIは【3-3-5-35】で23.9%。そして前走オープン特別は【0-0-0-10】、3勝クラスは【0-0-0-2】と全滅しています。つまり、前走が重賞以外だった馬は過去10年で【0-0-0-12】と1頭も馬券に絡んでいません。海外レース帰りも【0-0-0-2】と結果が出ていません。
さらに注目すべきは、前走の格と着順の関係です。過去10年の優勝馬10頭の前走は6頭がGI、1頭がGII、3頭がGIIIでした。前走GI・GIIだった勝ち馬は、そのレースで2着以下に敗れていましたが、前走GIIIだった3頭はいずれも勝利を収めていました。つまり「GI・GII組は負けていても問題ないが、GIII組は勝っていることが条件」ということです。
前走人気も重要な指標です。前走5番人気以内だった馬は【9-6-8-40】で、3着以内馬の76.7%を占めています。前走でも上位評価を受けていた実力馬が、このレースでも結果を出しているのです。前走の格、着順、人気の3点を組み合わせて候補を絞り込むのが、毎日王冠攻略の基本となります。
データ分析④ 枠順・脚質・馬体重

枠順については、一般的に東京芝1800メートルは内枠有利とされますが、毎日王冠の実績では必ずしもそうではありません。過去10年で最も多く優勝馬を出したのは7枠で、4勝・勝率20%・連対率30%。6枠と8枠も2勝ずつ挙げており、外枠からの勝ち馬が目立ちます。一方、1枠は複勝率40%と安定していますが、2枠は10頭で勝利なし・複勝率10%、2枠と4枠からは過去10年で優勝馬が出ていません。開幕2日目の絶好の馬場で、外からでもスムーズに加速できることが外枠好成績の要因と考えられます。
脚質では、先行馬が4勝で最多、複勝率31%と好成績です。逃げ馬も【1-3-0-6】で複勝率40%と侮れません。一方、差し馬は39頭で2勝・複勝率17%にとどまります。ただし、2013年以降の上がり3ハロン最速馬は【5-4-1-7】と上々の成績で、4角先頭馬も【2-4-1-6】と過半数が馬券に絡んでいます。脚質そのものより「いかに速い脚を持続的に使えるか」が最大のポイントです。
見逃せないのが馬体重のデータです。過去10年の優勝馬10頭のうち7頭、3着以内馬30頭のうち15頭が馬体重500キロ以上でした。459キロ以下の馬も出走数は少ないものの3着内率は30%を超えています。対照的に、460〜499キロの範囲の馬は3着内率が20%以下にとどまっています。大型馬のパワーが、直線の坂と長い直線での持続力勝負で生きていると考えられます。
騎手では、C.ルメール騎手が毎日王冠で【3-2-1-2】・複勝率75%、東京芝1800メートル全体でも複勝率62%と抜群の成績。騎乗馬が決まれば必ず押さえておきたい存在です。また関東馬が関西馬よりも3着以内数・各率で優勢という傾向もあります。
データ分析⑤ 優勝馬の共通点

過去10年の優勝馬には、非常に明確な共通点があります。それは、全ての優勝馬が2歳または3歳限定の芝1600〜2200メートルの重賞を勝っていたという点です。2016年ルージュバック(きさらぎ賞)、2017年リアルスティール(共同通信杯)、2018年アエロリット(NHKマイルカップ)、2019年ダノンキングリー(共同通信杯)、2020年サリオス(朝日杯フューチュリティステークス)、2021年シュネルマイスター(NHKマイルカップ)、2022年サリオス、2023年エルトンバローズ(ラジオNIKKEI賞)、2024年シックスペンス(スプリングステークス)、2025年レーベンスティール(セントライト記念)。例外は1頭もいません。
このデータが示すのは、クラスを1つずつ勝ち上がってきた叩き上げの馬よりも、比較的早い時期からマイルから中距離で潜在能力の高さを示していた「早熟性と素質を兼ね備えたエリート」が勝つレースだということです。2歳・3歳時に重賞を勝てるだけの能力は、古馬になってからの東京1800メートルという総合力が問われる舞台でも発揮されるのです。
血統面では、キズナ産駒が毎日王冠で【1-1-1-0】と出走3頭すべてが馬券圏内。該当するサトノシャイニングは昨年の毎日王冠で3着に入っており、血統データとコース実績が重なります。リアルスティール産駒も毎日王冠1戦1勝、東京芝1800メートル全体でも勝率30%・複勝率40%と好成績で、今年はアドマイヤクワッズが該当します。父リアルスティール自身が2017年の毎日王冠の勝ち馬という点も興味深いところです。候補を絞り込む際は、まず「2歳・3歳限定重賞の勝ち鞍の有無」を確認し、その上で血統やローテーションを照らし合わせるのが効果的です。
毎日王冠 危険な人気馬の条件

過去10年のデータから、人気を裏切りやすい馬には次のような共通点が見られます。
① 前走が重賞以外(オープン特別・条件戦)だった人気馬。前走重賞以外の馬は過去10年【0-0-0-12】で1頭も馬券に絡んでいない。勢いだけで人気を集めても、重賞の壁は厚い。
② 6歳以上のベテラン人気馬。6歳は3着内率11.8%、7歳以上は6.7%と急落し、6歳以上の優勝馬は過去10年で1頭もいない。実績があっても年齢面の割引は必須。
③ 2歳・3歳限定の重賞勝ちがない人気馬。過去10年の優勝馬は全て2歳・3歳限定の芝1600〜2200メートル重賞の勝ち馬。叩き上げの上がり馬は、人気でも勝ち切るまでは難しい。
④ 前走GIIIで負けていた人気馬。前走GIII組の優勝馬3頭はいずれも前走1着。前走GIIIで2着以下だった馬は、人気を集めても勝ち切りにくい。
⑤ 前走6番人気以下だった人気馬。前走5番人気以内の馬が3着以内の76.7%を占める。前走で評価の低かった馬が一変して人気になっている場合は疑ってかかりたい。
⑥ 馬体重460〜499キロの中型馬で、瞬発力の裏付けに乏しい人気馬。この馬体重帯は3着内率20%以下と、500キロ以上の大型馬に比べて明確に見劣る。
毎日王冠 勝ち馬の条件

過去10年の優勝馬を分析すると、勝ち切る馬には次のような明確な共通点があります。
① 2歳・3歳限定の芝1600〜2200メートル重賞の勝ち鞍がある馬。過去10年の優勝馬は例外なくこの条件を満たしている。最優先でチェックしたい絶対条件。
② 1番人気、または2〜5番人気の上位人気馬。1番人気は7勝・3着内率90%。6番人気以下の優勝馬は過去10年でゼロで、単勝20倍以上の連対もない。
③ 3歳馬、または4〜5歳の若い馬。3歳馬は勝率29.4%でトップ、2019年以降は出走した年に毎回馬券に絡んでいる。6歳以上は未勝利。
④ 前走が安田記念か日本ダービーだった馬。安田記念組【3-4-3-10】、ダービー組【3-1-1-4】と、この2つのGIからの転戦馬が中心。前走GI・GII組なら前走の着順は問わない。
⑤ 前走5番人気以内で、先行力と速い上がりを兼ね備えた馬。前走上位人気馬が3着以内の76.7%を占め、脚質では先行が最多4勝。上がり最速馬も好成績。
⑥ 馬体重500キロ以上の大型馬。優勝馬10頭中7頭が500キロ以上で、長い直線と坂での持続力勝負に強さを発揮している。
まとめ

毎日王冠は、1番人気が過去10年で7勝・3着内率90%という、重賞屈指の堅いレースです。6番人気以下の3着以内はわずか2頭で、単勝20倍以上の連対もゼロ。波乱を期待するよりも、上位人気馬の中から勝ち馬を正確に選び出すことが攻略のカギとなります。その絞り込みに最も有効なのが「2歳・3歳限定の芝1600〜2200メートル重賞の勝ち鞍」という条件で、過去10年の優勝馬は例外なくこれを満たしています。加えて、3歳馬の好成績、安田記念組とダービー組の優位、前走5番人気以内、馬体重500キロ以上といったデータを重ねれば、勝ち馬像はかなり明確になります。今年は3歳のリアライズシリウスとアドマイヤクワッズ、コース実績のあるホウオウビスケッツやサトノシャイニングなどが上位人気を争いそうです。枠順確定後は、7枠の好成績と2枠の不振、そして当日の馬場状態も合わせて確認し、狙いを定めてください。
【毎日王冠2026 血統分析】後傾ラップはディープインパクト、前傾ラップはトニービン!有力8頭の血統を徹底解剖
2026年10月4日(日)15時45分、東京競馬場・芝1800メートルで第77回毎日王冠(GII)が行われます。天皇賞(秋)への最重要ステップで、今年は皐月賞2着のリアライズシリウス、毎日王冠2年連続2着のホウオウビスケッツ、昨年3着のサトノシャイニング、2023年の覇者エルトンバローズらが登録しています。ここでは毎日王冠の血統傾向を「ラップ」という視点から整理し、有力8頭の血統を1頭ずつ詳しく分析します。
毎日王冠の血統傾向 後傾ラップ=ディープインパクト、前傾ラップ=トニービン
近年の毎日王冠は、ペース配分によって好走血統がはっきりと分かれています。2025年(前半800m46.7秒‐中間11.9秒‐後半800m45.4秒)、2024年(47.5‐11.9‐45.7)、2023年(47.9‐11.6‐45.8)と、ここ3年はいずれも前半より後半が速い「後傾ラップ」でした。この3年で馬券に絡んだ延べ9頭のうち、2023年3着のシュネルマイスターを除く馬の多くがディープインパクトの血を引いていました。
象徴的なのがリピート好走馬です。父ディープブリランテのエルトンバローズは2023年1着・2024年3着、母母父ディープインパクトのホウオウビスケッツは2024年・2025年と2年連続2着。スローからの瞬発力勝負になれば、ディープインパクト由来のしなやかな切れ味が威力を発揮します。
一方、2022年は前後半が46.2秒ずつという、緩みのない平均ラップで流れました。このときはハーツクライ産駒のサリオスが勝ち、ジャスタウェイ産駒のダノンザキッドが3着。ディープインパクトの血を引く馬は4着・6着・9着・10着と、揃って馬券圏外に沈みました。ハーツクライはトニービンの血を持つ種牡馬で、ペースが緩まず持続力が問われる展開では、トニービン由来の長く良い脚が生きるのです。
つまり毎日王冠の血統予想は、「後傾ラップならディープインパクトの血、前傾・平均ラップならトニービンの血」という頭で臨むのが有効です。逃げ・先行馬の顔ぶれからペースを読み、それに合った血統を選ぶことが的中への近道となります。今年の出走予定馬には、両方の血を併せ持つ馬もいます。
リアライズシリウス(牡3)

父ポエティックフレア、母母ダンスーズデトワール。ルルーシュ、オメガホームラン、ステージプレゼンス、レッドシルヴィの甥にあたる良血で、共同通信杯を勝ち、今年の皐月賞では2着に好走しました。
父ポエティックフレアは英2000ギニーを制したマイルGI馬で、初年度産駒から本馬やカフジエメンタールを輩出しています。ポエティックフレア産駒は完成度の高いパワー型マイラーが多いのですが、本馬はそのイメージと少し異なります。リヴァーマンの3/4同血クロスを持ち、祖母ダンスーズデトワールがマルセルブサック賞(仏G1・芝1600m)2着というフランスの牝系から斬れ味を受け継いでいます。父を脚長にして、斬れる体質にしたようなタイプです。
このため適性は、大きなコースの1800メートルがベストと考えられます。その点で注目したいのが、東京芝1800メートルが共同通信杯を勝ったコースだということです。今回の毎日王冠と全く同じ舞台で重賞を勝っており、コース適性は実証済みです。
データ面でも好材料が揃っています。毎日王冠は3歳馬が勝率29.4%でトップ、2019年以降は出走した年に毎回馬券に絡んでいます。さらに、過去10年の優勝馬はすべて「2歳・3歳限定の芝1600〜2200メートルの重賞」を勝っていましたが、本馬の共同通信杯はまさにこの条件に当てはまります。
血統的にディープインパクトもトニービンも持たない点は、ラップ理論の上では中立です。ただし、フランス牝系由来の斬れ味があるため、後傾ラップの瞬発力勝負にも十分対応できるでしょう。皐月賞2着の地力と同舞台の重賞実績を考えれば、正攻法で押し切るシーンも十分に描けます。データと血統の両面から、最有力候補のひとつです。
ホウオウビスケッツ(牡6)

父マインドユアビスケッツ、母ホウオウサブリナ、母父ルーラーシップ。美浦・奥村武厩舎の管理馬で、函館記念を勝ち、毎日王冠では2024年・2025年と2年連続2着。天皇賞(秋)3着、金鯱賞2着、東京新聞杯3着と、東京コースと中距離で抜群の安定感を誇ります。
この馬が毎日王冠の血統理論で特別な存在なのは、ディープインパクトとトニービンの両方の血を持っているからです。母母トラヴェシーアの父がディープインパクトで、後傾ラップに強いディープの切れ味を受け継いでいます。さらに母父ルーラーシップの母はエアグルーヴで、その父がトニービン。前傾ラップに強いトニービンの持続力も併せ持っています。ペースがどちらに振れても対応できる、まさに毎日王冠向きの配合と言えます。
父マインドユアビスケッツは米国やドバイのダート短距離GIを4勝したスプリンターですが、種牡馬としては自身のイメージとは異なり、マイルから中距離の芝馬も多く出しています。父系も母父系もデピュティミニスター系で、この系統はディープインパクト系と相性が良いとされ、実際に母父ディープインパクトとの組み合わせはニックスと言われています。また、欧州血統と親和性が高く、ハイペリオン的な資質が濃いルーラーシップとも好相性です。
課題は年齢と実績の種類です。毎日王冠は6歳以上の優勝馬がおらず、6歳の3着内率は11.8%と割引材料です。また、過去10年の勝ち馬はすべて2・3歳限定重賞の勝ち馬でしたが、本馬はスプリングステークス2着止まりで、この条件を満たしていません。2年連続2着という結果は、「馬券には来るが勝ち切れない」というデータを裏付けているとも言えます。3着以内の軸としては、出走馬中で最も信頼できる一頭です。
サトノシャイニング(牡4)

父キズナ、母スウィーティーガール、母父スターダブラー。サトノガレオンの半弟で、母スウィーティーガールはアルゼンチンの1000ギニーにあたるポトランカス大賞(亜G1・芝1600m)の勝ち馬です。昨年の毎日王冠では3着に入っています。
父キズナはジャスティンミラノやソングラインを出したリーディングサイアーで、ディープインパクトの後継種牡馬。毎日王冠ではキズナ産駒が【1-1-1-0】と、出走3頭すべてが馬券に絡んでいます。後傾ラップに強いディープインパクトの血を引き、父系レベルでこのレースへの適性が証明されている点は大きな強みです。
母父スターダブラーはインディアナダービー(米G2・ダート)を勝ったヘイロー系。北米のパワーを持つ牝系で、ヘイローの4×4のクロスを持つため、俊敏で機動力に富んだ走りをします。距離は本来1800メートルがベストで、毎日王冠の舞台は合っています。
気になるのは気性面です。昨年の毎日王冠は前半に力んでしまい、それでも3着に粘ったという内容でした。前走のマイル戦・中京記念では中団でしっかり折り合い、直線で脚を伸ばしてきました。1800メートルに戻る今回、もう少しペースが緩み、スムーズに走れるかどうかが鍵になります。前半スローの後傾ラップになれば、キズナ産駒らしい切れ味を存分に発揮できるでしょう。
データ面では、4歳は3着内率31.3%と3歳に次ぐ好成績です。また本馬は3歳時にきさらぎ賞を勝っており、毎日王冠の優勝馬に共通する「2・3歳限定の芝1600〜2200メートル重賞の勝ち鞍」も持っています。キズナ産駒の好成績、昨年3着のコース実績、優勝馬の条件と、揃う材料は多い一頭です。
アドマイヤクワッズ(牡3)

父リアルスティール、母デイトライン、母父Zoffany。栗東・友道康夫厩舎の管理馬で、ノーザンファーム生産、セレクトセールで7260万円で取引された良血です。デイリー杯2歳ステークスを京都芝1600メートル2歳コースレコードの1分33秒1で制し、朝日杯フューチュリティステークス3着、今年のNHKマイルカップでも3着に入りました。
父リアルスティールはディープインパクト産駒で、ドバイターフの勝ち馬。そして2017年の毎日王冠の勝ち馬でもあります。リアルスティール産駒は毎日王冠で1戦1勝、東京芝1800メートル全体でも勝率30%・複勝率40%と好成績。父自身がこのレースを勝ったうえ、ディープインパクトの血を引くため、後傾ラップの瞬発力勝負に向いています。
母父Zoffanyは欧州のGI馬で、英G1勝ちのマザーアースなどを出した種牡馬。欧州由来の血が加わることで、切れと持続力の両方が期待できます。リアルスティール産駒は母系の影響を強く受けやすいと言われ、本馬は欧州の芝血統らしく、芝のマイルから中距離に適性を示しています。
データ面では、3歳馬の好成績に加え、デイリー杯2歳ステークスが「2・3歳限定の芝1600メートル重賞」に該当し、優勝馬の条件を満たしています。
懸念は距離です。皐月賞は15着に大敗し、NHKマイルカップ後に友道調教師は「マイルなら最後まで集中してくれます」と語っていました。気性面から見ると、マイルがベストという陣営の見立てです。1800メートルは東京コースなら許容範囲ですが、スローで折り合えるかがポイント。毎日王冠は天皇賞(秋)とマイルチャンピオンシップ双方へのステップになるため、ここで距離適性を見極める一戦になりそうです。
エルトンバローズ(牡6)

父ディープブリランテ、母ショウナンカラット、母父ブライアンズタイム。栗東・杉山晴紀厩舎の管理馬で、2023年の毎日王冠を3歳で制し、2024年も3着と、このレースで2度馬券に絡んでいます。ラジオNIKKEI賞、今年のしらさぎステークスと重賞3勝、マイルチャンピオンシップでも2着に入っています。
父ディープブリランテは日本ダービー馬で、ディープインパクトの後継種牡馬。後傾ラップに強いディープの血を持ち、実際に後傾ラップだった2023年に優勝、2024年に3着と、血統理論どおりの結果を残してきました。
注目は母父ブライアンズタイムとの組み合わせです。ディープインパクトはブライアンズタイムの血と相性が良く、ディープインパクト×母父ブライアンズタイムの牡馬はディーマジェスティ、モンドインテロなど活躍馬を多く出しています。息子のディープブリランテもこの相性を引き継いでいる可能性があり、同じ配合のセダブリランテスも重賞を勝っています。ブライアンズタイムはロベルト系で、パワーと機動力を与える血です。牝系は、名牝ベガにつながるニュースヴァリューの系統です。
血統的な構成はパワーと機動力が主体で、長く良い脚を使う持続型というよりは、溜めて一瞬の脚を使うタイプ。2023年の勝利も、直線で内に閉じ込められた分が良い溜めになったと見ることができます。
課題は年齢です。毎日王冠は6歳以上の勝ち馬がいません。ただ、3歳時にラジオNIKKEI賞を勝っており、優勝馬の条件は満たしています。今年しらさぎステークスを勝って復調を示した点も好材料で、コース実績を考えれば軽視はできない存在です。
レディネス

父スワーヴリチャード、牝祖ゴールデンオピニオン。仏1000ギニー3着のラヒーヤの甥で、アルクオーツスプリント2着のファイナルソングのイトコにあたります。前走の札幌記念では、内の3番手で立ち回り、人気薄ながら馬券圏内に好走しました。
父スワーヴリチャードはジャパンカップと大阪杯を制したハーツクライ産駒。ハーツクライの母アイリッシュダンスの父はトニービンで、本馬はトニービンの血を持つ馬です。2022年の毎日王冠で、ペースが緩まなかった年にハーツクライ産駒サリオスが勝ったように、前傾や平均ラップになった場合に浮上する血統です。
スワーヴリチャード産駒の中でも、母系にダンジグの血を引く馬はレガレイラ、アーバンシック、ジャスティンシカゴなどよく走っており、本馬もこの成功パターンに当てはまります。牝祖ゴールデンオピニオンはコロネーションステークス(英G1・芝8F)の勝ち馬で、母系は欧州のマイラー血統です。
母方のマイラーらしさが強く出ているため、ベスト距離はこの1800メートルと見られます。札幌記念の2000メートルでも好走したように、中距離への対応力もありますが、スピードが生きる東京1800メートルはさらに合う舞台でしょう。レースぶりが上手く、内で立ち回れる器用さも武器です。毎日王冠は2コーナーでの立ち回りが重要なコースで、この器用さは大きなプラスになります。
ラップが前傾・平均に流れた場合の筆頭候補として、また馬券的には人気薄の立ち回り巧者として、押さえておきたい一頭です。
ライヒスアドラー(牡3)

父シスキン、母クライリング。サルマンやシルバースミスの甥にあたり、母クライリングと祖母リングジアラームはともに南関東のオープンで活躍しました。牝祖ターンバックジアラームは、CCAオークスなど北米GIを4勝した名牝です。
父シスキンは愛2000ギニーの勝ち馬で、ロックターミガンやマスターソアラなどを出しています。本馬は、父を重厚なナスペリオン的ストライドにしたような馬で、いわば「シスキンをハーツクライ的にした」タイプ。大きなストライドで長く脚を使えるのが特徴です。
皐月賞でも最後まで確かな脚を使っていたように、スタミナと持続力を兼ね備えています。こうした末脚は長い直線の東京向きで、距離も1800〜2000メートルがベストと考えられます。前走では速い上がりの競馬を差し切っており、東京の高速馬場で切れる脚を使えることを示したのも自信になるでしょう。
血統理論の上では、ディープインパクトもトニービンも持たないため、どちらのラップにも特別な強みはありません。ただ、ハーツクライ的な持続力のある脚は、トニービン型に近い性質です。ペースが流れて持続力勝負になったときに浮上するタイプと見ておきたいところです。
データ面では、3歳馬であることは大きな好材料です。一方、優勝馬の条件である2・3歳限定重賞の勝ち鞍の有無が評価の分かれ目になります。東京向きの末脚と3歳馬の勢いを持つ、上位争いに加わってもおかしくない一頭です。
ドラゴンブースト

父スクリーンヒーロー、母父エンパイアメーカー。ドラゴンファングの甥で、祖母タイキメビウスはアイビスサマーダッシュ3着の快速馬です。牝祖タイキミステリーの子孫からは、マンダリンヒーロー、トウカイミステリー、ナムラミーティアなどが出ています。
父スクリーンヒーローはグラスワンダーの代表産駒で、モーリス、ゴールドアクター、ウインマリリンを輩出したロベルト系の種牡馬。母父エンパイアメーカーは米国のパワー血統で、スクリーンヒーロー×エンパイアメーカーという組み合わせは、機動力のある1800メートル型のイメージそのものです。牝系はスプリンター寄りですが、父のスタミナとのバランスで中距離をこなしています。
芝1800メートルは2戦2勝と、距離適性は高い一頭です。ただ、東京のような大きなコースでのワンターンの競馬では、マイラーズカップのように後傾ラップをうまく立ち回る形が理想です。機動力を生かして好位でロスなく運び、直線で粘り込むのが勝ちパターンと言えます。
血統理論では、ディープインパクトもトニービンも持たないロベルト系で、ラップによる特別な後押しはありません。ロベルト系らしいパワーと機動力は、どちらかと言えば小回りコース向きの資質です。東京の長い直線で瞬発力勝負になると分が悪い可能性があり、スローの後傾ラップで前に行って粘り込む形がベストでしょう。芝1800メートルの実績から、穴として一考の価値がある存在です。
まとめ

毎日王冠の血統予想は、「後傾ラップならディープインパクト、前傾・平均ラップならトニービン」が基本です。近3年は後傾ラップが続いており、ディープインパクトの血を持つ馬が中心でした。その中で最も注目したいのが、ディープインパクトとトニービンの両方の血を持ち、2年連続2着のホウオウビスケッツ。ペースを問わず対応できる配合です。ただし勝ち切るという点では、東京芝1800メートルの共同通信杯を勝ち、優勝馬の条件と3歳の好データを満たすリアライズシリウスが最有力です。後傾ラップならキズナ産駒のサトノシャイニング、父が毎日王冠馬のアドマイヤクワッズ、2023年の覇者エルトンバローズが浮上。前傾・平均ラップなら、トニービンを持つレディネスと、持続力型のライヒスアドラーに注目です。
【毎日王冠2026 競走馬情報】有力8頭を徹底分析!3歳クラシック組vs実績古馬の激突
2026年10月4日(日)15時45分、東京競馬場・芝1800メートルで第77回毎日王冠(GII)が行われます。1着馬には天皇賞(秋)への優先出走権が与えられる、秋のGI戦線を占う重要な一戦です。今年は皐月賞2着のリアライズシリウス、同3着のライヒスアドラー、NHKマイルカップ3着のアドマイヤクワッズと、春のクラシックを沸かせた3歳馬が古馬に挑戦。迎え撃つのは、昨年3着のサトノシャイニング、安田記念4着のセイウンハーデス、2023年の覇者エルトンバローズ、そして唯一のGI馬シャンパンカラーなどの実力派です。
毎日王冠は1番人気が過去10年で7勝・3着内率90%という堅いレースで、3歳馬が勝率29.4%と好成績。さらに過去10年の優勝馬は、すべて2歳・3歳限定の芝1600〜2200メートルの重賞の勝ち馬でした。こうしたデータと1週前追い切りの内容を踏まえ、有力8頭を1頭ずつ詳しく分析します。
リアライズシリウス(牡3・美浦・手塚貴久厩舎)

父ポエティックフレア、母レッドミラベル、母の父ステイゴールド。昨年の新潟2歳ステークスを快勝し、今年2月の共同通信杯では、のちの二冠馬ロブチェン(3着)などを退けて重賞2勝目を挙げました。クラシック一冠目の皐月賞ではコースレコード決着の2着に好走し、世代屈指の実力を証明しています。前走の日本ダービーは7着に敗れましたが、2400メートルの距離が影響した面もあったとみられます。
今回の東京芝1800メートルは、共同通信杯を勝った舞台そのもの。1週前追い切りに騎乗した津村明秀騎手は「東京の1800メートルはベストに近い条件だし、左回りの方が合っている」と話しています。「ダービーは距離もあったと思います。まだ幼いところはあるけど、精神面がだいぶどっしりして、重厚感が出てきました」と、ひと夏を越した成長も実感している様子です。
1週前追い切りは9月24日、美浦ウッドで3頭併せの最内から6ハロン84秒3、ラスト1ハロン11秒4をマーク。重い馬場のなか中の馬には半馬身ほど遅れましたが、外の馬には1馬身ほど先着しました。手塚調教師は「しっかり本数もこなしている。今のところ不安はない。あとは休み明けということだけ」とコメント。当週の追い切りで仕上がるとみられています。
データ面では、非常に多くの好材料が揃っています。3歳馬は勝率29.4%でトップ、前走日本ダービー組は【3-1-1-4】と好成績。さらに新潟2歳ステークスと共同通信杯の2つが「2・3歳限定の芝1600〜2200メートル重賞」に該当し、優勝馬の条件を満たしています。3歳馬で斤量55キロという恩恵も大きく、データ上は最有力の一頭です。
アドマイヤクワッズ(牡3・栗東・友道康夫厩舎)

父リアルスティール、母デイトライン、母の父Zoffany。2歳時はデイリー杯2歳ステークスを、京都芝1600メートルの2歳コースレコードとなる1分33秒1で優勝。朝日杯フューチュリティステークスでも3着に入りました。今年の皐月賞は15着に敗れましたが、前走のNHKマイルカップでは6番人気ながら3着に入り、改めて能力の高さを示しています。
1週前追い切りは栗東CWコースで、6ハロン80秒4、ラスト1ハロン11秒4を一杯に追ってマーク。オープン馬ルージュスタニングに半馬身、3勝クラスのオールセインツに1馬身半先着と、併せ馬で力強い動きを見せました。騎乗した坂井瑠星騎手は「春と比べてバランスが良くなった。しまいもしっかり動けていて良かった」と評価しています。
焦点は距離です。NHKマイルカップ後、友道調教師は「マイルなら最後まで集中してくれます」と話しており、陣営はマイル志向でした。今回について安田助手は「1800メートルになりますが、ワンターンのコースなら対応してほしいですね」とコメント。東京1800メートルは実質ワンターンに近いコース形態で、ここで距離の壁を越えられるかが最大のポイントです。
データ面では、3歳馬であること、デイリー杯2歳ステークスの勝利で優勝馬の条件を満たすことが好材料です。父リアルスティールは2017年の毎日王冠の勝ち馬で、産駒は同レースで1戦1勝、東京芝1800メートル全体でも勝率30%・複勝率40%と好相性。父子制覇の資格は十分です。一方、前走NHKマイルカップ組は、安田記念組やダービー組ほど好成績を残していない点は割り引いておきたいところです。
サトノシャイニング(牡4・栗東・杉山晴紀厩舎)

父キズナ、母スウィーティーガール、母の父Star Dabbler。3歳時にきさらぎ賞を優勝し、皐月賞5着、日本ダービー4着と、世代トップクラスの実力を証明しました。1番人気に支持された昨年の毎日王冠では、正攻法の競馬で勝ち馬から0秒2差の3着に入っています。
その後は外傷による長期休養を余儀なくされ、前走の中京記念は約10か月半ぶりの実戦でした。それでも3着に好走しており、地力の高さは健在です。杉山晴紀調教師は「1回使ったことでガスが抜けて、力みなくスムーズな追い切りができた」と、叩き2戦目の上積みを強調。「何とか大舞台に行けるように結果を出したい」と、天皇賞(秋)への意欲も見せています。
課題として挙げられてきたのが気性面です。昨年の毎日王冠は前半に力んでしまいながらも3着に粘りました。今回、調教師が「力みなくスムーズ」と話している点は大きな好材料で、スムーズに折り合えれば昨年以上の結果も期待できます。
データ面では、4歳は3着内率31.3%と3歳に次ぐ好成績です。父キズナの産駒は毎日王冠で【1-1-1-0】と、出走した3頭すべてが馬券に絡んでいます。さらにきさらぎ賞(京都芝1800メートル)の勝利が、優勝馬の条件である「2・3歳限定の芝1600〜2200メートル重賞」に該当します。一方で、前走がGIIIだった馬が勝つには前走1着が条件というデータがあり、中京記念3着からの勝ち切りにはやや壁があります。ただ、昨年3着のコース実績を含め、3着以内の信頼度は非常に高い一頭です。
セイウンハーデス(牡7・栗東・橋口慎介厩舎)

父シルバーステート、母ハイノリッジ、母の父マンハッタンカフェ。3歳時にプリンシパルステークスを勝ち、4歳時の2023年七夕賞で重賞初制覇を飾りました。脚部不安による長期休養を余儀なくされた時期もありましたが、昨年のエプソムカップを東京芝1800メートルのコースレコードで快勝して復活。今年は大阪杯で5着、前走の安田記念では僅差の4着に健闘しています。
注目は、エプソムカップのレコード勝ちが今回と同じ東京芝1800メートルだった点です。橋口調教師は「東京1800メートルは稍重のエプソムカップでレコード勝ちしたくらいで、ベストの舞台」と自信を見せ、「結果を出してGIにつなげたい」と意気込んでいます。
1週前追い切りは栗東CWコースで併せ馬。強めに追われて6ハロン80秒1、ラスト1ハロン11秒6をマークし、併せた馬にクビ差先着しました。ただ橋口調教師は「まだもっさりしている感じがあります。太めというよりは休み明けの緩さのぶんだと思いますが、このひと追いで変わってくるでしょう」とコメント。当週もしっかり追う予定で、最終追い切りでの変化が注目されます。
データ面では、前走安田記念組が【3-4-3-10】と最も好成績のローテーションに該当する点は大きな好材料です。GIの大阪杯と安田記念で上位に入った地力は、GIIならば主役候補と言えます。一方で、7歳以上の馬は過去10年で【0-0-1-14】と苦戦しており、年齢面の割引は避けられません。また、プリンシパルステークスはリステッド競走のため、優勝馬の条件である「2・3歳限定重賞の勝ち鞍」には該当しません。実力と舞台適性は一級品ですが、データの壁を越えられるかが鍵です。
父ディープブリランテ、母ショウナンカラット、母の父ブライアンズタイム。3歳時の2023年に毎日王冠を優勝し、2024年も3着。4歳時のマイルチャンピオンシップでは2着に入るなど、実績は上位です。
その後は勝ち星から遠ざかっていましたが、今年2走前のしらさぎステークスでは中団追走から鮮やかに抜け出し、約2年8か月ぶりの勝利を挙げました。前走の関屋記念は不良馬場もこたえて5着に敗れましたが、サマーマイルシリーズのチャンピオンに輝いています。
杉山晴紀調教師は「前走は59キロを背負って、あの馬場でよく頑張った」と前走を評価。「4年連続の毎日王冠。サマーマイルチャンピオンの名に恥じぬ走りをしたい」と意気込みを語っています。重い斤量と不良馬場という厳しい条件での5着は、悲観する内容ではありません。
血統面では、後傾ラップの展開になった年にディープインパクトの血を引く馬が活躍する毎日王冠で、父ディープブリランテはまさにその系統です。実際に後傾ラップだった2023年に優勝、2024年に3着と、このレースとの相性は抜群です。
データ面では、3歳時にラジオNIKKEI賞を勝っており、優勝馬の条件を満たしています。ただし毎日王冠では6歳以上の勝ち馬が過去10年で出ておらず、年齢面は割引材料。また前走がGIIIの関屋記念で5着だったため、「前走GIII組は前走1着が勝利の条件」というデータにも引っかかります。勝ち切るまではハードルが高いものの、コース実績と復調ぶりから、3着以内なら十分に狙える存在です。
エルトンバローズ(牡6・栗東・杉山晴紀厩舎)

父ディープブリランテ、母ショウナンカラット、母の父ブライアンズタイム。3歳時の2023年に毎日王冠を優勝し、2024年も3着。4歳時のマイルチャンピオンシップでは2着に入るなど、実績は上位です。
その後は勝ち星から遠ざかっていましたが、今年2走前のしらさぎステークスでは中団追走から鮮やかに抜け出し、約2年8か月ぶりの勝利を挙げました。前走の関屋記念は不良馬場もこたえて5着に敗れましたが、サマーマイルシリーズのチャンピオンに輝いています。
杉山晴紀調教師は「前走は59キロを背負って、あの馬場でよく頑張った」と前走を評価。「4年連続の毎日王冠。サマーマイルチャンピオンの名に恥じぬ走りをしたい」と意気込みを語っています。重い斤量と不良馬場という厳しい条件での5着は、悲観する内容ではありません。
血統面では、後傾ラップの展開になった年にディープインパクトの血を引く馬が活躍する毎日王冠で、父ディープブリランテはまさにその系統です。実際に後傾ラップだった2023年に優勝、2024年に3着と、このレースとの相性は抜群です。
データ面では、3歳時にラジオNIKKEI賞を勝っており、優勝馬の条件を満たしています。ただし毎日王冠では6歳以上の勝ち馬が過去10年で出ておらず、年齢面は割引材料。また前走がGIIIの関屋記念で5着だったため、「前走GIII組は前走1着が勝利の条件」というデータにも引っかかります。勝ち切るまではハードルが高いものの、コース実績と復調ぶりから、3着以内なら十分に狙える存在です。
ドラゴンブースト(牡4・栗東・藤野健太厩舎)

父スクリーンヒーロー、母トーコーディオーネ、母の父エンパイアメーカー。3歳時は京成杯で僅差の2着に惜敗し、春は皐月賞、日本ダービーとクラシックに駒を進めました。
今年は4歳を迎えて本格化。大阪城ステークスを1分44秒0の好タイムで優勝し、続くマイラーズカップでは2着に好走しました。前走の安田記念は不向きな展開ながら、勝ち馬と0秒6差に健闘しており、地力の強化は明白です。
1週前追い切りは栗東CWコースで一杯に追われ、6ハロン77秒5、ラスト1ハロン12秒4という好時計をマーク。併せた馬に1秒も先着しました。藤野調教師は「予定より時計は速くなりましたが、いい負荷がかけられました。しっかり乗り込んで、じっくり作ってきています。体は随分と大人になりましたね」と成長を強調しています。
距離については「2000メートルでも走っている馬なので、距離は心配していません」と藤野調教師。実際、芝1800メートルでは2戦2勝と、この距離への適性は高い一頭です。父スクリーンヒーロー、母の父エンパイアメーカーという組み合わせは機動力のある1800メートル型のイメージそのもので、好位からロスなく運んで粘り込む競馬が得意です。
データ面では、4歳は3着内率31.3%と好成績で、前走安田記念組という最も好成績のローテーションにも該当します。一方で、京成杯は2着止まりで、優勝馬の条件である「2・3歳限定重賞の勝ち鞍」は持っていません。勝ち切るまではハードルがありますが、充実期の4歳馬として、上位争いに加わる力は十分にあります。
ライヒスアドラー(牡3・美浦・上原佑紀厩舎)

父シスキン、母クライリング、母の父ハーツクライ。今春の皐月賞は前が残る展開だったなか、4コーナー8番手から3着まで追い上げる強い内容でした。続く日本ダービーは8着に敗れましたが、インから脚を伸ばして勝ち馬と0秒4差と見せ場を作っています。
夏には古馬との初対戦となった佐渡ステークスを勝利。上原調教師は「前走は折り合いをクリアできて、最後もしっかり脚を使って内容は良かった」と評価し、「東京は経験しているし、距離もこなしているので適性は十分あると思います」と自信を見せています。夏場に1度使ったことで、状態面の上積みも十分に期待できます。
血統面で注目したいのが、母の父ハーツクライです。ハーツクライの母の父はトニービンで、本馬はトニービンの血を持っています。毎日王冠は、ペースが緩まない前傾・平均ラップの年にトニービンの血を持つ馬が好走する傾向があり、2022年にはハーツクライ産駒のサリオスが勝利しました。父シスキンの重厚なストライドと合わせ、長く良い脚を使える持続力が武器です。
データ面では、3歳馬であることは大きな好材料です。ただし気になるデータもあります。前走の佐渡ステークスは3勝クラスで、毎日王冠では前走が重賞以外だった馬が過去10年で【0-0-0-12】と1頭も馬券に絡んでいません。また、2・3歳限定重賞の勝ち鞍もなく、優勝馬の条件を満たしていません。皐月賞3着という実績は重賞級ですが、データ上は割引が必要な一頭。地力で壁を破れるかが注目です。
シャンパンカラー(牡6・美浦・田中剛厩舎)

父ドゥラメンテ、母メモリアルライフ、母の父Reckless Abandon。2023年のNHKマイルカップでは、4コーナー13番手から鮮やかに差し切ってGIタイトルを獲得しました。今回の出走予定馬の中で唯一のGI馬です。
その後は勝ち星から遠ざかっていますが、4走前の東京新聞杯では勝ち馬から0秒1差の4着に追い上げており、能力の片鱗は見せています。特筆すべきは、GIを含む全3勝を東京コースで挙げていること。東京はこの馬にとってベストの舞台です。
田中剛調教師は「牧場でしっかりと乗り込んで帰厩後も順調」と状態面の良さを伝え、「毎回そんなに大きく負けていないし、少しでも馬場が渋れば…」と、馬場状態に期待を寄せています。父ドゥラメンテ譲りのパワーがあり、時計のかかる馬場になれば浮上の余地があります。
データ面では、NHKマイルカップの勝利が「2・3歳限定の芝1600メートル重賞」に該当し、優勝馬の条件を満たしています。一方で、6歳以上の馬は過去10年で優勝がなく、近3走の着順が大きい点も気がかりです。毎日王冠は人気薄の好走が極めて少ないレースで、6番人気以下の3着以内は過去10年でわずか2頭。人気を落とすことが予想される本馬にとっては厳しいデータです。ただ、東京で全3勝という舞台適性と、GI馬としての地力は軽視できません。馬場が渋るなど条件が揃えば、一発の可能性を秘めた存在です。
まとめ

毎日王冠2026の中心は、東京芝1800メートルの共同通信杯を勝ち、優勝馬の条件と3歳の好データをすべて満たすリアライズシリウスです。1週前追い切りではやや遅れたものの、陣営は当週での仕上がりに自信を見せています。対抗には、キズナ産駒で昨年3着、叩き2戦目で力みが取れたサトノシャイニング。父子制覇がかかるアドマイヤクワッズは距離が、同舞台のレコードホルダーであるセイウンハーデスは7歳という年齢が、それぞれ焦点になります。コース実績のあるエルトンバローズ、本格化したドラゴンブースト、皐月賞3着のライヒスアドラー、東京で全3勝のGI馬シャンパンカラーまで、実力伯仲のメンバー構成です。最終追い切りと枠順確定後に、改めて評価を見直してください。
【毎日王冠2026 追い切り分析】有力10頭の最終追い切りを徹底検証!重馬場で光ったのは『S』評価の4年連続参戦馬
2026年10月4日(日)15時45分、東京競馬場・芝1800メートルで第77回毎日王冠(GII)が行われます。9月30日(水)に東西トレセンで最終追い切りが行われましたが、京都大賞典と同じく、この日は雨の影響で栗東・美浦ともに重馬場となりました。坂路で仕上げる予定だった馬がCWコースに切り替えるなど、各陣営が馬場を考慮した調整を行っています。そのため今週は、全体時計よりも1週前追い切りとの比較、終いの伸び、陣営のコメントを重視して評価しました。有力10頭の調教内容を1頭ずつ詳しく分析します。
リアライズシリウス(牡3・美浦・手塚貴久厩舎)

皐月賞2着馬は、1週前の「遅れ」から見事に巻き返しました。1週前追い切りは美浦ウッドで3頭併せの最内。ゴール前で仕掛けられて5ハロン66秒4、ラスト1ハロン11秒4をマークしましたが、重い馬場を追いかける形で中の馬に半馬身ほど遅れていました。この時点で騎乗した津村明秀騎手は「来週やれば仕上がると思います」と話していました。
その言葉通り、最終追い切りで状態は一気に上向きました。9月30日、美浦ウッドの重馬場で津村騎手を背に3頭併せ。ゆったりしたリズムを刻んで直線へ向くと、馬なりのままスムーズに加速し、6ハロン83秒2-67秒5-52秒1-37秒2-11秒4をマークしました。追走したヴェルバーニアとは同入、3頭の中では最先着を決め、美浦ウッドをうなるように走り抜けました。
津村騎手は「最後まで引っ張り切れないくらい」と力強さを絶賛し、「だいぶ緩さもなくなって戦える仕上がりになった」と好感触を伝えています。手塚調教師も1週前の段階で「しっかり本数もこなしている。今のところ不安はない。あとは休み明けということだけ」と話しており、唯一の懸念だった休み明けの緩さも解消されたようです。
注目すべきは、1週前と最終で同じラスト11秒4を、1週前は「仕掛けて」、最終は「馬なり」で出している点です。同じ終いの時計を馬なりで出せるようになったのは、1週間で明確に状態が上がった証拠です。重馬場でこの内容なら、良馬場ならさらに切れる脚が使えるでしょう。
今回は共同通信杯を勝った東京芝1800メートルに戻る一戦。津村騎手も「左回りの方が合っている」と話しており、データ面でも3歳・ダービー組・2歳3歳重賞2勝と好材料が揃っています。調教からも、本命にふさわしい仕上がりと言えます。
エルトンバローズ(牡6・栗東・杉山晴紀厩舎)

4年連続で毎日王冠に参戦する2023年の覇者は、最終追い切りで調教評価最高の『S』を獲得しました。1週前追い切りでは栗東CWコースで併せ馬に先着し、力強い伸び脚を見せていました。
最終追い切りは9月30日、レースでコンビを組む予定の松若風馬騎手が騎乗して栗東CWコースの重馬場を単走。馬場の外目を回り、馬なりのまま6ハロン82秒5-67秒3-52秒6-37秒3-11秒5をマークしました。重馬場で馬なりのまま6ハロン82秒台は、今週の毎日王冠出走予定馬の中でもトップクラスの全体時計です。
杉山晴紀調教師は「いつも最終追いは坂路でやりますが、馬場を考慮してCWコースで。しまいだけでしたが、全体時計も出ていたし、活気もあってデキはキープしています」と好ムードを伝えています。
調教内容を細かく見ると、シャドーロールの効果もあってか高い集中力で走れており、直線に入ってしばらくすると自ら脚の回転を上げてまとめていました。終いの四肢の動きに無駄がなく、それでいて機敏な走りで締めくくった点は高く評価できます。中間は今月に入ってから坂路で16本、ウッドで2本と、豊富な本数を消化してきました。
前走の関屋記念は59キロの斤量と不良馬場という厳しい条件で5着。今回は57キロに斤量が戻り、得意の東京コースです。毎日王冠は4年連続の参戦で1着、3着、5着と好相性。6歳以上の勝ち馬がいないというデータの壁はありますが、調教内容からは衰えは感じられず、サマーマイル王者の勢いそのままに好勝負が期待できます。
サトノシャイニング(牡4・栗東・杉山晴紀厩舎)

昨年の毎日王冠3着馬は、1週前追い切りで鋭い動きを見せ、叩き2戦目の上積みを示しました。1週前は西村淳也騎手が騎乗して栗東CWコースで強めに追われ、6ハロン82秒5、ラスト1ハロン11秒2をマーク。軽快なフットワークで、休み明けを一度使った効果が明確に表れていました。
最終追い切りは9月30日、西村騎手が騎乗して栗東坂路の重馬場を単走。800メートル58秒0-41秒5-26秒2-12秒8を馬なりでマークしました。重馬場の坂路で全体時計は遅めですが、終いは12秒台にまとめています。1週前にしっかり負荷をかけたため、最終は軽めの調整にとどめた形です。
杉山晴紀調教師は「1回使ったことでガスが抜けて、力みなくスムーズな追い切りができた」と叩き2戦目の上積みを強調。「西村騎手も『やっぱりいい馬やな』と。前走を丁寧に乗ってくれたことが今回につながると思う。何とか大舞台にいけるように結果を出したい」と、天皇賞(秋)への意欲を見せています。
この馬の課題は、前半に力んでしまう気性面でした。昨年の毎日王冠も前半に力みながら3着に粘った内容です。調教師が「力みなくスムーズ」と話している点は、その課題が解消されつつあることを示す大きな好材料です。
外傷による約10か月半の休養明けだった前走の中京記念で3着に入り、今回は叩き2戦目。1週前のCWでラスト11秒2という鋭い伸びを見せており、状態は確実に上向いています。最終追い切りの時計は目立ちませんが、これは調整程度の内容だったためです。キズナ産駒が毎日王冠で全馬券内という好データもあり、対抗以上の評価が妥当でしょう。
アドマイヤクワッズ(牡3・栗東・友道康夫厩舎)

NHKマイルカップ3着馬は、1週前追い切りで最高評価を受けるほどの動きを見せました。1週前は坂井瑠星騎手が騎乗して栗東CWコースで一杯に追われ、6ハロン80秒4、ラスト1ハロン11秒4をマーク。オープン馬ルージュスタニングに半馬身、3勝クラスのオールセインツに1馬身半先着しました。デビュー前から調教ではよく動いていた馬で、CWで長めから乗られても終いまで速い時計でまとめられるのが特徴です。
最終追い切りは9月30日、栗東坂路の重馬場で800メートル54秒6-40秒2-26秒7-13秒4を馬なりでマーク。少し頭を低くしながら自分のペースでリズムよく登坂し、踏み込みは力強く前向きさがありました。ただし終盤は脚の動きがやや鈍り、ラスト2ハロン13秒3、ラスト1ハロン13秒4の減速ラップとなっています。
安田助手は「馬場がかなり悪かったし、もともと坂路ではそんなに動く馬ではないですからね。1週前にしっかりやれており、順調にきています」と、減速ラップを問題視していません。1週前の取材でも「春に比べるとバランスが良くなったと感じる」と成長を実感しています。
1週前にこれだけの負荷をかけられていれば、最終は無理に強く追う必要はありません。最終追い切りの減速ラップは重馬場の坂路と、坂路が得意ではないという馬の特性を考えれば、大きく割り引く必要はないでしょう。むしろ1週前のCWでの動きが、この馬の本当の状態を示していると考えられます。
焦点はやはり距離です。安田助手は「千八でもワンターンのコースなら対応してほしい」と話しています。調教の動きからは状態面の不安はなく、あとは1800メートルで折り合えるかどうか。父リアルスティールが制した舞台で、父子制覇に挑みます。
ドラゴンブースト(牡4・栗東・藤野健太厩舎)

本格化した4歳馬は、2週続けて栗東CWコースで好時計を叩き出しました。1週前追い切りはCWコースで一杯に追われ、6ハロン77秒5、ラスト1ハロン12秒4という好時計。併せ馬に1秒も先着しました。藤野調教師は「予定より時計は速くなりましたが、いい負荷がかけられました」と話しています。
最終追い切りは9月30日、栗東CWコースの重馬場で強めに追われ、6ハロン81秒8-66秒6-52秒5-37秒8-11秒5をマーク。重馬場で6ハロン81秒台は、今週の毎日王冠出走予定馬の中で最も速い全体時計です。終いも11秒5としっかりまとめており、追い切り評価でも『A』を獲得しました。
藤野調教師は「しっかり乗り込んで、じっくり作ってきています。体は随分と大人になりましたね」と成長を強調。距離についても「2000メートルでも走っているので、距離は心配していません」と自信を見せています。
2週続けてCWコースで強い負荷をかけている点に、陣営の本気度が表れています。1週前に6ハロン77秒5、最終も重馬場で81秒8と、2週連続で全体時計が非常に速く、心肺機能は十分に鍛えられています。
今春は大阪城ステークスを1分44秒0の好タイムで勝ち、マイラーズカップ2着。前走の安田記念も不向きな展開ながら勝ち馬と0秒6差と、地力強化は明白です。芝1800メートルは2戦2勝と距離適性も高く、調教の充実ぶりからも上位争いに加わる力は十分にあります。重賞未勝利という点はデータ上の壁ですが、調教内容だけで言えばトップクラスの仕上がりです。
ホウオウビスケッツ(牡6・美浦・奥村武厩舎)

毎日王冠2年連続2着の実力馬は、1週前追い切りで鋭い動きを見せました。1週前は美浦ウッドで強めに追われ、5ハロン69秒1、ラスト1ハロン11秒1をマーク。追走した併せ馬に0秒2先着しています。奥村武調教師は「1週前追いは鋭い動きをしていて、前走時より良くなっていると感じます」と上昇を強調していました。
最終追い切りは9月30日、美浦ウッドの重馬場で5ハロン67秒9-51秒7-37秒2-11秒8を馬なりでマーク。ヴォートセレストを0秒7追走しましたが、0秒2遅れる形となりました。ただし馬なりでの内容で、1週前に強めにしっかり負荷をかけているため、最終は調整程度と見ていいでしょう。追い切り評価では『A』を獲得しています。
前走の札幌記念は大外枠から先手を取ったものの、早めに来られる厳しい展開となって10着に敗れました。奥村調教師も「前走は展開的にかなり厳しかった」と振り返り、「あとは展開だけ」と、状態面には自信を見せています。
1週前のラスト11秒1は、今回の出走予定馬の中でもトップクラスの終いの数字です。最終の併せ遅れは気になりますが、馬なりで追走した結果であり、大きく割り引く必要はないでしょう。
毎日王冠は2024年、2025年と2年連続2着で、東京コースでは常に上位争いを演じてきました。先行策をとることが多く、今回もペースを左右する存在です。札幌記念のように早めに来られる展開にならなければ、3年連続の好走も十分に期待できます。6歳という年齢は割引材料ですが、状態面は前走より明らかに上向いています。
セイウンハーデス(牡7・栗東・橋口慎介厩舎)

東京芝1800メートルのコースレコード保持馬は、1週前追い切りで状態の上向きを示しました。1週前は幸英明騎手が騎乗して栗東CWコースで一杯に追われ、6ハロン80秒1-65秒2-50秒6-36秒1-11秒6をマーク。追走したクラウディアイに0秒1先着しています。
橋口調教師は1週前の時点で「まだもっさりしている感じがあります。太めというよりは休み明けの緩さのぶんだと思いますが、このひと追いで変わってくるでしょう」と話し、「きょうの感じだと、来週もしっかりやるつもりではいます」と、最終追い切りでもしっかり負荷をかける予定であることを明かしていました。
なお、最終追い切りの詳細なタイムは、記事作成時点では確認できませんでした。最終追い切りでどこまで「もっさり感」が解消されたかが、評価の分かれ目となります。
安田記念以来の休み明けですが、8月末から坂路で時計を出し始め、その後も継続して乗り込まれています。乗り込み量は十分で、1週前の動きからも、一追いごとに状態が上向いているのは間違いありません。
橋口調教師は「東京1800メートルは稍重のエプソムカップでレコード勝ちしたくらいで、ベストの舞台。結果を出してGIにつなげたい」と力を込めています。稍重でのレコード勝ちという実績から、当日の馬場が多少渋っても問題はないでしょう。
今年は大阪杯5着、安田記念4着とGIで上位争いを演じており、GIIなら主役候補の地力の持ち主です。前走安田記念組は毎日王冠で最も好成績のローテーション。7歳という年齢がデータ上の壁ですが、1週前で上向いた状態がさらに良化していれば、舞台適性で上位に食い込む可能性は十分にあります。
ライヒスアドラー(牡3・美浦・上原佑紀厩舎)

皐月賞3着馬は、1週前追い切りで「いつも通り」の動きを見せました。1週前は佐々木大輔騎手が騎乗して美浦ウッドで併せ馬。一杯に追われる形となり、6ハロン84秒1-67秒2-51秒6-37秒2-11秒1をマーク。3馬身先行していたルージュリリックと併入しました。ラスト1ハロン11秒1は今回の出走予定馬の中でもトップクラスの数字です。
騎乗した佐々木騎手は「まだちょっと太くて重たさも感じましたが、1週前はいつもこんな感じなので全然、心配していません」とコメント。この馬は1週前の段階ではまだ重さが残り、最終追い切りで締まってくるタイプのようです。
なお、最終追い切りの詳細なタイムは、記事作成時点では確認できませんでした。1週前の「太め」がどこまで解消されたかは、当日の馬体重でも確認したいポイントです。
佐々木騎手はさらに「体が大きくて中身も詰まっているので、距離は1600〜1800メートルくらいが一番いいかも」と、今回の1800メートルが最適距離であることを示唆しています。上原調教師も「前走は折り合いをクリアできて、最後もしっかり脚を使って内容は良かった。東京は経験しているし、距離もこなしているので適性は十分あると思います」と自信を見せています。
前走の佐渡ステークスは、直線で進路を確保するまで手間取りながらも、抜け出してから伸び返して勝利。外から被されて進路を塞がれながら、自力でこじ開けた内容は高く評価されています。
前走が重賞以外の馬は毎日王冠で苦戦しているというデータはありますが、皐月賞3着の地力は本物です。1週前のラスト11秒1という終いの鋭さを見る限り、状態面は順調。予想オッズでも上位人気が見込まれており、本格化の兆しを見せる3歳馬として注目です。
レディネス(牡4・栗東)

前走の札幌記念で好走した伏兵は、1週前追い切りで鋭い動きを見せました。1週前は横山典弘騎手が騎乗して栗東CWコースで強めに追われ、7ハロン96秒2-65秒8-50秒9-36秒1-11秒4をマーク。コウギョクを0秒5追走して0秒2先着しました。7ハロンからの長めの追い切りでラスト11秒4という内容は、スタミナと切れの両面で充実していることを示しています。
最終追い切りは9月30日、横山典騎手が騎乗して栗東CWコースの重馬場で、6ハロン85秒7-70秒4-55秒7-40秒5-12秒7を馬なりでマーク。重馬場で無理をせず、ゆったりとしたペースで状態を確かめる程度の内容でした。
1週前に7ハロンからしっかり負荷をかけ、最終は馬なりでゆったり。典型的な「1週前で仕上げ、最終は整える」パターンです。最終追い切りの時計は全く目立ちませんが、これは意図的に軽めにとどめたもので、評価を下げる必要はありません。
注目したいのは、2週続けて同じ騎手が騎乗している点です。前走の札幌記念では、内ラチ沿いの4番手でレースを進め、4コーナーで馬群がひと塊になるタイミングで最内に潜り込んで経済コースを取る、見事な立ち回りで好走しました。調教でも騎手が馬の状態を把握していることは、本番での立ち回りにもプラスに働くはずです。
父スワーヴリチャードはハーツクライ産駒で、トニービンの血を持っています。毎日王冠は前傾・平均ラップになった年にトニービンの血を持つ馬が好走する傾向があり、展開次第では浮上する血統です。母系のマイラー色も強く、ベスト距離はこの1800メートルと見られます。1週前の動きから状態は良好で、人気薄なら立ち回り巧者として押さえておきたい一頭です。
シャンパンカラー(牡6・美浦・田中剛厩舎)

出走予定馬で唯一のGI馬は、坂路で軽めの調整を消化しました。最終追い切りは9月30日、内田博幸騎手が騎乗して美浦坂路の重馬場を単走。800メートル54秒5-40秒0-26秒3-13秒0を馬なりでマークしました。重馬場の坂路で馬なりのまま54秒台という時計は、決して悪くありません。追い切り評価は『B』でした。
田中剛調教師は「牧場でしっかりと乗り込んで帰厩後も順調」と状態面の良さを伝えています。外厩の牧場で十分に乗り込んでから帰厩しているため、トレセンでの追い切りは軽めでも、仕上がりには問題がないという判断のようです。
さらに田中調教師は「毎回そんなに大きく負けていないし、少しでも馬場が渋れば…」と、道悪への期待を口にしています。父ドゥラメンテ譲りのパワーがあり、時計の掛かる馬場になれば浮上の余地があるタイプです。今週は東西とも雨が降り、週末の天候次第では馬場が渋る可能性もあり、そうなればこの馬にとっては追い風となります。
2023年のNHKマイルカップでは、4コーナー13番手から鮮やかに差し切ってGIタイトルを獲得しました。その後は勝ち星から遠ざかっていますが、4走前の東京新聞杯では勝ち馬と0秒1差の4着に追い上げています。GIを含む全3勝を東京コースで挙げており、東京はベストの舞台です。
近走の着順は大きく、6歳以上の勝ち馬がいないというデータの壁もあります。調教内容も目立つものではなく、積極的に狙える状況ではありません。ただし、馬場が渋った場合には、東京巧者のGI馬として一発の可能性を秘めています。当日の馬場状態を確認したうえで、判断したい一頭です。
まとめ

9月30日の最終追い切りは東西とも重馬場で、坂路からCWコースに切り替える陣営も見られました。最も高く評価したいのは、1週前の遅れから一変し、最終は馬なりでラスト11秒4、津村騎手が「最後まで引っ張り切れないくらい」と絶賛したリアライズシリウス。重馬場で馬なり6ハロン82秒5、調教評価最高の『S』を獲得したエルトンバローズ、2週続けてCWで好時計を出したドラゴンブーストも好仕上がりです。サトノシャイニングとアドマイヤクワッズは、1週前にCWでしっかり負荷をかけ、最終は調整程度。最終の時計だけでは判断せず、1週前の内容を重視したいところです。セイウンハーデスとライヒスアドラーは、最終追い切りの内容を確認してから最終判断することをおすすめします。
【毎日王冠2026 総合情報】馬情報・データ・血統・追い切りを完全網羅!有力10頭を徹底分析
2026年10月4日(日)15時45分、東京競馬場・芝1800メートルで第77回毎日王冠(GII)が行われます。1着馬には天皇賞(秋)への優先出走権が与えられる、秋のGI戦線を占う最重要ステップです。10月1日(木)に出走馬と騎手が確定し、ヴィンセンシオが回避して17頭立てとなりました。
この記事では、これまでお届けしてきた馬情報・データ分析・血統分析・追い切り分析をすべて統合し、有力10頭を1頭ずつ総合的に評価します。
毎日王冠を読み解く3つのポイント
データ: 1番人気は過去10年で7勝・3着内率90%と堅く、6番人気以下の3着以内はわずか2頭。年齢では3歳馬が勝率29.4%でトップ、6歳以上の優勝はありません。そして過去10年の優勝馬は、すべて「2歳・3歳限定の芝1600〜2200メートル重賞」の勝ち馬でした。前走では安田記念組とダービー組が中心で、前走が重賞以外の馬は【0-0-0-12】と全滅しています。
血統: スローからの後傾ラップならディープインパクトの血、緩みのない前傾・平均ラップならトニービンの血が有力です。近3年はいずれも後傾ラップで、ディープインパクトの血を引く馬が上位を占めました。
追い切り: 9月30日は東西とも雨で重馬場となり、全体時計は遅め。1週前の負荷と終いの伸び、陣営のコメントを重視して評価しています。
リアライズシリウス(牡3・美浦・手塚貴久厩舎)津村明秀騎手
馬情報: 父ポエティックフレア、母レッドミラベル、母の父ステイゴールド。昨年の新潟2歳ステークスを勝ち、今年2月の共同通信杯では、のちの二冠馬ロブチェンを3着に退けて重賞2勝目を挙げました。皐月賞ではコースレコード決着の2着。日本ダービーは7着でしたが、距離が影響したとみられています。
データ: 3歳馬(勝率29.4%)、前走ダービー組(【3-1-1-4】)、2・3歳重賞2勝と、勝ち馬の条件をすべて満たしています。3歳で斤量55キロという恩恵も大きく、津村騎手は毎日王冠で3戦1勝2着1回と相性も良好です。
血統: 父ポエティックフレアは英2000ギニー馬で、産駒は完成度の高いパワー型マイラーが多いタイプ。本馬はリヴァーマンの3/4同血クロスを持ち、フランス牝系の斬れを受け継いだ、脚が長く斬れる体質です。大きなコースの1800メートルがベストで、今回の東京芝1800メートルは共同通信杯を勝った舞台そのものです。
追い切り: 1週前は美浦ウッドで仕掛けてラスト11秒4をマークしたものの、併せ馬に半馬身遅れていました。最終の9月30日は一変し、重馬場で馬なりのまま6ハロン83秒2-ラスト11秒4。3頭併せの最先着です。同じ終いの時計を「仕掛けて」から「馬なり」で出せるようになり、1週間で状態は明確に上がりました。津村騎手は「最後まで引っ張り切れないくらい」「だいぶ緩さもなくなって戦える仕上がりになった」と絶賛しています。
総合: データ・血統・舞台・調教の四拍子が揃い、本命の筆頭です。
サトノシャイニング(牡4・栗東・杉山晴紀厩舎)西村淳也騎手
馬情報: 父キズナ、母スウィーティーガール、母の父Star Dabbler。3歳時にきさらぎ賞を勝ち、皐月賞5着、日本ダービー4着と世代上位の力を示しました。昨年の毎日王冠は1番人気で、勝ち馬と0秒2差の3着。外傷による約10か月半の休養明けだった前走の中京記念でも3着に入っています。
データ: 4歳は3着内率31.3%と3歳に次ぐ好成績で、きさらぎ賞の勝利で優勝馬の条件も満たします。ただし前走GIII組の勝ち馬はすべて前走1着で、中京記念3着からの勝ち切りにはやや壁があります。西村騎手は毎日王冠で複勝率67%です。
血統: 父キズナの産駒は毎日王冠で【1-1-1-0】と全馬券内。ディープインパクトの後継で、後傾ラップに強い系統です。母はアルゼンチンの1000ギニーを勝ったG1馬で、ヘイローの4×4による俊敏さも備えています。
追い切り: 1週前は西村騎手が騎乗し、栗東CWで強めに追われて6ハロン82秒5-ラスト11秒2。軽快なフットワークを見せました。最終は坂路の重馬場で馬なり58秒0-12秒8と、調整程度にとどめています。杉山晴紀調教師は「1回使ったことでガスが抜けて、力みなくスムーズな追い切りができた」とコメント。西村騎手も「やっぱりいい馬やな」と話しています。課題だった前半の力みが解消傾向にあるのは、大きな好材料です。
総合: 3着以内の信頼度はトップクラス。後傾ラップで折り合えれば頂点も狙えます。
アドマイヤクワッズ(牡3・栗東・友道康夫厩舎)坂井瑠星騎手
馬情報: 父リアルスティール、母デイトライン、母の父Zoffany。セレクトセールで7260万円で取引された良血です。デイリー杯2歳ステークスを京都芝1600メートルの2歳コースレコード1分33秒1で制し、朝日杯フューチュリティステークスでも3着。皐月賞は15着でしたが、NHKマイルカップでは6番人気で3着に巻き返しました。
データ: 3歳馬で、デイリー杯2歳ステークスの勝利が優勝馬の条件に該当します。ただし前走のNHKマイルカップ組は、安田記念組やダービー組ほどの好成績ではありません。
血統: 父リアルスティールは2017年の毎日王冠の勝ち馬で、産駒は同レース1戦1勝、東京芝1800メートル全体でも勝率30%・複勝率40%。ディープインパクトの血を引くため、後傾ラップの瞬発力勝負に向いています。母の父Zoffanyは欧州のG1馬で、切れと持続力を補っています。
追い切り: 1週前は坂井騎手が騎乗し、栗東CWで一杯に追われて6ハロン80秒4-ラスト11秒4。オープン馬に半馬身先着し、最高評価級の動きでした。最終は坂路の重馬場で馬なり54秒6。終盤は13秒4まで減速しましたが、安田助手は「もともと坂路ではそんなに動く馬ではない。1週前にしっかりやれており、順調にきています」と説明しています。
総合: 状態面に不安はありません。陣営がマイル志向だった中で、1800メートルで折り合えるかが最大の焦点です。
エルトンバローズ(牡6・栗東・杉山晴紀厩舎)松若風馬騎手
馬情報: 父ディープブリランテ、母ショウナンカラット、母の父ブライアンズタイム。2023年の毎日王冠を3歳で制し、2024年は3着、2025年は5着。今年で4年連続の参戦です。マイルチャンピオンシップでも2着があり、今年はしらさぎステークスで約2年8か月ぶりの勝利を挙げ、サマーマイルシリーズの王者になりました。
データ: ラジオNIKKEI賞の勝利で優勝馬の条件は満たしています。ただし6歳以上の勝ち馬は過去10年で出ておらず、前走GIII組は前走1着が勝ち切りの条件というデータにも該当しません。
血統: ディープインパクト×母の父ブライアンズタイムの好相性を受け継いだ配合です。後傾ラップだった2023年に1着、2024年に3着と、「後傾ラップならディープインパクトの血」という傾向をそのまま体現してきました。牝系は名牝ベガにつながります。
追い切り: 最終は松若騎手が騎乗し、普段の坂路から馬場を考慮して栗東CWに変更。重馬場で馬なりのまま6ハロン82秒5-ラスト11秒5をマークし、調教評価は最高の『S』でした。シャドーロールの効果で集中力も高く、直線では自ら脚の回転を上げる機敏な走り。中間は坂路16本、ウッド2本と乗り込みも十分です。杉山晴紀調教師は「活気もあってデキはキープしています」と話しています。
総合: 調教内容は今週トップクラスです。年齢の壁はありますが、舞台実績から3着以内は十分に狙えます。
ドラゴンブースト(牡4・栗東・藤野健太厩舎)丹内祐次騎手
馬情報: 父スクリーンヒーロー、母トーコーディオーネ、母の父エンパイアメーカー。3歳時は京成杯2着。今年は大阪城ステークスを1分44秒0の好タイムで勝ち、マイラーズカップでも2着に入りました。前走の安田記念は、不向きな展開ながら勝ち馬と0秒6差に健闘しています。
データ: 4歳で、前走は最も好成績の安田記念組と、好材料があります。一方、京成杯は2着止まりで、2・3歳限定重賞の勝ち鞍がなく、優勝馬の条件は満たしていません。
血統: スクリーンヒーロー×エンパイアメーカーは、イメージどおりの機動力ある1800メートル型。芝1800メートルは2戦2勝です。ロベルト系のパワー型のため、東京の長い直線での瞬発力勝負より、好位で粘り込む形がベストです。
追い切り: 1週前は栗東CWで一杯に追われ、6ハロン77秒5の好時計で併せ馬に1秒先着。最終も重馬場のCWで強めに追われて6ハロン81秒8-ラスト11秒5をマークし、今週の毎日王冠組で最速級の全体時計を記録しました。藤野調教師は「体は随分と大人になりました。2000メートルでも走っているので、距離は心配していません」と成長を強調しています。
総合: 調教の充実度はメンバー屈指。勝ち切りには壁がありますが、上位争いの力は十分です。
ホウオウビスケッツ(牡6・美浦・奥村武厩舎)岩田康誠騎手
馬情報: 父マインドユアビスケッツ、母ホウオウサブリナ、母の父ルーラーシップ。函館記念の勝ち馬で、毎日王冠は2024年・2025年と2年連続2着。天皇賞(秋)3着、金鯱賞2着と、東京や中距離で安定した成績を残しています。前走の札幌記念は、大外枠から先手を取ったものの早めに来られる厳しい展開で10着でした。
データ: 6歳で、2・3歳限定重賞の勝ち鞍もない(スプリングステークス2着)ため、勝ち切りのデータには当てはまりません。2年連続2着という結果は、データ通りの「勝ち切れない」パターンとも言えます。
血統: 母の母の父ディープインパクト(後傾ラップ向き)と、母の父ルーラーシップ経由のトニービン(前傾ラップ向き)を併せ持つ、毎日王冠の血統理論における理想形です。ペースがどちらに振れても対応できます。
追い切り: 1週前は美浦ウッドで強めに追われ、5ハロン69秒1-ラスト11秒1で追走して先着。今回の出走馬の中でもトップクラスの終いの数字です。最終は馬なりで5ハロン67秒9-11秒8、追走して0秒2遅れましたが、調整程度の内容でした。奥村調教師は「前走時より良くなっていると感じます。あとは展開だけ」とコメントしています。
総合: 3着以内の軸として信頼できる一頭。3年連続の好走も十分にあります。
セイウンハーデス(牡7・栗東・橋口慎介厩舎)幸英明騎手
馬情報: 父シルバーステート、母ハイノリッジ、母の父マンハッタンカフェ。2023年の七夕賞で重賞初制覇。脚部不安による長期休養を乗り越え、昨年のエプソムカップを東京芝1800メートルのコースレコードで勝ちました。今年は大阪杯5着、安田記念4着とGIで上位争いを演じています。
データ: 前走安田記念組は毎日王冠で最も好成績のローテーションです。ただし7歳以上は過去10年【0-0-1-14】と苦戦。プリンシパルステークスはリステッド競走のため、2・3歳限定重賞の勝ち鞍にも該当しません。
血統: 父シルバーステートはディープインパクト産駒で、後傾ラップに強い系統。母の父マンハッタンカフェはサンデーサイレンス系で、スタミナを補っています。
追い切り: 1週前は幸騎手が騎乗し、栗東CWで一杯に追われて6ハロン80秒1-ラスト11秒6、追走して先着しました。このとき橋口調教師は「まだもっさりしている」と話していましたが、10月1日(木)の最終追い切りでは栗東坂路を単走で4ハロン53秒1-38秒4-24秒9-12秒4と、余力十分に駆け上がっています。橋口調教師は「全体が53秒くらいでしまい少し強めにという指示で、良かったと思います。舞台はベスト」と納得の表情でした。1週前に残っていたもっさり感は解消されたと見ていいでしょう。
総合: 舞台適性とGIでの実績は最上位クラス。7歳という年齢の壁を越えられるかが焦点です。
ライヒスアドラー(牡3・美浦・上原佑紀厩舎)佐々木大輔騎手
馬情報: 父シスキン、母クライリング、母の父ハーツクライ。東京スポーツ杯2歳ステークス3着を経て、皐月賞では前が残る展開を4コーナー8番手から追い上げて3着。日本ダービーは8着ながら勝ち馬と0秒4差でした。夏は古馬との初対戦となった佐渡ステークスを、進路を塞がれながら自力でこじ開けて勝っています。
データ: 3歳馬は好材料です。ただし前走の佐渡ステークスは3勝クラスで、前走が重賞以外の馬は過去10年【0-0-0-12】と全滅。2・3歳限定重賞の勝ち鞍もなく、データ上は割引が必要です。
血統: 母の父ハーツクライの母の父がトニービンで、本馬はトニービンの血を持っています。ペースが緩まない前傾・平均ラップになれば浮上する血統です。父シスキンを重厚にしたストライドで、長く脚を使える持続力が武器です。
追い切り: 1週前は右回りの美浦ウッドで一杯に追われ、6ハロン84秒1-ラスト11秒1をマークしましたが、手応えではやや見劣りました。最終は10月1日(木)、左回りの美浦ウッドで3頭併せの最後方から、馬なりで6ハロン85秒3-ラスト11秒6。2頭に楽に並んで併入し、本来の活気ある走りが戻りました。佐々木騎手は「左回りの方が動きがいいですね。手前もこちらのサポートがいらない状態で替えられていますし、だいぶ大人になってきた」とコメント。「子供っぽさが抜けた感じ」とも話しています。
総合: 左回りの東京で状態は上向いています。データの壁を地力で破れるかが注目です。
レディネス(牡4・栗東)横山典弘騎手
馬情報: 父スワーヴリチャード。仏1000ギニー3着のラヒーヤの甥で、牝祖ゴールデンオピニオンは英G1コロネーションステークスの勝ち馬です。前走の札幌記念では、内ラチ沿いの4番手から4コーナーで最内に潜り込む見事な立ち回りで、人気薄ながら上位に好走しました。
データ: 4歳は好成績の年齢層です。一方、重賞での実績は上位陣に劣り、人気薄になる見込みです。毎日王冠は人気薄の好走が少ないレースという点に注意が必要です。
血統: 父スワーヴリチャードはハーツクライ産駒で、トニービンの血を持っています。前傾・平均ラップになれば浮上する血統です。母系にダンジグを持つスワーヴリチャード産駒は、レガレイラ、アーバンシックなどと同じ成功パターン。欧州マイラーの牝系で、ベスト距離は1800メートルと見られます。
追い切り: 1週前は横山典騎手が騎乗し、栗東CWで7ハロン96秒2-ラスト11秒4。長めから強めに追われ、追走して先着しました。最終も同じ横山典騎手が騎乗して重馬場のCWを馬なり6ハロン85秒7-12秒7と、ゆったりとした調整でした。1週前で仕上げ、最終で整えるという典型的なパターンです。
総合: 2週連続で本番の騎手が状態を確かめており、立ち回りの巧さは毎日王冠向き。人気薄なら押さえておきたい穴馬です。
シャンパンカラー(牡6・美浦・田中剛厩舎)内田博幸騎手
馬情報: 父ドゥラメンテ、母メモリアルライフ、母の父Reckless Abandon。2023年のNHKマイルカップで、4コーナー13番手から差し切ってGIを制しました。出走馬の中で唯一のGI馬で、GIを含む全3勝を東京コースで挙げています。4走前の東京新聞杯では勝ち馬と0秒1差の4着でした。
データ: NHKマイルカップの勝利で優勝馬の条件は満たしています。ただし6歳以上は未勝利で、近3走の着順も大きく、人気薄が走りにくい毎日王冠では厳しいデータが並びます。GI馬として58キロの斤量を背負う点も楽ではありません。
血統: 父ドゥラメンテ譲りのパワーがあり、時計の掛かる馬場になれば浮上の余地があります。
追い切り: 外厩の牧場でしっかり乗り込んでから帰厩。最終は内田騎手が騎乗し、美浦坂路の重馬場を単走、馬なりで54秒5-13秒0でした。重い坂路で馬なり54秒台は悪くないものの、負荷は軽めです。田中調教師は「毎回そんなに大きく負けていないし、少しでも馬場が渋れば…」と、道悪に期待を寄せています。
総合: 良馬場では割引が必要ですが、馬場が渋れば東京巧者のGI馬として一発の可能性があります。
まとめ
毎日王冠2026の中心は、データ・血統・舞台・調教の四拍子が揃ったリアライズシリウスです。1週前の遅れから最終で一変し、津村騎手が「最後まで引っ張り切れないくらい」と話す仕上がりで、本命に推します。対抗は、キズナ産駒が全馬券内のこのレースで昨年3着、叩き2戦目で力みが取れたサトノシャイニング。父子制覇を狙うアドマイヤクワッズは距離が、調教最高評価のエルトンバローズと2年連続2着のホウオウビスケッツは年齢が焦点です。調教では、2週連続で好時計のドラゴンブーストと、木曜追いで上向いたセイウンハーデス、ライヒスアドラーも注目。枠順は10月2日(金)に確定します。

【毎日王冠2026 当日最終情報】枠順確定・当日馬場・オッズから全17頭を徹底分析!
2026年10月4日(日)15時45分、東京競馬場・芝1800メートルで第77回毎日王冠(GII)が発走します。枠順が確定し、当日の馬場状態とオッズも出揃いました。この記事では当日の最新情報をもとに、出走全17頭を馬番順に1頭ずつ分析します。
当日の馬場状態と傾向
天候・馬場: 東京競馬場は晴れ、芝は良馬場の発表です。今週から秋の東京開催が開幕し、使用コースはAコース(内柵を最内に設置)。夏の休催期間に、コース内側を中心に約3万7000平方メートルの芝が張り替えられており、芝の状態は良好です。金曜日の時点でクッション値は10.1の「やや硬め」、含水率は11%前後とやや乾燥気味で、時計の出やすい高速馬場になっています。
土曜日の東京芝の傾向: 開幕初日だった土曜日の芝レースは、典型的な「内・前有利」の馬場でした。勝ち馬6頭のうち4頭が1〜4番の内枠から出ており、3着以内に入った18頭のうち14頭が10番以内の馬番。さらに勝ち馬6頭のうち5頭が逃げ・先行馬でした。
毎日王冠の枠順データ: 15頭立て以上の多頭数で行われた過去5回では、好走馬15頭のうち10頭が1〜4枠から出ています。脚質では追い込み馬が【0-1-0-24】と壊滅的で、逃げ・先行馬が【3-3-1-13】。中でも偶数馬番の逃げ・先行馬は【3-2-0-4】、複勝率55.6%と抜群の成績です。
まとめ: 内枠・偶数馬番・先行力のある馬が圧倒的に有利な条件が揃っています。後方から外を回る馬には厳しい馬場で、スローペースからの瞬発力勝負になる可能性が高い一戦です。
当日朝の単勝オッズ(変動あり): 1番人気は②リアライズシリウス(2.8倍)、2番人気は⑥ライヒスアドラー(5.0倍)、3番人気は④サトノシャイニング(5.4倍)。以下、①セイウンハーデス(10.1倍)、⑭レイニング(11.5倍)、⑯アドマイヤクワッズ(13.0倍)と続きます。
①セイウンハーデス(1枠1番・牡7・幸英明騎手・栗東・橋口慎介厩舎)
当日オッズ: 単勝10.1倍(4番人気)
東京芝1800メートルのコースレコード保持馬が、最内の1番枠を引き当てました。開幕週の内有利な馬場で、最もロスなく運べる枠です。昨年のエプソムカップを稍重でコースレコード勝ちした舞台で、今年は大阪杯5着、安田記念4着とGIでも上位争いを演じています。
最終追い切りは10月1日(木)に栗東坂路を単走で行い、4ハロン53秒1-ラスト12秒4を余力十分に駆け上がりました。1週前には「まだもっさりしている」と話していた橋口調教師も、「全体が53秒くらいで、しまい少し強めにという指示通りで良かった。舞台はベスト」と好感触。厩舎コメントでも「日を追うごとに気合が乗り、今週は本来の前進気勢でギアも上がった」と、仕上がりは良好です。
前走安田記念組は毎日王冠で最も好成績のローテーションで、父シルバーステートはディープインパクト産駒。後傾ラップになりやすい開幕週の馬場で、血統的な後押しもあります。
課題は7歳という年齢で、毎日王冠で7歳以上は過去10年【0-0-1-14】と苦戦しています。また奇数馬番は、多頭数時のデータでは偶数馬番に劣ります。ただ、最内枠から好位のインでロスなく運べれば、コース適性と地力で上位に食い込む力は十分です。データの壁はありますが、絶好枠を得た当日は評価を上げたい一頭です。
②リアライズシリウス(1枠2番・牡3・55kg・津村明秀騎手・美浦・手塚貴久厩舎)
当日オッズ: 単勝2.8倍(1番人気)
本命候補の3歳馬が、データ上の最高条件ともいえる「1枠2番」を引き当てました。内枠・偶数馬番・先行力の三拍子が揃い、開幕週の内前有利な馬場は追い風そのものです。
今年2月の共同通信杯で、のちの二冠馬ロブチェンを退けて勝ったのが、今回と同じ東京芝1800メートルでした。皐月賞はコースレコード決着の2着。日本ダービーは7着でしたが、距離の影響と見られています。3歳馬は毎日王冠で勝率29.4%と最も好成績で、前走ダービー組は【3-1-1-4】。2・3歳限定重賞の勝ち鞍という優勝馬の条件も満たしています。
最終追い切りは9月30日、美浦ウッドの重馬場で津村騎手が騎乗し、馬なりで6ハロン83秒2-ラスト11秒4。3頭併せで最先着しました。1週前は仕掛けて同じ11秒4を出し、半馬身遅れていたので、1週間で状態が明らかに上がっています。津村騎手は「最後まで引っ張り切れないくらい」「だいぶ緩さもなくなって戦える仕上がりになった」と絶賛。厩舎コメントでも「道中ピタッと折り合い、相手が来れば来るだけ伸びそうな感触」と自信を見せています。
血統面では、父ポエティックフレアにフランス牝系の斬れが加わり、大きなコースの1800メートルがベスト。斤量55キロの恩恵もあります。
懸念点は、1番人気で単勝2倍台という人気の高さだけです。毎日王冠の1番人気は過去10年で7勝、3着内率90%と信頼度が高く、休み明けでも馬券の軸としては最も信頼できる存在です。
③レディネス(2枠3番・牡4・横山典弘騎手・栗東・昆貢厩舎)
当日オッズ: 単勝20.1倍(7番人気)
立ち回り巧者が内枠を引き当てました。前走の札幌記念では、内ラチ沿いの4番手で運び、4コーナーで最内に潜り込む見事な立ち回りで3着に好走しています。開幕週で内が有利な今回の馬場は、この馬の持ち味が最大限に生きる条件です。
父スワーヴリチャードはハーツクライ産駒で、トニービンの血を持っています。母系にダンジグを持つスワーヴリチャード産駒は、レガレイラやアーバンシックと同じ成功パターン。母系は欧州のマイラー血統で、ベスト距離はこの1800メートルと見られます。
1週前追い切りは横山典騎手が騎乗し、栗東CWで7ハロン96秒2-ラスト11秒4。長めから強めに追われ、併せ馬に先着しました。最終も同じく横山典騎手が騎乗し、重馬場のCWを馬なり6ハロン85秒7-12秒7とゆったり調整。1週前で仕上げ、最終で整える典型的なパターンです。本番の騎手が2週続けて跨り、状態を把握している点もプラス材料です。
奇数馬番で、重賞での実績も上位陣には劣ります。毎日王冠は6番人気以下の3着以内が過去10年で2頭しかいないレースで、7番人気の本馬にはやや厳しいデータです。ただ、内枠からロスなく立ち回る器用さは今日の馬場に合っており、2・3着に食い込む穴として押さえておきたい一頭です。
④サトノシャイニング(2枠4番・牡4・西村淳也騎手・栗東・杉山晴紀厩舎)
当日オッズ: 単勝5.4倍(3番人気)
昨年の毎日王冠3着馬が、内枠・偶数馬番の好枠を確保しました。昨年は1番人気に推されながら、前半に力みながらも勝ち馬と0秒2差の3着。今年はその雪辱を期す一戦です。
3歳時にきさらぎ賞を勝ち、皐月賞5着、日本ダービー4着。外傷による約10か月半の休養明けだった前走の中京記念でも3着に入り、今回は叩き2戦目です。父キズナの産駒は毎日王冠で【1-1-1-0】と全馬券内で、後傾ラップに強いディープインパクト系。スローが予想される開幕週の馬場は、血統的にも合っています。
1週前追い切りは西村騎手が騎乗し、栗東CWで強めに6ハロン82秒5-ラスト11秒2と鋭い動き。最終は坂路の重馬場で馬なり58秒0-12秒8と、調整程度にとどめました。杉山晴紀調教師は「1回使ったことでガスが抜けて、力みなくスムーズな追い切りができた」とコメント。課題だった前半の力みが解消傾向にある点は、大きな好材料です。西村騎手は毎日王冠で複勝率67%と、レースとの相性も良好です。
内枠から好位のインで脚を溜められれば、昨年以上の結果も十分に期待できます。前走GIII組は前走1着が勝ち切りの条件というデータはありますが、3着以内の信頼度は②リアライズシリウスに次ぐ存在です。
⑤クルゼイロドスル(3枠5番・牡6・荻野極騎手・栗東・高橋義忠厩舎)
当日オッズ: 単勝174.6倍(15番人気)
父ファインニードル、母スタリア、母の父アルカセット。ゴドルフィンの所有馬で、今回は荻野極騎手に乗り替わります。父ファインニードルは高松宮記念とスプリンターズステークスを制した短距離王で、本馬も血統的にはスピードを生かしたいタイプです。
3枠5番は内寄りの枠で、開幕週の内有利な馬場はプラスです。先行してロスなく運べれば、粘り込みを図る形になるでしょう。
ただし、データ面では厳しい条件が並びます。6歳以上は毎日王冠で過去10年優勝がなく、6番人気以下の3着以内は2頭だけ。2・3歳限定重賞の勝ち鞍もありません。単勝170倍台という人気も、現状の評価をよく表しています。
血統的にも、父の短距離色から東京芝1800メートルでの瞬発力勝負は分が悪いと考えられます。GIで上位を争う実績馬が揃った今回のメンバーでは、上位争いは厳しい一戦です。内枠を生かして前で粘れれば見せ場はありますが、馬券的には押さえまでの評価です。
⑥ライヒスアドラー(3枠6番・牡3・55kg・佐々木大輔騎手・美浦・上原佑紀厩舎)
当日オッズ: 単勝5.0倍(2番人気)
皐月賞3着馬が、内寄りの偶数馬番を確保しました。当日は2番人気の支持を集めています。
皐月賞では前が残る展開を4コーナー8番手から追い上げて3着。日本ダービーも勝ち馬と0秒4差の8着でした。夏は古馬との初対戦となった佐渡ステークスを、進路を塞がれながら自力でこじ開けて勝っています。3歳で斤量55キロ、東京スポーツ杯2歳ステークス3着と東京コースの経験もあります。
最終追い切りは10月1日(木)、左回りの美浦ウッドで3頭併せの最後方から、馬なりで6ハロン85秒3-ラスト11秒6。楽に並んで併入し、本来の活気が戻りました。1週前は右回りで手応えに見劣りがありましたが、佐々木騎手は「左回りの方が動きがいいですね。手前もサポートがいらない状態で替えられていますし、だいぶ大人になってきた。子供っぽさが抜けた感じ」と成長を実感しています。
血統面では母の父ハーツクライでトニービンを持ち、ペースが流れたときに浮上する持続力型です。
最大の懸念はデータです。前走が重賞以外だった馬は、過去10年【0-0-0-12】と1頭も馬券に絡んでいません。2・3歳限定重賞の勝ち鞍もなく、優勝馬の条件を満たしていません。また追い切りでは「折り合いは難しい」とも話しており、スローペースで行きたがらないかがポイントです。地力は重賞級ですが、2番人気ほどの信頼はしにくく、データの壁を地力で破れるかが注目です。
⑦ロングラン(4枠7番・セン8・菊沢一樹騎手・美浦・和田勇介厩舎)
当日オッズ: 単勝245.0倍(16番人気)
8歳のベテランが、中枠の奇数馬番からの出走です。最終追い切りは9月30日、美浦ウッドの重馬場で6ハロン83秒5-ラスト12秒1を馬なりでマーク。併せ馬を1秒5追走して同入しました。
長く第一線で戦ってきた経験は豊富です。しかし今回は、データ面で非常に厳しい条件が揃っています。毎日王冠では6歳以上の優勝がなく、7歳以上は【0-0-1-14】。さらに6番人気以下の3着以内は過去10年でわずか2頭です。
当日オッズは単勝245倍。重賞の上位常連が揃った今回のメンバー構成を考えると、上位争いは厳しいと見られます。中枠からロスなく運び、少しでも上の着順を目指す一戦になりそうです。馬券的には、積極的に狙う材料は見当たりません。
⑧ビーアストニッシド(4枠8番・牡7・原優介騎手・美浦・堀内岳志厩舎)
当日オッズ: 単勝260.5倍(17番人気)
3歳時にスプリングステークスを制した重賞ウイナーで、7歳を迎えました。中枠の偶数馬番からの出走です。
前走はリステッド競走の朱鷺ステークスで13着に終わっています。毎日王冠では前走が重賞以外だった馬が過去10年で全滅しており、7歳以上も【0-0-1-14】と苦戦。データ面では非常に厳しい条件です。
ただ、スプリングステークスの勝利は「2・3歳限定の芝1600〜2200メートル重賞」に該当し、毎日王冠の優勝馬の条件は満たしています。かつては先行力を生かしたレースが持ち味でした。開幕週の前有利な馬場で、偶数馬番を生かして前に行ければ、見せ場を作る可能性はゼロではありません。
とはいえ、単勝260倍の17番人気という評価が示すように、近走の成績からは上位争いは難しいと言わざるをえません。最低人気の大穴として、超高配当狙いでなければ手は出しにくい一頭です。
⑨ドラゴンブースト(5枠9番・牡4・丹内祐次騎手・栗東・藤野健太厩舎)
当日オッズ: 単勝26.5倍(9番人気タイ)
本格化した4歳馬は、中枠の奇数馬番からの出走です。今年は大阪城ステークスを1分44秒0の好タイムで勝ち、マイラーズカップでは9番人気ながら上がり33秒0の脚で勝ち馬に0秒1差の2着。前走の安田記念も、不向きな展開ながら勝ち馬と0秒6差でした。芝1800メートルは2戦2勝です。
追い切りは今回のメンバー屈指の内容でした。1週前は栗東CWで一杯に追われ、6ハロン77秒5の好時計で併せ馬に1秒先着。最終も重馬場のCWで強めに追われ、6ハロン81秒8-ラスト11秒5と、毎日王冠組で最速級の全体時計をマークしています。藤野調教師は「体は随分と大人になりました」と成長を強調しています。
4歳で、前走は最有力ローテーションの安田記念組。スクリーンヒーロー×エンパイアメーカーの機動力ある1800メートル型で、好位からの粘り込みがベストの形です。
課題は、重賞未勝利で優勝馬の条件を満たしていないこと、そして奇数馬番の中枠である点です。開幕週の前有利な馬場で、好位を取れるかどうかが鍵になります。前に行ければ、調教の充実ぶりから上位争いに加わる力は十分にあります。9番人気は妙味のある評価です。
⑩エルトンバローズ(5枠10番・牡6・松若風馬騎手・栗東・杉山晴紀厩舎)
当日オッズ: 単勝25.4倍(8番人気)
4年連続で毎日王冠に参戦する2023年の覇者が、10番以内の偶数馬番を確保しました。土曜日の東京芝では3着以内の18頭中14頭が10番以内の馬番から出ており、許容範囲の枠と言えます。
毎日王冠では2023年1着、2024年3着、2025年5着。今年はしらさぎステークスで約2年8か月ぶりの勝利を挙げ、サマーマイルシリーズの王者に輝きました。前走の関屋記念は、59キロで不良馬場という厳しい条件で5着。今回は57キロに斤量が戻ります。
最終追い切りは松若騎手が騎乗し、普段の坂路から馬場を考慮して栗東CWに変更。重馬場で馬なりのまま6ハロン82秒5-ラスト11秒5をマークし、調教評価は最高の「S」でした。シャドーロールの効果で集中力が高く、直線で自ら脚の回転を上げる機敏な走り。杉山晴紀調教師は「活気もあってデキはキープしています」と話しています。
血統面では父ディープブリランテがディープインパクト系で、後傾ラップの年に結果を残してきました。スローが予想される開幕週の馬場は、この馬に合っています。
データ上は、6歳以上の優勝がない点と、前走GIIIで5着だった点が勝ち切りへの壁です。ただ8番人気はやや人気を落としすぎの印象で、舞台実績と調教の評価を考えれば、3着以内なら十分に狙える妙味のある存在です。
⑪ランスオブカオス(6枠11番・牡4・横山武史騎手・栗東・奥村豊厩舎)
当日オッズ: 単勝108.7倍(14番人気)
父シルバーステート、母ハイドラン、母の父ローエングリン。父シルバーステートはディープインパクト産駒で、毎日王冠で好成績のディープインパクト系に属します。
ただし近走は振るいません。マイラーズカップは11着、前走の関屋記念は13着と、年明け以降は馬券圏外が続いています。今回は横山武史騎手への乗り替わりが刺激になるかが注目点です。
4歳という年齢は毎日王冠で好成績の年齢層ですが、6枠11番の奇数馬番は、開幕週の内前有利な馬場ではやや不利な枠です。後方から外を回る形になると、追い込み馬が【0-1-0-24】と壊滅的なデータに当てはまってしまいます。
単勝108倍の14番人気。血統的な魅力はあるものの、近走の内容と枠の不利を考えると、上位争いは厳しい一戦です。横山武騎手が積極的にポジションを取りにいくかどうかに注目しておきたいところです。
⑫レガーロデルシエロ(6枠12番・牡5・戸崎圭太騎手・美浦・栗田徹厩舎)
当日オッズ: 単勝40.4倍(12番人気)
父ロードカナロア、母デアレガーロ、母の父マンハッタンカフェ。前走の関越ステークスは12着でしたが、後方でじっくり構えて末脚を温存したものの、展開が向かず不完全燃焼の内容でした。一部では「もったいないレースだった」と評価されており、着順ほど悲観する必要はありません。
今回は戸崎騎手とのコンビです。5歳という年齢は毎日王冠で好成績の範囲に入ります。父ロードカナロアのスピードに、母の父マンハッタンカフェのスタミナが加わった配合で、1800メートルの距離は守備範囲です。
ただし、前走がオープン特別の関越ステークスで、前走が重賞以外の馬は過去10年【0-0-0-12】と全滅しています。また6枠12番という外寄りの枠で、後方から運ぶ脚質は開幕週の内前有利な馬場では厳しい条件です。
12番人気という評価は妥当なところでしょう。末脚の破壊力はありますが、今日の馬場と枠順、データを考えると、上位争いはかなり厳しいと見られます。
⑬ホウオウビスケッツ(7枠13番・牡6・岩田康誠騎手・美浦・奥村武厩舎)
当日オッズ: 単勝26.5倍(9番人気タイ)
毎日王冠で2年連続2着の実力馬が、7枠13番からの出走です。外寄りの奇数馬番ですが、この馬は先行力があり、展開予想では逃げ候補の筆頭に挙げられています。外枠からでもスピードを生かしてハナを奪えれば、開幕週の前有利な馬場は追い風になります。
函館記念の勝ち馬で、毎日王冠は2024年・2025年と連続2着。天皇賞(秋)3着の実績もあります。前走の札幌記念は大外枠から先手を取ったものの、早めに来られる厳しい展開で10着でした。奥村調教師は「前走は展開的にかなり厳しかった。1週前追いは鋭い動き。前走時より良くなっている。あとは展開だけ」と話しています。
1週前は美浦ウッドで強めに追われ、5ハロン69秒1-ラスト11秒1で併せ馬に先着。最終は馬なりで5ハロン67秒9-11秒8の調整でした。
血統面では、母の母の父ディープインパクトと、母の父ルーラーシップ経由のトニービンを併せ持ち、ペースを問わず対応できる配合です。
6歳で、2・3歳限定重賞の勝ち鞍もないため、勝ち切りのデータには外れます。ただ、9番人気は明らかに人気を落としすぎの印象です。外枠でも自分のペースで逃げられれば、3年連続の好走も十分に考えられる、妙味のある一頭です。
⑭レイニング(7枠14番・牡4・C.ルメール騎手・美浦・森一誠厩舎)
当日オッズ: 単勝11.5倍(5番人気)
父サートゥルナーリア、母クルミナル、母の父ディープインパクト。全4勝を東京コースで挙げている東京巧者で、むらさき賞では東京芝1800メートルを好位の内で脚を溜め、上がり33秒2で抜け出して勝ちました。
前走の関越ステークスは2番人気で4着。直線で進路が狭くなる場面があり、着順ほどの内容ではありませんでした。全勝利を挙げる東京への替わりは大歓迎で、ルメール騎手とは【2-1-0-0】と好相性。今回の5番人気は、ルメール騎手の騎乗による期待も大きいと言えます。
母の父ディープインパクトで、スローからの瞬発力勝負には血統的な裏付けがあります。脚元の不安がなければクラシック路線に進んでいてもおかしくなかった素質馬で、4歳秋を迎えての成長にも期待がかかります。
ただし懸念材料も少なくありません。前走が重賞以外の馬は過去10年全滅で、重賞での実績もまだありません。さらに7枠14番の外枠で、中団から差す脚質は、開幕週の内前有利な馬場、そして追い込みが【0-1-0-24】という多頭数時のデータでは厳しい条件です。ルメール騎手がどこまでポジションを取れるかが鍵になりますが、人気ほどの信頼はしにくい一頭です。
⑮シャンパンカラー(8枠15番・牡6・58kg・内田博幸騎手・美浦・田中剛厩舎)
当日オッズ: 単勝93.0倍(13番人気)
出走馬で唯一のGI馬が、大外に近い8枠15番からの出走です。2023年のNHKマイルカップを4コーナー13番手から差し切って制し、GIを含む全3勝を東京コースで挙げている東京巧者です。
ただ、陣営が期待を寄せていた「馬場が渋れば」という条件は、今日の晴れ・良馬場では叶いませんでした。開幕週の高速馬場は、父ドゥラメンテ譲りのパワーを生かしたいこの馬にとっては不向きな条件です。
最終追い切りは美浦坂路の重馬場で、馬なり54秒5-13秒0。外厩でしっかり乗り込んでいますが、追い切りの負荷は軽めでした。
データ面でも厳しく、6歳以上の優勝はなく、近3走の着順も大きく、GI馬として58キロを背負います。8枠15番の外枠から差す脚質は、内前有利な今日の馬場、多頭数での追い込み不振というデータとも合いません。NHKマイルカップの勝利で優勝馬の条件は満たしているものの、良馬場で外枠という今日の条件では、評価を下げざるをえない一頭です。
⑯アドマイヤクワッズ(8枠16番・牡3・55kg・坂井瑠星騎手・栗東・友道康夫厩舎)
当日オッズ: 単勝13.0倍(6番人気)
NHKマイルカップ3着の3歳馬は、8枠16番の外枠に入りました。偶数馬番ではあるものの、開幕週の内前有利な馬場で外枠という点は、明確な不利材料です。枠順分析でも「控える競馬をすると厳しくなりそうで、鞍上の思い切りが必要」と指摘されています。
デイリー杯2歳ステークスを京都芝1600メートルの2歳コースレコードで制し、朝日杯フューチュリティステークス3着、NHKマイルカップ3着。3歳で斤量55キロ、デイリー杯の勝利で優勝馬の条件も満たしています。父リアルスティールは2017年の毎日王冠の勝ち馬で、父子制覇がかかる一戦です。
1週前追い切りは坂井騎手が騎乗し、栗東CWで一杯に追われて6ハロン80秒4-ラスト11秒4。オープン馬に先着し、最高評価級の動きでした。最終は坂路の重馬場で馬なり54秒6-13秒4の調整です。
課題は距離と枠の2点です。陣営はもともとマイル志向で、1800メートルで折り合えるかが焦点でした。そこに外枠が加わり、前に行けば距離が心配、控えれば外を回るロスと、難しい判断を迫られます。坂井騎手がどう乗るかに注目です。6番人気は能力を考えれば妥当ですが、枠順で評価を一段下げたいところです。
⑰ダノンエアズロック(8枠17番・牡5・田辺裕信騎手・美浦・堀宣行厩舎)
当日オッズ: 単勝27.1倍(11番人気)
父モーリス、母モシーン、母の父Fastnet Rock。名門・堀宣行厩舎の管理馬で、大外の8枠17番からの出走となりました。
前走のジューンステークスでは初めてブリンカーを着用し、折り合ってスムーズに運んで3着。1週前追い切りは美浦ウッドで、馬なりのまま終い11秒1をマークし、強めの併せ馬と同入しました。動きはハツラツとしており、状態面は良好です。
父モーリスは、毎日王冠の歴代勝ち馬にも名を連ねるスクリーンヒーローの産駒で、母の父Fastnet Rockは豪州のスピード血統。マイルから中距離のスピードを持った配合です。
しかしデータは厳しく、重賞では【0-0-0-5】と掲示板にも入っていません。前走がオープン特別のため「前走重賞以外は全滅」のデータにも当てはまります。加えて大外の17番枠は、開幕週の内前有利な馬場では最も厳しい枠と言えます。
11番人気という評価は妥当なところで、重賞ウイナーが揃ったGIIでは厳しい戦いが予想されます。調教の良さを生かして前に行けるかどうかが、唯一の注目点です。
当日のまとめ

開幕週の東京は晴れの良馬場で、土曜日から「内・前有利」の傾向がはっきり出ています。毎日王冠の多頭数データでも、内枠・偶数馬番・先行馬が圧倒的に有利です。
この条件に最も合っているのが、1枠2番を引いた1番人気の②リアライズシリウス。共同通信杯を勝った舞台、勝ち馬データの完全網羅、最終追い切りでの一変と、すべての条件が揃っており、本命は揺るぎません。対抗は2枠4番の偶数馬番を確保した④サトノシャイニング。内からロスなく運べれば、昨年3着の雪辱を果たせる舞台です。
単穴には、最内の1番枠を得たコースレコードホルダーの①セイウンハーデス。人気を落としすぎている⑬ホウオウビスケッツ(逃げ候補)と⑩エルトンバローズ(調教S評価・10番以内の偶数枠)も、妙味十分の3着候補です。
一方、2番人気の⑥ライヒスアドラーはデータの壁、5番人気の⑭レイニングと6番人気の⑯アドマイヤクワッズは外枠の不利があり、人気ほどの信頼は置きにくいと判断します。





